作成者別アーカイブ: 平田 弘幸

SEOの間違い:業者による有料リンクはリスクしかない

SEOの間違い:業者による有料リンクはリスクしかない

連日のようにWEB担当者にかかってくる営業電話。

「SEOを行えば、ホームページへのアクセスが何倍にもなります」

以前に「手を出してはいけない」と説明をしたはずのクライアントからも、相談を受けることがある。
仕方ない。人間は楽して結果を得たいと考える生き物なのだから。

しかし、SEO業者が行う外部からの有料リンクにによって掲載順位を上げようとする行為は、スポーツでいうドーピング、違反行為でしかないのだ。一時的には順位が上がりアクセスが増えたとしても、必ず「しっぺ返し」を食らうことになる。
「しっぺ返し」と柔らかく書いたのは、当社のクライアントへの配慮だ。配慮をしないでいいのなら、明確にドーピングレベルの違反行為だと断言したいほど、WEB担当者として「やってはいけない行為」なのだ。

Googleは有料リンクを認めておらず、そのようなリンクが張られているWEBサイトを検索データベースから排除するペナルティを課しているほどのことなのだ。

有料外部リンクを排除するとしたGoogleのアナウンスから久しく経つものの、いまだにクライアントから相談を受けるということは、まだ一般的な認識としては極めて低いステータスにあるということだ。このコラムでは、有料リンクがいけない理由、Googleを含めたすべての人が受け入れ、あなたのWEBサイトのためになるプロモーションについて言及する。

GoogleがSEO業者の有料リンクを認めない理由

SEO業者による有料リンクをGoogleが排除していることはすでに伝えた。ではなぜそのようなことを行うのだろうか。それはGoogleがコンテンツメーカーではないことによるものだ。

Googleは検索エンジンであって、独自のコンテンツを持たない。
世の中にあふれる途方もない数のコンテンツから、「あなたが探しているものは、これではないですか?」と候補を差し出すだけだ。

ということは、Googleがあなたに候補として差し出したコンテンツが使い物にならないものであったなら、あなたはSNSで「Google 使えねぇ」とつぶやく。そのつぶやきは瞬く間にネットを駆け巡り、使えない検索エンジンとしてネットから追放されかねない。

一方、SEO業者による有料リンクは、外部から多くリンクを張ることで検索順位を上げようというもの。
あなたは困りごとを解決しようとした際に、有料リンクによって順位が上がったWEBサイトで満足するだろうか。純粋に高評価を得て上位に掲示されたのではなく、たいした内容でもないのに金で買った評価で上位表示を得たサイトに。
あなたはおそらく何の解決策も見い出せず、何の感想も持たないまま別のリンクをたどるだけ。しかし、もし次々と使えないWEBサイトが出てきたらどうだろう?

苛立ちを覚えたあなたは、
「Google 使えねぇ」とTwitterでつぶやきたくなるに決まっている。

そうなのだ。
外部からのリンクだけによって掲載順位が上がったWEBサイトなど、あなたに何の解決策ももたらさないし、Googleの評価を下げるだけの「悪」なのだ。だからGoogleは検索エンジンとして有料リンクを認めず、徹底的に排除したいと考えているわけだ。

Googleが出したSEOに関する指針

GoogleはPageRankという思想をもとに、ページの評価(検索順位を決定するための指標)を行ってきた。PageRankとは、WEBサイトのページに対してランク付けしたようなもので、ランクの高いページは検索順位も高い。さらに、PageRankの高いページからリンクを張られているページも評価は高くなる。
簡単にいうと、「美人が推薦する美人」をたどっていくと、究極の美人に会えるのではないかという「美人数珠つなぎ(1983年から1985年まで関西ローカルのみで放送された深夜番組「TV-JACK」のコーナー。桂小枝が担当)」理論だ。

これを悪用するのが、SEO業者の有料リンクというわけである。
PageRankの高いWEBサイトを用意し、契約した客のWEBサイトにリンクを張る。するとGoogleは「○○サイトさんがリンクを張るぐらいだから、ここも優秀なサイトなんだろう」と評価を上げるため、検索順位が上がってしまう。
しかしこれを野放しにしておくと、Googleが行うページ評価が正当なものではなくなり、金を持っている者が勝つことになってしまう。これに対し、Googleは2009年有料リンクに関する公式なコメントをリリースしている。今ではリンクを張った側、受けた側のPageRankを下げることにしているのだ。


ウェブマスター向け公式ブログ「有料リンクについて(2009年2月18日)」


前述のように、Googleは自社が行うページの評価を正確なものとするために、あらゆるスパム行為を排除している。有料リンクもそのひとつで、SEO業者から買った有料リンクは何の意味も持たないし、逆にWEBサイトの評価を下げてしまう可能性さえある。

そうはいっても、天文学的数字のページが存在するネットの世界なのだから、Googleが見逃したり、何か抜け道があるんじゃないのか?

あなたはそう思うかもしれない。
しかし一般人が考えるような抜け道も、Googleはお見通しだ。相手はIQ200を超える頭脳の集まり。かなうわけがない。諦めるほうが得策だ。

悪徳SEO業者の巧みなやり口

「外部のWEBサイトからリンクが多く張られれば、それだけ支持を得られているとGoogleが判断するんです」
「運用実績のある確実な方法ですよ」

上手い話には裏があると考えてほしい。
そもそも金で買った1位など、あなたのWEBサイトに何の利益ももたらさない。課題を解決しようとする人は、あなたのWEBサイトに解決策がないことをすぐに見抜くからだ。

悪質なSEO業者は、あなたの想像以上に狡猾(こうかつ)だ。
結果が伴わなければ、お代はいただきませんと、「成功報酬」で契約する。
しかし彼らは契約後、何もしない。ただ検索順位をチェックするだけだ。

Googleのアルゴリズムの組み合わせで、それまで下位にあったWEBサイトが偶然上位に顔を出すことがある。彼らはそれを見逃さない。
「やりましたよ、○○で3位になりました!」

Googleのアルゴリズムの変化が偶然引き起こした検索上位の結果に対して、あなたは成功報酬をだまし取られることになるわけだ。ほとんど「オレオレ詐欺」の世界。多くのWEBマスターがまだ成功報酬型の悪質業者に騙され続けているのが現実だ。

正攻法のSEOとは

Googleは検索エンジンとしての生き残りをかけ、良質なコンテンツを検索者に差し出せるよう、上位表示アルゴリズムを日々進化させている。

正直なところ、少し前は検索結果に「なんじゃこれ?」というコンテンツが含まれていた。
しかし、外部の有料リンクが張られたコンテンツがGoogleのデータベースから消えつつあるいま、上位に表示されるWEBサイトは、ためになるものが多い。助けられた経験も数えきれない。以上から、ひとつの事実が分かる。

検索者にとって有意義なコンテンツだけが上位に表示され、アクセスを独占できる

筆者は、ネットを愛する者としてすべてのWEB担当者に伝えたい。
いいコンテンツを作ることが、アクセスを伸ばす近道であり、大きな利益をもたらす。

では、何がいいコンテンツなのか・・・。
そんなことは知らない。

それを知るには、思い浮かんだキーワードで検索した結果をチェックすることだ。それぞれのWEBサイトには、異なる視点で構成したコンテンツが存在している。上位に表示されているすべてのWEBサイトが、「なるほど」と感じられるコンテンツとなっているはずだ。

だから、
あなたがWEBサイトを上位表示するために行うべきは、あなたのコンテンツに

  • 上位のコンテンツの内容を凌駕するほどの内容を盛り込むこと
  • 下位とは異なる視点が備わっていること

正攻法のSEOが長く効果を得られる理由

すべての効果が長く続くわけではない。それは、検索順位は市場原理が働くからだ。
つまり実際の市場でも、あなたの会社が画期的な新商品をリリースしても、数カ月後には競合他社が似たような商品をぶつけてくる。独占的に売れていた新商品市場は、プレイヤーに魅力的な市場であればあるほど、混とんとした状態になるものだ。

