作成者別アーカイブ: 平田 弘幸

トラックボールの利点を見逃すな。愛用者が伝えたい7つのこと

トラックボールの利点を見逃すな。

長時間PCの前で作業をしていると、体が硬くなり、肩がこってくる。モニターが大きいので、画面の端のファイルにポインタを合わせようとすると、何度もマウスパッドからマウスがはみ出してしまい、ガチャガチャと位置を変えるので隣の人に「うるさい!」と言われたことがある・・・。

あなたはポインティングデバイスの王者、トラックボールの存在を忘れてはいないだろうか。

トラックボールのどっしりとした存在感とともに、これから紹介する数々の利点をかみしめれば、あなたはきっとどこかのネットショップで思わず「ポチ」っとしてしまうかもしれない。

筆者はPC歴30年、トラックボール愛用歴10年のWEB制作会社の経営者。

1.トラックボールは、右肩の負担を緩和

PCは欠かすことのできない便利なツールだが、やはり長時間同じ姿勢で使用することによるデメリットは周知の通り。エコノミー症候群と同じく、同じ姿勢を長く維持していることによって体への負担は想像を絶するものがあるのだ。

1-1.猫背姿勢による、腰への負担

猫背姿勢による、腰への負担

PC操作の長時間化で指摘されているのは、猫背姿勢による背骨の曲がり。座高が高い、腹筋、背筋のバランスが悪く、どうしても楽な姿勢 - 気付くと猫背になってしまうという人が陥りやすい症状だ。

腰からくる病気は、数限りない。背骨をまっすぐにし続けるのが辛くなってきたら、いったん休憩を入れる、その場で背伸びをしてみるといったことだけでも、少し症状は緩和される。

1-2.にわとり型くび傾斜による、首への負担

にわとり型くび傾斜による、首への負担

意外と多いのがこのタイプだ。先ほどと同じく座高の高い人や近視の人に多い。背骨から伸びた頸骨(首の骨)がモニターをのぞき込むのに集中するあまり、極端に前傾斜になってしまい、にわとり独特の首の動きに似ていることから、こう呼ばれるようになった。

この症状の対処法は、胸を張ることだ。胸を張ると、自然に首はあるべき場所に落ち着くので、「にわとり」にはならない。

1-3.右腕だけを極端に使用することによる、アンバランス

いよいよトラックボールの利点を紹介するポイントがきた。

先の2点は、心構えや筋力強化で解決できる課題だが、マウスを長時間使用することによるアンバランスは、マウスを使っている限り避けようがない。しかしトラックボールを導入すれば、そのアンバランスは、かなり改善される。なぜなら、トラックボールを使えば、ほぼ親指のみでポインティングを行うので、右腕(右肩)の動きは必要最小限になるからだ。

マウスを操作するには、キーボードから右手を移動させマウスを持ち、そのままマウス自体を移動させることによってポインティングを行う。しかしトラックボールの場合はキーボードから離した右手をマウスと同様少し移動させるだけでいい。あとは静かに親指に意識を集中するだけで、思い通りにぴたっとポインティングしてくれるのだ。

人間の体は基本的に左右対称にできているのに、PCを操作するために右手だけを不必要に動かすのはおかしい。しかもPCの操作になれていなかったり、長時間操作を行うことで、右肩から下部の部位に良いわけがないではないか。

2.トラックボールがきつい肩こりを緩和

きつい肩こりを緩和

筆者はこの仕事を始めたころ、きつい肩こりに悩まされていた。それを解消できないかとGoogle先生に教えを乞い、トラックボールの存在を知り、利点の数々を検討した結果、購入に至った。正直なところ、それまで20年近くマウスに馴れてしまっていたので違和感があったが、操作に馴れてからは、肩こりがかなり緩和された(長時間PCに向かっていると、少し親指は疲れる)。

正直に言うと、解消ではなく緩和である。

あなたが考えている以上に筆者はまじめなので長時間PCの前にいるのだ。
その長時間使用がトラックボールの利点の限界を超えてしまっているので、解消ではなく緩和となってしまう理由なのだ。

それでも、使い始めた当初はWindowsだけでの使用だったが、おもにデザイン系の作業をするMacでもトラックボールを使い始めると、筆者のなかでその存在感というか利点が大きくなり、ますます手放せなくなってしまった。そして「親指党」でもつくろうかと感じるくらい、トラックボールの利点に魅了されているというわけだ。

3.トラックボールを使うメリット

トラックボールスイッチ

トラックボールはポインテイングデバイスとして、PC用のみならず、医療機器や船舶、各種の産業機器といった業界で利用されている。TVのリモコンやスマートフォン、ゲーム機のコントローラーにも組み込まれているので、あなたもPC用ではないものを見ているはずだ。

余談だが、こんなにデカいトラックボールもある。用途はお客さん次第らしい。
石川光学造形研究所

すでに1966年には何らかの目的でトラックボールが米空軍に納入されていたという記録が残っている(wikipediaによる)くらいだから、半世紀にもおよぶ歴史を持つデバイスなのだ。

3-1.親指を鍛えられる

親指を鍛えられる

10年ほどトラックボールを毎日数時間使っていると、親指がわずかに筋肉質になっている。この記事を書くにあたって両手を比べて、わずかだが変化している右手の親指を見て、ちょっと笑ってしまった。女性でも許せる範囲の、親指のかわいい「進化」だったからだ。

3-2.誰でも使える簡単さ

なぜこのように多くの業界で採用されてきたか。それは「子供でも使える簡単さ」ゆえだ。トラックボールはくるくると回転するボールを操作するだけで、ある地点を指し示すことができる。初めての人にも操作しやすいツールであるわけだ。

トラックボールの利点を見逃すな。愛用者が伝えたい7つのこと、後半は

「3-3.ガチャガチャと音がしない」へ

サイト運営で迷ってはいけない、2つの大切なこと

サイト運営で迷ってはいけない、3つの大切なこと

この記事を読んでいるあなたは、きまじめな日本人だ。
きまじめな人ほど、しっかりプランニングしてから行動すべきと考える。少し前に読んだビジネス書にも、「プランニングはしっかりと行うべし」と書いてあった。

しかしサイト運営に関して言えば、そんなことをしていたら逆にリスクを背負うことになりかねない。ビジネスを失ってしまうかもしれない。

なぜならネットの常識は日々変化しているわけで、動かない期間があるがゆえに、その変化の兆しにさえ気付けなくなる可能性があるからだ。サイトを運営するうえで大切なポイントは、動き続け、修正し続けることなのだ。

