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採用サイトのコンテンツに深みをあたえる言葉えらび

♫ ソーダ水のなかを、貨物船が通る ♬

古いナンバーですから、このワンフレーズだけで題名が浮かぶ方は、少ないかも知れません。
1974年の荒井由実の名曲「海を見ていた午後」です。
(ご存じない方は一度聴いてからコラムを読んでもらうと、よりわかりやすいでしょう)

学生時代に、この歌詞の魅力を熱く語る後輩がいました。

「短い一節だけど、展開されている風景がふわっとひろがるでしょ?言葉のチョイスが秀逸だと思うんですよ。説明的な描写や、ありがちな比喩に頼らずに。こんな詞が書けたらなぁ」

私は、楽曲の世界観もさることながら、鋭い目の付けどころに驚かされ、感心するばかりでした。

「言葉の伝達力には無限の可能性がある」と、彼はきっと気づいていたんでしょうね。

いまでは自身が、文章の構成や表現を練る仕事に就いたこともあって、とりわけ印象に残っています。

彩りゆたかに伝える言葉のつづり方

報告書や回覧板のように、正確な情報や記録の伝達をねらって言葉をならべるだけなら、淡々と味気ない文章が続いても、まったく問題ありません。

でも、さまざまな言葉の力を知ったり、うまく使えるようになったら、もっとリアルに、いきいきとした心象を伝えられるかも知れません。

「俳句」をテーマに考えてみましょう。

ー 静けさや岩に染み入る蝉のこえ
  五月雨をあつめて早し最上川
  夏草や兵どもが夢の跡
  古池や蛙飛びこむ水の音
  柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺

教科書に定番で掲載される芭蕉や子規の名句です。みなさんも一度はふれたことがあるでしょう。

ひとつずつ味わいながら目を閉じると、作者が居合わせた風景がひろがります。
キャンバスにむかって絵が描けるくらい、鮮明ではありませんか。

季語や文字数といった制約があり、構成の自由度は低いので、擬音や色あいなどのありふれた言いまわしは用いず、みんなにイメージが伝わるように、凝縮された表現をひねる。

実に奥深いですね。

「川柳」の場合はどうでしょう。

ー 役人の子はにぎにぎをよくおぼえ
  国民の安心のせる火の車
  口よりもマウスがものを言う時代
  効率化提案したら仕事増え
  ジム通いクルマで行ってマシン漕ぐ

最初の作品は江戸中期、田沼意次が活躍した頃。その他は、最近の世相が題材になっています。
風刺の視点は時空を超えるんですね。一緒にならべても、時代のギャップを感じません。

これらは多くの読み手に「クスッ、ニヤッ、その通り!」といった同様の反応を起こさせます。
心のなかを生々しく表す記述はありませんが、相手にストンと感情が伝わる。

一定の構成ルールを守りながらもどのように言葉を選べば良いか、計算が尽くされた結果でしょう。

読み手の思考や感情に訴えかける

では書き手と読み手のダイナミックなやりとりが成立するために、必要なものは何なのか。

まずは対象とする風景や物事に向けられた、作者の深い洞察力があります。

ユーミンは市井にまぎれて男女の会話に聞き耳をたて、たくさんのラブソングを組み立てたと発言しています。芭蕉も言語化する前提として自然世界の光や香り、音や風など五感を尽くして味わい、記憶にとどめたはずです。川柳もリアルな庶民感覚をつかんでいるからこそ、心に刺さるのです。

さらに、読み手の頭の中を刺激するように言葉を選び、つづることも大切。

「海を見ていた午後」では仮に題名を知らずに聴いていても、曲が進行するにつれ「レストランの窓辺から、海を眺めて思い出をたどる女の子」が自然に浮かんできます。芭蕉の句は「岩に染み入る」や「五月雨をあつめて」の一節がひっかかり、「おやっ、それはどういう様子なのかな」と、考えさせられ、そこから読み手は作者が見た風景を再現しようと頭を働かせるのです。

技巧的な要素もありますが、一流の語彙力がないからとあきらめないでください。
大事なのは、いつも相手がどのように受け取るかを意識して言葉を紡ぐことなのです。

採用サイトにも活かせる言葉のチカラ

メッセージを伝えるために言葉選びにこだわるのは、文化・芸術の分野だけではありません。
私たちが日々携わるWEBコンテンツ制作においても、実は外せないポイントなのです。

たとえば採用サイトのコンテンツもそのひとつで、ライターにとっては腕の見せどころ。

インタビュースタイルの先輩紹介やクロストークで職場の雰囲気を伝える記事は、就活生にとっては興味の尽きないキラーコンテンツといわれます。

「疑似体験」「追体験」できるところが、文芸の世界に通じると私は考えています。

次の4つの表現をくらべてみましょう。

① 近頃は、お客様から信頼していただけるようになりました。
② 最近は、君から買ってるんだと言われるようになったんです。
③ 初めての顧客訪問のときは、とても緊張しました。
④ はじめて訪問するビルの前で、カバンを持つ手に汗を感じました。

みなさんは、どんな印象を持ちましたか。

①と②、③と④は、伝えたいテーマとしては同じです。でも、伝わる情報の豊かさはまったく違います。②や④の描き方ならば日々どんな姿で仕事にのぞんでいるのか、人柄や息づかいまで想像できませんか。就活生が共感し「うん、うん、わかる」と、感情移入しながら読み進んでしまいそうです。

ちょっとした表現の違いでも、インタビューのなかでこうしたフレーズが所々に盛り込まれると、親近感や臨場感はぐっとアップします。
しだいに「この先輩のもとで働いてみたいな」といったイメージをもってくれるかもしれませんね。
読み手がそんな気持ちになりそうなインタビュー記事を、参考にあげておきます。

やるからには本気で。香港・中国からその先へ(先輩メッセージ) | 化学品の専門商社、島田商会の採用情報

深みのあるコンテンツに仕上げるには

そんな調子よく進むパターンばかりじゃないと、ムッとする方もいそうなので付け加えます。

たしかに「そのままで記事映えする」ような素敵なコメントに出合ったり、凡庸な言いまわしをリライトするのはとても難しいことです。

でも、成功のコツはすでに書きました。芭蕉やユーミンの洞察力を思い出してください。
語彙力を自在に操る天才でさえも、観察や取材に全身全霊をこめているのです。

対象の強みは何かを見極め、どんな階層にどのようにPRするのか。ゴールを明確に。
ブレないコンセプトで進める取材の場では、奥深いコンテンツに仕上げるキーワードが必ず出てくる。

当社のモットーのひとつは、「心を動かすコンテンツ」。
取材時に着るハッピの背中には「熱取材」の文字。

私たちが目指す姿として、毎日のように語りあう内容を題材に今回はまとめてみました。

「取材のコンセプトはどんなふうに組み立てたらいいの?」
「心を動かすように言葉をつづるって?」

興味を持たれたみなさんは、ぜひ当社にご相談ください。
お待ちしております。

採用サイトで就活生に居場所があることを伝えてあげよう

「このごろは、説明会を開いても参加者が集まらなくて・・・」

もはや恒例のように、相談を持ちかけてくる中堅メーカーのS君、また浮かない顔です。
経営企画の立場から自社サイトのディレクションにもかかわり、採用担当として母集団形成も任される大変さはよくわかります。

S君自身は、採用コンテンツを大幅に再編したいようですが、「コストをかけたぶんだけ、学生は集まるのか」と経営陣に詰め寄られ、稟議もかんたんには通らない。
先日から、就活にのぞむ学生の変化について、企業側の受け止め方を調べていた私は、その内容も参考にして、お助けプランを練ってあげることにしました。

就活生は積極性が足りない!?

私が注目したのは、2025年卒の採用マーケット分析の中で見つけた、こんな結果でした。

キャリタス就活「2025年卒 採用ホームページに関する調査」(PDF)

・就業意識の低い学生が増えた        35.7%
・企業理解不足の学生が増えた        42.5%
・仕事内容について理解不足の学生が増えた  40.7%

1000社以上を対象とした調査で、「そう思う」と回答した企業の割合になります。

「そう思わない」としているのは、いずれも全体の1/3以下です。
採用する側から見たとき、志願者の姿勢に一定の物足りなさを感じている様子がうかがえますね。
少なくとも、みんなが猪突猛進型で激しく競っている雰囲気ではないのでしょう。

就活にのぞむ段階になっても、まだ「自分探し」をしているような、本気モード未満の学生がたくさんいると考えざるを得ない。

「それならこのプランはどうかな。まだ採用ページに載せている会社は少ないと思うけれど」

「たとえば、5つの選択肢があるテーマを3つ設けて、それぞれもっとも自分に適合するものを選んでもらうようにする。ちょっとした自己診断コーナー的な感じだね」

サイトをおとずれた就活生が「もしここに入社するなら居場所はどの部署なのかな」と、思わず想像してしまうようなアイデアをS君に提案したのです。

就活生をその気にさせるひと工夫

実際に導入するなら会社の採用コンセプトを反映させますが、ここはあくまでサンプルなので、仮のチェック項目を並べ、狙いや効果を書いてみます。

Q1.【会社に求める価値観】
A 人や組織を動かしたい。裁量権を活かせるポジションにつきたい。
B 個人のスキル・専門性を極めたい。自分が納得する仕事をしたい。 
C 社会貢献度の高い事業や人に喜ばれる仕事に興味がある。
D ワークライフバランスを大事にしたい。仕事と家庭の両立は当然。
E 新規案件へのチャレンジが推奨される風土。発想の自由度が高い環境。

Q2.【人間性・キャラクター】
A 行動力旺盛で責任感が強い。リーダーシップがある。
B 落ち着きがある。一人でも粘り強く努力できる。
C アイデアが豊富。創造性があり洗練された感性を持つ。
D ポジティブ思考で話すより聞き上手。思いやりがある。
E サポート役にやりがいを感じる。ワンチームに憧れる。

