作成者別アーカイブ: 平田 弘幸

オウンドメディアで勝てる記事の7形式

オウンドメディアで勝てる記事の7形式

オウンドメディアの手法のなかで、最も手軽に始められるコラム記事。自社が持つノウハウを幅広い読者に向けて発信するものだ。課題を持つ読者を感心させ、上手く納得させることができれば、あなたの会社の信頼性が増す。

他の記事も併せて読んでもらうことで「まかせてみようか」という可能性も一気に高まる。

しかし、日々顧客にノウハウを提供しながら密な関係を築いているにもかかわらず、いざコラム記事に落とし込もうとすると、上手く機能していないケースがよくある。

数時間かけて力を注いだコンテンツであればあるほど、集客でき、顧客候補を説得、納得してほしいと願うはず。この記事を読めば、あなたの努力は報われ、これまでにないほど引き合いを獲得できるようになるだろう。

コンテンツをつくるときにおさえるべき7つのポイント

あなたは暇をつぶすためにコンテンツをつくっているわけではない。世に伝えたいことをWEBサイトのコンテンツという形に変え、Googleに認めさせることで集客し、集まってくれた顧客候補を説得するためなのだ。
ここではこのストーリーを実現するための必勝パターンを7つおさえることで、あなたにもその力を得られるようにしたい。

1.結論から先に伝える

結論から先に伝える

ネットで解決策を求めている人は、おおむね「せっかち」で、その記事が自分の課題を解決してくれそうかを数秒で判断してしまう。
せっかちな訪問者にあなたの書いたコンテンツで有意義な時間を過ごしてもらうためには、記事の前半で「ここにあなたの答えがありますよ」と結論をざっくり紹介しておくことが必要なのだ。

おおよその結論を冒頭でまとめておくということは、重要なキーワードが必ず含まれるようになるわけで、SEO的にも良い影響をもたらすことにもなる。

2.パラグラフの内容が把握できる見出しを付ける

パラグラフの内容が把握できる見出しを付ける

これも読者の「せっかち」に起因するテクニックだ。
あなたが認識しておかねばならないのは、「ネットは調べ物をする道具であり、文学のように言葉を噛みしめながら精読するものではない」ということだ。

いわゆる斜め読みで見出しだけをチェックすれば、おおよその内容が把握できる。もし、自分の琴線に触れるものがあれば、そのパラグラフをチェックする。あなたもこういった読み方をしているはず。

今まで執筆してきたコンテンツに、このルールが適用されているかチェックしよう。この作業をていねいに行うだけで、訪問者の滞在時間はグッと伸びる。

3.自信たっぷり、言い切る

自信たっぷり、言い切る

自分の課題を解決してくれそうだと読み進めた記事の最後が、「この方法で解決するかもしれない」と締められていたら、どう感じるだろうか。
ここまで「ふむふむ、なるほど」と相槌を打っていたにもかかわらず、だ。

すぐにでもサイトを離れ、確実に課題を解決してくれる方法を説いた記事を探し始めるに違いない。

オウンドメディアで成功しようと考えるなら、あなたが知っている知識、実践しているノウハウを自信を持って読者に伝えよう。読者が勇気を持って課題に立ち向かえるよう、背中を押してあげるのだ。

4.抽象的な言葉を使わない

抽象的な言葉を使わない

あなたはテレビに出演して、いい加減なことを言うためにカメラの前で難しい顔をしている評論家ではない。評論家や政治家は、「この問題をどのように解決するか検討する」と、訳の分からない結論で発言を終わっても、役目は果たせる仕事だ。しかしあなたに課されているのは、きちんとしたロジックで具体的なハウツーを伝えることなのだ。

「どのように」や「いかにして」は魔法の逃げ言葉だ。

具体的な解決策を求めている人に対して、「どのように考えるかが問題なのだ」と訴えて共感してもらえるだろうか。明確な方法論こそ、読者に納得してもらえるものだ。

5.ていねいに、ていねいに

ていねいに、ていねいに

「これは、あたりまえのことだから」とは考えないこと。誰にでも「はじめの一歩」があるものだ。

どっぷりその業界に浸かった人にはあたりまえでも、他部門から異動してきた人にとっては初めての出来事だ。初心者にもやさしい記事は、重宝がられる。だから、「YAHOO!知恵袋」は人気なのだ。だから「今さら聞けない○○○」といった本がもてはやされるのだ。

前述したように、ネットは調べ物をするためのツールで、読者は斜め読みをするのだから、すでに知っていることは読み飛ばしてくれる。ある程度知識のある人を対象にするより、ビギナーをも考慮した記事を書く方が新規開拓につながるものだ。

細やかな配慮をするのは面倒なことかもしれないが、それをいとわない努力が成功につながる。

6.リスト化する

リスト化する

ハウツーは、リスト化すべきだ。なぜなら、読者は取り組むべき解決策をいくつも挙げられるあなたを、スペシャリストとして認めてくれる。

また、読者はすべての対策に取り組めるわけではない。時間や予算の問題だったり、すでに取り組んだ経験のある方法だったりするかもしれないので、これだけの解決策があるのですよとリスト化することは、読者の選択肢を増やすことになる。そのなかで、「なるほど。そこには気付かなかった」と思ってもらえる項目があれば、それが大きな感謝につながるのだ。

7.まとめる

まとめる

コンテンツをまとめることは、あなたが書いたことを今いちど省みることにもなるし、読者はまとめのパラグラフだけを読むことで、おおよそのことを把握できることにもなる。Naverまとめやnanapiといったキュレーションサイトで、キュレーターが最後のパラグラフを「まとめ」としているのも、このためだ。

だから「まとめ」は、もっとも気合いを入れて執筆すべきものだ。

さらに上を目指すなら、見出しは「まとめ」ではなく、他のパラグラフと同じように、内容が分かるものにした方が読者からの引きは強くなる。

オウンドメディア成功のカギは、手間を惜しまないこと

オウンドメディア成功のカギは、手間を惜しまないこと

これまで見てきたように、読者に共感してもらえる、感謝してもらえるコンテンツは、細やかな配慮に満ちたものだ。ホスピタリティに富んだ読み物ということもできる。ネット上で、コンテンツという売り物を通じて、サービスビジネスを行っていると言ってもいい。

筆者が執筆した記事に対し、はてなブックマークやTwitterでつぶやかれた「気づかなかった」「なるほど」といったコメントを目にするたび、誰にも気づかれないように小さくガッツポーズをしている。

多くの人にとって本当に良いコンテンツは、ネットメディアにも取り上げられ、「いいね!」を多く獲得し、シェアされ、つぶやかれ、多くのアクセスを稼ぐ。それがあなたのビジネスに何らかの変革をもたらす。

細やかな配慮とホスピタリティは、オウンドメディアの成功に欠かせない原動力だ。

影響力のある人に共通する、6つのポイント

影響力のある人に共通する、6つのポイント

この記事では、「影響力がある人」の定義をカリスマ性のあるような特別な人ではなく、ふだんは私たちと変わらない人と断っておく。

「影響力のある人」は、宝くじの当たる確率は我々と変わらないが、ひとたび商談のクロージング時や、役員に行う企画のプレゼンなど、私たちが日常的に遭遇するシーンで圧倒的に「勝てる」確率が高くなる。

彼らには、共通する6つのポイントがあるのだ。
それらをひも解いてみると、あなたがすでに持ち合わせているものもあるし、まったく意識すらしなかったこともあるはずだ。

次の商談で、契約まであと一歩だった見込み客を逃さないように、「影響力のある人」のポイントを組み合わせて臨んでみてはいかがだろうか。

1.相手を理解しようとしていることを伝える

相手を理解しようとしていることを伝える

商談にしろ、プレゼンにしろ、相手の困りごとを解決しようとする提案が、最後のひとつになったパズルのピースであるようにはまれば、成約するものだ。奇をてらった企画が成功を勝ち取ることが、そう多くあるわけではない。