検索順位も、競合他社があなたのコンテンツよりも検索者が有益と感じるコンテンツに改良すれば、表示順位が入れ替わる可能性はある。リアルでもバーチャルでも、しのぎを削る必要があるということだ。

ただ、リアルの市場で競合する他社すべてがネット戦略に注力しているわけではない。あなたが先陣を切って優れたコンテンツをリリースすれば、状況によっては長い間ネット上で業界の「リーディングエッジ」となれる可能性がある。
現在のマーケティングでは、「ネットで検索することから購買はスタートする」ことが認知されている。いちはやく優れたコンテンツでリードし、ユーザー候補の共感を得ることは、あなたの会社に大きな利益をもたらすことにつながるのだ。

プレゼンのコツ。話し方次第で確実に勝てる、3つのポイント

プレゼンのコツ。話し方次第で確実に勝てる、3つのポイント

コンペの勝者は、競合他社との比較でのみ決定される。
誤解を恐れずに言ってしまうと、あなたの企画が大したことはなくても、他社よりほんの少しでも抜きんでていれば、勝てるのだ。しかも残酷なことに、勝者以外には何の救済措置もない。1位の会社の補佐としてプロジェクトを任されることなどあり得ない。つまり、決して2位ではいけないのだ。

もうひとつ残酷なことを加えておこう。
あなたは、コンペのために関係各部門で調整を行い、それなりの時間を費やしてきたはずだ。なのに負けてしまったとしたら、会社からすれば敗者であるあなたは、会社に損害を与えた「できない君」でしかない。

もしあなたが忘れていたプレゼンの基本中の基本をこのコラムを読むことで思い出してくれたなら、状況は一変する。あとは競合他社より少しだけ抜きんでる方法を身につけるために、あなたはほんの少し努力するだけで済むはずだ。

プレゼンのコツ1. 自信は信頼につながる

自信は信頼につながる

自信を見せる、は精神論的に感じる人がいるかもしれない。しかし考えてみてほしい。おもしろい、楽しい、ためになることを提案してくるプレゼンターは、ことごとく自信ありげに話している。テレビショッピングの売り手、セールスマン、やり手の営業部長、あなたがこれまで出会った名プレゼンター誰もが、その言葉に自信をみなぎらせていたはずだ。

自信が感じられない言葉は、相手に伝わらない。相手の心を揺さぶることは決してない。

大きな声は自信の表れ

大きな声は自信の表れ

プレゼンは相手に自分の企画を伝えないと意味はない。あたりまえのことだが、自信がないからか、普段からはっきり話すことをしていないからなのか、プレゼンのときにも、ボソボソと話している人がいる。

最初は提案を受ける側も、いい提案ならと積極的に採り入れたいと考えているので、なんとか聞き漏らさないようにしようと、積極的に耳を傾けてくれるもの。しかしそのうち我慢も限界に達してくる。

  • 自信がないなら、提案するな。
  • あのボソボソと長く付き合うのは面倒だ。

とまで感じ始め、後半は前のめりだった姿勢も、いつのまにかふんぞりかえって目はうつろ、「早く終わってくれ」と顔の前に手を合わせて懇願ポーズをとる人まで出る始末。これでコンペを勝ち抜けるわけがない。ボソボソ話すのを改めない限り、競走馬「ハルウララ」のように連敗記録を一生更新することになる。

「思う」ではなく、「です」

「思う」ではなく、「です」

不確定な時代を反映してのことなのか、相手を説得しかかっているはずなのに「~と思うんですね」と口グセのように繰り返す人が多い。提案を受ける人は、説得されてもいいと、気持ちの準備をしているのに、提案者から肝心なところで「思う」と言われると、スッと気持ちが離れて行ってしまう。大きな責任を負い成功させたいと願うプロジェクトなのに、そんな自信がないように聞こえる人の提案など聞く時間はないと感じてしまうのだ。

相手はプロとしてのあなたの言葉を待っているのだ。
たとえ内心は自信がなくても、「思う」などという「逃げ」ととられかねない言葉は口にせず、堂々と「です」と締めくくろう。

プレゼンのコツ2. ストーリーで話す

ストーリーで話す

ストーリーでプレゼンするというのは、何も「おはなし」を作れというわけではない。
提案全体の組み立てをロジカルにしなさいということだ。

突然デザイン案が出てきたり、システム案を持ち出しても、提案を受ける方は「彼が言っていたコンセプトを踏まえると、このデザインになるのだな」と咀嚼(そしゃく)してくれることはない。むしろ、コンセプトとデザインが分離した状態になるだけ。記憶のなかに、あなたがじっくり煮詰めた珠玉のコンセプトが焼き付くことはないのである。

御社のWEBにはココが足りない、しかしこのコンセプトでいけば、もっと良くなる、そのためにはこのデザインが効いてくる、このシステムが必要なのだ、とロジカルに伝えれば、あなたの思いはクライアントの記憶に鮮明に残るはずだ。

プレゼンのコツ3. 聴衆を巻き込む

聴衆を巻き込む

関西では、プレゼンの冒頭で笑いを取るのは必須条件だ。最終審査に残れるかどうかが決まると言ってもいい。厳しい世界である。
笑いをとれるとなぜ最終段階まで一気にのし上がれるか。提案を受ける側は、長期間にわたって付き合えるかどうか、そりが合うかどうかも重要な指標にしているということだ。いくら提案が良くても、「この人と付き合うのは骨が折れそうだな」と感じると、同レベルの提案が他社から出されていたなら、間違いなく付き合いやすいプレゼンターに勝利は流れる。

要は、自分たちとフィーリングが合っていると感じさせること、フランクに付き合えるかどうかをアピールすることが大切だということだ。

だから、無理して笑いを取る必要はない。
何かのアクションをしてもらい、それがおもしろかった、楽しかったと感じさせるだけでも、「長く付き合う」ことにおいては、競合他社より優位に立てることになるのだ。聴衆をあなたのペースに引き込んで、「なるほど」と感じさせることが重要だということだ。

プレゼンで、もっとも大切なこと:時間内におさめ、勝つための練習を

時間内におさめ、勝つための練習を

プレゼンは、緩急をつけよう。
けっこうな量の提案をしなければいけない場合には、ひとつずつ丁寧に説明すると、時間は足りなくなる。制限時が設けられていることがほとんどであるコンペでは、必ず制限時間内にすべての提案を終えられるように組み立てておく。

プレゼンを時間内に終わらせるには、まずひと通り練習を行うことをおすすめしたい。
一人で練習すると、どうしても早口になるので、わざとゆっくりめに話してみる。もしくは同僚にチェックしてもらおう。
そこで気づくことが必ずある。時間配分、組み立てだ。話していて、何か違和感を感じたら、おそらくクライアントも同じように違和感を覚えるはず。そのときは、提案書の内容やプレゼンの組み立てを躊躇せず改善しよう。

最後にすすめしたいのは、鏡の前で練習を行うことだ。あなたの上半身が映るような、できるだけ大きな鏡の前で。
鏡に映っているのはあなたなのだから、恥ずかしがる必要はない。自分の目を見ながら、態度や表情をチェックする。きっと変なクセや改善点が見つかる。

提案内容をキレるものにするテクニックはマッキンゼーあたりのコンサルティングファームに任せると考え、プレゼンに際しての心構えについてお話しした。
最後に、「コンペの勝者は提案の内容だけで決まるものではない」ということを伝えておきたい。すべてのコンペがビジネスライクに企画内容や見積もり、ロードマップの妥当性で評価されるなら、下手くそなプレゼンなど求めず、提案書の提出だけで決めればいい。世の中のコンペがプレゼンの場を設けているのは、提案者であるあなたの処理能力、準備にかけた努力、そして何よりあなたの人間力を評価しようとしているからだ。

企画内容のアイデアのキレ具合を磨くために苦心するより、プレゼンの場を盛り上げる方法にもアイデアを注いでみよう。きっとあなたの勝率が格段にアップすることは間違いない。