Q3.【仕事に活かせそうな適性】
A やるべきことが重なっても段取りよく進められる。
B 初対面でも遠慮せずに話すことができる。
C 自分の考えを論理的に伝えることができる。
D 違う意見を持つ相手でも柔軟に話し合える。
E 成果が数字に表われる仕事に魅力を感じる。

回答の組み合わせは全部で125通りになります。
次にその回答から導かれる結果として、各事業部や業務内容のコンテンツを紹介するのです。

「BーCーA の方は製造部の記事へ」「EーAーE の方は営業部へGO!」
「DーDーB の方は総務部の記事へ」 といった具合。

とくに珍しい回答パターンに対しては、あえて定番部門への誘導をせずに、「あなたのロジックをぜひ面接で伺いたい」としたり。

テーマや選択肢の表現は、各事業部のビジョンや求める人物像などによって、いくらでも作り込むことが可能です。ただ、項目が多すぎると読み手がウンザリしたり、結果の処理も大変になります。意図するのは、適性診断の精度を上げることではないので、質・量とも適度な構成を考えたいですね。

「これは楽しいですね。ボクもやってみよう!」興味津々のS君。
「なにか、自分をあらためて見直すきっかけになりますよね、これ」

そう、そんな風に感じてもらえたら、コンテンツの「つかみ」としての効果はアリだと思うんです。

参加型のトピックがアクセントになる

ともすれば、「知ってほしい」「伝えたい」内容ばかりが目立つ採用サイト。

「あなたはどんな人なのかな。少し教えてくれる?」と、採用する側から促す展開を加えることで、期待できる効果があります。

 

就活を「自分ごと」として考えるきっかけに

冒頭で、自分軸がはっきりしないままの就活生が、4割近くいるという結果にふれました。採用サイトも、ざっくりと流し読みから始める姿も想像できます。似たような企業サイトが並ぶなか、ふと自分のキャラや適性を問われるトピックに出合ったらどうでしょう。

「おっ、セルフチェックってやつか。ひとつやってみるか」と、これまでにない反応が起きるかも知れません。

適性診断はネットでもたくさん見かけますが、おすすめの職種や業界を伝えるのがメインで、各企業の事業内容とはつながりません。さらに結果を確認するには相応の時間もかかります。

だから、エッセンスだけ拝借すれば良いのです。

「面接の準備段階として企業サイトを訪れてみたら、適性・適職についての認識も刺激され、個性を活かした部門で働く状況までイメージできた!」

就活生が、採用サイトでちょっと前のめりになってくれる。
ユニークな仕掛けだと思いませんか。

 

自分で選ぶから確信を求めたくなる

限られた選択肢から最適なものを選ぶだけといっても、テーマが会社との関係性や働き方なら、学生は真剣に取り組みますよね。そして、決断ができれば、次はそれが正しかったのか検証したくなる。

判断の根拠や確証を得ようとする人間の行動パターンは、ご存知の方も多いでしょう。
心理学を取り入れたマーケティングの分野でも、よく扱われるお馴染みの題材ですね。

「自分は営業部では?と診断されたけど、職場の現状はどんな感じかな」と、彼らが興味を持ちはじめるのは自然な流れ。

就活生が本気でコンテンツを精読し、情報を把握してくれることは、採用を検討する側にはとてもありがたいこと。ひとつのページを仕込むだけで、面談の前哨戦のような空気が生まれ、採用サイトの先にある会社との距離が近くなったらベストですね。

また、この自己診断は、説明会や面接などリアルな対話の場面でも効果が期待できます。

「君はBーCーAのパターンなんだね。でも希望は営業なのか。そのあたりはどうして?」
「はい、製品の知識は深めたいのですが、それを世の中に広めたいという思いの方が強くて」

お互いに共有する話のネタがあれば、アイスブレイクの役割になったり、就活生の根っこを知るきっかけにもなるはず。

「これならコンテンツにメリハリがついていいですね。さっそく提案してみようかな」
少し気持ちが上向いた様子のS君でしたが、最後に大切な念押しを添えてあげました。

メインを磨いてこそ活きる「つかみ」

今回ご紹介した「つかみ」は、コース料理でいえば前菜にあたります。
次への期待を膨らませるステップであって、大切なのはあくまでメイン。

事業紹介や現場の様子を伝える写真、先輩インタビューやキャリアパスについてのリポートなど、後に続く本題が充実していなければ意味がありません。

まずはメインコンテンツをしっかりと仕上げておくこと。そこは、見失うことのないように。

納得した様子のS君。

みなさんは、いかがでしょうか。

「たしかに、採用サイトはどこもパターン化されている印象がある」
「おっ!と感じてもらうには、どんな工夫がいるんだろう」

このコラムでそんなことを感じた方は、ぜひ当社にお問い合わせください。
ヒントをお伝えできる自信がありますよ。

採用サイトのコンテンツで、変化する若者の志向をつかむ

就活生Aさん「息子が大手志望と言い張って、困ってるんだよ。良いことばかりじゃないと思うんだが」
Bさん「ウチの娘はまだ数人で始めたばかりのスタートアップ企業に参加を決めちゃって」

30年ぶりの同窓会に参加したら、こんな声が聞こえてきました。

Aさんの息子君は関西私学の雄D大、Bさんの娘さんは日本の最難関T大。円満な独り立ちを願う親たちが、そんな話題で盛り上がりました。

帰り道、就活生のゴールは色々なんだなと感じながら、ふと、先日のコラムに登場した採用担当S君のつぶやきを思い出しました。

「志望者が集まらないんですよ。みんな大手に流れるんでしょうね。中小には厳しい状況です・・・」

同窓会で聞いた若者たちの変化、具体的にどんな様子なのでしょうか。

就活世代は会社に何を求める?

社会人デビューに向き合う若年層を対象にした調査では、私たちが経験した就活とは、違った傾向が見えてきます。複数のアンケート結果をひもといて、志向の変化を顕著に感じる項目を抽出し、まとめてみました。

①勤務地 配属・部署 仕事内容 裁量権
②ワークライフバランス 福利厚生 勤務形態
③キャリアパス 成長支援 社風

①については、希望の勤務地が叶うこと、転勤はない(少ない)、入社前に配属先や部署が知りたいなどの希望が見られます。とくに仕事内容は「自分のやりたい職種につけるか」が最大の関心事で、自己実現へのステップという意味でも、働き方の軸としているようです。ルーティンワークに対しても抵抗があり、社歴が浅くても裁量権を得たいという結果も。

②で見られる要望は、「プライベートの時間が確保されていて、残業が少ない」こと。若年層に定着している「タイパ(タイムパフォーマンス)」の概念は、会社を選ぶ際の必須条件。フルフレックス、出社とリモートを組み合わせたハイブリッドワークなど、多様な勤務形態が支持されるのも、そこにつながっています。

③で特徴的なのは、「昇進を(必ずしも)望まない」という意見。就活者の30%近くを占める調査結果もあります。その理由の多くが、重い責任を嫌い、プライベートの時間を確保したいから。また、おもしろいのは「パラレルキャリア」というキーワード。終身雇用や年功序列といった旧来型の組織で勤務を終えるのではなく、副業、転職も含めて経験やスキルをひろげる生き方を一定数の就活生が思い描いているのだとか。忠誠心をもって会社に一生を捧げるなど、遠い昔の話です。

みなさんの印象はいかがでしょう。

「高望みせず堅実で、自分軸がしっかりしている」。
就職活動の中心にいるのはZ世代ですから、メディアなどで流れるイメージと被った方もおられるでしょうか。

もちろん、給与と待遇、知名度や事業規模といった項目は、以前と変わらずニーズがあります。
でも、明らかに上位独占ではありません。給与だけに限定すれば、重要度が下位になっているアンケートも見られたくらいです。

むしろ目に付くのは福利厚生や休日・休暇、仕事内容、社会貢献度や業界における将来性など。企業の個性とライフプランをリンクさせて、接点を見つけようとする姿勢です。

「どんなメンバーと、どういう環境で、どんな仕事を担うか」

表面的に提示される会社のスペックよりも、人生をよりよく生きるための確信を得たい。
それが、就職活動に取り組む彼らの本音なのでしょう。

(参考)
Z世代の仕事に関する意識調査 | 株式会社SHIBUYA109エンタテイメントのプレスリリース

少子化による採用難で大手の一人勝ち?