とすれば、困りごとを抱えている相手の主旨をきちんと理解しているかが、勝負の分かれ目になるのである。

経験豊富な敏腕セールスなら、初めて会った見込み客の困りごとがどのようなものかを迅速に聞き出し、大きく相槌を打ちながら頭のなかでカスタマイズした解決策を提示するだろう。

しかしふつうの人は、そんなギャンブルは避けるべきだ。
成功する確率を高めたいのであれば、「一発屋」的な行動は避け、事前に相手の困りごとの主旨を自分が正確に理解しているかを確認し、それに合った解決策はこうではないかと刷り合わせをしておこう。

2.相手の頭のなかにある言葉で話す

相手の頭のなかにある言葉で話す

説得するためには、まず相手にあなたと同じ土俵に上がってもらわないといけない。
そのためには、あなたは専門用語を機関銃で乱射するのではなく、相手の頭のなかにある言葉や行ったことのある場所を引き合いに出しながら、ていねいに説明しよう。

相手が飽きないように抑揚をつけて、ゆっくり、繰り返しながら。
長い時間をかけて話を進めていけば、大きく頷いてくれる瞬間があるはずだ。

相手のツボは、そこにあると分かるはずだ。

3.明るい将来のことを想像させる言葉を使う

明るい将来のことを想像させる言葉を使う

影響力があるということは、良い影響を与えられるということ。
あなたの言葉によって、相手が前向きになれるということだ。

失敗した人、成果が得られなかった人のことを、事例として紹介してはいけない。
あなたはそのことについて、良い面がある反面、注意しなければいけないことも知っているから善意で伝えているのかもしれないが、相手からすれば自分もその可能性が大いにあるのではないかと怖気づいてしまうからだ。

過去に失敗した人たちは、やるべきことをやらなかったから失敗したのであって、怠けていただけのことだ。
いけないと分かっているのに食べてしまい、ダイエットに成功しないのと同じこと。

いたずらに相手を不安にさせることで、得られるものなど何もないのだから、明るい将来のことをさわやかに、熱く語ろう。
相手に明るい将来をイメージさせると、表情は緩み、希望に満ち溢れた言葉を使うようになる。

4.困難な問題に直面しても、動じない

困難な問題に直面しても、動じない

影響力のある人は、心に余裕があるものだ。
それは、自分自身に対する信頼だったり、ぜったい自分はできるはずだといった根拠のない確信だったりするようだ。
だから、相手から予想していなかった質問をされたり、とんでもない条件を突きつけられたりしても、動じない。

しかしその余裕は、今までの経験が豊富で、いろいろな困難を乗り越えてきているからこそ、というわけではない。
ある意味、開き直っているのだ。

たとえここで失敗したとても、財産を没収されるわけでもなく、会社が倒産するわけでもない。
ベストを尽くしてもダメなら、それでいいじゃないかと考えられる人なのだ。

厳しい状況のなかでも、平然としていられる人は少ない。だから普通の人は、「何か違う!」と魅力を感じてしまうわけだ。

あなたがもし予想外の事態に陥ったときに余裕を持って対処すれば、あなたの印象は180度変わるかもしれない。

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影響力のある人に共通する、6つのポイント、後半は

「5.誰に対しても、丁重な言葉遣い」へ

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SEOコンテンツを最強にするテクニック、ベスト5

SEOコンテンツを最強にするテクニック、ベスト5

ひとつひとつのコンテンツにSEO施策を施していくことは、誰にでもできる。しかし大事なこと、それは継続することなのだ。
大きな効果を上げる可能性のある集客装置を手塩にかけて育てなければいけないはずなのに、多くの担当者が気を抜きっ放しなのが、現実だ。

この記事では、あなたのコンテンツをSEO的に強化する基本的なテクニックを紹介していく。
ライバルたちが気を抜いているあいだに、あなたが地道に基本を押さえておきさえすれば、コンテンツは最強になるだろう。

1.SEOキーワード:集客できる数を見極める

集客できる数を見極める

まずはじめに、SEOコンテンツを強力にする、いわば「魚群探知機」のようなツールを紹介しよう。

残念なことに、なぜか多くのマーケティング担当者は、市場のニーズを自社の製品やサービスにマッチさせようとしていない。
それどころか、市場のニーズなど気にかけず、技術部門から伝えられた特長を繰り返しアナウンスするだけだ。外から見ると、まるでユーザーのニーズなど興味がないようにさえ感じてしまう。

とくにネット上のニーズに対しては、目に見えないからなのか、調べる術を知らないのか、なぜかミスマッチしているような気がしてならない。
市場のニーズを調べずにマーケティング活動をスタートするのは、水たまりで釣り糸を垂らしているようなものだ。魚を釣りたいと思うなら、まず漁場を選ぶべきなのに。

ネット上のニーズがどのようなものか、具体的な数字はどれほどのものかを知るための「魚群探知機」が、「キーワードプランナー(Google)」「キーワードアドバイスツール(YAHOO!)」だ。

これは本来、リスティング広告の出稿者用に開発されたツールで、直近の検索キーワードの検索数を教えてくれるもの。
あなたは、自社の製品から連想されるキーワードが、どれだけ検索されているかを知ることができるのだ。

たとえば、文字校正を行うソフトウェアを製品化したソフトハウスが「キーワードプランナー(Google)」「キーワードアドバイスツール(YAHOO!)」を使うなら、「文字校正」がどれほどの検索ボリュームを持っているか調べるだろう。月間予測数590件(2015年4月現在)。予想していたよりも、ずっと少ない。

しかし一文字変えるだけで、検索ボリュームが一桁変わる。「文章校正」なら月間検索数は1,600件だ。

「文字校正」と「文章校正」、若干ニュアンスが異なるが、検索してみるとどちらも「文字校正」に関するコンテンツが上位にきている。
あなたなら、どちらをSEOキーワードとして選ぶだろう。

製品名さえ、市場から乖離していることがある

製品名さえ、市場から乖離していることがある

製品名と市場で使われている一般名称が大きく異なっていることがある。
あなたにとって、これほど恐ろしいことはない。

先ほどのソフトで言えば、「文字校正ツール」だけでマーケティングしてしまうと、「文章校正ツール」としたときと比べて、市場の反応に約3倍もの差が出てしまうからだ。

当社のクライアントでも、数十年もの間使用してきた製品名が、一般名称とまったく異なっていることがある。しかも、頻繁にだ。クライアントのリクエストは「この製品をもっと売りたい。アクセスを増やしてくれ」。

「印刷物の製品カタログにある名称は変えなくてもいいから、WEBサイトの製品名は変えてくれ」と即答した。

社内であたりまえになっている製品名、用語を見直そう。
市場を省みないばかりに、大きな損失を出していることを見過ごしているかもしれない。
市場と直結しているマーケティングの担当者ほど、ユーザーのニーズには真摯に耳を傾けるべきなのだ。

2.ページのタイトルは、28文字で

ページのタイトルは、28文字で

これは単純な理由で、検索結果には最大28文字しか表示されないからだ。
どうしても長くなってしまう場合には、29文字以降が消えても検索ユーザーが理解できるようにしておこう。

さらに、必ずSEOキーワードを含め、前方に位置させておく。
すべてのテキストは、前方から読まれる。検索者は早い段階で検索キーワードを見つけると、クリックする可能性がダンゼン高まるのだ。

「コンテンツマーケティング」でGoogle検索したところ、下記のような結果になった。タイトルを28文字以内におさめているページは50%。すべてのページのタイトルに検索キーワード「コンテンツマーケティング」が含まれていた。

タイトル文字数 SEOキーワード含有 説明文文字数
1~10位のページ 5件 10件 2件
11~20位のページ 4件 10件 2件
21~30位のページ 6件 10件 3件
トータル 15件
(50%)
30件
(100%)
7件
(23%)

後述するディスクリプションについては、23%しか120文字以内におさめていない。表示されている内容で理解できるかまでは精査していないが、上位のページでも、まだまだ改善の余地はある結果となっている。

