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直帰率100%でもアナリティクスで滞在時間を測れる、マル秘テク

アナリティクス

WEBサイトを運営していて困るのは、ランディングページの直帰率が高いと正確に滞在時間が測れないという問題。

渾身の力を込めて執筆した記事も、直帰率が高いと滞在時間が分からないので、訪問者がコンテンツに満足したのかどうかが判断できないことになってしまう。

もしコンテンツ内容に満足しているのであれば、しっかりと読み込んでいるはず。そうであれば直帰率を下げる対策はアクションを起こさせる部分に集中できる。しかし、ランディングページのコンテンツ内容への満足度も測れないのでは、直帰率が高い問題の原因がコンテンツそのものにあるのか、別のところにあるのかも分からない。

しかしこれから紹介するテクニックを使えば、100%正確にとまではいかないが(正確でない理由は後述)、アナリティクスの表示が「0秒」になるということはなくなる。そうすることで、今後どのようなコンテンツを増やせば訪問者が喜んでくれるかが、ある程度把握できるようになり、あなたのWEBサイトの運営に、大きな変革をもたらすことになる。

ただし、期待していたより滞在時間が短いことも考えられる。その時は事実を真摯に受け止め、コンテンツの改善に取り組んでいってほしい。

アナリティクス用語「直帰」とは

アナリティクスによる滞在時間

「直帰」はアクセス解析特有の用語で、WEBサイトを訪問した人が1ページしか閲覧せずに他のWEBサイトに移動したか、アクセス解析システムが設定している滞在時間を超えて何の行動も起こさなかった場合にその訪問者を「直接帰った」とみなし、こう呼ぶものだ。

あなたも何かの情報を探す際、Googleで掲示されたリストをクリックしながら、いくつかのWEBサイトを見て回るはず。その際に、「違う」と瞬時に判断しブラウザの戻るボタンでGoogleに戻ったり、ぴったりのページで数分記事を読んだ後、満足してブラウザを閉じる。

自分の求めていたものとは違う、と感じたWEBサイトも、その情報のすばらしさに感心したWEBサイトも1ページしか閲覧されていないので、結局のところ「直帰」とみなされる。結果、Googleアナリティクスでは滞在時間0秒と表示されてしまうのだ。
ユーザーのためになるコンテンツを提供しているはずのWEBサイトの運営者としては、鬱々とした気分になってしまう原因が「直帰率」だ。

よく似た用語に「離脱率」がある。
これは、訪問者がWEBサイトを離れた(離脱した)ページを1とカウントする。そのページを100人が訪問し、50人が別のWEBサイトに移れば、離脱率50%となる。

ランディングページの直帰率と離脱率が同じになることもある。
たとえば、ページAがリスティング広告からのランディングページになっているとする。広告から誘導されてきた訪問者100人のうち、50人が離脱すれば離脱率も直帰率も50%というわけだ。

なぜアナリティクスは、直帰を滞在時間0秒とするのか

直帰とみなす場合

Googleは、滞在時間を0秒としてしまう根拠を次のように説明している。

1.訪問者がAページのみ閲覧した場合

アナリティクスは、Aページの滞在時間を訪問者が次に閲覧したBページとの時間差で計測している。だからAページしか閲覧していない訪問者の滞在時間は0秒となってしまうのだ。

2.訪問者がAページ閲覧後、一定時間以上アクションを起こさなかった場合

いわゆるタイムアウトというもので、訪問者がそのWEBサイトを訪問したあと次の行動を起こさなかった場合に、そのWEBサイトから離脱したと判定する時間のことだ。これはアナリティクスの標準設定は30分となっている。

いずれにせよアナリティクスの標準設定では、直帰の滞在時間は0秒と表示されてしまうのだ。

訪問者がWEBサイトを去るポイントで、仕掛けを行う

直帰時の滞在時間0秒は、アナリティクスがページを表示した、としか記録を残していないことによるクセのようなものと考えると、解決策が見えてくる。訪問者が何らかの行動を起こすとき(=WEBサイトを離れようとするとき)、こちらから訪問者が痕跡を残すようにアクションを仕掛けてやるのだ。