新宿野村ビル母集団の形成に苦労している。

企業側からよく聞かれる嘆きです。「志願者の質より量を重視する」と、昨今は大手でさえ採用枠をなんとか埋めようとする動きが伝えられています。くわえて景気の先行きに不安を感じている就活生も40%を超えることから彼らが大手に流れている傾向も。中小企業の多くがあきらめモードなのもよくわかります。

ですが、「どうせ大手狙いなんでしょ」と、決めつけてしまうのはちょっと待った、です。

大手のスペックには及ばなくても、多様化する若者の志向に応えられる強み、明確なビジョンがあれば、採用の打ち手は確実にあります。大手一辺倒ではなくなり、独自のワークライフバランスを願う若者が増えているのですから。中小にとっては、多彩な人材獲得に向けた発想の転換期なのです。

要は彼らが求める要素と、自社の魅力・強みのマッチングを徹底して追究すること。
自分が求めるものがここにあると、会社とのつながりに特別な価値を見つけて貰うのです。

採用サイト(企業サイト)で活路を見出す

「人が集まらない…」。S君のつぶやき。

ここまで調べてきて、いつものおせっかいモードに入りました。

変化しつつある就活生の志向をしっかり把握すること。
採用サイトを活用すれば志願者を増やすきっかけになるかも、と。

仮に、S君の会社にこんな個性があるなら、構成しだいでエントリー増加が期待できそうです。

・コンパクトな組織・部署を利点として、柔軟な戦略の立案・修正が可能。意思決定も迅速。
・上司と部下の距離が近く、社内の人間関係も親密で風通しが良い。独自の意見も出しやすい。
・1対1の顧客対応があり、信頼関係が築ける。「貴方から買いたい」といった声をもらう。
・認知度にかかわらず、唯一無二の技術がある。大手が一目置くノウハウを持っている。
・知名度は低くても、業界で一定の存在感を維持し、事業を継続してきた長い歴史がある。
・少数精鋭で各個人が重要な役割を担い、評価も明確で、達成感や貢献度を感じやすい。
・ライフプランに影響する転勤はなく、休日や残業もバランス良く運用の透明性も高い。
・研修やスキルアップの計画が実行されており、キャリアパスも会社と相談しながら進められる。

すべてを備えるのは難しいかも知れませんが、大手でなければムリな条件でもないはずです。

私が知るなかで、これらをうまくコンテンツに反映している企業がありますので、紹介しておきます。

採用トップ | 化学品の専門商社、島田商会の採用情報

就活生の心を動かすために

では多様化する若者の志向と、自社の求める人材をどのように整合すれば良いのでしょうか。

就活生の多くが売り手市場だと認識しており、一方的に情報を詰め込んだサイトを投げても、心をつかめません。Z世代の傾向から見ても、ラブコールが「熱烈」なだけではナンセンス。

採用サイトをラブレターに例えるなら、「あなたの希望は〇〇だよね。ボクと相思相愛になれば、こんなふうに二人で叶えていけるよ」といった構成にしないと、相手には響かない。

ここからは、相思相愛を実現するために、第一歩としておすすめな準備をあげておきます。

 

自社の魅力を書き出す

自社の魅力を書き出す
A4用紙に箇条書きで、思いつくまま自社の長所(魅力・強み)を書き出します。

少人数の組織なら全員、中規模くらいだと、経営企画や人事担当、営業など各部署から合わせて10人ほどが参加すれば良いでしょう。抽出目標は1人100個。絞り出す努力は必要ですが、あまり考えすぎず、多少被る内容があってもかまいません。とにかく仕上げる。

結果が出たら、メンバーで集まって分析しましょう。思いがけない発見があるものです。

社屋やアクセス、財務や待遇など、目に見えてたり数字に表われるものが出るでしょう。文化・風土、人間関係など、伝える表現は難しいけれど、特徴的な項目も見つかりますね。

カテゴリーに分類してまとめていくと、会社の良いところが立体的に見えてきます。参加者の視点は様々ですから、「こんな良いところがあったんだ」と、新たな発見があること間違いなしです。

みんなで揉んだら、コラム前段にまとめた就活生の志向に照らして、採用プロセスでのアピールポイントをあぶり出してみましょう。

 

求める人材のペルソナを作る

就活生その結果をもとに、訪れて欲しい志願者を、具体的なキャラクターとして設定します。ブランディングの世界では「ペルソナ」と呼ばれ、ターゲットをより鮮明にして緻密な企画につなげる手法です。採用プロジェクトをテーマとした場合の、あくまでも一例ですが、

・鈴木花子(23歳)
 学歴:「〇〇大学 文学部 英米文学科在学中」 卒論:『嵐が丘』のなかに表れる女性表現の特徴
 性格:まじめ 頑張り屋 こだわりが強い バイト:書店スタッフとして3年間
 資格:英検一級 就職への希望:留学経験もあるので、英語力を活かした仕事に就きたい

と、こんな感じです。実際に運用する場合は、さらに特徴を加えてリアルな人物像に仕立てます。

この「ペルソナ」には期待できる効果がいくつかあります。

まず、プロジェクトに関わるメンバーが、いつもペルソナを意識して担当業務を進めるので、方向性にズレが生じないこと。複数メンバーの協業やミーティングでは、迷走を抑える効果が期待できます。

また、ペルソナの生活や行動・思考に深く思いをはせる習慣を続けていると、新しいアイデアが見つかることも。インターンシップや会社説明会、パンフ、採用サイト、どんな企画にのぞむ場合でも、自分本位にならず、相手の目線に立つところから生まれるものがあります。
さらにペルソナには、合わせ鏡でうつしたときのように、「影」が連なっています。

たった1人に忠実に向き合う。目の前にいる人に話しかけるように。
馴れないあいだは、絞り込みすぎているように感じるかもしれませんが、実はその人の背後には近い個性をもった集団があり、メッセージを受け取る準備を整えて待っています。誰にでも通用するような語りかけは、メッセージをぼんやりさせてしまう八方美人になっていくだけになり、結局誰にも届かなくなります。

「たった一人を振り向かせれば、100万人に届く」
大阪のマーケター、坂本啓一さんの名著です。

状況はとらえようで変わる

いかがでしたか。採用難に打ち勝つ展開が少しは見えてきたでしょうか。
自社のサイトづくりに孤軍奮闘しているS君も、私のアドバイスを聞いてうなずきながら戻って行きました。

採用難、少子化、売り手市場、景気下降…周囲から聞こえるネガティブな言葉で、柔軟な思考が阻害されがちです。事業展開では、市場の動向を色々な角度から分析して活かすように、採用活動も少し視点を変えてみるだけで、活路はあるのだと思っていただけたでしょうか。

「就活生の志向の変化はわかるけど、採用サイトとのマッチングはどうしたら…」
「ペルソナが採用活動に反映されるって、具体的にはどんな感じ?」

そんな思いがわいてきた方は、ぜひ当社にお問い合わせください。
いつでもお待ちしております。

採用サイトのコンテンツ、早期離職を防ぐために 

「突然、辞めたいですと言われて、ショックだったんですよ」

中堅メーカー企業の採用担当をしているS君が、ため息まじりに話しかけてきました。自分が採用にかかわった社員で、入社してまだ1年だそう。おとなしくまじめなタイプで、これといった前兆もなかったようです。

「Z世代だから、あっさりしてるんでしょうね」と、あきらめの表情。

あいづちを打ちかけましたが、「ダメもとでもう一度よく話をしてみたら」と、アドバイスしました。ふだん、採用活動について悩んでいる姿を目にしていたので、何か解決のヒントをつかんで欲しいと思ったからです。

 

離職希望の彼が言うには

「仕事がおもしろくなくて、ずっとコレをやるのかな…と」
「キャリアパスやスキルアップがイメージできず、変化のない毎日に気持ちが萎えました」

淡々と語られたのは、こんな理由だったとか。

S君は、会社のキャリアパスやスキルアップを説明し、他にも仕事はあるからと再考を求めましたが、彼の心には響かなかったようです。「石の上にも三年」と慰留を切り出したら、「三年で何か分かりますかね」と、あっけなく切り返されて言葉に詰まったと。

「この会社は、こんなもんか」。いったん期待外れの思いになると、修復は難しかったりするものです。

 

結果から見えてきたこと

これが世にいう「ミスマッチ」なのかと、落胆する背中を見ながらも、二人で原因と対策を話しました。

会社として、ここまで採用と教育にかけたコストは膨大です。去りゆく者への損切りは仕方ないとして、次なる糧にしようとの強い思いがわいてきます。新人らしからぬ捨て台詞は、率直すぎて耳に痛かったのですが、気を取り直して改善の方向性を探ります。

振り返ってみると、入社後のケア不足も含め、たくさんの改善すべきポイントがあがります。そこから、いま最優先にすべきアクションは何なのか、絞り込んでいきます。

①仕事内容について、具体的で詳細な情報を伝えられていたか。(インターンシップ・説明会など)
②キャリアパスやスキルアップについて、就活生の理解は充分だったか。(面接・内定後など) 
③採用サイトやパンフレットについても、上記二点について不備はなかったか。

いずれも就活生なら関心を抱く重要なテーマですが、入社前後で納得させるタイミングを逸していたようです。

とくに「仕事内容」については、最も知りたい項目ながら情報は不足しがちで、かつ入社後のギャップを生む原因になるとの調査結果もあります。

【企業の採用サイトに関する調査結果】求職者の視点から見た「採用サイト」の重要性と課題

インターンシップや会社説明会は限られた時間の情報共有ですが、採用サイトやパンフは志望から内定まで制限なく、いつでも就活生が参考にできるアイテムです。いま、ここにしっかりとした情報を掲示しないわけにはいきません。

 

採用サイトで伝える「仕事内容」

まずは「仕事内容を伝える」ことに焦点をあて、S君がディレクションしたという採用サイトもチェックしながら、改善の施策を伝えていきました。

 

組織と仕事をわかりやすく伝える

よくあるのは、各事業と部門・部署に担当業務を紹介して終了、というもの。

ある程度は詳細な内容が必要ですが、中堅企業でも項目を細かくすると相当な文章量になります。そもそも業界に精通している就活生は少なく、「文字離れ」の傾向もありますから、熟読には至らないことも。

そんな場合には、会社の事業と、流通・市場などの経済環境を、フロー図にまとめるのも一案。就活生が自身の志望傾向から、やりがいを感じるセクションの存在を探す地図の役割を果たします。会社規模にかかわらず踏襲できる手法なので、一例をあげておきます。

職種紹介|新卒採用情報|株式会社クボタ

また、こうした図をもとに、事業・業務の内容や、実際に働いている社員の声にリンクさせるのもひとつのやり方ですね。

 

仕事にむきあう臨場感を伝える

新入社員や先輩社員の声、クロストークをメインに活用します。インタビュー記事は就活生が何度も目を通してしまう「キラーコンテンツ」。でも、ワンパターンの一問一答では何も伝わりません。仕事ぶりや個性が際立つような質問を投げかけ、その存在感が社風を物語るイメージを醸し出すように回答を再構成するのがコツです。