ちなみに筆者は、コンテンツを執筆する際、下記のようなテンプレートを使っている。

【タイトル:28文字】
1234567890123456789012345678
SEOコンテンツを最強にするテクニック、ベスト5

あなたが今読んでくれているコラムのタイトルは、全角半角混じりの24文字。狙うSEOキーワードは、「SEO」「コンテンツ」だから、しっかり前方に配置している。

28文字であなたが言いたいことを伝えるためには、テクニックも必要で、多少語弊があるかもしれないが、あえて書いておく。

かっちり正確な日本語で書く必要はない。感覚で理解できるなら、それでOK。

28文字以内にすべてを収めようとすると、SEOキーワード以外で、省略できるものは省略したい。たとえば、「ワールドカップ」は、「W杯」と書けば5文字を減らせるし、ツウっぽく見える。もちろん、略することで意味が通らなくなってしまうのでは本末転倒。そこだけは注意しよう。

3.ディスクリプション(スニペット)は120文字以内

ディスクリプション(スニペット)は120文字以内

ディスクリプションも検索エンジンの表示に絡んで、最大120文字にとどめるように。121文字目以降の文字が消えても構わないのであれば、問題はない。

検索エンジンは、ユーザーが入力した検索キーワードを含む文章を検索結果に表示し、検索キーワードの部分をボールドにする。あなたが読みたい部分は、ここでしょ?というわけだ。

そもそも、ディスクリプションとは、HTMLファイルのMETA要素のひとつで、検索したときにタイトルの下に表示されることが多い説明文のこと。あなたが何らかのキーワードで検索をしたとき、タイトルが魅力的なことがもっとも大切だが、下に表示される説明文もざっと目で追っているはずだ。

検索ユーザーの側に立ってみると、上位に表示されたページでもタイトルや説明文が魅力的でなければ、つまり検索キーワードが含まれていなければ、クリックしたいとは思えない。上位に表示されれば、アクセスが自動的に増えるというわけではないのだ。

「神は、細部に宿る」

細かなところまで、決して気を抜かないことがあなたのWEBサイトへのアクセスを増やすことになる。

検索結果に表示されるディスクリプ全角でションは125文字まで。125文字をしっかり使って、クリックしたくなるような紹介文を作り上げよう。

4.本文中の見出しは、斜め読みできるよう簡潔に

本文中の見出しは、斜め読みできるよう簡潔に

検索者のニーズに合っていて、続くパラグラフで何を語っているか一瞥で理解できるようにしてあげよう。次に続く文章を読んでみたいと思わせるものにできればベストだ。

たとえばクリーナーの紹介ページで、「製品概要」なんてもってのほかだ。まったく興味がわかないばかりか、わざわざ読んでくれている訪問者に何の情報も与えられていないからだ。

「強力な吸塵力で、日々のお掃除を30分時短」

見出しだけで、2つの大切なことを伝えている。
クリーナーで最も重視される機能、吸塵力がウリであること。
理由までは書いていないが、おそらく吸塵力のおかげで何回も同じ場所をクリーナーがけすることがなくなるので、「時短」につながる。

ほとんどの主婦は、日々の家事を時短したいと考えているから、きっと琴線に触れるし、なぜそうなるのだろうと理由を求めたくなるはずだ。
もちろん、冒頭で紹介した「斜め読みユーザー」にもやさしい。

5.書き出しに全精力を注ぎ込む

書き出しに全精力を注ぎ込む

SEOキーワードを含めた文章にし、パラグラフの結論から伝えよう。
最初の文章は、SEOキーワードを含めることが無理だったとしても、少なくとも見出しで伝えようとしたことを説明することに専念すること。

結論を先に読んだ方が、理解が早い。余計な修飾は不要だ。

また、何度も言っていることだが、Googleの上位表示アルゴリズムは米国で開発されたものであり、英文コピーの分析が軸になっている。ということは、英文ライティングの基本「結論から先に書く」を我々も実践すべきということなのだ。加えて、結論から先に書くということは、重要なキーワードが文章の冒頭に含まれているはずだという推測に基づいていると言っていい。

だから、冒頭の文章はSEOキーワード、もしくは見出しを説明するような、引きの強いものにするべきだということなのだ。

SEOも、練習から始まる

SEOも、練習から始まる

SEOテクニックは変化していくものだが、変わりようがないものもある。
しかも、変わりようがないものほど重要なものだ。

この記事で紹介した基本を守れば、必ず効果が上がると言ってもいい。しかし、それが継続できるかが問題なのだ。

コンテンツの制作に追われていると、どこかで気を抜いてしまったり、いい加減になったりすることがある。その積み重ねが、アクセスを逃すことにつながっているのだ。
あなたのWEBサイトのSEOコンテンツを「強力な武器」にまで引き上げるのは、専門の業者だけができる特殊テクニックではない。

「神は細部に宿る」

その積み重ねの結果なのだ。

売れるコピーの秘訣は「たった一人にむけて」書くだった

売れるコピーの秘訣は「たった一人にむけて」書く

コピーライティングは、明確にターゲット顧客を思い浮かべて書くと、より響くものになる。

もしあなたが、自分が書かなければいけないと考えていることで延々と言葉を重ねたとしても、極端にいえばそれはターゲットには関係のないことだ。いや、その時点でもうターゲットなど意識していないと言ってもいい。

そして、偶然検索エンジン経由であなたのコンテンツを見つけたとしても、コンテンツと読み手との間に距離があり過ぎ、実感がわかないために、滞在時間が延びないばかりか、コンバージョンに結びつくこと自体が、ラッキーな「事件」になってしまう。

これでは丹精込めて書いた記事も、サッと素通りされるだけであなたのビジネスに劇的な変化などもたらすはずがない。
しかし、少し視点を変えて、理想の顧客候補が何を知りたがっているかをイメージすれば、「分かってるなぁ」と共感されるコピーになる。人々の共感を呼び支持されることは、SEO的にも大きな関係があることなのだ。

コピーは、たった一人のために書くものだと考えよう

コピーは、たった一人のために書くもの

「ターゲットは、明確にする方がいい」
これは、あなたが書店で手に取るすべての本に書かれている。WEB制作のプランニング段階で用いられることが多くなった「ペルソナ」も同じ主旨だ。

なぜなら、その人が好きな言い回しや気になること、共感できることを知っていれば、寄り添うように商品やサービスを説明できるからだ。

それが、あなたの知っている人だったり、過去に出会っていた人だったりすると、それ以上に好都合なことはない。だからまず、担当する商品やサービスがターゲットとする人が、あなたの周りに近い人がいないか探してみることだ。

ターゲットと考える人の写真を用意しよう

ターゲットと考える人の写真を用意

たとえば、あなたが想定したターゲットが「30代女性」とする。

まずこう考えよう。
彼女とは知り合いで、しかもあなたは淡い恋心を抱いている。あなたの理想を現実にしたような人だ。

何かのきっかけで、彼女が困りごとを抱えているらしいことを知る。しかも、あなたが担当する商品やサービスのメリットを得れば、その困りごとは一気に解決してしまうのだ。

あなたはどうやって彼女に語りかけるだろう。
懇切丁寧にその商品やサービスから得られるメリットを説明する、真剣に。

なぜなら、あなたが彼女の気を惹きたいからだ。
こうやってコピーライティングは始まっていく。

さぁ、こういう人と知り合いになれたらいいなと思える女性をインターネットで探し、必ずプリントアウトしよう。PCのモニターの横にテープで貼り付ければ、完璧だ。これで、商品やサービスを説明する準備が整った。

語りかけるときに、注意すべきこと

1.最初は、信じてくれないと考えよう

最初は、信じてくれない

だって、あなたと彼女は、顔は知っているけれど程度の仲。お互いのことをまだよく知らないのだから、信じられる人なのかどうかも分からない。いきなり出てきて、これはいいものだから使ってみ、といわれても困るのだ。

とにかく、あなたがどれだけ自分のことを考えてくれているかを感じさせる雰囲気を醸し出せるかどうかが、信頼性のカギだ。それには、真摯に語りかけるしかない。熱っぽく語りかけるしかないのである。