具体的には、WEBサイトの各ページにJavaScriptの「onpagehide」関数を使い、訪問者がそのページを離れる際にアナリティクスのAPIを通じてイベントを通知する。そうすると、入ってきた時刻とページから離れた時刻の差で滞在時間が計測できるというものだ。

ただし、ひとつだけ問題がある。
スマホユーザーに多いのだが、ページを閲覧したあと他のアプリを操作し、ブラウザにしばらく戻ってこないことがある。その翌日再びブラウザを立ち上げ、そこで初めてページから離れると、その時刻がアナリティクスに送信されることになる。この場合、滞在時間が数十時間となってしまうのだ。

このデータが影響して、全体の正確さが失われてしまう可能性が高い。
これを避けるためには、やはり冒頭で紹介した「タイムアウト」時間を設定するしかない。当社の場合は10分としている。

直帰の滞在時間を計測するしくみ

直帰した訪問。実際の解析結果

アナリティクスに組み込んだ解析結果をご覧いただこう。直帰率100%のページでも、滞在時間が秒で表示されている。アナリティクス標準の機能では滞在時間が0秒となっているが、カスタマイズした画面ではページ合計の滞在時間が273秒となっていて、平均滞在時間も右端に91秒と表示されている。

ただ、セッション数が異なることに気付く。これはブラウザを閉じたとき、あるいはそのページから離れたときに送られるはずの「onpagehide」イベントが送られなかったことによるものだ。

たとえば、地下鉄を待っているときスマホでアクセスした訪問者が電車に乗り込み、ページを閲覧したあと電波が届かない区間でブラウザを閉じたり、WEBサイトから離れたりするとこういった減少が起こる可能性がある。

このセッションの差がアナリティクス標準より多ければ問題だが、少ないのはこういった移動体通信デバイスによるアクセスによるものが考えられる。

アナリティクスの解析結果

より良いWEBコンテンツを公開していくために

より良いWEBサイト運営のために

WEBサイト運営の要諦は、より良いコンテンツ公開することでWEBサイトの価値を高めることにある。その結果多くの訪問者が訪れ、ターゲットとコミュニケーションを図ることがビジネスに影響を与えられるのだ。

アナリティクスでも直帰率100%のページの滞在時間を計測できることによって、WEBサイト運営にプラスアルファをもたらすことができれば幸いである。せっかくの無料アクセス解析システムを標準機能だけで終わらせてしまうのはもったいない。大いにカスタマイズして活用してほしい。

システムの開発、組み込みはウルトラC級のテクニックを使っているわけではないので、WEB制作会社であれば可能だ。もし難しければ、当社に何なりとご相談いただきたい。

Googleアナリティクス設定の定番、ユーザー共有設定の方法

Googleアナリティクスの共有設定

Googleアナリティクスを使用するにあたり、基本的な設定が2つある。自分のアクセスを除外する設定と他者とアクセス解析データを共有する設定だ。

WEBマスターが保守を担当するWEB制作会社とアクセス解析データを共有すれば、WEBサイトの目標を達成するための改善について、同じ話題を持つことができる。WEBサイトの運営はPDCAサイクルを回すことで、目標に少しずつ近づいていくものであり、これはきわめて大切なことだ。

この記事では、より良いWEBサイトの運用に役立てていただくために、Googleアナリティクスの基本設定である「データ共有」の設定方法を紹介する。

アナリティクスを共有し、改善を模索する

改善を検討する

Googleアナリティクスによって得られるアクセス解析データで重要なものは、訪問者数、PV数、WEBサイトでの滞在時間、検索キーワード、アクセスページ、ディレクトリ、ランディングページなどだ。

新設ページへのアクセスが目標に近い状態になっているかを調べるために、フィルタを設定しカスタマイズすることも可能になる。

これらの解析データをWEBマスターとWEB制作会社が共有することで、プロジェクトを開始した際に掲げた同じ目標に向かって進むことができる。

仮説が正しかったかどうかをWEB制作会社が検証し、まだ目標に達していなければ改善点を提案し、修正する。その修正をさらに検証し修正を重ねることによって、目標に近づいていくのだ。