サイト運営を慎重に進めるための社内調整も、問題あり

「もっとブランドを強化したい」

あるクライアントから相談を受けた。
そのブランドは市場からある程度認知されている。しかし競合が多い業界であり、ブランドを差別化するのは容易ではない。

高級時計

法規制のもと、品質に大きな差がある訳ではないため、業界ではブランディングを強化する、いわゆる「イメージ戦略」花盛りなのだ。
実際の当社クライアントの業界とは少し異なるのだが、たとえば「高級時計」の業界を思い浮かべて欲しい。オメガ、ブライトリング、ロレックス、IWC・・・・。華々しい存在感のブランドがひしめき合っているなか、百万円以上する商品を買ってもらうためには、顧客をイメージで魅了してしまう必要がある。

多くの競合企業が存在する業界であればあるほど、「動きながら考える」方法はビジネスにおいて重要な考え方であるはずなのに、クライアントは巨大企業の関連会社ということもあり、体質的に「じっくり考えてから行動する」タイプ。ブランディングを行うために、まずそのコンセプトワークを見直しつつ、方針を定める。そのための社内調整に相当な時間がかかってしまうことは明白だった。

もちろん、クライアントの意向を無視することはできない。
しかし、本当にクライアントを想うのであれば、それよりも大切なのは競合他社の動向である。

可能なアクションからスタートし、より良いサイト運営に貢献

より良いサイト運営

「まずは競合ブランドを調べてみましょう」

私たちが考えていた結論は、競合他社に広げられた差を早く埋めること。ただ、競合サイトを調査していくうちに分かったのは、コンテンツの充実ぶりだ。
高い品質やデザイン性といった基本的な「強み」は言うまでもなく、安心安全、顧客視点、エコロジーなどなど・・・。当社クライアントのサイト運営では、追いつくのに相当なスピードで進めないとますます差は開いてしまいそうな勢いだった。

結果、競合サイトとコンテンツのマトリックスを作成し、歴然とした差をありのまま報告することで、サイト運営に対する危機感を共有することとなる。重苦しいミーティングの雰囲気を打ち破ったのは、やはり「とにかく動こう」という言葉だった。

大上段に振り構えた刀をそのまま鞘に収めることは難しいが、長期化が予想される社内調整を待たずに行動できる部分からコンテンツを追加更新していくことで了解を得、メンバーの意思統一を図ったのである。

サイト運営のキモは、スピードとPDCA

サイト運営のスピードを上げ、競合他社に追いつくために必要なポイントがある。

サイト運営のキモは、スピードとPDCA

質の高いコンテンツを多く追加する

修正することでさらに質を上げ、顧客の満足につなげる

競合他社に遅れをとっている企業は、とにかく必死で走らなければならない。しかし、ただやみくもに走ってもムダが多くなってしまう。これを避けるためには、オウンドメディアである自社サイトで質の高いコンテンツを増やし、ターゲット顧客に有益な情報を提供することだ。

Googleは、検索アルゴリズム「ハミングバード」の導入にあたり、こう宣言した。

検索者の高いニーズに応えられる質の高いコンテンツを持つサイトを優遇する

実はGoogleが生まれたときから、彼らが重視していたのは、コンテンツの質と量だ。2012年の「ハミングバード」導入時に改めてそのポリシーを世界に向けて宣言しただけなのだ。だから現在弱者であるサイトを運営する企業は、このことを肝に銘じながらコンテンツの質と更新スピードをアップさせる必要があるのだ。

修正することでさらに質を上げ、顧客の満足につなげる

質の高いコンテンツを多く追加する

サイトの運営で忘れてはいけないことは、修正し続けることだ。

きまじめな日本人は、初回のリリースに全精力を注ぎ込む。訪問者からの反応は気になるので、少しチェックはするが、その後は「作りっぱ」の状態に陥ってしまう。つまり、初回リリースで疲れ果ててしまうのだ。

これは、サイトを作ることが目的となってしまっていて、ビジネスを営むことの本質を忘れていることに他ならない。
サイトの運営は、ビジネスを営むことと似ている。ビジネスは、アイデアを形にしても、顧客のリクエストに応えながら形を変えなければ、生き残っていけない。

できる営業職のプレゼン資料やトークは、絶えず見直されている。
彼らは顧客の食いつきが良かったポイントを見逃さず、命綱のツールに修正を加えていて、だからこそ優秀な成績を上げられるのである。

サイトの運営においても、コンテンツを見直すためのポイントにあらかじめアタリを付けておき、PDCAサイクルを回すことを考えておくことだ。
直帰率、滞在時間、セッション数、検索キーワード・・・、アクセス解析ツールなどを駆使しながら修正すべきポイントを見つけ、改める。これを数回繰り返せば、おおよそあなたの狙った目標に到達してくるはずだ。

WEBサイトの運営で訪問者に分かりやすく全体設計を行うべしという課題がある。この課題について、解決方法を提示したコラムを執筆しているので、こちらも参考にしてほしい。

情報分類にはマジメに取り組むな、のココロ

サイトの運営においては、セオリー通りが正しいとは限らない

セオリー通りが正しいとは限らない

大上段に構えて「こうあらねばならぬ」と筋を通すことが、いつも正しいとは限らない。
誤解を招くことをおそれずに言おう。考える前に、とにかく走り出せと。

WEBサイトという「更新」が可能な、いや容易に行えるメディアを自社で運営している限り、あなた自身の「変容」が成功への近道なのだ。
サイト運営を、リリースしたら修正が簡単に効かない印刷物のように考えていては、いつまでも低空飛行を続けるしかない。

アメリカの有名な、靴のネット通販会社「ザッポス」をご存じだろうか。
創業者のニック・スウィンマンがザッポスを始めたきっかけは、「ネットで靴が売れるかどうか確かめたかった」からだった。

靴販売に関して素人だった彼が行ったのは、
ネットショップを準備し、近くの靴屋で撮った写真を並べること。
売れたら大急ぎで店で商品を買いに走り、送るということを繰り返していた。

結果、ビジネスになりそうだと判断したので、ベンチャーキャピタルを営んでいた現CEOのトニー・シェイに相談を持ちかけたらしい。紆余曲折はあったものの、その後の彼らのビジネスの大成功は言うまでもない。

「走り出してから考える」は、ビジネスを成功に導くための近道なのだ。

求人しているWEB制作会社の社長は、あなたのどこを見ているか

求人しているWEB制作会社の社長は、あなたのどこを見ているか

WEB制作に就くことを夢見て、専門学校に通ったり、独学でスキルを磨くあなた。多くの人は、その夢を実現するためにWEB制作会社に就職することになるのだが、その前に未経験のあなたを採用してくれるWEB制作会社を見つけるという大仕事が待っている。

もし、求人を行っているWEB制作会社の採用担当者が何を求めて採用活動をしているかを知ることができれば、その対策を打てるようになる。

この記事では、採用担当者である筆者や他のWEB制作会社の採用担当(多くは社長)から聞いた真実を明らかにする。その真実に応じた対策を講じることで、あなたは自分の個性に合った良い就職先を最速で見つけられるようになるし、私たちもハッピーになれるはずなのだ。