美辞麗句に頼らず、さりげない言葉を連ね、あなたの人となりが伝わるように書き込んでいこう。そうすれば、少しずつ彼女の心は緩んでくるはずだ。

2.商品・サービスを中心に考えない

商品・サービスを中心に考えない

コピーライティングをするにあたり、もっとも間違いやすいことは、ロジックの中心に商品やサービスを持ってきてしまうことだ。
とくにメーカーの担当者は「ものづくりの中枢」にいるので、どうしてもスペックを語ってしまいがちだが、彼女は悩みを解決することによって得られるコト(ベネフィット)を求めているのであって、スペックを買おうとしているのではないことを改めて認識しよう。

技術者たちが試行錯誤しながら苦労して開発し、創り上げた商品やサービスだということは理解するが、「いいもの」を作れば売れるなどということは、現代ではあり得ないと意識すべきだ。そこそこのものを作っている企業でも、マーケティングを上手くやれば、大きな成長を遂げることができるのだ。

もちろん、大きな評価を得られ、マーケティングもしっかりしていれば、鬼に金棒。そのためにも、しっかりと彼女の悩みを解決することに専念しよう。

3.その痛みを理解しようとしていることを伝える

その痛みを理解しようとしている

痛みや悩みを抱えている人は、自分の課題を解決してくれる人やモノを探しているが、その人やモノがその痛みをよく理解しているかを吟味する。理解していなければ、解決などできないと知っているからだ。

男性脳と女性脳という概念を聞いたことがあるだろうか。
悩みを打ち明けた女性に対し、男性は課題を解決する策を授け、できるだけ早く解決しようとするが、女性はまず同調する。悩みを抱えた女性は、まず同調して欲しいと考えており、解決策を聞くのは、あとでいいというものだ。

悩みや痛みを抱えた状態の人は、男性も女性も関係なく寄り添ってほしいと感じている。
だからまず、その痛みや悩みに同調してあげよう。

解決策を提示するのは、そのあとだ。
彼女が抱えている課題を受け止め、その痛みを理解していることを伝えることを優先しよう。

4.信じられる商品やサービスを紹介しよう

信じられる商品やサービスを紹介

語りかける相手は、気を惹きたい女性だ。
大切に思っている人に対して、いい加減な商品やサービスを勧めるわけがない。少なくともあなたは、担当する商品やサービスに惚れ込んでいる必要がある。

あなたは、少なくとも信念として大切な人にも勧められる商品やサービスだけを紹介しよう。
ほんとうに紹介したいと思える商品やサービスなら、何かしら言葉を綴れるものだ。逆に少しでも疑念があれば、自分に自信がないから筆は進まない。どこか絵空ごとのような言葉が出てくるだけになってしまう。

それを「仕事だから」と片付けてしまうとしたら、あなたに大きな問題があると言ってしまおう。
心から担当する商品やサービスを信じようとしていないから、彼女に伝えられることを見つけられないのだと。

もし、あなたのなかで決め手に欠く、という感覚があるのなら、もういちど商品、サービスの本質を洗いなおそう。とことん見極めれば、きっと突破口が見つかるはずだ。

5.近くにいる3人に証言させよう

近くにいる3人に証言させよう

人は、それを誰が言ったかをとても気にする。
あなたが担当する商品やサービスに関して、権威のある実力者が「とても良い」と証言したのと、知らない誰かが言ったのとでは、信頼性に雲泥の差が出てしまう。

しかし世のなか、それがすべてではない。
近所のママ友が集まって話しているなかで話題になった「使ってみたけど良かった」は、まだ使ったことのない人を強力にプッシュする。なぜなら、それが生の声であり、実際に使ったことのある人の言葉だからだ。

あなたがやるべきことは、彼女の隣にいる友だちのように伝えてあげることなのだ。
だから、友だちが良く使う言葉を選び、雰囲気をつくる。親身になって相談に乗っている情景を思い浮かべながら説明しよう。

説得には、3人を登場させる。

まず先陣を切るのは、あなただ。
初めてその商品やサービスに出会ったときに覚えた感動を伝えよう。
どこにあなたは「スゴイ!」と感動したのだろうか。

次に登場させるのは、近くにいるあなたの同僚だ。
その良さを伝えたときに、あなたの同僚はどんな反応をしただろうか。

最後に登場させるのは、それを実際に使ったことのある人。
使ったことがある人だけが知っている細かな印象を証言してもらおう。

近くにいる3人の証言は、業界の権威者より彼女を強く揺さぶる。
すべてが良い情報でなくてもよい。真摯に伝えることが重要なのだ。

たった一人に書くから効く

たった一人に書くから効く

社会心理学に、「傍観者効果」という概念がある。
群集のなかで突然具合の悪くなった人が「誰か助けて」と叫んでも、誰も率先して助けようとはしない。しかし「そこのあなた、助けて」と特定の人を指差し助けを求めれば、アクションを起こす人は多くなる。傍観者、この場合は群集が多ければ多いほど、この効果は高まるのだ。

ターゲットを明確にしないで、ぼんやり語りかけても誰も反応しないのは、これと同じだ。
しかし、「あの人」に語りかければ、自分のことと感じてくれる人は多くなる。

あなたが今まで、ぼんやり「誰か」に語りかけていたのだとしたら、今日から周りにターゲットに似た人がいないか探してみてはいかがだろう。

女性誌のキャッチコピーから学ぶ、心をつかむ5つの術

女性誌・キャッチコピーの鉄板ルール、5分類・14選

女性誌の表紙を飾るキャッチコピーほど面白いものはない。

あなたは、通勤電車や営業の移動中、暇つぶしに目で追った中吊り広告のキャッチコピーに、思わず吹き出してしまったことはないだろうか。

筆者は、女性誌の発売時期になると、電車の長い移動がとても心地よい。中吊り広告を端から端まで読み通し、震え上がるようなフレーズを見つけては、その奥深い名文句の意味を噛みしめられるからだ。

しかし、決してただ単に楽しめるだけではない。女性誌のキャッチコピーは、時代を反映し、女性たちがいま期待する雰囲気を反映したものであり、そこから彼女たちのニーズが見て取れるものだ。

この記事では、女性誌のキャッチコピーをパターン別に紹介しながら、女性が好む切り口を解説していく。

アナ雪効果か。そこに冷静さなど存在しない

今の自分のままでモテたい


今の自分の
ままで
モテたい

CanCam 3月号

「できる範囲でいいから、努力はしてくれ!」
CanCamの表紙を見た瞬間、心の中で叫んだのは男性だけではないはずだ。これも、「ありのままで」効果が色濃く影響したということか。

年齢がいくほど、「ありのままで」に反対する人が多いらしい。努力しろと。
ひょっとすると、CanCam読者層は若くして現代に疲れ果ててしまっていて、息切れ状態なのだろうか。

「いつか白馬の王子様願望」を反映したキャッチコピーは、どの雑誌でも目にする鉄板。アナ雪の影響という側面はあるものの、ある意味では「今のままで」も、昔から存在するシンデレラ的「突然幸せが降ってくるかも」願望に基づくものなのかもしれない。

ただ、もう一度だけ言ってもいいだろうか。

「努力はしろ」

失敗してもいいから、とにかく努力はしろ。その失敗をどこかで見ている、あなただけの白馬に乗った王子様は必ずいるから。

28歳、おしゃれも人生も 一生ヒロイン宣言!


28歳、おしゃれも人生も
一生ヒロイン宣言!