コーポレートサイトで機能する、退職者ポータルの役割

コーポレートサイトで機能する、退職者ポータルの役割

永年まじめに勤めてもらった退職者に、まだまだ活躍してもらえる方法がある。
上場企業であれば、元社員持ち株会の会員である退職者が一定の手続きを経て、個人株主になっていることも多い。毎月の給料から少しずつ積み立てていたわけだから、持ち株数は少なく、一人で経営に影響を及ぼすようなことはない。しかしそれがまとまれば、大きな影響力を持つようになる。株式のことだけでなく、会社にとって外部の人たちからの意見を上手く吸い上げるしくみ(外部とはいえ、退職者から意見を吸い上げるのは一般の人たちから意見を求めるより容易)を持つことも「社会の公器」としての企業には必要なことであるはずだ。

直接公開はしないまでもコーポレートサイトの1機能として、退職者とのコミュニケーションを活発にする手段に「退職者ポータル」の開設・運営がある。今回は、退職者ポータルの果たすべき役割と機能についてご紹介していこう。

退職者ポータルの機能1:訃報連絡

訃報連絡

いきなり縁起でもない話だが、退職者ポータルで発信する情報として、訃報連絡は非常に大切だ。
退職後、密にコミュニケーションをとっている仲であれば、何かあればすぐにご家族や知人から情報が入るだろうが、在職中に関係のあった人すべてといつまでも連絡を取り合っていることは少ない。連絡が来ず、お別れができなかったなどということがあれば、世話になった人に申し訳が立たないと感じてしまうだろう。

遠く離れていて退職後疎遠になってしまったとしても、退職者ポータルから○○年退職の○○さんが・・・と連絡がもらえれば、何らかの行動を起こせる。通夜のあと、故人の功績を仲間たちと語り合う機会ができるかもしれない。そういった場ができれば、退職者ポータルとの関係性もいっそう高まるということにもつながる。

ここで課題となるのは連絡方法だ。
携帯であれ、PCであれ、メールを受け取れる環境にあるのなら、完璧だ。情報配信は、ほぼ無料で行える。
その手段がない退職者にはファックスで伝えたい。自動音声による電話もあるが、夜中は連絡ができないなど面倒なことがつきまとう。筆者のおすすめは、メール、ファックスによる自動配信だ。メール、ファックスともにPDFファイルを登録すれば、名簿に基づいて自動で配信してくれるサービスもあるので、ぜひ活用したい。

退職者ポータルの機能2:人事異動ニュース

人事異動ニュース

在職者の人事異動を退職者にも知らせる機能だ。告知の方法は、HTMLページ、PDFファイルなど、どんなものでもかまわない。
人事は組織に属するものにとって、週刊誌のゴシップ記事みたいなもの。退職しても、その関心度が簡単に薄れることはない。

  • ○○事業部の製造部長に○○がなった・・・「おぉ、私が見込んで育てただけのことはある」
  • ○○センターの部長付けとして○○が異動・・・「明らかに左遷だ。あいつ、とうとう化けの皮がはがれたか」

といった具合に、勝手な想像をめぐらせながら食い入るようにデータをのぞき込む。
いつの時代も、社内報の人事異動ページは在職者にとってキラーコンテンツであり、それは退職者にとっても同じこと。この情報は、退職者と会社との関わりを唯一感じさせる貴重な情報源でもあるのだ。

退職者ポータルの機能3:社内報

社内報

人事異動と同じく、退職者の関心は卒業した会社で何が起こっているかだ。
社内報で語られる内容など表面的なことばかりだが、それでも会社から離れ、社会との接点が希薄になりがちな退職者にとっては、ほんの少しの情報でも非常に楽しめる。
ほんの少しの情報でも喜々としてくれる退職者は、ある意味まじめな読者だ。もしかすると、端から端まで一言一句読み飛ばすことなく精読してくれているかもしれない。社内報の編集者は、感謝の思いとともに、在職者と同等レベルでその存在を意識しておきたい。

在職者にとっても大切なことではあるが、経営陣からのメッセージは退職者にとっても貴重なものだ。
私たちは近い将来、会社をこうしようと考えている、最近会社を取り巻く状況はこのように厳しいが、そんなことに負けずリードしていくぞ、などなど。退職者はきっと熱い思いとともに、熱烈なエールを送ってくれるはずだ。

退職者ポータルの機能4:会員住所変更

会員住所変更

退職後数年はそのままの住所で居続ける人が多いだろうが、そのうち家族の事情や健康上の理由から転居する退職者は多い。定期的に開催するOB会の連絡など、退職者の居所を把握しておくことは非常に重要だ。
個人情報を多く扱うことにはなるが、セキュリティには十分留意すれば、退職者たちは自主的に名簿を更新してくれるのだから、担当部署の事務量低減にも貢献してくれる。

退職者には、お客様レベルで対応しよう

退職者には、お客様レベルで対応しよう

退職者は、あなたの会社にとって大切な人であるはずだ。真摯に仕事に向き合い、会社の礎(いしづえ)を作り、大きく成長させてきた。直接影響のない社外のひと、うるさいだけ、などと思わず、彼らをリスペクトし、退職者ポータルを立ち上げ、十分な手間をかけてもてなそうではないか。

冒頭で挙げたように、彼らが果たしてくれるかもしれない役割は多いのだ。打算的に考えても、とまでは言わないが、退職者が自分の意思で会社に貢献してくれるかどうかは、退職者ポータルといったツールをはじめとする会社の考え方にかかっている。無償でうごいてくれるかもしれない退職者たちが会社の意気を感じてくれる「退職者ポータル」を立ち上げ、彼らと一緒に会社を良くする取り組みをまずひとつ、はじめようではないか。

オフィスのBGM、職場環境を格好よく+コスパ最高に

オフィスのBGM、仕事環境を格好よく+コスパ最高に

オフィスに心地よいBGMを流すことで、無味乾燥な空間は快適で仕事の効率を高められるものに生まれ変わる。

創業以来、オフィスにBGMを流し続けていることだけで、当社が最高の職場空間になっているとまでは言えないが、スタッフからも「居心地がいい」と評判だし、外部の方からも「いいですね」と言われることも多い。

このコラムでは、最近新しくしたBGMのしくみをご紹介することで、あなたがイメージする理想のオフィス環境創造のヒントになれば幸いだ。

オフィスで流すBGMの効用

オフィスで流すBGMの効用

有料のオフィスBGMサービスを行っているUSENやKOKUYO、ミュージックバードなどがうたう効果のなかで、なるほどと思えるのが「イメージ誘導効果」だ。

始業前に営業職なら今日の戦いに備える心づもりを、ショップなら顧客の気分が上がり商品の購入に至る雰囲気づくり、カフェなら落ち着きがあり、話しやすいイメージのBGMに。たしかに、その場で聞こえる音はメンタルに大きな影響を及ぼしている。
自分の記憶が当時よく聞いていた音楽と結びついているのも、このあたりが関係しているのではないだろうか。

購買行動がBGMに影響されるのなら、オフィスでも時間帯に合ったBGMを流すことで効率を良くすることができるかもしれない。ただ、当社はそこまでスタッフを外的要因でコントロールしようとは思わないし、そうしなければ効率が上がらないようなレベルの人間はいないので必要はないが。

BGMでプライバシーを守る、マスキング効果

BGMでプライバシーを守る、マスキング効果

軽いノイズしかないオフィスで問題なのが、スタッフ同士の会話が聞こえてしまうこと。業務の話であっても、どうしても会話は耳に入ってくる。いやおうなく意識してしまうのだ。他のスタッフに伝える必要のない内容だったとしても。

まずい対応を先輩社員から指摘されることも、本人にとっては周囲に聞かれたくないことだろう。そういったプライバシーをある程度守ってくれることもオフィスに流れるBGMの大きな効果。会話が100%聞こえないくらい大きな音量でBGMを流す必要はない。ある程度で十分だ。