そしてあなたには、就職したあとのWEB制作業務でも、事務所の先輩たちを実力で追い抜けることを目指してもらいたい。

多くの制作会社は、チームで仕事を進める。あなたは、その一員になれるだろうか

チームの一員として機能できるか

筆者がWEB制作を始めた20年近く前、WEBデザイナーと呼ばれる人たちは、企画からプログラミングまでのすべての作業を一人で請け負っていた。しかし、技術が高度になり専門性が極めて高くなったために、一人のキャパシティですべての業務をこなせなくなってきた。

結果、多くのWEB制作の現場ではプランニング、マーケティング、ライティング、デザイン、コーディング、システムといったセクションができ、各部門の専門スタッフが自分の領域で分業によるプロジェクトを進めている。

つまり、いまWEB制作の現場ではひとつのWEBサイトを作るのに、多くの部門のスタッフがチームの一員として動くことになるわけだ。

チームとして動くということは、スタッフ(=制作している仕様の一端)ととらえることができ、スタッフ間のコミュニケーションの密度だったり、チームの推進力を保つといったことが非常に重要になる。だから、WEB制作会社に入社したあなたに求められるのは、

チームの一員として、能力を発揮できるポテンシャル

なのだ。
面接官は、このポイントをかなり重視している。まず、面接官とスムーズな会話のキャッチボールができているか。そして、「この人とチームを組みたい」と感じさせることができるかどうかだ。

「大丈夫かな。他のスタッフと上手くやっていけるかな?」と不安に思わせるようでは、内定はおぼつかない。

WEB制作業界で必要なものは、コミュニケーション力

コミュニケーションが得意か

私がこの記事で厳しいことを伝えるのには、理由がある。

制作プロダクションに勤めるということは、長時間労働をいとわない覚悟を決めるということでもある。しかし、あなたがもしクライアントとのやりとりをスムーズできず、社内での引き継ぎ事項を明確に伝えることができなかったら、長時間労働は「超長時間労働」になってしまう。

WEB制作に夢見て入社してきても、疲労こんぱいで体調を崩してしまう人さえいる。あなたにはそうなって欲しくないから、コミュニケーション力が最低限必要だと言っているのだ。

さらに、コミュニケーションが上手くできる人は、伸びるのも早い。先輩たちのテクニックを上手く引き出し、自分のものにできる能力ともいえるからだ。

独学で学ぶより、良い指導者に師事するほうが上達は数倍早い。極端な話、良い指導者につかなくても良いテクニックを持っている人にさえつけば、あなたのコミュニケーション力を使って、それを自分のものにできる可能性があるからだ。

もういちど言おう。
これはどんな業界でもあてはまる。あなたが決めた道でハツラツと仕事をするために必要なのは、コミュニケーション力だ。

もしコミュニケーションが下手だったら、人間性で勝負だ

人間力で勝負できるか

面接を前に、コミュニケーション能力を高めろと言ったところで、かんたんに改善できるものではない。そういう人は、人間性をさらけ出そう。

「こいつ、いいヤツだなぁ」と面接官に感じさせるエピソードを話してみる。その話に感じ入れば、「この人とチームを組みたい」と思ってくれるに違いない。

人間性、人間力が尊重されないような会社はおすすめしない。

筆者の経験では、すべてをビジネスライクに割り切って仕事を進めたがるクライアントはごく少数だ。いい仕事をしても、そこに相手をリスペクトする人間性がなければ、その関係は長続きしない。

クライアント側からすれば、どこまで自分の会社のことを思ってくれているかで「良いベンダー」にもなるし、「その他大勢」にもなってしまう。

そういったことが理解できていない会社は、あなたの人間性も尊重してくれないに決まっているから、内定をもらっても辞退したほうがいいと思う。

スキルは無用だが、学ぶ姿勢の有無がポイント

学ぶ姿勢は、的を射たものか

専門学校の就職課の方から、「学生にどのようなスキルを求められますか」と質問されることがよくある。私は決まってこう答えている。

「当社は、今のスキルで判断しません」

スキルは、仕事で培われる。2年ほどしかない専門学校で学んでも、即戦力などありえない。だいたい、2年で即戦力になってしまわれては、先輩たちの立つ瀬がない。

しかし忘れてはいけないのは、スキルを学ぶ態度、姿勢だ。人がものごとを学ぶ段階は、いくつかに分かれる。

第一段階は、目にしたすべてのものをスポンジが水を吸収するように身に付けてしまう段階。新たなものへの興味が人を駆り立てる段階だ。

もちろんこれは、対象となるものごとが「好き」だということが前提条件だ。専門学校で学んでいて、この段階がいまだないという人はこの仕事に興味がないのかもしれない。

第二段階は、苦しみながらも自分が持っていないものを他から吸収しようとする段階。ある程度スキルも身についたが、一皮むけるには至っていない。

天才でもない限り、内から生まれてくるものは限られているのだから、ふつうの人は多くのものをインプットして初めて、いくらかのアウトプットができるものだ。この努力ができない人は、いつまで経っても使えないままだ。

専門分野に対する考え方がしっかりしているか

考え方がきちんとしているか

たとえばあなたがデザイナー志望だとしよう。格好いいデザインがしたいからとか、暖かいデザインを作りたいから、なんて志望理由は話さないほうがいい。

あなたはクライアントから委託料をもらってデザインをする商業デザイナーになるのであって、決してアーチストになるわけではない。クライアントが望む、どのようなテイストにも対応できるデザイナーになるのだ。

採用担当者があなたに望む答えは、デザインに対する考え方だ。

面接に来て、「自分ワールド」を主張する人がいるが、面接官は心のなかで「それがどうしたの?」と思っている。

「アーチストになりたいのなら、他をあたってくれ」と。もしまだあなたが、こんな世界を形にしたいなどと思っているのなら、即刻その考えは捨てるべきだ。

デザインに対する考え方を面接時に聞かれたのなら、こう答えるべきだ。

自分は未経験で、そんな大それたことを言う資格はないかもしれないが、商業デザインに求められるのは、ユーザーにきちんと伝えたい情報を伝え、起こして欲しい行動を促し、感じて欲しいことをイメージさせることだから、クライアントの意向に寄り添い、ユーザーを導けるようなデザイナーになりたい