就活生に、「この人、自分とキャラが似てるな」と思わせるレベルに仕上がれば最高です。

「仕事内容」という観点では、成功や失敗の体験談、感情の揺れも汲み取って構成しましょう。エピソードトークで、上司や顧客とのかかわりも添えれば、さらにリアルなストーリーとなって、読み手の疑似体験につながります。

先輩インタビュー | 採用情報 | スポーツ用品、ファッションアイテムのイモト

クロストークでは、参加メンバーを工夫することで、社風や歴史、経営理念と相通ずる良き伝統を感じさせることができます。社歴や担当業務、階層や年齢が、バラエティ豊かな方が、おもしろくなりそうです。

企業活動を一言で表すときも、「〇〇イズム」「〇〇クオリティ」などのワードが使われますが、現場をよく知る社員の声からそれが読み取れれば、就活生からの信頼も得やすいでしょう。

クロストーク | 採用サイト | ロート製薬株式会社

 

経験を重ねつつ、成長するプロセスを伝える

「この会社を選べば、成長への追い風になるはず」と、就活生は期待します。給与などの対価以上に、仕事についての達成感や充実感、成長に向けたサポートを重視する傾向もあります。

資格取得への補助、スキルアップ研修や教育制度は、関連する数字を明らかにすると効果的。マトリックスなど図表を活用してわかりやすくすると好印象に。

キャリアパスを知ってもらうために、先輩ストーリーをまとめている企業もありますよ。

キャリア・働く環境 | 採用情報 | キユーピー

「それから、求める人材を伝えるのも大切だね。チェックボックスがついた箇条書きで、こんな人に来てほしいという項目をあげているところもあったな。しっかりしたサイトは、採用コンセプトや人事担当者の考えを明らかにする単独ページを作り込んでいたり…」

すると、「ちょっ、ちょっと待ってください!」と、S君。「頭がいっぱいになってきました…」

私が、勢い込んで一気に話しすぎたのでしょう。少しあわてた表情で、これから人事や経営企画担当と相談するとのこと。離職騒動からうけた傷心は、いつしかどこかに飛んでいったようです。

 

就活生の傾向や求めるものに目をむける

最初にS君がつぶやいた「Z世代」。すっかり定着しているようですが、私には少し抵抗があります。集団を端的にイメージするには便利ですが、個々の実態をとらえる感性を鈍くしているような気がしてならないのです。

昭和世代と違って、入学してほどなく就職について考えなさいと迫られる大学生。専攻分野の学業に追われながらの就活です。忙しさから社会との接点も少なかったり、自身の個性を世の中に活かすビジョンに至らないまま仕事に就く展開も容易に想像がつきます。

そんななか苦労の末に内定をもらったりすると、いわゆる「楽観バイアス」が働いて、思考停止になっている求職者もいるでしょう。「内定が出たのだから、たぶん自分には合っている、大丈夫」と。

アンケートがすべて正しいとはしませんが、就活生の関心の上位に「仕事内容」があがる事実。
採用サイトから得たい情報も、入社後のギャップを感じる原因も「仕事内容」。

採用する側としては、このテーマを志望者といかに共有するのかが、入社前後のトラブルを避けるポイントになりそうです。

採用サイトを通じて、求職者に仕事内容や成長へのプロセスをリアルに受け止めてもらい、内定辞退や早期離職のリスクを減らしたいとお考えの際は、ぜひ当社にご相談ください。

採用サイトのタイムリーなコンテンツ発信とは

サイトの企画採用担当にとっては、頭の痛い採用難の状況。
会社の魅力を理解し、頑張ってくれそうな人にアピールするには、「どんなコンテンツがいいのか」と、採用サイトの企画で悩んでおられることと思います。しかし採用サイトの企画で、いちばん大切なのに忘れやすいのが、「目の前の就活生に語るように企画を練る」こと。求職者対象のアンケートで、企業を知る情報源のトップに8割近くの就活者が挙げているのは、やはり採用サイトです。

キャリタス就活「2025年卒 採用ホームページに関する調査」(PDF)

会社説明会に参加したり、面接にのぞむとき、内定からいよいよ最終決断をする場面でも、傍らにあるのは採用サイトです。見落としはないかと何度もチェックし、行間まで読み込もうとする猛者がいるかもしれません。

改善の観点はいくつもありますから、いろいろと視点を変えて検証する必要があります。

彼らが頼りにする採用サイトは、実は就活の時期によって閲覧の仕方、チェックするコンテンツが変わります。このコラムでは、就活者の活動時期に合わせたコンテンツのあり方についてご紹介していきます。

就活者の思考や行動は、就活時期によって変わる

採用コンテンツは、就活者にとって王道のツール。なのにWEB上には、企業概要や福利厚生と募集要項を添えたくらいの、凡庸な内容にすぎないサイトが多いのも事実です。
採用サイトをリニューアルしたものの、うまく機能しているのだろうかという声も。では、就活者に刺さる、ほんとうのポイントはどこにあるのでしょうか。

マーケティングの世界には「カスタマージャーニー」という言葉があります。
消費者が商品(ブランド)にふれて購入にいたるまでを旅にたとえ、フェーズごとの施策を考えるフレームワークです。

就活者が思考や心情を変化させていく行動は、このフレームワークに乗せることができます。今回は採用カスタマージャーニーを駆使して、採用サイトのコンテンツをブラッシュアップする考え方をご紹介します。

・就職活動のフェーズごとに、就活者の変化する心境に配慮したサイト構成
・就職活動中に、閲覧を重ねても色あせないコンテンツづくりの秘訣

就活初期:企業情報の収集スタート

就活者採用ポータルサイトや就職ガイダンスなどをきっかけに、たくさんのアタック候補にふれる最初の数ヵ月です。企業側は、この時期に就活者たちに自社を印象付け、その後の採用活動を上手く運ぶための大切な時期でもあります。後述する自社の良さをもとにした、採用コンセプトを一貫して訴求し、「この会社がいいな」と感じさせる大きな機会と捉えてください。

この時期に就活者が重視するコンテンツ

・募集要項
・福利厚生
・職種紹介
・会社概要
・事業紹介

自身の適性や志向をもとに、広い範囲で「様子見」をしています。

まずは、「事業内容」「自分に合った職種があるか」といった興味をスタートとして、労働条件や福利厚生などの基本情報を得ることが主な閲覧の目的になります。職種紹介では、在職者のキャリアや資格とともに詳細な内容を伝えます。インターンシップを経験していない候補者も多く集まりますので、「仕事紹介」のような平易な職種紹介コンテンツを準備するのも手です。

事業紹介や企業理念もメリハリのない説明だけでなく、「ならでは」の魅力を強く打ち出します。会社の価値は規模の大小や知名度だけではありません。会社を測る一般的なものさしではとらえきれない「良い点」が必ずあります。それこそが、就活者の心を動かす大切なポイントと心得てください。

たとえば、

・知られていないが業界シェアNo.1
・規模は中堅だが、大手のグループ会社
・社員1人あたりの売上は業界でも高いのに、残業ゼロ
・経済変化に強い(安定性)
・離職率が圧倒的に低い
・転勤・異動がない
・チャレンジ推奨の社風

などなど。

通常業務のなかで、自社の魅力を考えてみる機会は多くありませんが、これを機にグループで集まり、自社の良いところだけを挙げていくと、意外なポイントが見つかったり、全員が納得することがあったり。在職者だからこそ実感するポイントは、就活者にとっても大いに興味がわくものです。
ただし、良くないところは挙げないこと。いつまでも終わらないグチ大会になってしまいますから。

会社にまつわる数字の図表化を工夫したり、デザイン性を図るなどして、「3分でわかる◯◯」といった、わかりやすく印象に残るコンテンツを掲示することも検討しましょう。併せて、採りあげた数字の魅力を伝える際も、内容ごとに就活者に理解できる言葉を選んでおきます。
この時期に大切なのは、再訪を促す「この会社、いいかも」を感じさせること。

就活中期:より深く調査し、応募への決心を固める

会社説明会会社説明会に参加したり、面接対策を始めるなかで、深い関心を抱き、自身と会社とのつながりを意識する時期です。

就活者が重視するコンテンツ

・採用コンセプト
・求める人物像
・先輩インタビュー
・クロストーク
・職場紹介(写真・動画)

在職者で話し合った自社の魅力から導き出された採用コンセプトと、求める人物像を明確に伝えること。それをわかりやすい言葉に落とし込んだメインのキャッチコピーを各コンテンツに反映させておきます。企業説明会、面接など就活者とリアルで接する場面でも、この採用コンセプトの一貫性は保たなければなりません。

先輩インタビューやクロストークの編集においても、このコンテンツで、採用コンセプトに即して「就活者に何を伝えたいのか」を明確に意図することが大切です。就活者が読み込んでいくうちに、会社の強みや社風をくみとったり、「おなじ経験ができそうだな」と、自身におきかえてくれるように、企画の段階から仕掛けを考えておきます。

就活後期:どの企業に内定受諾を出すか

完全売り手市場のいま、就活者たちは数社から内定を受けるのがふつう。あなたが出した内定通知を受諾してくれるよう、働きかけるアクションが採用活動の成否を分けます。

就活者が重視するコンテンツ

・トップメッセージ
・会社の強み
・平均的な勤務スケジュール
・入社後サポート
・研修・教育制度
・キャリアパス

ミスマッチや内定辞退を防ぐために、採用サイトが果たす役割はなんでしょうか。

それはいま一度、認知や調査の段階で積み上げてきた、会社の強みと唯一無二の個性を再確認してもらい、就活者と採用担当が共有するなかだちをすることです。会社を知ったときから内定を受けるまでを振り返り、「自分はこのポイントが好きだから、面接に力が入ったんだな」とあらためて認知させてあげるのです。

「迷いのある就活者に、確信を持たせてあげる」こと。

複数の内定を受けていれば、世間体や周囲の意見の影響、社会経験のない就活者にとっては、どうしてもより大手で名の通っているところが気になるものです。企画の段階から就活者に魅力を感じてもらえる採用コンセプトで一貫して訴求してきたコンテンツは、競合企業との比較に優位性をもたらします。
結果として、大手を選んだ就活者とは100%の相思相愛にはなり得なかったと考えるべきです。
この段階で考慮すべきことのひとつに、早期離職の対策もあるからです。

自社の良さを気に入ってくれている就活者の後押しをするために、入社後の資料もていねいにまとめておきます。研修や教育の内容はできるだけ詳細に、資格取得のサポートも具体的な数値や実績をあげます。先輩社員の平均的な勤務スケジュールをうまく紹介するのも効果的。採用サイトではまだ多く見かけませんが、経営トップのインタビューで人材重視の姿勢や、独自の強み、今後の方向性を発信するのも、親御さんへの強いメッセージにもなります。

目の前の就活者に、真剣に思いを語るように

専門家に相談企業説明会で、就活者が興味を持った御社のポイントはどこですか?
どんな質問が出ましたか?
あなたの言葉に、集まった就活者はどんな表情をしていましたか?