BGMにふさわしくない音楽も

BGMにふさわしくない音楽も

当社は10年ほど、CDをMP3に変換してBGMとして流していた。CD1枚にMP3なら音楽CDが6-7枚分は入るので、交換の手間も少なくて済む。流すBGMはスタッフが選んだものだが、選ぶにあたってはひつとだけルールがあった。
日本語の歌モノは厳禁。前述の「会話が耳に入ってしまう」のと理由は同じ。どうしても意識が歌詞を追ってしまうからだ。

私は好きでゴンチチを選んでいたが、彼らのアルバムのなかで、「北海道は、どこにある?ここにある!」だけは大失敗だった。歌詞があるのだ。

女性ボーカルが「北海道、北海道、北海道はどこにある?」と延々繰り返す。気に入ったアルバムの1曲だし、長いわけでもないので放置していた。しかしある時、女性スタッフが「また北海道探してる。まだ見つからないのか~」と思ってしまう・・・と話していた。

そうなのだ。やはり、日本語の歌モノはオフィスのBGMには使えない。

ベストなオフィスのBGM選択

ベストなオフィスのBGM選択

これまでの経験や反省をもとに、当社が一新したBGMのしくみについてご紹介しよう。
使わなくなった古いタブレットにアプリをインストールし、ネットラジオでエンドレスにジャズを流す。どうだ。格好いいだろう?最先端な感じだ。
実は、セッティングしてBOSEのスピーカーから音が流れ出した瞬間、思わず「おぉ~」と唸ってしまったことを正直にカミングアウトしておく。

ネットラジオを使えば、世界各国の放送を聴取することができる。北海道の地方局だろうが、アジアの民族音楽専門チャンネルだろうが、地球の裏側の流行歌謡(言い方が古すぎるって?気にしない、気にしない)だろうが大阪のオフィスにいながら、現地の雰囲気を味わうことができるのだ。

そのなかで我々が選択したのがジャズ。クラシック、パリのカフェ風、ピアノソロ、トリオ、ボーカル、フュージョン、なんでもチョイスできる「JAZZ RADIO」というアプリ。ジャズはオシャレっぽくて、仕事の邪魔になることもなく、ゲストが来ても「ふ~ん」と感じてもらえるところが良いのである。
かくして、当社のBGM音源は決まった。

音楽はカラダ全体で感じるもの。BGMでも。

音楽はカラダ全体で感じるもの。BGMでも。

学生時代、軽音楽に打ち込んでいた私に世話になっていた練習スタジオのオーナーがいつも言っていたこと。
「音楽はダイナミクスだ。生の演奏とレコード(当時の音源の主流はまだレコードだった)の違いはこれだ」

人を感動させる演奏は、音量の大小、強弱があるかないかだということ。MP3の音源を小さなヘッドフォンでどれほど長く聞いていても、演奏は上達しないし、耳も肥えない。小学校で習ったpp(ピアニシモ)からff(フォルティシモ)までを使ったダイナミックな演奏があってこそ人は感動できるのだということを理解しないと、音楽を語る資格などない、というのである。

私はオフィスのBGMを一新しようと決めた時、なぜかこの教えを思い出した。

「そうだ。重低音も必要だ」
その瞬間、ヨドバシでYAMAHAのサブウーファースピーカーをポチっていた。

まったくの衝動買いではあったが、これもオフィス新BGM作戦の成功要因のひとつだ。アンプにつながれたサブウーファーから流れる重低音は、天井から吊り下げられたBOSEの小さなスピーカーを見事に補完してくれている。確実に音質に深みが増したし、当社で流れているジャズのベース部分がスタッフたちの体にリズムを刻むことになった。

最後に。意外と大切なスピーカーコード

最後に。意外と大切なスピーカーコード

音源、サブウーファー、オフィスの新BGM作戦で追加導入したもののなかで、決してないがしろにしてはいけないのだと実感したものがある。スピーカーコードだ。

スピーカーコード!?なんじゃそりゃ!と思うなかれ。大事な音源を出力するアンプやスピーカーは大切だが、その信号を運ぶスピーカーコードだって快適なBGMを流すためには重要なファクターなのだ。

それまでオフィスで使っていたのは、安物のステレオセットについていた、へなちょこのコード。見るからに細く貧弱だったが、あなたと同じように「電気信号が通ればいいんでしょ」ぐらいに考えていた。何もなければ、そのまま使い続けていたかもしれない。

しかしあるとき、片方のスピーカーから音が出なくなり、どこかでスピーカーコードが断線しているのかもしれないと気付いたことがきっかけで、そこそこのもの(スピーカーコードで音が変わるなどと考えていなかったので、そんなに高いものを買ったわけではない)に買い替えた。するとどうだ。これまでシャカシャカと薄っぺらい音を垂れ流していたBOSEから、ものすごくピュアな音がこぼれ出したのだ。

スピーカーコードによって音質が見違えるということが私のなかでは、「目からウロコ」賞トップ当選もの。色気づいた中学生の頃に買ってもらったステレオセットから数えて40年も経ってはじめてその重要性に気づいたのだから。

私の気の迷いで、一気に一新された当社のオフィスBGMは、オフィス環境を劇的に変えたと言っていい。少なくとも「また北海道探してる」と考えてしまうスタッフはいなくなったし、雰囲気だけはオシャレそのもの。少しの投資で心地よく職場環境の改善に貢献するBGMの効果を、あなたもぜひ実感してほしい。

最強トラックボール、M570がすべてを解決してくれた

最強トラックボール、M570がすべてを解決してくれた

筆者がトラックボールを使い始めて12年。最初はWindowsマシンで走らせていただけだったが、最近はMacでデザイン系の仕事をする際にも使うようになった。クライアントに何かをハンズオンで教えたり、何らかのトラブルがあって他人のPCを使わざるを得ない状況になってしまい、ふつうのマウスを使ったりすると私のPC操作は極端にパフォーマンスが落ちてしまう。それほどトラックボールに依存しているのだ。

筆者がそれほどトラックボールにこだわるのは、PCにもれなく付いてくる「どうでもいいマウス」を速攻で捨て、個人的に追加のコストを払ってでも、余りある大きなメリット(肩がこらない、腕が疲れない、正確にポインティングでき、作業の効率が良くなるなど)があるからだ。

しかし、しかしだ。
よのなか、トラックボールに対する認識が低すぎる。
ものすごい時間をPCの前で過ごしている割には、操作機器に対するこだわりがないのだ。ほんの少しだけ、慣れるまでの時間を確保するだけで、すばらしい体験が待っているというのに、だ。

この記事では、それほどまでにトラックボールに依存してしまう理由をお伝えしながら、あなたにぴったりのトラックボールを探してみたいと考えている。

トラックボールとは何モノなのか

トラックボールとは何モノなのか

1952年にアメリカで軍事目的として開発されたトラックボール、マウスの構想が明らかにされたのがその10年後だから、トラックボールの方がポインティングデバイスとしての歴史ははるかに古い。

しかも、そもそも90年代のノートPC(Windows3.1~Windows95のころ)には、かなりの確率でトラックボールが搭載されていた。しかしタッチパッドの登場により、「標準搭載」の座を各社で譲り渡してしまい、トラックボールの存在を目にすることが少なくなってしまった。
トラックボールの使い勝手に慣れていたユーザーからは、「なぜそんなことを」と反対する向きも多かったが、時代の流れに負けてしまったのだ。

その原因は、トラックボールには機械的なしくみが必ず必要で、なおかつ場所をとるからだ。
まず、ある程度の大きさのボール、その転がり具合を検知するセンサー、クリックボタン数個。クリックボタンのスイッチ部分を含めて、機械的な薄さを追求できそうなタッチパッドとは、軽量化、最小化を進めていた当時のメーカーからすれば、トラックボールの使い勝手を捨てるしかなかったのだろう。

かくして、トラックボールはノートPCにおけるポインティングデバイスの地位をたちパッドに明け渡すことで、PC全般においてもそのステータスを危うくすることになってしまった。