と主張すれば、面接官の目はキラキラと輝き始める。この人かもしれないと。

がんばれ

今まで伝えてきたことは、スタッフをみてきて必要と思われることばかりだ。ただすべてを完璧に身に付けている就活生はいない。

あなたもきっとその一人だ。だから、就活を前にあなたに考えて欲しいのは、まだ自分に足りないと感じられる部分をどうやって補うかを考えること。

その真摯な姿勢が感じられれば、面接官はきっとあなたを次のステップに連れて行ってくれるだろう。

社長の写真だけで会社のイメージをアップさせる、3つのポイント

社長の写真だけで会社のイメージをアップさせる、3つのポイント

よくできたWEBサイトだなと感心しながら、トップメッセージの写真を見たとたん、会社の行く末を案じてしまうような経験がないだろうか。おそらくWEBサイトをリニューアルした際に、体裁良く撮られたのは前社長。人相悪く写っている現社長の写真を撮ったのは、おそらく総務部の担当者だ。

社長と一定時間対峙しなければいけない状況は、一介の総務部社員にとって耐え難いものだ。緊張感が彼に覆い被さり、できるだけ早くこの場を立ち去ろうとする。社長室に入ってから撮影を終えて出てくるまでの時間、わずか3分。それでいい写真が撮れるわけがない。できあがった写真を見て、社長は一瞬「ん?」と感じてはいるが、技術肌の社長が自分のポートレイトに注文を付けるのははばかられるし、他にやるべきことが山積しているので、「まぁいい」となってしまう。

結果、多くの人が会社の将来を案じてしまう状況になるのである。

この記事では、このようなマイナス要因を排除し、あなたの会社を率いるリーダーの写真をプロ並みに撮影するためのテクニックを解説するものだ。これから紹介するコツを実践するだけで、社長のイメージアップとともにあなたの会社は将来も安泰だと感じさせることができるだろう。

社長の写真を撮影する前に、どう売るかの戦略を立てよう(事前準備)

社長の写真を撮影する前に、どう売るかの戦略を立てよう(事前準備)

社長は、世間からどう見られているだろうか?二代目なら、「息子さんはオヤジさんが築いたものをきちんと引き継ぎ、舵取りできるのか」だし、店頭での笑顔が勝負のサービス業なのに、社長が強面なら「柔らかな優しそうな印象」が求められる。社長の写真は、会社のすべてを背負っているのである。
社長の印象をどのように世間に売り込むべきか、撮影の前に社長と打ち合わせをしておくこと。社長を説得し、責任を自覚してもらおう。その目的を達成するために社長と総務部は全力を上げて取り組むべきだ。

撮影のテクニック

撮影のテクニック

カメラの技術については、カメラマンをはじめとする専門家に委ねるとして、この記事ではそれ以外のテクニックを紹介したい。筆者が伝えたいのは、「技術は優れているけれど、センスの悪いカメラマンと、技術は平凡だけどセンスのいいアマチュア」のどちらを選ぶかと聞かれて、前者を選ぶ人はいないということだ。もちろん、すべてを備えたカメラマンが一番だが、社内で社長の撮影を済まそうとしているわけだから、そんな高給取りのカメラマンなど雇える予算はない。
しかし3つのポイントを押さえるだけで、あなたはセンス良く社長の写真を撮影でき、予算の問題も会社のイメージアップという命題もクリアすることができるのだ。

1.どこから撮っても絵にならない人はいない

映画俳優やアイドルのような「花」はなくても、人はそれぞれ素晴らしい個性を持っている。その素晴らしい個性を上手く引き出すことができれば、「いい写真」になる。総務部が片手間に撮った写真は、社長の個性を引き出せていないだけなのだ。

1-1.個性を引き出すための一つめのポイントは、「瞬間」

個性を引き出すための一つめのポイントは、「瞬間」

ふだん強面の社長でも、笑ったとたんに子供のような表情になる人がいる。いつも笑ってばかりなのに、社員の意見に耳を傾けているときは鋭い目をする人もいる。あなたが、事前に社長と打ち合わせた方針と照らし合わせて、社長のどんな瞬間がそのテーマと合っているかを決めておく。社長と近い位置にある総務部だから、彼が見せる「瞬間」は十分に知っているはずだ。撮影の間、社長がその表情を見せる瞬間を引き出せそうな話をしながら、ファインダーをのぞき続ける。

1-2.個性を引き出す二つめのポイントは、「角度」

左右対称の顔を持つ人は、100%いない。社長の顔をじっと見つめ、左右どちらから撮影した方が良く見えるかをチェックしよう。左から見た方が良さそうなら、あなたはその位置にずっと陣取っておく。同じ方向ばかりだと飽きてしまうからと、位置を変えるなどもってのほかだ。

1-3.個性を引き出す三つめのポイントは、「背景」

社長をフィーチャーするのが撮影の目的なのだから、背景はボカしておく。一眼レフカメラなら、「F値」を最小限に設定しておく。コンパクトカメラなら、「ポートレイトモード」に設定しよう。ここで気を付けたいのは、背景と社長の距離だ。テスト撮影し、背景が十分にボケるだけの距離をとってもらおう。

2.自然な表情を引き出す

自然な表情を引き出す

社長の写真を撮影するとき、「はい、チーズ」はNGだ。撮影され馴れていない人は、百戦錬磨の社長といえども緊張してしまい、表情がこわばってしまうからだ。撮影は最低2人以上で行うのが原則だ。一人はカメラマンのあなた。もう一人は、社長とたわいのない会話を楽しむ役割。総務部の社員が撮影するとはいえ、最初は緊張感が漂うものの、社員との会話を続けていると社長の「素」が出てくる瞬間がある。この瞬間=自然な表情をあなたは鷹が獲物を狙うかのように待ち続けるわけだ。

3.シチュエーションを変える

どうも閉ざされた社長室という異質な空間では、社長の良さが引き出せないことがある。こういった時には、思い切って社長室を飛びだそう。屋上でもいい。社員たちがひしめくオフィスでもいい。明るいオフィスを背景に、腕を組んだ社長を少し上からのアングルでとらえれば、少し格好いい社長像のできあがりだ。そのほか、あなたのアイデアで社長をどこにでも立たせることができる。ただし、あまり失礼なことはしないように注意しよう。

まとめ

シチュエーションを変える

素人写真だからと諦めてはいけない。うちの社長はフォトジェニックじゃないからとやる気を出さないのは、失礼だ。世間は、社長を通じて、あなたの会社を勝手に評価しているのだ。事実と違っていても、噂が立つだけでそう思われてしまうことがあるのが世の常だ。社長の写真を撮るあなたも、社長もそのことを自覚して、世間に「しっかりした会社だな」と感じさせるポートレイトに仕上げておこう。

撮影について、もう少し詳しく
WEB制作実績

この記事に関するご質問やお困りごとのご相談も何なりと。
平田 弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。セールスライティング担当。好きな言葉は、「一生懸命が得意」