リアルで接した就活者とのコミュニケーションには、採用サイトのコンテンツ構成のヒントがつまっています。それを採用サイトに反映していくことが、多くの相思相愛候補を集めるポイント。

自社は、どんな人材と縁を結べたらハッピーなのか。
採用活動とは、希望者の心情や迷いに寄り添い、お互いが納得して握手するまで思いをかわすプロジェクトです。まずは足元、自社の良さを振り返り、目の前の就活者たちと密なコミュニケーションを図ることに注力すれば、必ず答えは見つかります。

もし、それでも解決策が見つからなければ、当社にご相談ください。
就活者に刺さる優位性の見つけ方、採用サイトで優位性を一貫して訴求する方法をご提供しています。

オウンドメディアとSEO、5つの即効テク

今スグ効果のオウンドメディアとSEO

Googleだけでも大きな検索ボリューム(2023年11月時点で18,100件/月)を誇るキーワード「オウンドメディア」。
オウンドメディアとSEOの間には、密接な関係がある。筆者の主張は、検索ユーザーのためになる記事(○○○を探しているなら、これだけは押さえておくべき、的な記事)を書けば、共感を呼び、SNSでバズられるし、ナチュラルリンクも多く張ってもらえる。たとえプチバブルが去ったとしても、悩みを抱える検索ユーザーたちに響くコンテンツとして長く影響を与え続けられる、というものだ。

さらに、その記事がトリガーとなって、お問い合わせや資料請求、見積もり依頼などにコンバージョンするように設計しておけば完璧。そしてさらに、渾身の力を注いで執筆したあなたの記事から実際のビジネスに発展する引き合いを得ることができれば、WEB担当者冥利に尽きる。

この記事では、オウンドメディアにSEOの視点を組み込む方法を明かし、コンバージョンに結びつけるテクニックを紹介する。

オウンドメディア:ユーザー視点への大転換を

オウンドメディアを始める準備

自社サイトでオウンドメディアを始める前に、あなたが肝に銘じておくべきは、自社が発信したい情報を提示することではなく、ユーザーから望まれるコンテンツを創り出すことだ。製品・サービスに関する情報を一方的に公開しても、ユーザーのニーズがないのだから、集客にはつながらない。

ものづくりをしている企業やサービスを提供している企業は、顧客に情報を提供しようとするとき、どうしても「ウチの製品は」「ウチのサービスは」となってしまう。そこに顧客が「こう望んでいるからできた製品、サービス」という確固たるマーケティング結果があって、そのニーズを中心にストーリーを展開するのであれば問題ないが、「ウチ中心」に製品やサービスを見てしまうことが多いのだ。

検索ユーザーの悩みや課題に応え、コンバージョンに結び付けるためには、その悩みや課題がどういったものなのかをリサーチすることから始めよう。
基本的に製品やサービスはニーズを満たすために生まれるもので、開発担当者のエゴや思いつきで作られるものではないはずだ。開発者が「こういうものを創りたい」と願う気持ちは、何らかのニーズや一ユーザーとしての視点、明確な目標があってこそ多額のコストと労力、時間をかけて誕生したものであるはずなのだ。

コンテンツも同じ。
できあがってきた製品やサービスを市場で目立たせることがマーケティング担当者の仕事であり、ここで手を抜いてしまうと画期的な製品やサービスも、それによって解決されるはずの悩みや課題を持った人たちの目に触れる機会を失ってしまう。

あなたが担当する製品やサービスをオウンドメディアを使って紹介する前に、まず考えておかないといけないのが「購買プロセス」だ。

1.検索ユーザーの購買プロセスに対する成熟段階を意識する

検索ユーザーの購買プロセスに対する成熟段階を意識

ユーザーは、いくつかのプロセスを経ながら製品・サービスの購入に至る。
自社の製品・サービスを購入してもらううえで、どのようなプロセスをたどっていることが多いのか。WEBサイトはそのプロセスのなかで、どの部分にあたるのかを知っておくこと。自社のWEBサイトでオウンドメディアを展開する際に必要なのは、ここだ。

下記のプロセスが一般的だが、製品・サービスによっては多少異なるものもある。

  1. 製品・サービスや該当機能の認知
  2. 興味関心
  3. 価値認識、購入検討
  4. 製品・サービスの購入
  5. リピート購入
  6. 製品・サービスや提供者に対するファン化

購入に至る前に、あなたは顧客候補に相当量の情報を提供しなければいけない、その情報が他社に渡ることが許されないといった制約がかかった状態で、購入する気満々の検索ユーザーを想定したコンテンツを展開しても成果には結びつかない。

たとえば、購入する製品・サービスの大枠が決まっても、契約前に細かな仕様を詰めなければいけないようなビジネスモデルだと、すぐにでも購入したいという引き合いが入ることは100%ありえない。
オウンドメディアをそういった製品やサービスで展開するなら、その製品・サービスを選ぶことによって得られるベネフィットや将来像を顧客候補の頭に描かせることで、顧客候補が次のステップに向かいやすい状態をつくることの方が大切だ。そのために必要なコンテンツを多くの角度から提供していくことこそが、オウンドメディアのキモなのだ。

さらに、オウンドメディアは集客することが目的ではない。訪問者に何らかのアクションをとってもらうための仕掛けを施し、コンバージョンに結びつけることもあらかじめ検討しておくべき要素だ。

2.コンバージョンに結びつける設計図を用意しよう

コンバージョンに結びつける設計図を用意

「ウチの製品を買ってくれる人は、まず上司に打診することから始まるな」
たったいま、あなたはWEBサイトのゴールについて、非常に重要な独り言をつぶやいた。

この場合、WEBサイトの目標は、「担当者の上司を納得させられるだけの視点を持った資料を提供すること、またはそのサポート」となる。

あなたの会社の製品を選択肢のひとつに残すWEBサイトのコンテンツ設計はこうだ。

おそらく購買プロセス1.製品・サービスや該当機能の認知は済んでいるとして、

  • (ツカミ)担当者レベルでの課題解決:興味関心
  • (本題)信頼性、思想、実績:価値認識
  • (落とし込み)上司を納得させるだけの経営的視点を持つ説明資料:購入検討

ツカミは、製品にまつわる新たなコンテンツで展開できそうだ。信頼性や製品やビジネスに関する思想は会社情報、実績は事例集や製品情報といった既存コンテンツで賄える。

初期コンタクト~担当者コンタクトへのストーリーはこうだ。

  1. 悩みや課題を抱えた検索ユーザーの欲求を満たすコンテンツを差し出し、課題解決の糸口を見せる。
  2. なぜ課題解決に向けた活動をしているのかを説明する。
  3. 興味を持った検索ユーザーは、会社情報や製品情報をチェックする。
  4. 総合的な課題解決策をまとめたダウンロード資料でコンタクトを誘う。
  5. リード情報(具体的な問い合わせ情報)をくれた訪問者にステップメールを送付する。

これまでの準備が整ったところで、集客のためのSEOキーワード選びについて考えてみよう。

3.SEOを意識したキーワード選び

SEOを意識したキーワード選び

SEOキーワードを選択する際に、ぜひ積極的に活用してほしいツールがある。Googleアドワーズ内の、「キーワードプランナー」だ。

キーワードプランナーは4種類の方法で、広告出稿のためのキーワード選びをアドバイスしてくれるツールだが、手っ取り早くSEOキーワードを探したい人のために、裏ワザをお教えしよう。

キーワードプランナーを開くと、4つの方法で対策キーワードを探し出せる。そのなかで上から2つめの「フレーズ、ウェブサイト、カテゴリを使用してキーワードを検索」を開く。
入力ボックスのひとつ、「ランディング ページ」を使う。

これは、いわゆるランディングページ、検索ユーザーに検索してほしいページの内容をGoogleが吟味して、このページにはこういうキーワードが適切ではないかと教えてくれるものだ。これを応用して、ライバルサイトが取り込んでいるユーザーが検索したキーワードを調べてしまうのだ。

やり方は簡単。
ライバルサイトの対象とするページのURLを「ランディング ページ」の入力ボックスに記入するだけ。そうすると、Googleはライバルサイトが持っているコンテンツの内容から判断して、対象とすべきキーワードを教えてくれる。このツールを利用すれば、競合他社の担当者さえ気づいていないお宝キーワードにめぐり合えるかもしれない。

表示されたキーワードをダウンロードして、前述の自社製品・サービスの購買プロセスに合うと思われるキーワードをピックアップする。
そのキーワードに応じたコンテンツを作りこんでいけば、今まではあなたのサイトを訪問することがなかった新たなユーザー候補が来てくれるかもしれない。