SWEET 2月号

女性誌キャッチコピー、ぶっ飛びスタイルの第二弾。
誰がなんと言おうと、「一生ヒロイン」なのだ。

書店のレジで、恥ずかしいのでは?と思ってしまうのは、筆者がオッサンだからだろうか。

しかし、これも「いつか白馬に乗った王子様」願望を具現化した傑作だ。
平積みされている、もしくはコンビニの雑誌棚で、このキャッチコピーを目にした28歳は、ときめいてしまうに違いない。

いろんな場所で、あらゆるシーンで 幸せをつかめる顔


いろんな場所で、あらゆるシーンで
幸せを
つかめる顔

美的 12月号

一方、メイクの情報誌である「美的」は、剛速球で訴求してきた。「幸せをつかめる顔」ときた。
心のどこかで、シンデレラを夢見ている女性にとっては、とにかくその顔になりたいのだから。とても分かりよいフレーズだ。

自分のプライドのために化粧をする人も多いと思うが、彼女たちはターゲットではない。
きれいにメイクアップすることで幸せをつかめるなら、そうなりたいと思う人がターゲットなのだ。

いつまでも「夢見る女子」でいよう!


いつまでも
「夢見る女子」で
いよう!

STORY 2008年12月号

やはりそうだ。

女性はいつまでも「夢見る女子」でいたいのだ。創刊から6年経った2008年のSTORYも、明確なメッセージを発している。

現実的すぎていて冷めている女性よりも、いつまでも目をキラキラさせている人のほうが魅力的に見える。これは普遍的な事実。

ふだんの会話には、あり得ない言葉を繰り出す

今日も素敵!を確約する「美人グラデーション」


この春こそマスターしませんか?
今日も素敵!を確約する
「美人グラデーション」

Precious(プレシャス) 3月号

注目すべきは、「確約」という言葉だ。
メーカーのカタログやWEBサイトで「確約」などと言おうものなら、「何を考えているんだ!」と担当者から大目玉を食らってしまうが、女性誌はそれができてしまうのである。

しかも、このような堅い言葉は彼女たちの日常会話にはまったく登場しないものだ。
しかしそれは、いざ女性誌のキャッチコピーに紛れ込むと、読者にとってこのうえなく魅力的に聞こえる、耳ざわりの良い言葉に激変する。女性誌には縁遠い、ビジネス用語的な堅い言葉をあえて使った編集者に花マルを差し上げたい。

”あったか×こなれ”新セオリー誕生!


おしゃれも防寒もゆずれない!
”あったか×こなれ”
新セオリー誕生!

oggi 2月号

このキャッチコピーで押さえたいのは、「セオリー」だ。
「○○のセオリー」は女性誌頻出単語のひとつ。しかしこれも、日常会話に登場はしない。

セオリーが何語などということは関係ない。スペルがどうだなどと野暮ったいことも抜きなのだ。
頻出していると、なんとなく文脈から意味は分かるのだから。

oggiの読者をバカにしているわけではない。
感覚的に理解できることは、非常に大切なことなのだ。

真冬の買い足し総選挙


真冬の買い足し
総選挙

JJ 2月号

「総選挙」というキーワードを見たとたん、その手があったか!と地団太を踏んだのは筆者だけだろうか。
ここまでJJの読者と縁遠い言葉を使いながらも、感覚的に理解でき、イメージが膨らむキャッチコピーはない。完全に白旗状態、脱帽。筆者には到底書けそうもない。2015年に創刊40周年を迎える老舗ならではの、崇高な作品だ。

2月号発売の時期は、12月末ころ。
ちょうどクリスマスだし、年が明ければすぐにバーゲンが始まる。正月休みにゆったりしながらぱらぱらと誌面を眺めながら作戦を立てる読者の姿が目に浮かぶ。

ママの最優先事項!


”朝から元気”は
ママの最優先事項!

VERY 12月号

先に紹介したガチガチのキーワードよりは、若干ゆるめの表現だが、「最優先事項」は日常会話には登場しないし、頭のなかにも存在していない。
しかし、ママが元気にいることは家族にとって非常に喜ばしいことであり、元気なママがテキパキ行動する様子は「最優先事項」の持つニュアンスとしっかり結びつく。

こんなママに育てられた子供たちは、きっといい子になるのだろうなと想像させてくれる秀逸なキャッチコピーだ。

ほとんどオヤジギャグの世界でもOK

おしゃれの「秋活」はじめよう!


おしゃれの
「秋活」はじめよう!

with 10月号

「シューカツ」を「秋活」とは。
新刊発売時期はまだ暑さが残っているが、女性の目はもうすでにおしゃれの季節「秋」に向いている。サブキャッチには、「夏服にはもう、飽きました」とある。
ここでも「飽きた」と「秋」をかけているとしたら、編集者は相当なオヤジギャグ巧者のはずだ。

そこまで分析する読者もいないだろうが、実は女性誌にはオヤジギャグ的ダジャレが頻発する。
納得ずくで雑誌を手にする女性たちは、そこらのオヤジたちよりも腕が立つのかもしれない。

女性誌のキャッチコピーから学ぶ、心をつかむ5つの術、後半は

大げさすぎる表現が好まれる

WordPressへのログインアタックを一発で撃退するプラグイン

WordPressへのログインアタックを撃退

WordPressをCMSとして採用されている人にとって気がかりなのは、普及率が高いことによるハッキングの多さだ。更新を重ねて、やっと満足できるアクセスが稼げるようになった矢先に、知らない間にハッキングされて、マルウェアを訪問者にまき散らしていた・・・などという事態だけは避けたい。

ハッキング対策を突き詰めて考えると、心配で寝られなくなってしまうので、ハッキングのなかでもとくに注意したい「ログインアタック」対策についてプラグイン「Limit Login Attempts」を紹介しよう。

WordPressはカスタマイズに関する情報がネット上に豊富にあり、ありとあらゆる便利なプラグインが無料で入手できることから、世界的に人気がある。CMSとしても多くのWEBサイトで活用されており、ハッカーたちは無数に攻撃対象を持っていることになるのだ。

彼らは無作為に攻撃を仕掛け、WordPressのセキュリティホールをついてハッキングしようと執拗にアタックを仕掛けてくる。

この記事では、ログインアタックを一発で撃退するプラグイン「Limit Login Attempts」の導入方法を日本語化を含めて紹介していく。あなたも早く「安心」を手に入れ、訪問者に有益な記事をしっかり読んでもらえる環境を整えよう。

ハッキングは空き巣と同じ。居住者の自己責任で対策を打つべし

ハッキングは空き巣と同じ

「サーバー会社が、守ってくれてるでしょ?」

いったい誰がそのような都市伝説を流したのだろうか。
嘘だと思うなら、サーバー会社に問い合わせればいい。「自己責任で」という回答に愕然とするだけだ。

レンタルサーバーは、住居と同じ。誰も空き巣からあなたを守ってはくれない。
空き巣からあなたの家を守るために、セキュリティ会社と契約したり、人感センサー付きのライトを付けたり、カギを特殊なものに付け替えたりするのと同じく、WEBサイトにもハッキング対策が必要なのだ。

ほとんどのWEBサイトは、アタックを受けている

うちのサイトはアクセスも少ないし、個人情報を扱っているわけでもないので大丈夫、なんて考えていたら大間違いだ。あなたのWEBサイトのアクセスログをぜひ確認してみてほしい(できれば今後定期的に確認することをお勧めする)。

そこには必ず、ハッカーたちが攻撃を試みた痕跡が残されている。
下の画像が、ログインアタックを仕掛けられた痕跡を示すアクセスログの一部だ。

特徴としては、同じIPアドレスから短時間にログイン画面(wp-login.php)へのアクセスが記録されていることだ。「POST」と記録されており、機械的に多様なログインIDとパスワードを打ち込んでいることがわかる。一般に「ブルートフォースアタック(Brute Force Attack)」と言われる「パスワード総当たり」攻撃がこれだ。

直近のアクセスログに痕跡がなくても、過去数ヵ月間を調べれば必ず出てくる。アタック対策は、WordPress利用者の必要条件なのだ。

ログインアタックの痕跡

プラグイン「Limit Login Attempts」でログインアタックを撃退

プラグインでハッカーを撃退

プラグイン「Limit Login Attempts」は、WordPressのログイン画面であらかじめ設定しておいた回数のログイン失敗を検出すると、一定時間ログイン認証処理を停止するもの。