「現場百回」で、ユーザーに響くクリエイティブの糸口をつかむ

「現場百回」の重要性、WEB業界で認識されているか

刑事ドラマで、年老いた刑事が若い同僚(たいていの場合、年老いた刑事はヒラなので、若い刑事は部下ではなく同僚だ)に、「捜査が行き詰まったときは現場に戻るんだ」と教えるシーンがよくある。この山さん(私が勝手にあだ名を付けた、年老いた刑事のこと)の言葉は、我々クリエイティブ業界にいる者にとっても、示唆にとんだものだ。

若い刑事は、山さんからことあるごとに「現場百回」を繰り返し刷り込まれる。
そして、彼は現場で事件の謎を解く決定的な証拠を見つけたり、犯人しか知り得ない事実を発見し手柄を上げ、あらためて山さんの言う「現場百回」の重要性を身をもって知ることになる。

「現場百回」の重要性、WEB業界で認識されているか

WEB制作は、結局バーチャルな世界で商品やサービスを紹介したり、売ったり買ったりする場を作るのが仕事であり、リアルの世界での経験がないと困るわけではない。ネットのなかで、ユーザーたちがどのように考え行動するのかを知る方が重要なこともある。

しかしWEBサイトを作るうえで大切なのは、商品やサービスを使う人がそれらを買おうとするとき、比較するときどう感じているかを知ることだ。Googleがあれば、実際に経験しなくても思いつくキーワードを並べて検索すれば、体験談や使用感などを参考にして、それらしい答えは出せる。しかしそれで、本当にお客さまの気持ちがつかめるのだろうか。

私は、ウェブの企画を立案する前には許される限り、現場を訪れることにしている。マンションであればモデルルームや建設現場、お菓子であればしっかり他社との違いが分かるまで食べ続ける。そして現場で、そこにいる人たちの話を聞く。そこで商品やサービスを買おうとしている人たちの視線や行動を観察する。食品売り場で主婦たちが商品を手に取る姿を観察し続けていたために、不審者と間違われ、警備員に声をかけられたことさえある。

それでもしつこく観察していると、ある程度年齢がいった主婦は表示を気にせずにカゴに入れていくが、小さな子供がいる主婦はしっかりと成分表をチェックしていることに気付く。これはネットで調べても、簡単にはヒットしないリサーチ結果だ。若い主婦がターゲットになっているなら、成分表はしっかりと明記すべきだ。

このバナー、クリックしてもらえる?

このバナー、クリックしてもらえる?

WEBデザインを教える専門学校で、毎年学生たちが作った作品を評価する機会をいただいている。若い学生たちは何を考え、どういった思考でものづくりをしているのかを知るためにも、貴重な場なので、毎年専門学校からの依頼を受けることにしている。

ある年、学生たちが課題となっていた「USV車」のバナーを見せてくれた。それなりにはできている。でも、何かが足りない気がする。

「クルマ、好き?」
相手は19歳か20歳の女子学生だ。意地悪な質問だなと思いながらも、聞いてみた。

「免許持ってないです」
「クルマ好きな人って、どんなのが格好いいって思うんだろ?」
「・・・」
「クルマ屋さんに行ってみた?」
「・・・」
「じゃぁ、先生とかクラスメートとか、クルマが好きな人に聞いてみた?こんなの作ったんだけど、格好いいって?」
「いえ・・・」

わけの分からないことを言うオヤジだなと思われたと思う。とくに現場を経験したことのない若い学生たちからすれば、「クルマのバナーなんだから、格好良く見えればいいじゃない」と。でもそれは違う。「クルマが好きな人にとって、格好良く見える」ことが必要なのだ。

SUV車のターゲットはおおよそ男性だ。

「こう、金属がさ、テカッと光ってるのって格好良くない?」
「もう少しクルマ、斜めにできないかな」
「ちょっと下側から見たように工夫してね」

女子学生たちは、ポカンとしたままだ。

現場に足を運ぶと、予期せぬ出会いも

現場に足を運ぶと、予期せぬ出会いも

前職で市販電池の海外販売を担当していたときのこと。展示会で訪れたハノイの電気屋街で、携帯電話用の交換用電池の市場調査をしていると、自分の店の軒先で不審者がショーケースをごそごそいじっているのを見た店主が声をかけてきた。

「何やってるんだ?」

初めてのベトナムで、事情など知らずに歩き回っていたので、「やばかったかな」と感じ、名刺を差し出し正直に用件を彼に話した。

「日本から電池の市場調査に来てるんだ。驚かしてゴメンね」
「そうだったのか。ま、中に入れ」

店主は、狭い店のなかで、見ず知らずの私にお茶をごちそうしてくれ、ハノイの家電市場について教えてくれた。「現場百回」を実践しなければ、この経験も得られなかったはずだ。

現場が、すべてを教えてくれる

現場が、すべてを教えてくれる

バナーをクリックしてもらうためには、そのクルマを格好良く見せるためには、それを買うかもしれない人の感覚が必要だ。もちろん制作の依頼が来るたびに、その人になれるわけはない。だから「事件」が起こっている現場に足を運び、その空気を感じ、その感覚を感じ取ることがWEB制作者には必須なのだ。
「現場百回」。weblioによると、

警察による事件の捜査などに際して使われる表現で、事件現場にこそ解決への糸口が隠されているのであり、100回訪ねてでも慎重に調査すべきであるということ。警察関連でない場合にも使われることはある。

警察関連でない場合にも使われる・・・。
WEB制作の現場でも、「現場百回」は貴重な経験を生み、課題解決の糸口になるものだ。

握手の心理。スタッフへの信頼を伝えることから仕事を始める

目を合わせて、話す相手への信頼を伝える

毎朝スタッフひとりひとりと握手をすることにしよう!

握手の心理。スタッフへの信頼を伝えることから仕事を始める

1年半前から始めた習慣で、まだ続いています。自分の虫の居所が悪かろうが、体調が優れなかろうが、とにかくスタッフのところを回って顔を見るのです。
始めた当初は私自身も気恥ずかしかったものの、最近はごく普通の朝の行事になりました。本当はアイコンタクトをして「今朝も元気か?」と確認したいのですが、スタッフの方はまだまだ馴れないのか、オヤジににらまれるのがイヤなのか、なかなか目を合わせてくれません(笑)。

目を合わせて人と話をすること自体に、馴れていないのかもしれません。私も恥ずかしがりなので・・・(それはウソです)、どうしても目をあらぬ方向にそらせてしまいがちです。しかし、目を合わせるという行為は非常に大事なことで、話をしている相手から信頼を勝ち取れるかどうか、心理的に大きく影響するのです。

目を合わせない=目を合わせられない=本当のことを話しているのか?