WEBサイトを制作する段階では自社内、WEB制作会社との共同作業を至るべき着地点に落とし込むだけだが、運営は外部環境の影響を大きく受けるから、単純に答えが得られるものではない。だからGoogleアナリティクスのアクセス解析結果を分析し、届いていない目標に向かって改善を重ねる必要があるのだ。

この経験を重ねることによって、WEBマスター、WEB制作会社の知見も深まり、より高度な運営に移行していくことができる。

Googleアナリティクスを共有設定する手順

Googleアナリティクスの共有設定を行うのに必要なものは、データを共有させる先のGoogleアカウントだ。これさえあれば、簡単に設定することができる。

Googleにログイン後、Googleアナリティクスに移動

Googleアナリティクスにログイン
Googleアナリティクス設定

すでにGoogleにログインしていれば、Googleアナリティクスの管理画面に移動しよう。

もしまだGoogleにログインしていないのであれば、まずGoogleアカウントでログインしてから、Googleアナリティクスの画面に移動しよう。

ユーザー管理

Googleアナリティクスの管理画面上部にある、「アナリティクス設定」をクリックすると、「アカウント」「プロパティ」「ビュー」3列に並ぶ画面に移動する。

3列に並んだ、「アカウント」「プロパティ」「ビュー」のうち、最も右側の列「ビュー」の「ユーザー管理」をクリック。

Googleアナリティクスの共有設定をするユーザーを登録する

「権限を付与するユーザー」の下部にある入力ボックスに、Googleアナリティクスを共有設定したいGoogleアカウントのメールアドレスを入力する。

メールアドレスを入力

Googleアナリティクスの共有設定をするユーザーの権限を設定する

さらに右側にあるのは権限設定だ。ここでは、次の権限をデータを共有するユーザーに付与することができる。WEB制作会社との関係によって、権限を設定しておくことをおすすめする。

ユーザー管理

ユーザーを管理する権限(ユーザーの追加/削除、権限の設定)。編集や共同編集の権限は、含まれていない。

編集

ユーザー管理を除く、ユーザーやプロパティ、ビュー、フィルタ、目標などの追加や削除ができる権限。レポート データの表示が可能。共同編集の権限も含まれる。

共有設定

個人のアセットを作成したり、共有ができる権限。ダッシュボードやメモの編集といった共有アセットが対象となる。「表示と分析」が含まれる。

表示と分析

アクセス解析レポートの表示、データの構成、フィルタを設定するといったデータ操作、個人的アセットの作成と共有、共有アセットの表示ができる。

ここまでの設定を行ったら、「追加」ボタンをクリックするだけで登録は完了だ。

登録内容が反映されているかを共有設定したユーザーに確認しておこう。

共有することで得られるものを予測してみよう

Googleアナリティクスの共有設定は、WEBサイト運営の目標に到達するうえで、非常に大切なものだ。

アクセス解析データを機密事項などとして社外に公開しないなどといったことはせず、ぜひWEB制作会社と共有していただきたい。閉ざすことによって守るものより、公開することによって得られるものの方が大きいことを認識していただきたい。

Googleアナリティクス設定の定番。自分のアクセスを除外する方法

Googleアナリティクス設定の定番

自社サイトを運用するWEBマスター、クライアントのWEBサイトを保守するWEB制作会社。WEBサイトの更新を行う際、Googleアナリティクスに何の設定もしなければ、両社からのアクセスは一般の訪問者のアクセスと同様に扱われる。

厳密に考えれば、それは基本的に排除すべきアクセスだ。

この記事では、この不要なアクセスを除外するGoogleアナリティクスの設定方法について、説明していく。

Googleアナリティクス設定に必要な条件、固定IPアドレス

自社からのアクセスを除外するためには、そのアクセスがどこからのものかをGoogleアナリティクスに知らせ、一般の訪問者とは異なることを認知させることが必要だ。

そのために必要なのは自社がインターネットを利用する際に、固定IPアドレスが設定されていること。固定IPアドレスの設定がなければ、Googleアナリティクスは明確にアクセス元を認識できない。自社が利用しているプロバイダからのアクセスを除外することもできるが、それでは一般の訪問者も除外されてしまう可能性がある。