さらに制限回数のログイン失敗を検出した場合には、ロック時間が延長される。一定時間ログイン認証がロックされることで、アタックの効率を下げ攻撃者が退散する効果を期待するわけだ。
ログイン失敗の制限回数やロックの時間などは、管理画面で自由に設定でき、ロックがかかった場合には管理者へメールで通知してくれる機能もついている。

Limit Login Attemptsのインストールと設定

それでは実際に、プラグイン「Limit Login Attempts」を実装する手順を紹介しよう。
プラグイン実装の手順は、次のようになる。

  • 1.入手とインストール
  • 2.日本語化も可能
  • 3.プラグイン「Limit Login Attempts」の設定

1.入手とインストール

プラグイン「Limit Login Attempts」はWordPress.org からダウンロードすることができる。

WordPress.org「Limit Login Attempts」ダウンロード

プラグインの有効化

インストールは、ダウンロードした圧縮ファイルを解凍後、[/wp-content/plugins」へアップロードし、管理画面のプラグインから「有効化」すれば完了だ。そのままデフォルトの設定ですぐに機能してくれる。

2.日本語化も可能

プラグイン「Limit Login Attempts」は、初期状態では管理画面が英語表記のままだ。特に難しい英語が使われているわけではないので、そのまま使用しても機能的には何も問題はないが、日本語化して利用する場合は、日本語化ファイルが配布されているので利用してもいいだろう。

日本語化ファイル:limit-login-attempts-ja.po

ダウンロードした日本語ファイルの中に「limit-login-attempts-ja.mo」が存在するので、/wp-content/plugins/limit-login-attempts/にアップロードするだけで、日本語化は完了だ。

3.プラグイン「Limit Login Attempts」の設定

プラグイン「Limit Login Attempts」の設定は、デフォルトでも十分な設定がされているが、管理画面で図のように設定値を変更することでセキュリティを強固にすることも可能だ。

プラグインの設定

念のため、動作を確認してみよう

動作を確認してみよう。

ログインを失敗すると

ログファイルの記録

もしあなたがログインに失敗し、締め出されたら

もしあなたがロックされたら

常用しているパソコン以外でログインしようとした時など、ソラで覚えていたはずのパスワードを忘れてしまっていることはよくある話だ。「あれ?」と数回トライ&エラーを繰り返してしまうと、プラグインはあなたをハッカーとみなしてしまう。

カッとなってしまう方は、ギャンブルだけではなく、WordPressのログインも要注意だ。

不幸にもログインに失敗してしまった時にも、正規の管理者だけに許された救いの手は存在するから安心してほしい。
まず、WiFi接続していないスマホから管理画面にアクセスし、正しくログインする。プラグイン「Limit Login Attempts」の管理画面から「ロックを解除する」ボタンをクリックすると、ロック状態から解放される。

ロックの解除

WordPressを健全に運用してこそ、集客につながる

安全なWEBサイト運営を

お化け屋敷ではないのだから、危険が潜むWEBサイトに人が集まるはずがない。
集客し、訪問者にしっかり情報を持って帰ってもらうためには、WEBサイトを健全に運用することが最低限の条件だ。

WordPressは、サイト構築のツールとして非常にすぐれた構造と機能を兼ね備えている。多くのユーザーから支持されればされるほど、それに付け込もうとする者もいるのだ。WordPressをしっかり維持管理し、たくさんの方々にあなたのすばらしいコンテンツを届けて欲しい。

この記事が、まじめにWEBサイト運営に取り組んでいるあなたの参考になれば幸いだ。

Googleアナリティクス設定の定番、ユーザー共有設定の方法

Googleアナリティクスの共有設定

Googleアナリティクスを使用するにあたり、基本的な設定が2つある。自分のアクセスを除外する設定と他者とアクセス解析データを共有する設定だ。

WEBマスターが保守を担当するWEB制作会社とアクセス解析データを共有すれば、WEBサイトの目標を達成するための改善について、同じ話題を持つことができる。WEBサイトの運営はPDCAサイクルを回すことで、目標に少しずつ近づいていくものであり、これはきわめて大切なことだ。

この記事では、より良いWEBサイトの運用に役立てていただくために、Googleアナリティクスの基本設定である「データ共有」の設定方法を紹介する。

アナリティクスを共有し、改善を模索する

改善を検討する

Googleアナリティクスによって得られるアクセス解析データで重要なものは、訪問者数、PV数、WEBサイトでの滞在時間、検索キーワード、アクセスページ、ディレクトリ、ランディングページなどだ。

新設ページへのアクセスが目標に近い状態になっているかを調べるために、フィルタを設定しカスタマイズすることも可能になる。

これらの解析データをWEBマスターとWEB制作会社が共有することで、プロジェクトを開始した際に掲げた同じ目標に向かって進むことができる。

仮説が正しかったかどうかをWEB制作会社が検証し、まだ目標に達していなければ改善点を提案し、修正する。その修正をさらに検証し修正を重ねることによって、目標に近づいていくのだ。

WEBサイトを制作する段階では自社内、WEB制作会社との共同作業を至るべき着地点に落とし込むだけだが、運営は外部環境の影響を大きく受けるから、単純に答えが得られるものではない。だからGoogleアナリティクスのアクセス解析結果を分析し、届いていない目標に向かって改善を重ねる必要があるのだ。

この経験を重ねることによって、WEBマスター、WEB制作会社の知見も深まり、より高度な運営に移行していくことができる。

Googleアナリティクスを共有設定する手順

Googleアナリティクスの共有設定を行うのに必要なものは、データを共有させる先のGoogleアカウントだ。これさえあれば、簡単に設定することができる。

Googleにログイン後、Googleアナリティクスに移動

Googleアナリティクスにログイン
Googleアナリティクス設定

すでにGoogleにログインしていれば、Googleアナリティクスの管理画面に移動しよう。

もしまだGoogleにログインしていないのであれば、まずGoogleアカウントでログインしてから、Googleアナリティクスの画面に移動しよう。

ユーザー管理

Googleアナリティクスの管理画面上部にある、「アナリティクス設定」をクリックすると、「アカウント」「プロパティ」「ビュー」3列に並ぶ画面に移動する。

3列に並んだ、「アカウント」「プロパティ」「ビュー」のうち、最も右側の列「ビュー」の「ユーザー管理」をクリック。

Googleアナリティクスの共有設定をするユーザーを登録する

「権限を付与するユーザー」の下部にある入力ボックスに、Googleアナリティクスを共有設定したいGoogleアカウントのメールアドレスを入力する。

メールアドレスを入力

Googleアナリティクスの共有設定をするユーザーの権限を設定する

さらに右側にあるのは権限設定だ。ここでは、次の権限をデータを共有するユーザーに付与することができる。WEB制作会社との関係によって、権限を設定しておくことをおすすめする。

ユーザー管理

ユーザーを管理する権限(ユーザーの追加/削除、権限の設定)。編集や共同編集の権限は、含まれていない。

編集

ユーザー管理を除く、ユーザーやプロパティ、ビュー、フィルタ、目標などの追加や削除ができる権限。レポート データの表示が可能。共同編集の権限も含まれる。

共有設定

個人のアセットを作成したり、共有ができる権限。ダッシュボードやメモの編集といった共有アセットが対象となる。「表示と分析」が含まれる。

表示と分析

アクセス解析レポートの表示、データの構成、フィルタを設定するといったデータ操作、個人的アセットの作成と共有、共有アセットの表示ができる。

ここまでの設定を行ったら、「追加」ボタンをクリックするだけで登録は完了だ。

登録内容が反映されているかを共有設定したユーザーに確認しておこう。

共有することで得られるものを予測してみよう

Googleアナリティクスの共有設定は、WEBサイト運営の目標に到達するうえで、非常に大切なものだ。

アクセス解析データを機密事項などとして社外に公開しないなどといったことはせず、ぜひWEB制作会社と共有していただきたい。閉ざすことによって守るものより、公開することによって得られるものの方が大きいことを認識していただきたい。