トラックボールのメリット

詳しくは、すでに公開している筆者の記事「トラックボールの利点を見逃すな。愛用者が伝えたい7つのこと」を参照してほしい。

トラックボールの利点を見逃すな。愛用者が伝えたい7つのこと

ここでは、その要点をまとめて紹介しよう。

  • 右手を移動させることがないので、肩にかかる負担が少なく、疲れづらい。
  • 親指の筋トレになり、指相撲で敵がいなくなる。
  • ポインティングしやすいので、仕事が早くなる。
  • 誰でも気軽に使える。
  • ほぼ音がしないので静か。隣の同僚に迷惑をかけずに済む。
  • マウスパッドが不要になり、金持ちへの入り口に立てる。
  • メンテナンスも簡単、壊れないので非常にエコ。

ワイヤレスタイプの方が便利か

ワイヤレスタイプの方が便利か

トラックボールを移動させることはほとんどないので、デスクの上をコードが這っているのが嫌いな人はワイヤレス、気にしない人はワイヤードでいいと思う。
筆者が使っているロジクールのM570tは、UnifyingなのでUSBをひとつ占拠してしまう。Bluetoothのものがあればいいのだが、今のところ各社ともなぜかこのタイプは皆無だ。

「Unifying」

ロジクールが提唱する、独自の無線通信規格のこと。産業用(Industry)、科学用(Science)、医療用(Medical)に確保された周波数帯のうち、2.4GHz帯を使用している。

おすすめは、親指操作タイプ

トラックボールには大きく分類すると、筆者が愛用する親指操作タイプ、人差し指操作タイプ、手のひら操作タイプの3種類がある。これらのタイプの違いも、すでに前掲の記事で紹介しているので、ぜひ一読いただきたい。

トラックボールの利点を見逃すな。愛用者が伝えたい7つのこと

左利きの人にも朗報の新製品登場

左利きの人にも朗報の新製品登場

2015年10月に発売されたエレコムのM-XT4DRBK。GFHK方式のワイヤレスタイプで、机の上もすっきりだ。
何より、左利き用のトラックボールが発売されなかったのがトラックボールの普及に水を差しているのではないかと感じるほど、各社とも黙り状態だったことを考えると、画期的な第一歩だったかもしれない。
左利きでトラックボールを使ってみたかった人にも好評だが、右利きだからこそ左利き用トラックボールが必要なのだという強者もいる。ポインティング操作を左手で行い、右手はお菓子を食べたり、飲み物を飲んだりできるから、だそうだ・・・。

ともかく、トラックボールというニッチなカテゴリーに加えて、左利き用のさらに絞り込まれた市場に切り込もうと大英断を下されたエレコムに、最大の賛辞を贈りたい。

エレコム・左利き用トラックボールM-XT4DRBK

トラックボールは、世界を変える

トラックボールは、世界を変える

現状では、ほぼマニア用といった印象の強いトラックボール。しかし、これまで伝えてきたように、このポインティングデバイスは、全国区になる資質十分のツールだ。

筆者は12年もの間トラックボール一筋だったから、もちろん大きく肩入れしていることは認める。しかし、疲労軽減、体力増強、エコなどなど、トラックボールがマウスよりはるかに、世のためになると確信しているから、力強くすすめてしまうのだ。ぜひあなたも、このめくるめくトラックボールの世界へ飛び込んできてほしい。

筆者愛用トラックボール「ロジクール M570t」

コーポレートサイトの採用情報:エントリーさせる考え方

コーポレートサイトの採用情報:エントリーさせる考え方

コーポレートサイトの採用情報は何のためにあるのだろうか。
現状では大手のリクルートサイト経由のエントリーがほとんどだが、件数は十分だと感じている。予算の都合上、大手企業のようにコーポレートサイトできらびやかなコンテンツを作るわけにもいかない・・・。

リクルートサイトを利用している多くの採用担当者が悩んでいる。

しかし、就活者の多くはリクルートサイトでめぼしい企業にアタリを付けたあと、その企業のコーポレートサイトを訪問する。「存在確認」を行っているような行動をとる。

この記事では、リクルートサイトに出稿している企業のコーポレートサイトを活用して、就活者の気持ちをエントリーに向かわせる基本的な考え方をご紹介する。エントリーの質を上げるために、もう一歩踏み込んだ施策を打ち出すための参考にしてほしい。

コーポレートサイトを訪問する就活者の心情を汲む

コーポレートサイトを訪問する就活者の心情を汲む

大手のリクルートサイトで企業を紹介するコンテンツのパターンは、事業概要、先輩の声、会社概要、研修制度、募集要項、メッセージ、採用のプロセスなどだ。

その範囲のなかで工夫をこらしたものも見受けられるが、おおよそリクルートサイト側から取材を受け、「それなり」に作られたコンテンツでしかない。感受性の高い最近の就活者は、これらのコンテンツを100%鵜呑みにすることなどあり得ないと考えた方がよい。

リクルートサイトのコンテンツをチェックした就活者の次の行動は、コーポレートサイトの訪問。採用情報コンテンツの閲覧はもちろん、会社情報、事業概要などのコンテンツをチェックしながら、志望動機のネタを探すとともに、会社の雰囲気を感じ取ろうとする。

リクルートサイトで「それぞれの成長に合わせて、じっくりていねいに指導します」と訴求しておきながら、コーポレートサイトでは「スピードを重視し、顧客のニーズを徹底的にキャッチアップします」などというトップメッセージを見つけられたら、就活者の頭には直感的に「ブラック」という4文字が浮かび上がってしまう。

そこでないがしろにできないのが、コーポレートサイトの採用情報なのだ。

予算をムダにしないコーポレートサイトの活用方法

予算をムダにしないコーポレートサイトの活用方法

大手のリクルートサイトで、採用担当者としての思いの丈を充分にぶつけているので、コーポレートサイトの採用情報でやることはない。

ほんとうにそうだろうか。

リクルートサイトからやってくる取材陣は、ほとんどが外注のプロダクションだ。
彼らは安いギャラで雇われているので、数をこなさないと生活できない。数をこなすということは、取材のたびにものすごい力を注ぎ込んでコンテンツを作り上げている、などということは考えない方がいい。数をこなそうとすると、どうしてもパターン化してしまうのである。

筆者も自信はない。そういった仕事を受けたなら、生きるためにコンテンツをパターン化させてしまうだろう。

企業には、企業の数だけフィロソフィーがあり、それを培ってきた歴史がある。社風だ。
この大事なオリジナリティを一定のパターンに押し込めることはできないと考えよう。リクルートサイトから、つまらないコンテンツが送られてきたら、再考を申し出よう。もちろん、外部から見えた自社の姿に納得したら、優秀な外注に当たったのかもしれない。さらなるブラッシュアップを進めていけばいい。

ここで問題になるのは、リクルートサイトのコンテンツとコーポレートサイトの採用情報との関連性だ。

就活者の不安を払拭し、自社を優位に見せよう

就活者の不安を払拭し、自社を優位に見せよう

新卒の就活者は、社会経験も乏しく、視野も狭い。社会に出て働くことへの恐怖や不安を抱いている。

前述したように、リクルートサイトでめぼしい企業を見つけた就活者は、必ずコーポレートサイトを訪れる。その際に、リクルートサイトで主張していた内容とコーポレートサイトにズレがないことを確認しようとする。

担当部門の絡みから、人事担当者が自由にできるのは採用情報セクション。まずはここに全精力を注ぎ込み、他のセクションは閲覧しなくても志望動機のネタ集めには困らないようにしてあげよう。

かといって、大がかりなセクションにする必要はない。

リクルートサイトで充分なコンテンツを公開しているのだから、コーポレートサイト側で公開する採用情報は数ページで十分。必要なのは、リクルートサイトの補完をするという考え方だ。

リクルートサイトで主張した内容をコーポレートサイト側で、異なる切り口で企業の人となりを見せてあげる。違う切り口だから就活者も納得するし、主張する根本は変わらないのでコンテンツを閲覧してくれれば、その分だけ刷り込み効果もあるからだ。