やはり固定IPアドレスを設定する方法で臨みたい。

自社からのアクセス除外を登録する方法

Googleアナリティクスの設定画面

Googleアナリティクスの画面を開き、最上部右側にある「アナリティクス設定」をクリック。

Googleアナリティクス初期画面

画面は3列に分割されているので、最も右側の「ビュー」列にある「フィルタ」をクリックしよう。

Googleアナリティクスのフィルタ設定

フィルタ機能を使う

「フィルタ」の設定画面が表示されるので、「新しいフィルタ」ボタンをクリック。「ビューにフィルタを追加」画面が表示される。

「ビューにフィルタを適用する方法を選択」では、「新しいフィルタを作成」がデフォルトで選択されているので、そのままにしておく。

「フィルタ情報」に入力するのは、そのフィルタの名前で必須入力項目だ。自由に設定していいものだが、後で見たときに分かりやすいものにしておこう。当社では「FLV除外」としている。

Googleアナリティクス、フィルタ詳細

自社の固定IPアドレスを除外設定する

「フィルタの種類」は、まず「定義済み」をクリック。

「除外」を選択すると、右側に「参照元かリンク先を選択します」というプルダウンメニューが表示される。

このプルダウンメニューで、「IPアドレスからのトラフィック」を選択。最右の「式を選択します」はそのままにしておく。

下に「IPアドレス」と表示されているので、自社の固定IPアドレスを「182.55.123.987」のように入力する。

Googleアナリティクス設定、IPアドレス

設定を保存する

すべての設定項目を入力し終わったら、最下部にあるブルーの「保存」ボタンをクリックしたら設定は完了だ。

アクセス除外をすぐ確認する方法

アナリティクス設定で行った登録内容が反映されているか、すぐに確認する方法がある。Googleアナリティクスの「リアルタイム」機能だ。

上部のボタン群から「レポート」を選び、レポート画面を表示させる。

デフォルトで「ユーザー」の「サマリー」が表示されるが、画面左側「ユーザー」ボタンのすぐ上にある「リアルタイム」から、「サマリー」を選択する。

Googleアナリティクス・リアルタイム

すると、現在自社サイトにアクセスしている訪問者の行動が表示されている。

次に、あなた自身が自社サイトにアクセスしておく。あなたのアクセスが「リアルタイム」画面に表示されるかを確かめるためだ。

アクセスの多いWEBサイトならば、数件、数十件のアクセス状況が表示されている。これではあなたのアクセスがどれか分からないので、「サマリー」の下にある「地域」をクリックする。右側に「Japan」と表示されているリンクをクリックすると、「市区町村」にデータが細分化される。そこに、あなたがアクセスしているポイントが表示されていなければ、これまでに設定したフィルタが無事反映されているということだ。

あるいは、
WEBサーバーに一般の訪問者がアクセスできないページを置き、そのページにアクセスする。
そのアクセスがリアルタイムで表示されていなければ、同様にGoogleアナリティクス設定で行ったフィルタ設定が反映されたと考えて良い。

影響を考慮して除外設定を行おう

これまで見てきたように、自社からのアクセスをGoogleアナリティクスで除外設定するのは、固定IPアドレスさえあれば、そんなに難しいことではない。かんたんな設定を行うだけで、Googleアナリティクスでのアクセス解析がより正確なものになる。

もうひとつだけ注意を申し上げておく。
自社サイトを運用するWEBマスターが、そのアクセスを除外するということは、自社からのアクセスをすべて除外するということでもある。

WEBサイトは、ある意味自社からのアクセス(自社使用)も歓迎すべきものでもあるので、影響をよく考慮してGoogleアナリティクスの設定を行うかどうかを決断していただきたい。