Googleアナリティクス設定の定番。自分のアクセスを除外する方法

Googleアナリティクス設定の定番

自社サイトを運用するWEBマスター、クライアントのWEBサイトを保守するWEB制作会社。WEBサイトの更新を行う際、Googleアナリティクスに何の設定もしなければ、両社からのアクセスは一般の訪問者のアクセスと同様に扱われる。

厳密に考えれば、それは基本的に排除すべきアクセスだ。

この記事では、この不要なアクセスを除外するGoogleアナリティクスの設定方法について、説明していく。

Googleアナリティクス設定に必要な条件、固定IPアドレス

自社からのアクセスを除外するためには、そのアクセスがどこからのものかをGoogleアナリティクスに知らせ、一般の訪問者とは異なることを認知させることが必要だ。

そのために必要なのは自社がインターネットを利用する際に、固定IPアドレスが設定されていること。固定IPアドレスの設定がなければ、Googleアナリティクスは明確にアクセス元を認識できない。自社が利用しているプロバイダからのアクセスを除外することもできるが、それでは一般の訪問者も除外されてしまう可能性がある。

やはり固定IPアドレスを設定する方法で臨みたい。

自社からのアクセス除外を登録する方法

Googleアナリティクスの設定画面

Googleアナリティクスの画面を開き、最上部右側にある「アナリティクス設定」をクリック。

Googleアナリティクス初期画面

画面は3列に分割されているので、最も右側の「ビュー」列にある「フィルタ」をクリックしよう。

Googleアナリティクスのフィルタ設定

フィルタ機能を使う

「フィルタ」の設定画面が表示されるので、「新しいフィルタ」ボタンをクリック。「ビューにフィルタを追加」画面が表示される。

「ビューにフィルタを適用する方法を選択」では、「新しいフィルタを作成」がデフォルトで選択されているので、そのままにしておく。

「フィルタ情報」に入力するのは、そのフィルタの名前で必須入力項目だ。自由に設定していいものだが、後で見たときに分かりやすいものにしておこう。当社では「FLV除外」としている。

Googleアナリティクス、フィルタ詳細

自社の固定IPアドレスを除外設定する

「フィルタの種類」は、まず「定義済み」をクリック。

「除外」を選択すると、右側に「参照元かリンク先を選択します」というプルダウンメニューが表示される。

このプルダウンメニューで、「IPアドレスからのトラフィック」を選択。最右の「式を選択します」はそのままにしておく。

下に「IPアドレス」と表示されているので、自社の固定IPアドレスを「182.55.123.987」のように入力する。

Googleアナリティクス設定、IPアドレス

設定を保存する

すべての設定項目を入力し終わったら、最下部にあるブルーの「保存」ボタンをクリックしたら設定は完了だ。

アクセス除外をすぐ確認する方法

アナリティクス設定で行った登録内容が反映されているか、すぐに確認する方法がある。Googleアナリティクスの「リアルタイム」機能だ。

上部のボタン群から「レポート」を選び、レポート画面を表示させる。

デフォルトで「ユーザー」の「サマリー」が表示されるが、画面左側「ユーザー」ボタンのすぐ上にある「リアルタイム」から、「サマリー」を選択する。

Googleアナリティクス・リアルタイム

すると、現在自社サイトにアクセスしている訪問者の行動が表示されている。

次に、あなた自身が自社サイトにアクセスしておく。あなたのアクセスが「リアルタイム」画面に表示されるかを確かめるためだ。

アクセスの多いWEBサイトならば、数件、数十件のアクセス状況が表示されている。これではあなたのアクセスがどれか分からないので、「サマリー」の下にある「地域」をクリックする。右側に「Japan」と表示されているリンクをクリックすると、「市区町村」にデータが細分化される。そこに、あなたがアクセスしているポイントが表示されていなければ、これまでに設定したフィルタが無事反映されているということだ。

あるいは、
WEBサーバーに一般の訪問者がアクセスできないページを置き、そのページにアクセスする。
そのアクセスがリアルタイムで表示されていなければ、同様にGoogleアナリティクス設定で行ったフィルタ設定が反映されたと考えて良い。

影響を考慮して除外設定を行おう

これまで見てきたように、自社からのアクセスをGoogleアナリティクスで除外設定するのは、固定IPアドレスさえあれば、そんなに難しいことではない。かんたんな設定を行うだけで、Googleアナリティクスでのアクセス解析がより正確なものになる。

もうひとつだけ注意を申し上げておく。
自社サイトを運用するWEBマスターが、そのアクセスを除外するということは、自社からのアクセスをすべて除外するということでもある。

WEBサイトは、ある意味自社からのアクセス(自社使用)も歓迎すべきものでもあるので、影響をよく考慮してGoogleアナリティクスの設定を行うかどうかを決断していただきたい。

ビッグワードで8年間、1位を維持できたSEO3つの理由

ビッグワードでSEO

2013年10月、Googleが検索アルゴリズムに「ハミングバード」を導入し、その前後でのパンダアップデートによる低質なコンテンツ排除、ペンギンアップデートによってスパムコンテンツが排除され続けていることから、検索者ニーズに近い、良質なコンテンツを持つWEBサイトが検索上位に掲示される環境が整ってきた。

これらのアップデートが実施される理由は、WEBマスターをいじめるためではない。
Googleも検索ユーザーのニーズを満足させる検索結果を提示しなければ、「使えない検索エンジン」として三行半を突きつけられる。検索精度を上げなければ、Googleも生き残れないからなのだ。

WEBマスター側からの視点のみでこれらのアップデートを捉えると、「おおごと」にしか見えないが、かねてから良質なコンテンツを提供しようと考えているWEBマスターにとっては、むしろ歓迎すべき出来事だ。

この記事では、過去私たちが8年もの間、良質なコンテンツを提供することによってビッグワードで1位を維持してきた理由を明かし、そのような活動を行おうとするWEBマスターに勇気を与えたいと考える。

「ツール・ド・フランス レポート」が、ビッグワードSEOのスタート

ツール・ド・フランス

2000年7月、当社はある自転車ブランドのWEBサイトを公開。このブランドが、当時ツール・ド・フランスに参戦していたチームの機材サプライヤーだったことから、同サイト内でチームの活躍を紹介する「ツール・ド・フランス レポート」を企画した。

ツール・ド・フランスは毎年7月に開催される自転車のロードレースで、3週間かけてアルプス、ピレネーといった急峰越えを含む、全行程約3,500キロを走破する過酷なスポーツイベントだ。全世界で約10億人が放送を視聴すると言われている。

私たちは毎日深夜までJsportsを食い入るように見たあと、公式サイト「le tour」のコメントや各国のネットメディアをチェックし、毎日のレースを分析したり、データを見やすいように組み直していた。

サポートしていたチームのエース選手が2005年に個人総合優勝7連覇を達成したシーズン、「ツール・ド・フランス レポート」は7月単月で100万PVを超えるアクセスを稼ぎ出すまでに育っていたのである。ツール・ド・フランスが開催されていない月でも10,000件を超える訪問者が「ツール・ド・フランス」にまつわるビッグワードでアクセスしており、広告換算すると年間約3,000万円に相当する。

伝えようとする情報の魅力を十分に理解する

ビッグワード「ツール・ド・フランス」

ツール・ド・フランスでは、毎日「ステージ」と呼ばれるレースが行われ、日々180人余りの選手たちがその日のステージ勝利を競う。それとは別に、すべてのステージの累積タイムが最も短い選手だけが手にできる「個人総合優勝=マイヨ・ジョーヌ(個人総合優勝者に贈られる黄色のジャージ)」を最終的に奪い合うのだ。

ただ、最も栄誉ある賞が「個人」だからといって、個人スポーツなのではない。
チームとして、たった一人のエース選手をリスクから守り、自ら「風よけ」となりながらサポートし続け、戦術を駆使しながら3週間を戦い抜くチームスポーツだ。