入社後、どうなれるか示してあげよう

入社後、どうなれるか示してあげよう

新卒採用にせよ中途採用にせよ、就活者は一様に、受けようとしている会社で自分がどのように成長できるかに大きな関心を持っている。一見、他力本願のようにも感じられるが、人は環境で変われることがある。

要するに、不安いっぱいの就活者が自分が交わろうとしている環境を気にしていると思えば、大きな心で対応してあげようという気持ちになれるはずだ。

ここで役立つのが、就活者の成長意欲をくすぐってあげる作戦だ。
たとえば、「あなたも当社にくれば、先輩たちの指導を得ながら自然に~な人材になれてしまう」のだと。さらに、その言葉を補完するべく先輩たちの声を続けよう。説得力は増し、就活者たちは、大きな希望を膨らませてくれる。

「ツカミ」に抜かりがなければ、あとはたたみかけていくだけだ。

自慢できるネタをぶつける

自慢できるネタをぶつける

端的にいうと、なぜ就活者たちがあなたの会社を選ぶのかを紹介するコンテンツ。外部から見たときに、引きが強くなる切り口にしておきたい。

テレビのワイドショーやバラエティー特番でよくある手法が、

「○○○なのに、■■■」

というものだ。たとえば、

「幼稚園児なのに英検2級を取ってしまった」

「美しすぎる男勝りの土木作業員」

といったものだ。タイトルの力が強ければ強いほど、視聴者は真相を知りたいと感じ、チャンネルをそのままにしてしまう。

この手法をコーポレートサイトの採用情報に応用するなら、「一般的の人は100%知らないが、業界人は100%知っている」とか、「10年連続売り上げが伸長しているのに、残業ゼロ」など。なぜだろうと感じてしまう意外性のある切り口で引きつけ、就活者にウケの良い職場環境ネタも続けて披露しておこう。

仕上げに、一気にエントリーさせる就活者を絞り込む。興味のあるネタで気分を盛り上げておいて、ストンと落としてしまうのだ。

応募者を絞り込む工夫も

応募者を絞り込む工夫も

コーポレートサイトの採用情報において、もうひとつ就活者に訴求する大切なポイントが、エントリーして欲しい人を絞るということ。多少エントリー数が減ったとしても、勇気を持って臨もう。

たとえば、海外向けのビジネスが主流の企業なのに、海外勤務を望まない人を面接しても時間のムダだ。多少誇張してでも、会社として主張すべきを心得て、エントリーしてくる就活者を思い切って絞り込みにかかるのだ。

多くの人を集めてから絞り込んでいくという考え方もあるが、後々人事的に問題が生じるより、採用活動の初期段階でスクリーニングをかけてしまおう。

相思相愛になれる人と出会うために

相思相愛になれる人と出会うために

採用活動はお見合いに例えられる。
お互いが好き同士でなければ、永い付き合いはできないし、ハツラツと働いてもらうことはできない。

コーポレートサイトの採用情報で大切なのは、しっかりと自社の良い点を紹介し、就活者に希望を抱かせながら、あなたの会社が採用したい理想的な人物像を主張すること。

就職したいと考える人と採用したいと考える会社が出会えば、必ずいくつか相思相愛の関係は生まれる。

一緒に働きたいと思える人を逃さないために、コーポレートサイトの採用情報でもできる限りの工夫をこらして、運命の人に出会ってほしい。

WEB制作会社のオフィス事情、赤裸々にご紹介します

WEB制作会社のオフィス事情、赤裸々にご紹介します

多くの人は、関係のない会社のオフィスの中を見ることはまずできない。しかしよそがどんなオフィスなのか、興味は大いにある。整理整頓、清掃は行き届いているか、インテリアのテイストは・・・。とくに我々のようなデザインを生業にしているような企業のオフィスは、多くの人が興味津々であるらしい。

ちょうどいまWEBデザイナーを募集しているところでもあり、応募しようかなと考えている方の参考にになるかもしれないと考え、思い切って社内の様子を紹介しようと考えた。きらびやかなオフィスではないが、「WEB屋のオフィスって、こんなもんなのか」と感じてもらえればと。

当社のオフィスは、自社所有なので、インテリアを自由に工夫できる。ただ、スペースと資金が限られているので、やり放題というわけにはいかない。少ない資金で快適にできるアイデアと、手弁当で釘打ちや塗装もこなすこと(ほぼ筆者の趣味の世界だが)ででき上がったオフィスだ。

オフィス全景

オフィス全景

ここがメインのオフィスだ。
ここに移った6年前、天井を改装して照明を蛍光灯からすべてLEDに替えた。ダウンライトとダクトレールで自由に動かせるスポットライトを組み合わせている。基本は電球色(黄色)だが、昼光色(白色)も混じっている。その当時はまだ明るいものが少なく、プランナーの方にどうにか探してもらったが、今となっては少し暗めかなと感じてしまう。つい最近、新しいスポットを足し、明るさを増したところだ。

当社名物は、冬になると登場する石油ストーブ。
120平米をカバーする強力なものなので、気を許すと暑くなりすぎて汗をかいてしまうほどだ。石油ストーブを使う際の大きな課題は、やはり換気。冬季は2-3時間ごとに自動的に音楽が鳴り、換気を行うことになっている。仕事をしばし中断することにはなるが、逆にリフレッシュできていいのだ。

オフィスの中心にあるタスク管理ボード

タスクボード

各部門で抱えているタスクを書き出して、処理すべきものは赤いマグネット、黄色はもうすぐスタート、緑はクライアント待ちといった具合に区分している。昼休憩後のミーティングには、それぞのタスクの進捗をチェックし、課題があれば解決するようにしている。

全社的に負荷の状態がどのようなものなのかを把握しておく必要がある。それによってカバーすべき部門を知ることができる。負荷状態を把握しておかないと、納期遅れが生じクライアントに多大な迷惑をかけることになるからだ。

モニター3台

モニター3台

フレイバーズでは、クリエイティブスタッフはMacマシンにVMWareを介してバーチャルでWindowsを動かしている。制作環境にはMacの方が良くても、90%以上の方がWindowsマシンでWEBサイトを閲覧するので、Windowsでのチェックは欠かせないということだ。

しかしシステム担当は様子が異なる。
彼らはWindowsマシンで開発を行い、Macでもチェックするという具合だ。さらにモニターを2台使うことで異なるウィンドウをいくつも並行して並べながら作業を効率化できるのだ。

さらにさらに、写真のスタッフの作業スペースには、3台のモニターが写っている。これはアプリを開発する環境がMacベースのものが使いやすいことから、机上がモニターだらけになってしまっているというわけだ。

高級社用車

社用車

当社の社用車は、ダホンの20インチホールディングバイク。天気の良い日は、ダホンに乗って打ち合わせに行く。大阪は東京と違い、坂の少ない町なので自転車による移動がラクラク。7-8km離れたクライアントなら、電車よりよっぽど早い。

しかし最近は、もっぱら整体に隣駅まで乗っていくことが多くなってしまっているのだが・・・。

紳士の誓い(男子トイレ)

紳士の誓い(男子トイレ)

当社はマンションタイプのオフィス。だから、社内にトイレがあるのだ。男女別に分かれているのだが、男子トイレのドアに貼られているのが「紳士の誓い」。

どうしても男子トイレは、小便が散ってしまうので、汚れる。しかし共有で使うものだから、各人が用を足した後きちんと始末をしておこうということに決めている。だから当社のトイレは非常に快適だ。

画期的な消臭マシンを導入

画期的な消臭マシンを導入

いくら気を遣っていても、誰かが用を足した直後に入ると、匂いはまだ残っていることがある。
しかし、この東芝の消臭器「エアリオン」を導入してからというもの、ほぼ不快な状態はなくなった。使用方法はいたってかんたん。専用の消臭ジェルを継ぎ足し、ときどき電池(単3型4本)をチェックするだけだ。

エアリオンが採用している消臭ジェルは、環境浄化研究所が開発した「グラフト重合法」という方式。芳香剤などの良い香りはそのままにして、生活臭などの悪臭だけを包み込んで匂わなくするのだという。