といった具合です。たとえそれが長い付き合いの相手であっても、心の奥深いところで何らかの影響を及ぼしているでしょう。

子供に接するときは、必ず目を見る

子供に接するときは、必ず目を見る

名古屋で青嵐義塾という有名な学習塾を経営する坪田信貴さん。
「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」でも話題を呼んだ進学塾を経営する人です。

講師の方々への面談で、「塾生を指導するときは、半分くらいの時間彼らの顔をしっかり見てあげてください」と言われていました。アイコンタクトが指導では最も大事だと。たぶん、そうすることで「大丈夫。君ならできるよ」と真摯に伝えられているという心理的な効果が子供たちに伝わるのだと思います。

子供とスタッフを同じと考えてはいけませんが、その思想としては非常に共感するものがあります。握手をしながら、しっかり相手を見て「今日も頼むで。しっかり頑張ってや」と心で伝える。言葉にはしていないので、ストレートには伝わりませんが、私もスタッフも目指すところは同じですので、心理的にはきっと伝わっています。

握手の心理

子供に接するときは、必ず目を見る

日本では、初対面の人と握手をする習慣がありません。しかし海外ではお辞儀の代わりに握手をしながらアイコンタクトをして頷き合います。パーソナルでも、ビジネスでも。以前輸出関連の仕事をしていたとき、はじめのうちは馴れませんでしたが、最終的には相手との距離を一気に縮めるために、積極的に握手+アイコンタクトを多用していました。
心理学的に「握手」は相手との距離を近くしたり、意思を伝える効果があると言われています。

  • 心理的な「武装」状態を解く効果
  • 嘘がつけなくなると感じられる
  • 相手の肌のぬくもりが感じられ、心が穏やかになる
  • 物理的な距離が近くなると同時に、心理的にも親密になったような印象に
  • 強く握られると、感謝されているように感じる

握手をすることで得られる効果は、そのときの状況や心理状態によっても変化します。意図的に何かを企んでいるときを除けば、日本人の場合ほとんどの人が「頑張って握手をしている」わけで、好意的に捉えても良いのではないかと感じます。

握手は一種のボディタッチ。拡張すると、おばちゃんテクニックに

握手は一種のボディタッチ。拡張すると、おばちゃんテクニックに

握手の心理学的な効用には、相手とコミュニケーションをスタートする際の基本ともいえる効果がありそうです。ここで気付くのは、握手はボディタッチの一種であるということ。日本人は海外の人に比べて、他人と触れあう機会が少ないと言われています。また、触れあうことは心理学的にリラックス効果があるとされていますので、握手することは日本人にとって相手との距離を一気に縮めるには非常に高い効果を発揮するのかもしれません。

さらに思い出すことがあります。おばちゃんがよく使うボディタッチ・テクニック。もちろん、おばちゃんはあまり積極的に握手はしません。しかし彼女たちは、積極的に話し相手の腕をつかんで大笑いしたり、下からグッと視線を合わせてきたりします。された方は気恥ずかしいのですが、ほんの少し嬉しかったりします。おばちゃんとの距離が縮まった感じがして(笑)。

おっちゃんになった私は、このテクニックを時々使います。
スタッフに説教をしているとき。はじめは厳しい顔で話をしますが、最後の方で相手の手をつかんで「な、わかるやろ?」と笑顔で目を見ると、とたんに彼らの表情はやわらかくなり、合点がいったといったように頷くのです。

握手や相手の目を見ることは、ネット社会に生きる私たちにとって「生き物」として大切なコミュニケーション術の基本なのかもしれません。あなたも、恥ずかしがらずにおばちゃんテクニックを試してみてはいかがでしょうか?

経営陣にWEBの価値を正当に評価させ、あなたの価値を高める方法

経営陣にWEBの価値を正当に評価させる

WEBサイトへの理解を得て、予算を増やすにはITが苦手な役員にも分かりやすく、納得しやすいプレゼンが必要だ。この記事では、WEBサイトの現在価値の測定方法、将来の可能性について説くための手段とロジカルなストーリーを伝授する。みごと追加予算の承認が得られた暁には、ぜひ当社にも声をかけていただきたい。あなたのサイトに新たな展開を提供できるはずだ。

経営陣のなかにWEBサイトの役割について、明確な方針を持っている方がおられるのであれば、あなたは非常にラッキーだ。しかしほとんどの企業がリアルの営業活動で売上実績を挙げているために、経営陣はWEBサイトを「大きな名刺」程度にしか捉えていない。そのような認識のもとでWEBサイトを担当するのは、宮仕えしている者としてやるせない気持ちだろう。今こそアピールする手段を持ち、あなたの職務に陽をあてるべきなのだ。

経営陣が共感できる言葉を持とう

役員

PV、直帰率、セッション、滞在時間などなど。あなたが月例レポートにこのような数字を並べているとしたら、すぐにでも改めよう。経営陣はそのような言葉の意味を覚えようともしないし、関心もない。WEBサイトが事業に確実に貢献していると知ることが大切なのだ。彼らにとって、おそらくそれは「意外なこと」だし、意外性があるから与えることのできるインパクトも大きい。だから上手くやれば、「それはすぐ注力しなければ」と行動を起こしてもらうことができるのだ。

従って、あなたが報告すべきはズバリ「売上への貢献度」、「リード情報の獲得件数」だ。それでは、3つのポイントをおさえながら、これらの数字を経営陣に伝える術を学んでいこう。

1.自社サイトの貢献度を金額換算してみよう

レポート

WEBサイト経由での顧客候補とのコンタクト数は、自社ビジネスの拡大に直結する。たとえば資料請求は、入力された個人情報や請求された資料の製品名を営業スタッフに渡すだけで顧客候補リストだ。資料請求者がどの程度の意気込みでカタログを取り寄せているかによって、ビジネスにつながる可能性は様々ではあるが、この数が増えれば増えるほどビジネスにつながる可能性は高まってくる。
さらにお問い合わせ、デモ依頼、サンプル請求など。リード情報と呼ばれるこれらの情報は、外部にアウトソーシングすれば、1件につきおおよそ2万円ほどの価値がある。毎月50件顧客からのコンタクトがあるなら、100件×2万円=200万円の価値をWEBサイトが生んでいるということだ。

この顧客とのコンタクト数が毎月何件あるかを月ごとにまとめ、WEBサイトへの訪問者数との相関関係をエクセルにまとめるだけで、平均的に500人集客すれば1件の顧客候補とのコンタクトが図れると算出できる。

数値を入力すればいいだけのエクセルシートを作成しておいたので、活用してほしい。
訪問者数とコンタクト数の推移表

2.経営陣が慌てる、競合他社サイトとの比較方法

alexa

もし競合他社のWEBサイトがどのくらい集客できているのかを調べることができれば、社内で「自社は優位に立っている」「もっと頑張らねばならない」などといったレポートができるとともに、何らかの施策を打つための指標になるのに、と考えたことはないだろうか。
競合他社のにぎわい度合いを測ることは、できるのである。