その他にもSEOキーワードを選定する方法やコンテンツの作成方法について、別コラムで詳しく紹介しているので、これらの記事も参考にしてほしい。

誰でもできる、集客コンテンツを作るSEO7つの手順
ロングテールSEOで、集客+CVRアップを図る5つの秘策

4.シェアされやすいコンテンツを知る

シェアされやすいコンテンツを知る

あなたが取り組もうとしている記事のテーマについて、バズられやすいコンテンツとはどういったものなのかを知ることも大切だ。FAQサイトやキュレーションサイトを見て回ろう。

もちろん、バズられることが最終目的ではないので、そのテーマに対する人気がなかったとしても、テーマ自体をボツにするといったことはしないようにしよう。バズられることが目標になってしまうと、とんでもない方向を目指すことになり、自社コンテンツとしてアリだったのかということにもなりかねない。

オウンドメディアを行う本来の目的は、あなたが営業部門やサービス部門から聞いたお得意様の悩みや自らの体験をもとに、きっと世の中に同じような悩みや課題を持つ人たちがいて、その役に立ちたいという熱い使命感でテーマを決めたはずだ。そのモチベーションに基づいて作られたコンテンツは、必ず誰かの役に立つ。

FAQサイトやキューレーションサイトで、キーワード検索を行う。
検索結果から、あなたが考えていたテーマに近いものの閲覧数をチェックしよう。人気の高いものを読み込むと、テーマの扱い方や視点、イメージしていなかった主張が見えてくるはずだ。

世の中の人は、そういった記事を好んでチェックしていることが、おおまかにでも理解できる。

Naverまとめ
nanapi
YAHOO!知恵袋
はてなブックマーク

5.SEOの決め手は、ユーザーの心をつかむこと

SEOの決め手は、ユーザーの心をつかむこと

Googleの上位表示アルゴリズムの進化で、SEOの内部対策、外部対策が検索結果ランキングに与える影響は少なくなってきた。キーワードを詰め込まなくても、内容さえ良ければ上位表示も可能なほど内部対策も以前より重要度は低くなってきている。

要は、ユーザーニーズを捉え、それに応じたコンテンツを提供することで、上位表示は果たせると考えてもいいぐらいなのだ。

あなたの記事に出会って、人生さえ変わってしまったという人がいたらどうだろう?

我々の記事を読んで求人に応募してきた若者のなかには、「こんな記事を書く人たちと一緒に仕事をしたい」と言ってくれる人も増えてきた。明らかにWEB制作コラムを始める前と後では、応募してくれる人の質が変わってきたのだ。

自分の考えていることや製品・サービスが持つ魅力をストレートに、正確に、相手が理解できるように伝えることは難しいものだ。
すぐにできるようになるものでもないが、その域に到達できるように努力しなければ何も変わらないし、もし現時点で思うような結果が出せていなくても、何度でもトライすればいいのだ。言葉を変え、内容を変えながら、何度も記事を重ねていくことで、あなたがその情報を知って欲しいと考えているその人に伝わるまで粘り強く続けることでしか理想には近づかない。

繰り返しチャレンジすることで、必ずいつかあなたの記事は高い評価を得られるようになるはずだ。

自社サイトのファンを増やすWEBコンテンツの作り方

自社サイトのファンを増やすWEBコンテンツの作り方

良質なWEBコンテンツを蓄積することで、自社サイトへの訪問数がアップし、自社のPRにつなげることができる。しかし、ツボを押さえていないWEBコンテンツだと、どれだけコンテンツを蓄積したところで、自社サイトの検索順位はいっこうに上がらないのが現実だ。

いくつかのツボを押さえることで、良質なWEBコンテンツを提供しているとGoogleが評価すれば、自社サイトの検索順位が上がり、多くの人の目に触れるようになる。
良質なWEBコンテンツの条件について、ライティングの視点からできるだけシンプルに解説してみたい。

そもそもWEBコンテンツとは

そもそもWEBコンテンツとは

「コンテンツ」は英語で「中身、内容」を表す「content」の複数形である。つまりWEBコンテンツとは、WEB上で公開されている文章、動画、音楽など、さまざまな情報の内容・中身のこと。
古くからなじみのある紙媒体を使った情報と、WEBコンテンツのあいだには決定的な違いがある。メリットとデメリットで見てみよう。

WEBコンテンツが紙媒体に勝るメリットは、何といっても「利便性」だ。
WEB上では、書店に行ってお金を払わなくても、図書館に行かなくても、すぐに情報が手に入る。さらに、読者はサイトを訪れてもそのコンテンツに満足できなければ、別のサイトを訪れればよい。そこには同じような情報を提供するサイト同士のシビアな「競争」がある。

逆に紙媒体に比べてデメリットと言えるのは、「読みにくさ」ではないだろうか。表示できる画面の大きさには制限があるため、複数ページにわたるコンテンツや長い文章は読みづらい。大量の情報を体系立てて理解するときには、紙媒体に軍配が上がるだろう。

良質なWEBコンテンツの条件1:役に立つこと

良質なWEBコンテンツの条件1:役に立つこと

良質で魅力的なWEBコンテンツ作りで、何よりも優先しなくてはならないことは「読者の役に立つこと」である。
上で述べたように、読者はいつでもあなたのサイトを離脱できるし、同じように魅力的なサイトはいくらでもある。だからこそWEBコンテンツは、徹底的に読者ファーストでなければならない。

自社のPRは大切だが、それだけを並べていても検索上位には表示されない。自社製品のターゲット層を分析・リサーチし、彼らが求めている情報を的確に提供することが求められる。

良質なWEBコンテンツの条件2:読みやすいこと

良質なWEBコンテンツの条件2:読みやすいこと

上で述べたように、WEBのデメリットは「読みにくさ」である。よほどWEBに慣れた手練でもないかぎり、クリックやスクロールを駆使してWEBコンテンツを細部まで読み込むのは大変だ。
だからこそ、紙媒体以上に大切なのが「読者への思いやり」なのである。WEBコンテンツを書くときには、「読みやすさ」「伝わりやすさ」に徹底的にこだわりたい。

ライティングで気をつけるべきポイントを4つ挙げてみよう。

  1. こまめに段落を分け、適度に行間をあける
  2. 段落ごとに最適な見出しをつけて分かりやすくする
  3. 箇条書き、図解を使って分かりやすくする
  4. 難しい言葉は簡単に言い換えられないか、常に考える

さらに、文字と背景のコントラストや、文字の太さ、大きさも大切な要素。これらのポイントを押さえるだけで、訪問者のサイト滞在時間は大幅に改善するだろう。

良質なWEBコンテンツの条件3:タイトルと中身の一致

良質なWEBコンテンツの条件3:タイトルと中身の一致

検索エンジンから流入してくる読者は、検索結果に表示されたタイトルとディスクリプション(検索結果でタイトルの下に表示されることが多い3行程度の説明文)をざっと見て、自分の探している情報が載っていそうなページを選んでいる。
だからこそ誰もが、タイトルを魅力的にして訪問者数を増やそうと考えるのだが、そこに落とし穴がある。

読者の目を引くためにタイトルを内容以上に大げさにしてしまうと、コンテンツの中身と一致しなくなり、訪問した読者をがっかりさせてしまうのだ。読者の役に立ち、満足させることによってサイトの評価を上げようとしているのに、これは満足度をマイナスにする愚行といえる。

こうした失敗を避けるためには、コンテンツ作りの最初のステップが肝心になる。初心者におすすめなのは、初めにタイトルを設定してしまう書き方。最初に対策キーワードをたっぷり盛り込んだタイトルを書き、それからそれに見合った内容を書き始めれば、タイトルと中身にズレが生じることはないはずだ。

タイトルを後回しにして自分の書きたい部分から書き始めてしまうと、読み手が求める情報ではなく、書き手が発信したい情報になりがちだ。いくら頑張って書いても、独りよがりのWEBコンテンツでは誰も見つけてくれず、サイト訪問にはつながらないことを覚えておこう。

役立つ情報が詰まったWEBコンテンツ作り

役立つ情報が詰まったWEBコンテンツ作り

読者はWEBコンテンツをお金を出して読みに来ているのではない。少しでも読みにくさを感じれば、1秒後には離脱してもっと分かりやすいサイトはないか探し始める。
そのシビアな競争に勝つためには、読者の視点を大切にライティングすることが必要だ。

WEBコンテンツづくりの担当者になったあなた、○本書くということをノルマにしていないだろうか。1本書いたところで、誰にも読んでもらえなかったら書いていないのと同じである。もしもそれが、やっつけ仕事で中身のない内容だったら、書かない方がマシなくらいである。
どうせ書くなら読み手から感謝されるような、貴重なノウハウの詰まったコンテンツを書こうではないか。

そんなノウハウ持ってないよ!という場合は、落ち着いて周囲を見渡してみよう。社内にはさまざまな分野のプロフェッショナルがいるはず。専門家から話を引き出して分かりやすくまとめれば、必ず読者が「ほお〜」と、うなってしまうほどのWEBコンテンツになるはずだ。

以上、ライティングの面から、読者に支持されるWEBコンテンツの作り方を解説した。加えて、SEOのノウハウも詳しく知りたい方は、こちらの↓コラムをどうぞ。

誰でもできる、集客コンテンツを作るSEO7つの手順

集客コンテンツを作る7つの手順

あなたは、WEBコンテンツを「自社製品の特長」から設計していないだろうか。

もちろん、自社製品の特長は語るべきコンテンツだ。しかし、市場を無視して自社製品の特長を語ったところで、あなたが望んでいる見込み客は集まってはくれない。

まずあなたが行うべきは、市場が何を望んでいるかを知ることだ。市場のニーズに合った製品の訴求方法でコンテンツをリリースし、集客する。そのあとでじっくり自社製品の特長を主張しても遅くはない。