レースは、チーム戦略、手練手管、ライバルとの駆け引き、天候、人間性、国といった、ありとあらゆる条件が複雑に絡み合うヒューマンドラマでもある。自転車ロードレースファンは、その泥臭い人間臭さに酔い、アルプスやピレネーの急峰でよだれを垂らしながらも必死でペダルを踏みつける「人間」の生き様を楽しむ。

私たちは自転車ロードレース、ツール・ド・フランスの素晴らしい世界を伝えるために、その奥深さを理解しWEBサイトを通じて毎日熱く語り続けた。

ビッグワードSEOの要諦は、コンテンツの質と量

ツールル・ド・フランスの資料

私たちは、コンテンツを担当し始めた当初から企画が終了するまでの間、幅広い情報を得るべく数十冊の関連情報の単行本、フランスの旅行誌、自転車雑誌などの資料を読みあさり、過去のDVDを取り寄せ研究した。スポーツのレポートは、該当する選手たちがどういった活躍をしたか、どういう背景を持っているかといったデータを積み重ねることで厚みが増すからだ。

コンテンツは、ツール・ド・フランスの背景、ルール、各チームの戦力、主力選手、コースマップ、通過する街々の紹介など、基本的なものを細やかにおさえることはもちろん、毎日行われる各ステージの模様や優勝者のコメントを各国のWEBサイトで報じられる情報を収集し、公開締め切りの朝方まで徹底的にブラッシュアップした。

日々突き詰められたコンテンツは、7月末の最終ステージが終わる頃には、毎年100ページを超えるものとなっていたのである。

ツール・ド・フランスの期間中、私たちの発信し続けたコンテンツは、毎朝自転車ロードレースファンは前日のステージの様子をチェックし、現地で取材にあたっていた記者たちも移動中に見逃したエピソードを確認した。

結果、「ツール・ド・フランス」というビッグワードで、延々8年間もの間、1位を維持し続けたのだ。

本気でビッグワードSEOを行う際に、気を付けるポイント

1.ひとつのテーマ、キーワードでコンテンツを積み重ねること

個人のブログがなぜアクセスを稼げないかというと、確固たるテーマがないからだ。ある時は昼食のうどんについて感想を綴ってみたり、またある時は職場に導入されたコピーのすばらしさを説く。これではGoogleはこのWEBサイトが何についてのスペシャリストなのかがまったく理解できないから、検索者に「あなたのためになりそうなページだから、チェックしてみてはどうですか?」と、推薦のしようがないのである。

あるビッグワードで上位に食い込むためには、同じテーマで綴られたコンテンツが重なる必要がある。

「ツール・ド・フランス」を連発しているこの記事をリリースしても、この記事単体で検索上位に入ることは難しい。せいぜい100位あたりをフラフラさまよっているのがいいところだろう。それは、当社のWEBサイトで他にツール・ド・フランスを紹介するページが存在しないからだ。
それほど、ビッグワードでの上位ランキングは甘くはない。

しかしスペシャリストならそれができるはずで、Googleも同じ考え方で検索上位を決めている。その証拠に、Googleの上位決定のアルゴリズムは、ページ単体のキーワードだけではなく、WEBサイト全体を構成するキーワードとの整合性を鑑みながら順位を決めているのだから。

私たちが成功したビッグワード「ツール・ド・フランス」での1位獲得を例にとると、最も上位にあるキーワード「ツール・ド・フランス」を頂点に、そのコンテンツは下層にあるミドルキーワード、あるいはスモールキーワードで構成されるべきだと推測できる。このようにレベルの異なる関連キーワードが散りばめられたページが重なれば重なるほど、Googleは「専門性が高いコンテンツ」という評価を行い、検索者に推薦しやすくなるのだ。

ビッグワード ミドルキーワード、スモールキーワード
ツール・ド・フランス
  • 自転車
  • ロードレース
  • マイヨ・ジョーヌ、マイヨ・ベール、マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ、マイヨ・ブラン(各賞の名称)
  • チーム名、選手名
  • グラン・デパール(固有の用語)
  • ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャなど(その他の著名な自転車レース)
  • スプリンター、オールラウンダー、クライマー、スピードマン(選手のタイプ)

2.頻度を上げて取り組むこと

Googleクローラー(データ収集ロボット)の訪問頻度と、検索順位に相関性があるとのレポートがされている。つまり、クローラーがWEBサイトを訪れる頻度が高くなればなるほど、上位表示される可能性が高くなるのだ。

「ツール・ド・フランス」は23日間の開催期間中、2日しか休みがないため、必然的にほぼ毎日レポート本文、関連するデータ、ギャラリーを更新していた。

ビッグワードで検索順位トップのWEBサイトが頻繁に更新を行えば、Googleもそのデータを取得するために何度となくクローラーを野に放つことになる。次の日もその翌日も、データを取得し、データベースに反映させる。

このサイクルが波に乗ると、更新内容がスピーディに検索結果に反映され、さらに人を呼び込む好循環に至るのだ。

3.質の高いコンテンツを提供すること

コンテンツを積み重ねる

製品情報一辺倒の情報しかないブランドホルダーのWEBサイトも、実は同様なのだ。

たとえば、ある家電メーカーの製造しているハードディスクレコーダーは、数多のオンラインショップでも紹介されているし、卸会社のWEBサイトでも紹介されていたりする。それを購入したユーザーのブログや価格コムでも感想が述べられていたりする。もしかすると、ユーザーのブログの方が検索者のニーズに合った情報が濃いかもしれない。

なぜなら、この家電メーカーは自社の製品については自己主張の強いメリットをいくつか挙げて紹介するが、それ以外の製品に関する一般的な情報について紹介しないことが多い。しかしハードディスクレコーダーを初めて購入しようとする人や機械が苦手な人にとっての情報はほとんどない。あったとしても、誰もが想像できるような薄い情報しか載せていない。

Googleはハードディスクレコーダー初心者に、この家電メーカーのページを推薦できるだろうか。それより、いろいろなレベルの人の感想が多く寄せられる価格コムのページを推薦した方が検索者ニーズに合っているといえるのだ。

要するに、質の高いコンテンツとは、困っている人を助けてあげられるもの。その情報を得たことによって、感謝してもらえるコンテンツのことだ。

GoogleはSearch Consoleのヘルプで、「質の高いコンテンツを作成する」ためのポイントを次のように示している。

  • 有益で情報が豊富
  • 信頼性がある
  • 高品質
  • ユーザーを惹きつける

ビッグワードSEOのまとめ

私たちが「ツール・ド・フランス」というビッグワードで8年間検索順位1位を維持できた理由は、コンテンツの質と量だ。

「ツール・ド・フランス レポート」の企画をスタートした当初は、SEOを意識していたわけではなかったが、結果的にコンテンツが質と量を備えていったことで、wikipediaや生中継していたJsportsのサイトをおさえることさえできたのだ。

自転車プロロードレースのジャーナリストでもなく、元選手でもなく、ブランドホルダーのスタッフでもない私たちがそれを達成できた理由は、検索者のニーズを満たすコンテンツを発信し続けたからだ。

残念ながら、この記事で紹介した「ツール・ド・フランス レポート」は、企画がスタートした当時はほぼ皆無だった自転車関連の専門メディアが、いくつか登場してきたためブランドホルダーが大イベントを追いかけることもないだろうという理由でクローズとなった。
しかし、どうすればコンテンツを検索上位に引き上げられるかという考え方は今でも通用するものであり、筆者はこの王道のハウツーをクライアントに説き続けている。

この記事を読んでいる方々が、何かのスペシャリストであるならば、自分の持つ知識を分かりやすく紹介することでビッグワードによるSEO、それに伴う集客は可能になる。いや、いまスペシャリストでなくても、努力次第で人を惹きつけるスペシャルなコンテンツを生み出すことは十分に可能なのだ。

ビッグワードで検索上位を狙うには、最後はあなたのなかに眠っている、ありたっけの「しつこさ」で攻めることだ。そうすれば、得たいポジションを必ずや獲得し集客につなげることができるだろう。