Alexaで、競合他社を丸裸にする

アメリカに、「Alexa web search」というサービスがある。amazonの傘下にあるこの企業は、世界中のサイトのアクセス数やPV数、滞在時間などのデータを収集しており、ある程度までは無料でそのデータを垣間見ることができるのだ。たとえそれが競合他社のサイトであっても、100%の数字ではないにしろ、おおよその数字が予測できる。

下記のURLにアクセスしたあと、競合他社のURLを入力すると、「Global Rank」と「Rank in Japan」の数値が表示される。これがそのサイトの「世界順位」と「日本国内での順位」だ。ちなみにYAHOO!は世界順位で17位、日本では1位だ。日本国内の順位は10万位以下は表示されない。 自社と競合他社の順位が分かれば、自社のアクセス数は分かっているはずだから、「競合のA社は、おおよそこのくらいのアクセスだろう」ということが推測できる。
さらに、競合他社のサイトの訪問者のプロフィールや直近1年の推移、どのようなキーワードで集客しているかも教えてくれる。月々数十ドル払って有料会員になれば、調べられるデータの数も増えるのだ。

おおよそでも、このぐらいの数字が把握できると、自社サイトに足りない部分はどこか、優位に立っているところはどこかといった分析もできる。前述した顧客候補とのコンタクト数も予測できるだろう。このデータをもとに上申すれば、経営陣の目の色は変わるに違いない。

Alexa web search

3.マス媒体と比較しても、WEBの価値は評価できない

雑誌

TVCMや新聞・雑誌など印刷媒体への広告出稿といった、マス媒体でのリーチと呼ばれる顧客候補との接触を評価軸に、WEBサイトを比較しようと試みる人がいるが、それはまったく意味のないことだ。なぜなら、マス媒体は製品やサービスの種類によって異なるものの、その認知を高めることが得意な手段であり、WEBサイトのように顧客候補が自ら動いてコンタクトをとってくる(=購買の可能性を運営者に知らせても良いと考えている)メディアとは趣が異なるのである。
簡単に言えば、「接触する際の密度」が大きく異なるのである。TVで何度もプリンターを宣伝していても、昨年末に最新モデルを購入したあなたには一向に響かない。しかし、「また新しいのが出たのか」と認知はする。一方、昨年末年賀状を自宅で印刷するためのプリンターを物色していたときのあなたは、ネットで真剣にスペックを調べ、評判を気にしていたはずだ。製品やサービスに対する真剣度合いが異なるということなのだ。

ゴールデンタイムに流すスポットのTVCM出稿費を300万円だとすると、リーチする人数は約500万人。単価にすると0.6円だ。仮に月間の訪問者数を5万人とすると、単純に「コンタクト」という言葉でくくってしまうと、あなたが運営するWEBサイトの価値は、5万人×0.6円=3万円ということになる。こんな評価をしてしまっては、WEB担当者の悲痛な叫びが全国のオフィス街で響き渡りそうだ。

TVCMをもとに算出したウェブの価値
単月5万人の訪問者×TVCMのリーチ単価0.6円=30,000円

マス媒体別の出稿費用

前述したように、TVCMでリーチ単価は0.6円、最も高い雑誌で8円程度。これをWEBサイトの評価に適用すると、下は3万円、高くても40万円程度。質が違うのだから納得できないのも無理はない。参考までにマス媒体別の出稿費用とリーチ単価を調べておいたので、参考にしてほしい。

【リーチ単価の表】

媒体名 出稿料 リーチ数 リーチ単価 備考
TVCM 300万円 500万人 0.6円 ゴールデンタイムの15秒スポット単価
新聞広告 2、000万円 295万人 6.8円 日本経済新聞全面広告
雑誌広告 200万円 25万人 8円 annan1ページ広告
折込ちらし 6.7万円 2万人 3.35円 東京都
タクシー広告 340万円 204万人 1.67円 東京のアドシート広告

まとめ

あなたが運営するWEBサイトを経営陣に正当に評価してもらうための指標とアピール方法をいくつか紹介してきたが、すべてを駆使するか、ひとつだけを採り上げるかは目的によるだろう。たとえば、もっとWEB運営費予算を獲得したいのであれば、現状を分析し将来の可能性をアピールする。

  1. 顧客候補からのコンタクト数から、現在の評価額を算出。アクセスを増やせば、もっとコンタクト数も増やせるというアピール。
  2. 競合サイトと比べてアクセスが少ないので、何らかの施策を講じる必要があるというアピール。

いずれも、顧客候補からのコンタクト数を増やせば、売上伸長に貢献する営業支援につなげるためなのだという着地点を忘れてはいけない。

「では、どうやって訪問者数を増やすのかね?」

経営陣から速攻でカウンターが返ってくるので、その準備も忘れないようにしよう。

WEBコンテンツ企画について、もう少し詳しく
WEB制作実績

この記事に関するご質問やお困りごとのご相談も何なりと。
平田 弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。セールスライティング担当。好きな言葉は、「一生懸命が得意」

WEB担当者に捧げたい、癒される絶景10選

「癒される絶景を見れば、きっと元気になれるはず」

WEB担当者は、オウンメディアのディレクションから始まり、SNSのサポートや各メディアで取り上げられる自社関連のニュースを追いかける。他業務との兼務ともなれば、毎日ヘトヘトになるほどの多忙さを極めているはずだ。ふとしたきっかけで、この記事に行き当たったあなたに、ほんの少しだけ「癒し」を提供したい。今すぐには実現できなさそうな場所へ思いを馳せよう、しかもそれは世界が認める絶景に出会うという企画だ。

絶景

とてもこの世のものとは思えない幻想的な風景をぼぉ~っと眺めると、癒し効果がある!と脳科学では立証されているかどうかは知らない。しかし、そんな気はする(キッパリ)。たとえ行けなくても、いつかこんな絶景を見てみたい!と写真を眺めながら思いを馳せることで、気分がやわらぐと同時にやる気も満ちてくるのではないだろうか。

今回は、海山問わず「癒し」効果がありそうだと感じた絶景スポットを選びました。効果を実感するためには、じっくり眺めることが大切。ぜひ、お昼休みに楽しんでください。
私もあなたと同じく、「癒されたい」フツーの人なので、行ったことのある絶景地はひとつもありません。ネットで探した写真からピン!と来たもののなかで、巷の評判をチェック。オススメしても良いと思われるものだけに絞り込みました。

※各絶景スポットのリンク先は旅行サイトやブログなど、その地をよく紹介してくれているものです。

恋のトンネル

絶景1:恋のトンネル(ウクライナ)

ウクライナのクレベンにある幻想的なスポット。線路の両側に木々が茂っているため、夏になると緑が生い茂り、長さ3kmにもおよぶトンネルになるという。
貨物列車専用の路線は、四季それぞれに表情を変え訪れる者を楽しませてくれる。ようやく認知されてきたところなので、手垢の付いていない風景を存分に堪能するのは今かもしれない。