この記事では、WEBコンテンツを作成する過程における、「集客」方法にについてご紹介する。すべては、人の目に触れてはじめて始まるのだということを忘れないでほしい。

SEOコンテンツは、テキスト情報で伝えなければいけない

SEOコンテンツは、テキスト情報で伝えなければいけない

「文字がいっぱいあっても、読む気がしないでしょう?」

そんなことを思うのは、普段から文章を読む習慣のない、あなただけだ。
本気で困っている人、真剣に情報を探している人は、必ず読んでくれる。いや、斜め読みはしてくれる。そして必要な部分はしっかり精読さえしてくれる。

ここで考えてほしいのは、画像ばかりのWEBサイトを良い情報だからと上位に引き上げてくれる検索エンジンは存在しないということだ。いくら無人運転を可能にする自動車を開発してしまうGoogleでも、残念ながらそこまで技術は発達していない。

文章の良し悪し、内容のクオリティは判断できても、画像に隠されている内容まで考慮して検索ユーザーにとって有意義なコンテンツとまでは理解できないのだ。

インターネットはテキスト文化だ。
次々とバズを生み出す、飛び道具のようなアイデアなしで集客をしたいのであれば、みっちり文章で説明することだ。

SEOコンテンツ作成の手順

SEOコンテンツを作成するための手順を具体的に紹介しよう。

手を抜かず、この手順にそってコンテンツを作成すれば、必ず効果が出る。
これは我々がSEOコンテンツを作成するときに常に実践している方法であり、それなりの効果を上げ続けている実証済みの方法だからだ。

あなたも、これから紹介する7つの手順にトライして、その効果を実感してほしい。

1.検索キーワードを決める

検索キーワードを決める

SEOコンテンツを作成する前に考えるべきは、対策キーワードを何にするかだ。

まず、製品の特長や関連するキーワードを書き出してほしい。
それらをひとつずつ、過去に検索された複合キーワード(フレーズ)を調べるためのツールを利用して、リストアップする。

たとえば、「WEB制作」と入力すると、関連キーワード取得ツールでは、「Googleサジェスト(Googleで直近に検索された複合ワードのリスト。検索ニーズを教えてくれる重宝な機能だ)」をはじめ、五十音順に複合ワードのリストを提示してくれる。

関連キーワード取得ツール

GoodKeyword

提示されたキーワードをコピーして、Googleアドワーズの「キーワードプランナー」で月間検索数を調べよう。
Googleアドワーズはリスティング広告を出稿するためのツールだが、広告主でなくても登録さえすれば利用できる。ログインしたら、上部にある「運用ツール」から「キーワードプランナー」を選択する。

「キーワードプランナー」で月間検索数を調べるには、いくつかの方法があるが、2番目に提示される「キーワードの検索ボリュームを取得、またはキーワードを広告グループに分類」を選択する。入力窓が表示されるので、先ほど「関連キーワード取得ツール」で調べた複合ワードのリストをペーストして、月間検索数を調べる。

「WEB制作」だと4,400件、「WEB制作会社」だと2,900件だと分かる。検索数の横に表示されている「競合性」にも注意しよう。これは、広告出稿する際に競合先がどれだけ多いかを示すものだが、競合が多いということはSEO的にも近いといえる。月間検索数が数千以上になるビッグワードは、競合が多く、上位に食い込むのは至難の業となるということだ。

Googleアドワーズ

2.競合を調べる

競合を調べる

対策するキーワードが決まったら、マーケットを調べよう。市場調査をして、あなたのコンテンツに必要な策を練るための準備期間だ。

とにかく対策キーワードで、検索してみる。1ページ目に表示されたページの内容をざっと見比べてみる。タイトル、紹介文をチェックすれば、おおよその傾向がつかめるはずだ。競合性が高いキーワードなら、検索上位に位置するページは洗練されたものだから、ページを開いてみる。

斜め読みし、どのような内容が書かれているかを確認しよう。
ときに専門家のあなたでも、そういう考え方や捉え方もあるなと競合のページに教えられることもある。教えられたことを拝借しないまでも、あなたの視点で記事を書き連ねていく際に、参考データとして役に立つ。

「アウトプットをするためには、その10倍の知識のインプットが必要」

といわれる。検索ユーザーが「なるほど」と感心してくれるコンテンツを作るためには、専門家といえども柔軟な姿勢で物ごとを多面的に捉える必要がある。競合ページを調べるのは、コンテンツに幅を持たせるための準備と考えてほしい。

3.キーワードに関連する人気記事を調べる

キーワードに関連する人気記事を調べる

検索ユーザーにとって、有益なコンテンツを作成するためには、検索上位のページを調べるだけでは足りない。

なぜなら、集客はSEOによってのみもたらせるものではなく、SNSのシェアによってももたらされる可能性が高いからだ。

これを知るには、あなたの製品が属する専門サイトやキュレーションサイトでまとめられた記事、ブックマークサイトなどで人気の記事をチェックすることをおすすめする。

多くの人にシェアされる人気の記事が、どのような切り口で製品に関連するコンテンツを展開しているかをつぶさにチェックしてほしい。
検索上位にあるページと同じ傾向があったり、まったく異なる内容であったりすることにも気づくだろう。

競合ページの傾向を読み解くのは、感覚的なものだ。センスといってもいい。
これだけはテクニックがあるわけではなく、一朝一夕で身につくものではないので、数をこなしながら慣れていくしかない。

4.検索ユーザーのためになる記事を書く

検索ユーザのためになる記事

SEOコンテンツを作成するには、競合ページの傾向を読み解き、それらを上回るコンテンツを執筆することが大切だ。

対策するキーワードで、検索ユーザーは何を求めているのかを想像し、彼らの求めるコンテンツを組み立てていく。主題を据え、あなたのロジックをストーリーで展開しよう。

まず、展開するストーリーを見出しで表現していく。
その見出しにつながる内容をざくっと書き出していこう。

いちばん上の見出しから順にアイデア出しをしなくても構わない。あなたの得意なところから書き連ねていけばいいのだ。
少しずつそれを積み重ねていけば、徐々にSEOコンテンツが仕上がっていく。

おおよその構成が済んだら、以下のチェックポイントに気を付けながら、全体を見直そう。

  • 見出しが抽象的なものになっていないか
  • 全体が流れるように組み立てられているか
  • 見出しに続く書き出しは、次のパラグラフを読みたくなる構成になっているか
  • 他人に読んでもらい、感想を聞く

SEOライティングのセオリー、7つの絶対ルール

5.リリースしてみる

リリースしてみる

今までのチェック項目を守りながら、あなたが渾身の力で書いた記事なら、きっと人を呼び込めるコンテンツになっているはずだ。とはいうものの、どうなるかはネット上の競合との兼ね合いによるので、リリースしてみないと分からない。

とにかく思い切ってリリースしてみよう。WEBマーケティングは、失敗しても構わない。印刷物とは違い、すぐに修正ができるのだから、どんどんトライするべきだ。トライしなければ何も得られない。宝くじは買わないと当たらないのだ。

リリースする際に、我々が実践していることをお伝えしておくので、参考にしてほしい。

  • WEBサイトのトピックを更新し、内部リンクを増やしておく。
  • サイトマップを作成し、Google Search Consoleに登録。
  • Google Search Consoleの「Fetch as Google」でリリースしたコンテンツを登録。
  • SNSのいくつか(当社はfacebook、Twitter、はてなブックマーク、Google+、pinterest)に投稿。

6.必ず修正を加える

必ず修正を加える

コンテンツをリリースしたあと、あなたがすべきは、順位のチェックだ。Google Search Consoleの「Fetch as Google」でコンテンツを登録すれば、すぐにクローラーが情報をデータベースに収めてくれるので、すぐに検索結果に反映される。

GRCがもっともポピュラーだが、無料ツールを利用しても構わない。

GRC

結果はどうだっただろうか。
リリース直後に出た順位は仮のもので、翌日には順位が変わってくるので、直後の結果が良くても喜んでばかりはいられない。もちろん、2回目、3回目のクロールで結果が良くなることもある。コンテンツのリリース後、一定期間経過しないと順位が上がらないという説もあり、検索順位はある程度の経過観察が必要だ。

そして大切なことは、結果をチェックするだけが、あなたの仕事ではないということだ。
リリースすることだけで満足してはいけない。さらに順位を改善するためには、何が足りなかったか、どのような内容を追加すればいいかを考え、修正を加えることが大切な仕事なのだ。最終的には「しつこい」者が勝つ。これは太古の昔から脈々と続く真理だ。

7.同じテーマの記事を重ねる

同じテーマの記事を重ねる

修正を加えたコンテンツが、もう限界だと感じたら、しばらくは放置プレイに持ち込む。
何か別のアイデアが生まれたら、また修正を加えればいい。焦らないことだ。

次にあなたがすべきは、同じテーマで2件目、3件目のコンテンツを重ねていくこと。
Googleは、検索ユーザーに有益なコンテンツを紹介するのが使命。その判断基準として、あなたが該当するテーマに関して、スペシャリストであるかどうかを気にしている。スペシャリストであれば、同じテーマでいくつもの切り口を繰り出せるはずだと考えているため、取り上げられているテーマに関するコンテンツの質と量が検索順位を決めるにあたり、重要なファクターとなっているからだ。

1本コンテンツを書き上げただけで、疲れ果ててはいけない。
検索上位に食い込むためには、あなたのスペシャリストとしての「知識と工夫の幅」をGoogleに提示しなければ、検索上位に食い込むことはできないのだから。