エアリオンのおかげで、フレイバーズのスタッフは誰にも気兼ねせず、トイレを存分に楽しむことができるようになった。

女子トイレ

女子トイレ

壁際に飾られた白くま、犬、カバ。なぜこの組み合わせなのかは分からない。毎週末に社員が掃除するのだが、動物たちが置かれているスペースも雑巾がけされるので、そのたびに配置が変わるのだとか。バリエーションはさまざまで、掃除するスタッフのセンスで動物たちの配置は決まるのだ。

会社の代表である筆者でも、さすがに女子トイレの事情は初めて知った。

トイレ掃除

廊下の癒し「サヴィニャック」のイラスト

廊下の癒し「サヴィニャック」のイラスト

フランスのイラストレーター、サヴィニャックのかわいい4匹の犬が描かれたイラストが飾られている。廊下に新しく照明を加えた際に、何か飾りがほしいと考えて探していたところ、このイラストを見つけ即買いしてしまった。
よくよく考えれば、デザインを行う会社なのに、この手の飾りがひとつもなかったのも不思議なものだった。

休憩スペース

休憩スペース

女性スタッフがおやつを食べながら、まどろんでいるのは冷蔵庫や食器棚、コーヒーメーカーが置いてある小さなスペース。彼女たちのお目当ては、冷蔵庫上に常備されているおやつの山だ。ときにクライアントのツマガリさんのクッキーだったり、非常食で定番のカンパンだったり。

奥にデンと鎮座しているのは200リッターの冷蔵庫だ。
飲み物はもちろん、持ってきた弁当、生菓子やコーヒー豆、ドレッシングまでありとあらゆるモノが詰め込まれている。ときどき賞味期限が3年前のしょうゆが発掘されたりするが、社長みずから、気にせず冷奴にかけている。

美味いコーヒーを出してくれるスグレモノ

美味いコーヒーを出してくれるスグレモノ

イタリア、デロンギ社のコーヒーメーカーだ。正式には「エスプレッソマシン」なので、しっかり圧力をかけた濃いコーヒーをだしてくれる。もちろん、コーヒーは煎られた豆を購入しおり、スタッフは好きなときに好きなだけ飲める。

メインオフィスとは別に、会議室

会議室

メインのオフィスとは別に会議室がある。6畳ほどのスペースなので狭いが、大きなテーブルが置いてあるのでスタッフ全員が会して昼食も食べられる。肩を寄せ合いながら。

最近まで、会議室だけ忘れられたように照明は蛍光灯だったが、自前でメインのオフィスと同様に、ダクトレールを引きLEDのスポットライトを導入した。自分で言うのもなんだが、かなり格好いい会議室になった。これからここを「ミーティングルーム」と呼ぶことにした。

オフィスペット・ルンバくん

ルンバくん

当社のブログでたびたび仮装している姿を紹介されているお掃除ロボット・ルンバくん。週末の夕方に社員総出で清掃をするが、平日は朝早くから一人で黙々とオフィス内のゴミを拾い集めてくれている。もう7年ほど働いてくれているが、2回ほど電池交換をしてだけで、とくに文句も言わず懸命にクリーニング業務を担当してくれている。

週一回だけ腹にためたゴミを掃除してやるのだが、結構マジメに業務にあたってくれているのがよく分かる。私などよりよっぽどパフォーマンスの高い働き者だ。

オフィスペット・ルンバ君

ボーズ2つ

ボーズ2つ

決して私は坊主ではなく、ベリーショート。髪をバリカンで4mmに短く刈り上げているだけだ。短いのは短いなりにこまめに手入れしなくてはいけないので、それなりに大変なのである。

私の頭のことはどうでも良かった。

紹介したいのは、「BOSE」のスピーカーだった。
ガンガン鳴らしているわけではないが、オフィスには心地よいクラシックやジャズ、洋楽が流れている。日本語の歌詞は、ものを考えられなくなるのでNGにしているが、時折懐かしいGONTITIの「ほっかいどう、ほっかいどう、ほっかいどうはどこにある?」と日本語が流れてくるが。GONTITIのアルバムに歌付きの曲が入っているとは・・・。

オフィスで鳴っているのはBOSEの古いモデルだが、吊り下げ+小さな音で鳴らしているにもかかわらず、低音もしっかりおさえてくれるので、お気に入りのアイテムだ。

オフィスのBGM

快適なオフィス空間がしごとを変える

結論が出たわけではない。ただ、狭いスペースであっても、工夫次第で快適さを高めることはできる。良い仕事をするために、これからも少しずつ暇を見つけては改善を図っていこうと考えている。

クライアントの方々、縁あって当社とお付き合いのある方、募集中の求人に興味のある方。どうぞ大阪オフィスへおいでください。おいしいコーヒーを用意して、お待ちしています。

コーポレートサイトのIR情報をセキュアに公開する方法

コーポレートサイトのIR情報をセキュアに公開する方法

コーポレートサイトのIR情報セクションは、上場している企業の生の姿を個人投資家、機関投資家の区別なく見てもらうためにある。
株式市場で資金調達を行う傾向が色濃くなりつつあるいま、IR情報セクションはコーポレートサイトのなかでも、重要な役割を果たしているパートと言えるのだ。もちろん、投資家にとってコーポレートサイトのIR情報セクションは、数多くある情報収集チャンネルのひとつに過ぎない。ただ、情報の基本ソースであるコーポレートサイトにおいて、より良いかたちで財務情報を提供することは、前述の企業の姿を見せることにおいて「信頼」を感じさせるうえでもたいせつなのだ。

この記事では、企業が情報開示を行ううえでの「信頼性」にフォーカスし、決算情報をセキュアに公開する方法をお伝えする。

公開予定日に正確に重要情報を公開する

公開予定日に正確に重要情報を公開する

証券取引では、決算情報を知りうる内部者によって、情報が一般公開される前に証券取引を行うことを「インサイダー取引」として処罰の対象となる。一般の投資家との不公平をなくすためのルールだ。

しかし、ネットによる決算情報の公開が一般的になり、インサイダー取引と同じレベルで一般の投資家と不公平を起こす事件が起きた。
超巨大企業の決算情報が公開前にアクセス可能となっていて、事前に漏れてしまったのだ。

決算データを公開予約していた企業のCMSがあろうことか、WEBサーバーの公開領域にPDFファイルを置いていた。しかも外部から予測できるような規則的なファイル名で(2015年度第三四半期の決算短針を「tanshin-2015c.pdf」のように)。

PDFをセキュアに保存する

PDFをセキュアに保存する

公開の段取りを紹介する前に、PDFファイルのセキュリティについて確認しておく。
PDFファイルは、第三者による書き換えが可能なデータである。ということは、あなたが公開しているPDFファイルにセキュリティがかけられていなければ、悪意の第三者がファイルを改ざんし、ネット上に流したとしたらどうなるだろう?