蛇足ながら、2015年春公開、未来穂香(みきほのか)主演の「クレヴァニ、愛のトンネル」で舞台になった。この風景に出会えば、直帰率の上昇スパイラルから抜け出せるアイデアが見つかるかもしれない。

トロルの舌

絶景2:トロルの舌(ノルウェー)

舌が折れたら・・・? と考えてしまうような臆病な人には、「癒し」効果は期待できないアドベンチャー過ぎる絶景。
名前は、北欧で語り継がれるトロルという妖精から来ている。地上1,100mにあるこの地は、天候によって雲海が広がったり、眼下にフィヨルドが広がったりと、様々な景色が楽しめるという幻想的なスポット。

ネットで検索すると、先端で逆立ちしたり飛び跳ねたりする怖いモノ知らずの猛者たちの様子を見つけられる。癒されたいけど、実はドキドキもしたいという人は、ぜひ検索を。

サントリーニ島

絶景3:サントリーニ島(ギリシャ)

美しいブルーのエーゲ海に臨む街並みは、まぶしいほどに白一色。まるで絵はがきのようだ。急な斜面に並ぶ幻想的な家々の間を散策するのも楽しいかもしれない。

島の北部にあるイアという町から見ることができるエーゲ海に沈む夕日は、世界でもっとも美しい眺めと評されるほど。春から夏がベストなシーズンらしく、冬になるとホテルや店もほとんど閉まり現地の人もほとんどいなくなるのだとか。みんなどこに行ってしまうのだろう?

ロライマ山

絶景4:ロライマ山(ベネズエラ)

標高3,000mの山頂が真っ平ら。写真では雲に隠れて見えないが、この頂の下は1,000m近くも切り立っているという。間近で見ると、相当なインパクトがありそうな絶景ポイント。

なぜこのような地形ができるのかと考えると、自然の壮大さを感じずにはいられない。ただしこの山に近づくためには、現地で5泊6日のツアーに参加しないといけません。2日かけて麓まで行き、1日登山、1日頂上付近を散策・・・。だからこそ、の絶景なのかもしれません。頂上からの眺めを楽しめば、訪問者数の減少など、ちっぽけなことに感じることでしょう。

ウユニ塩湖

絶景5:ウユニ塩湖(ボリビア)

何キロにもわたって、鏡面のような世界が拡がる。標高3,600mで出会うその風景は、四季、昼夜問わず訪れた者を魅了する。

一部が塩で作られている部屋もあるという「塩のホテル」に宿泊も可能な神秘の世界。天空の城マチュピチュを訪れるツアーもあるようだから、名だたる絶景を一挙に巡ることもできそうだ。

チンクエ・テッレ

絶景6:チンクエ・テッレ(イタリア)

色とりどりの住宅がひしめくように軒を連ねたさまは、まさにおとぎ話の世界。たくさんの色が詰まっているのに、統一感があることにふと気付く。あぁ~、こんなところまで来て色だとか統一感だとか考えてしまうのは職業病か・・・。

世界遺産の村5つで構成されるイタリアの田舎町は、もともと要塞都市として作られたもので、長いあいだ隣町とは船を使って行き来していたのだとか。

ギャロウェイ・フォレスト・パーク

絶景7:ギャロウェイ・フォレスト・パーク(スコットランド)

極上の星空をみるのは、ここしかない。2009年に国際ダークスカイ協会に認定された、「暗い空」の町でヨーロッパでも有数の暗さを誇っているという。

暗いということは、地上の光の影響を受けないということだ。なので天体観測をするにはうってつけなのであり、欧州でも有数の天文台が設置されている。公園とはいっても、日本とはスケールが違う。東京23区よりも広い敷地を持っているのだから。

サンブラス諸島

絶景8:サンブラス諸島(パナマ)

澄んでいるというのは、こういうことを言うのだろうと思わせてくれる海と空を堪能できるカリブ海の楽園。

大小350の島々からなるこの地には、クナ族が今も土着の文化・風習を大切にしながら暮らしている。クナ族がネットショッピングなんてしてると、軽くショックを受けるかもしれない。いや、偏見でした。どんどんネットでお買い物してください。

ハロン湾

絶景9:ハロン湾(ベトナム)

切り立った岩肌の島が無数に浮かぶグリーンの海。神秘的で、水墨画を見ているような風景は、ベトナム屈指の世界遺産。

首都ハノイから陸路約4時間は、日本からも近い絶景と言える。

富士山

絶景10:河口湖町(山梨県)

世界の絶景だけでは、もったいない。私たちの足下にもいくらでも絶景は存在する。

毎年4月に富士五湖のひとつ、本栖湖畔で開催される「富士芝桜まつり」で見られる富士山の風景は、声を上げずにいられないほどの絶景だし、日本人としての誇らしさも感じることだろう。

食の好み、異性の好みと同様、絶景と感じる風景は、ひとそれぞれに異なるものだ。この記事では主観で選んだ10地を挙げたが、あなたにはまた別の絶景があるはず。

WEB担当としての多忙な日常から少しだけ離れて、たとえ5分でも絶景探しをすれば「ホッ」とできること請け合いだ。私も正直楽しかった(笑)。ぜひあなたにも、この至福の時間をつくることにトライして欲しい。

地道に勝る魔法はない

宇宙兄弟

NHKのプロフェッショナルで採り上げられていたマンガ編集者、佐渡島庸平氏。講談社を辞め、独立プロダクション「cork(コルク)」を立ち上げマンガ家をサポートしている。

作家付きの編集者の仕事は、マンガ家が作品を描くための資料集めや作品の企画やキャラクターの方向付けなど多岐にわたります。
そのなかでも際だって見えたのは、プロモーションについて。

  • 通常は営業が行う書店へのプロモーションを積極的に行う。
  • 連載を持たない新人を発掘し、投資家を集めて出版のための投資を募る。
  • オンライン上で名もない作家の作品を読めるメディアを立ち上げる。

番組のなかで紹介されていたのはこの程度だったが、ネットで彼の活動を調べると、それだけにはとどまらないようだった。

クライアントのWEBサイトを立ち上げ、プロモーションの一端を担う私たちは、果たして、ここまで考えていただろうか・・・。と考えさせられるプログラムでした。

そして何より衝撃的だったのは、このひとこと。

「僕は、みんなが嫌がる地味なことを続けられていると思う。いつかそれが爆発するイメージができているから、それも楽しめる」

そして極めつけはこれ。

「地道に勝る魔法はない」

ごめんなさい。改めます。

※当社がお客さまにお送りするご請求書に同封するお手紙の内容から(2014年12月)