コンテンツマーケティングへの努力は、必ず報われる

コンテンツマーケティングは、必ず報われる

世の中は、努力しても報われないことも多い。しかしコンテンツマーケティングに関していえば、筆者の感覚では必ず報われる。何度も繰り返すが、ただし、あなたの粘り強い努力があれば、だ。

SEOコンテンツを最強にするテクニック、ベスト5

SEOコンテンツを最強にするテクニック、ベスト5

ひとつひとつのコンテンツにSEO施策を施していくことは、誰にでもできる。しかし大事なこと、それは継続することなのだ。
大きな効果を上げる可能性のある集客装置を手塩にかけて育てなければいけないはずなのに、多くの担当者が気を抜きっ放しなのが、現実だ。

この記事では、あなたのコンテンツをSEO的に強化する基本的なテクニックを紹介していく。
ライバルたちが気を抜いているあいだに、あなたが地道に基本を押さえておきさえすれば、コンテンツは最強になるだろう。

1.SEOキーワード:集客できる数を見極める

集客できる数を見極める

まずはじめに、SEOコンテンツを強力にする、いわば「魚群探知機」のようなツールを紹介しよう。

残念なことに、なぜか多くのマーケティング担当者は、市場のニーズを自社の製品やサービスにマッチさせようとしていない。
それどころか、市場のニーズなど気にかけず、技術部門から伝えられた特長を繰り返しアナウンスするだけだ。外から見ると、まるでユーザーのニーズなど興味がないようにさえ感じてしまう。

とくにネット上のニーズに対しては、目に見えないからなのか、調べる術を知らないのか、なぜかミスマッチしているような気がしてならない。
市場のニーズを調べずにマーケティング活動をスタートするのは、水たまりで釣り糸を垂らしているようなものだ。魚を釣りたいと思うなら、まず漁場を選ぶべきなのに。

ネット上のニーズがどのようなものか、具体的な数字はどれほどのものかを知るための「魚群探知機」が、「キーワードプランナー(Google)」「キーワードアドバイスツール(YAHOO!)」だ。

これは本来、リスティング広告の出稿者用に開発されたツールで、直近の検索キーワードの検索数を教えてくれるもの。
あなたは、自社の製品から連想されるキーワードが、どれだけ検索されているかを知ることができるのだ。

たとえば、文字校正を行うソフトウェアを製品化したソフトハウスが「キーワードプランナー(Google)」「キーワードアドバイスツール(YAHOO!)」を使うなら、「文字校正」がどれほどの検索ボリュームを持っているか調べるだろう。月間予測数590件(2015年4月現在)。予想していたよりも、ずっと少ない。

しかし一文字変えるだけで、検索ボリュームが一桁変わる。「文章校正」なら月間検索数は1,600件だ。

「文字校正」と「文章校正」、若干ニュアンスが異なるが、検索してみるとどちらも「文字校正」に関するコンテンツが上位にきている。
あなたなら、どちらをSEOキーワードとして選ぶだろう。

製品名さえ、市場から乖離していることがある

製品名さえ、市場から乖離していることがある

製品名と市場で使われている一般名称が大きく異なっていることがある。
あなたにとって、これほど恐ろしいことはない。

先ほどのソフトで言えば、「文字校正ツール」だけでマーケティングしてしまうと、「文章校正ツール」としたときと比べて、市場の反応に約3倍もの差が出てしまうからだ。

当社のクライアントでも、数十年もの間使用してきた製品名が、一般名称とまったく異なっていることがある。しかも、頻繁にだ。クライアントのリクエストは「この製品をもっと売りたい。アクセスを増やしてくれ」。

「印刷物の製品カタログにある名称は変えなくてもいいから、WEBサイトの製品名は変えてくれ」と即答した。

社内であたりまえになっている製品名、用語を見直そう。
市場を省みないばかりに、大きな損失を出していることを見過ごしているかもしれない。
市場と直結しているマーケティングの担当者ほど、ユーザーのニーズには真摯に耳を傾けるべきなのだ。

2.ページのタイトルは、28文字で

ページのタイトルは、28文字で

これは単純な理由で、検索結果には最大28文字しか表示されないからだ。
どうしても長くなってしまう場合には、29文字以降が消えても検索ユーザーが理解できるようにしておこう。

さらに、必ずSEOキーワードを含め、前方に位置させておく。
すべてのテキストは、前方から読まれる。検索者は早い段階で検索キーワードを見つけると、クリックする可能性がダンゼン高まるのだ。

「コンテンツマーケティング」でGoogle検索したところ、下記のような結果になった。タイトルを28文字以内におさめているページは50%。すべてのページのタイトルに検索キーワード「コンテンツマーケティング」が含まれていた。

タイトル文字数 SEOキーワード含有 説明文文字数
1~10位のページ 5件 10件 2件
11~20位のページ 4件 10件 2件
21~30位のページ 6件 10件 3件
トータル 15件
(50%)
30件
(100%)
7件
(23%)

後述するディスクリプションについては、23%しか120文字以内におさめていない。表示されている内容で理解できるかまでは精査していないが、上位のページでも、まだまだ改善の余地はある結果となっている。

ちなみに筆者は、コンテンツを執筆する際、下記のようなテンプレートを使っている。

【タイトル:28文字】
1234567890123456789012345678
SEOコンテンツを最強にするテクニック、ベスト5

あなたが今読んでくれているコラムのタイトルは、全角半角混じりの24文字。狙うSEOキーワードは、「SEO」「コンテンツ」だから、しっかり前方に配置している。

28文字であなたが言いたいことを伝えるためには、テクニックも必要で、多少語弊があるかもしれないが、あえて書いておく。

かっちり正確な日本語で書く必要はない。感覚で理解できるなら、それでOK。

28文字以内にすべてを収めようとすると、SEOキーワード以外で、省略できるものは省略したい。たとえば、「ワールドカップ」は、「W杯」と書けば5文字を減らせるし、ツウっぽく見える。もちろん、略することで意味が通らなくなってしまうのでは本末転倒。そこだけは注意しよう。

3.ディスクリプション(スニペット)は120文字以内

ディスクリプション(スニペット)は120文字以内

ディスクリプションも検索エンジンの表示に絡んで、最大120文字にとどめるように。121文字目以降の文字が消えても構わないのであれば、問題はない。

検索エンジンは、ユーザーが入力した検索キーワードを含む文章を検索結果に表示し、検索キーワードの部分をボールドにする。あなたが読みたい部分は、ここでしょ?というわけだ。

そもそも、ディスクリプションとは、HTMLファイルのMETA要素のひとつで、検索したときにタイトルの下に表示されることが多い説明文のこと。あなたが何らかのキーワードで検索をしたとき、タイトルが魅力的なことがもっとも大切だが、下に表示される説明文もざっと目で追っているはずだ。

検索ユーザーの側に立ってみると、上位に表示されたページでもタイトルや説明文が魅力的でなければ、つまり検索キーワードが含まれていなければ、クリックしたいとは思えない。上位に表示されれば、アクセスが自動的に増えるというわけではないのだ。

「神は、細部に宿る」

細かなところまで、決して気を抜かないことがあなたのWEBサイトへのアクセスを増やすことになる。

検索結果に表示されるディスクリプ全角でションは125文字まで。125文字をしっかり使って、クリックしたくなるような紹介文を作り上げよう。

4.本文中の見出しは、斜め読みできるよう簡潔に

本文中の見出しは、斜め読みできるよう簡潔に

検索者のニーズに合っていて、続くパラグラフで何を語っているか一瞥で理解できるようにしてあげよう。次に続く文章を読んでみたいと思わせるものにできればベストだ。

たとえばクリーナーの紹介ページで、「製品概要」なんてもってのほかだ。まったく興味がわかないばかりか、わざわざ読んでくれている訪問者に何の情報も与えられていないからだ。

「強力な吸塵力で、日々のお掃除を30分時短」

見出しだけで、2つの大切なことを伝えている。
クリーナーで最も重視される機能、吸塵力がウリであること。
理由までは書いていないが、おそらく吸塵力のおかげで何回も同じ場所をクリーナーがけすることがなくなるので、「時短」につながる。

ほとんどの主婦は、日々の家事を時短したいと考えているから、きっと琴線に触れるし、なぜそうなるのだろうと理由を求めたくなるはずだ。
もちろん、冒頭で紹介した「斜め読みユーザー」にもやさしい。

5.書き出しに全精力を注ぎ込む

書き出しに全精力を注ぎ込む

SEOキーワードを含めた文章にし、パラグラフの結論から伝えよう。
最初の文章は、SEOキーワードを含めることが無理だったとしても、少なくとも見出しで伝えようとしたことを説明することに専念すること。

結論を先に読んだ方が、理解が早い。余計な修飾は不要だ。

また、何度も言っていることだが、Googleの上位表示アルゴリズムは米国で開発されたものであり、英文コピーの分析が軸になっている。ということは、英文ライティングの基本「結論から先に書く」を我々も実践すべきということなのだ。加えて、結論から先に書くということは、重要なキーワードが文章の冒頭に含まれているはずだという推測に基づいていると言っていい。

だから、冒頭の文章はSEOキーワード、もしくは見出しを説明するような、引きの強いものにするべきだということなのだ。

SEOも、練習から始まる

SEOも、練習から始まる

SEOテクニックは変化していくものだが、変わりようがないものもある。
しかも、変わりようがないものほど重要なものだ。

この記事で紹介した基本を守れば、必ず効果が上がると言ってもいい。しかし、それが継続できるかが問題なのだ。

コンテンツの制作に追われていると、どこかで気を抜いてしまったり、いい加減になったりすることがある。その積み重ねが、アクセスを逃すことにつながっているのだ。
あなたのWEBサイトのSEOコンテンツを「強力な武器」にまで引き上げるのは、専門の業者だけができる特殊テクニックではない。

「神は細部に宿る」

その積み重ねの結果なのだ。