ありえない数字に書き換えられた決算短信がネットを駆けめぐり、株価に影響する。そんなデマによって、株価が上がっても下がっても大問題だ。企業が直接起こしたことではないにせよ、責任の一端はあると筆者は考える。重要書類をセキュリティもかけずに放置していたのだから。

PDFファイルには、パスワードによるセキュリティをかけることによって、書き換えを不可能にする機能がある。財務に関するものや、その他重要な情報をコーポレートサイトで公開する際には、セキュリティ機能を使うべきだ。

1.ランダム文字列で公開領域に保存する

100%セキュアとは言えないが、おおよそ問題ないレベルの情報公開方法が、CMSで決算データのPDFのファイル名を数十桁のランダム文字列にするものだ。英数記号をランダムに組み合わせれば、天文学的な回数のトライを重ねなければ解き明かすことはできない。プログラムの力を借りても、実質的にアクセスは不可能になる。

1.ランダム文字列で公開領域に保存する

ただ、天文学的な文字列の組み合わせが必要だとしても、公開領域にPDFファイルが置かれている以上、万が一ということはある。その可能性をも排除する方法が次の施策だ。

2.プログラムでのみアクセスさせる方法

この方法は、ほぼ外部からのアクセスができない方法だ。読者には、この方法を強くおすすめしたい。

まず、公開情報はWEBサーバーの公開領域には置かない。
さらに、公開情報をダウンロードするためには、非公開領域にあるPDFファイルへは、プログラムでしかアクセスを許可しないようにするのだ。しかもそのプログラムは正式な公開日時まで稼動しないように設定する。

おおよその仕組みは前述の通りだが、実際のシステムにはさらに厳密なセキュリティを施してある。
こうしておけば、外部から正式な公開前に漏えいすることはない。それほど決算情報は守られるべき情報なのだ。

2.プログラムでのみアクセスさせる方法

重要情報の事前漏洩を防止する

重要情報の事前漏洩を防止する

外部からの資金調達を目的として株式を公開したからには、すべての投資家にとって完全に公平性を担保した状態で重要情報を明らかにすることが必須だ。情報の事前漏洩が起こった原因が、ネットに関するリテラシーが低かったからという言い訳は通じない。コーポレートサイトをオウンドメディアとして運営している以上、すべての責任を負う覚悟が必要なのだ。

CMSによって社内での更新があたりまえになったいま、コーポレートサイトのIR情報においては、セキュアな方法で重要情報を公開する堅実な施策が求められているのだ。

コーポレートサイト、会社情報の理想的な見せ方とは

コーポレートサイト、会社情報の理想的な見せ方とは

WEBサイトをリニューアルするにあたり、いちばん着手しやすいのが会社情報セクション。なぜなら、データ的な意味合いが強いため工夫をこらす必要がないからだ。

しかし、よく考えてみてほしい。
会社情報は、これから取引を始めるかもしれない新規取引先、就活生など、外部から基本情報をチェックされることが多い。社外のステークホルダーがあなたの会社の会社情報をチェックしたあと、

「まぁまぁ、ふつうの会社だな」
とブラウザを閉じるのと、

「立派な会社なんだな」
と感じ入るのとでは、その後の事業活動に与えるインパクトは雲泥の差になってしまう。

コーポレートサイトにおける「会社情報」セクションは、データ的なコンテンツが多いため地味な印象があるが、アクセスは意外に多い。この記事では、社外の人々に対してあなたの会社を良い会社に見せる理想的な方法をお伝えする。

会社情報の果たす役割

会社情報の果たす役割

コーポレートサイトでの会社情報は、必須要素だ。ただ、必須要素ではあるが、工夫をこらすものでもないと認識してしまっている人も多い。新規取引先が訪問した際に「ふつう」と感じるか、「取引した方が良さそうだ」と感じ入るのとでは、あなたの会社に与えるインパクトは雲泥の差がついてしまうのにも関わらず。

もちろん、会社概要といったコンテンツは正確にデータを並べて見やすくさえしておけば、十分に役割を果たす。しかし企業は、その考え方次第で良くも悪くもなる「概念の集合体」といってもいい。理念を社員に浸透させ、「○○イズム」の固まりとなれば、大きな推進力が生まれる。理念が市場とマッチしていれば、必ず一定の成果を得られるはずだ。

新規取引先の担当者も、理念や歩みに共感すれば、「良い会社」「取引に値する」と感じ入ってくれる。
要するに、コーポレートサイトの会社情報が果たす役割とは、外部に対して抽象的な概念、会社の理想像を明確に伝えるためのセクションだということだ。

では、外部の人を魅了するための理想的なコンテンツについて、具体的に紹介しよう。

会社情報の理想的なコンテンツ

会社情報の理想的なコンテンツ

会社情報でどの会社にとっても大切なのは、データではなく抽象的な概念を紹介するコンテンツだ。
それを証明するように、名だたる会社のコーポレートサイトは、データ的な意味合いの強い会社概要から始まっているわけではなく、経営理念や社長挨拶といったスピリットを伝えるものから順に紹介されていることが多い。

では順にコーポレートサイトの会社情報で重要なコンテンツの意味と理想をみていこう。

経営理念

経営理念

理念なき事業が成功することはない。単に儲けるためだとか、社員の生きる糧を稼ぐためでは、苦しいときに我慢できなくなったり、顧客に信頼してもらえなくなったりして、頓挫してしまうからだ。

おおよそ長続きしている会社は、立派な理念のもとに運営されている。
ただ、創業当時から受け継がれてきた経営理念があり、社内ではしっかり浸透していても、外部からは理解しにくいことがある。
とくに、短い言葉で端的に表現されたものが該当する。

こういう場合には、外部の人にも理解しやすいように、説明をしてあげてほしいのだ。
せっかく脈々と受け継がれ、揺らぐことのないスピリットを、社外にも伝えたい。これがわが社の精神だと。

楽天「成功のコンセプト」

楽天グループの経営理念

楽天グループの経営理念は、大枠の理念を短い言葉でつむぎ、それを支えるかたちで「行動指針」「倫理憲章」「ブランドコンセプト」「成功のコンセプト」で成り立っている。明快な文章でそれぞれが必要な理由や方法論が示されている。なかでも、「成功のコンセプト」は企業の経営理念紹介では珍しい内容なので、とくに紹介しておこうと考えたものだ。企業でなく個人ても十分に生かせる考え方だからだ。

エースタッフ「経営理念」

エースタッフの経営理念も、端的に表現された理念を支えるかたちでそれを説明する文章が続く。楽天まで複雑ではないので、一般的な企業に参考になるレベルだ。

社史

社史

あなたの会社のコーポレートサイトでは、せっかくの社史ページで、過去に起きた事象だけをただ綴ってるだけになっていないだろうか。

長く会社が続いていれば、大きなトピックがあったはずだ。厳しい状況もあれば、華やかなイベントもある。現在から見れば、それは単なる事象にしか過ぎないように見えても、ターニングポイントとなったトピックには、必ず会社あるいは経営者の「意思」があったからこそ、その事象が起こっているはず。

それらの事象がなぜ起こったか、明確な意志があったからこそ、そうなったのだということも含めて社史として知らせるべきなのだ。
そうすることで、会社としての理念がより明確になり、見る者にトータルでスピリットが伝わり、感動を与えることになる。

社長挨拶

社長挨拶

強力な推進力がなければ、組織は動かない。合議制でスピーディに物事が運ぶ組織を筆者は見たことがない。

その経営トップがいるからこそ、その会社が続いているのだというほど強力なメッセージを世に放つべきだ。理想論をぶつだけでもいい。社員を含めたあらゆるステークホルダーに対して、「オレはこの会社をこう動かしていくんだ」と宣言し、共感してくれる人を探すというほど強い言葉を選んでほしい。

会社が置かれた経済環境で始まり、社史に触れながら無難な言葉で締めくくる。社長名とロゴだけ入れ替えれば、隣の会社でも通用するメッセージなど、誰も真摯に読まない。ざっと斜め読みされ、「ふつうだね」で終わってしまうだけだ。

90%の人には「そんな理想言ってもねぇ」と思われてもいい。残りの10%がファンになってくれさえすればいいのがトップメッセージだ。

社長挨拶について詳しく執筆したコラムがあるので、下記も参考にしてほしい。
コーポレートサイトの社長挨拶が、果たすべき役割とは

明るい将来を感じさせること

明るい将来を感じさせること

コーポレートサイトの会社情報は、何も工夫しなければおそろしく退屈なコンテンツになる。しかし、製品情報セクションで工夫を凝らすように、「楽しませる」「感動させる」「立派に見せる」ことを意識すれば、あなたの会社を良く見せられるアイデアが出てくるものだ。

「私たちは、こんなに顧客に愛され、社会にも貢献できている将来のある会社で働いているのだ」と主張すれば、あなた自身も視点が変わり、会社にもさらなる変化が訪れる。
コーポレートサイトの会社情報セクションは、決して退屈なコンテンツではない。工夫次第でおもしろみのあるコンテンツに変わるのだ。