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ファン育成マーケティングのための、確かな8つの手段

ファン育成マーケティングのための、確かな8つの手段

商品スペックを訴求するだけでは、もうモノは売れない。よほどの独占的な価値をもつ商品以外、ほぼ全ての業界において当てはまることだろう。

店頭で、またはネット上にひしめくオンラインショップの中で、顧客に「これでなきゃダメなのよ」と手を伸ばしてもらうために必要なもの。そして、1回きりでなく何回も購入してもらうために必要なもの。それはパッション、思い込み、強い愛情といった、ファン心理である。

今回はWebコンテンツを作るうえで、あなたの商品・ブランドのファンを育てるために必要な8つの取り組みをご紹介しよう。

ファン作りのために必要なこと

1.まず、社内にファンをつくる(インナーブランディング)

社内にファンをつくる(インナーブランディング)

ブランドのファンづくりを行うため、最初にはじめるべきことは何か?まず社内にできるだけ多くのファンを育てることから始めよう。なぜなら、あなたの大切なブランドを売ったり、顧客対応をしているのは、他ならぬ社内のスタッフなのだから。

インナーブランディングという言葉を聞いたことがあるだろうか?リッツカールトンホテルやスターバックスの事例が有名だが、スタッフ一人ひとりの心のなかにブランド価値が確立されており、まるでスタッフ自身がブランドそのものであるように行動できるよう育成すること。その啓蒙活動を意味する。

インナーブランディングには、顧客満足度の向上を生み出すほかにも、仕事のやりがいや離職率の低下など、さまざまな効果があると言われている。

とにかく、社内でファンが生まれるほど心強いことはない。あなたのパッション、ブランド価値やその将来性について、スタッフとの共感を育てることは重要課題である。

2.メッセージはシンプルに。魔法の言葉を作れるか

メッセージはシンプルに

社内ファンにも、もちろん社外にもブランド価値を伝えるために必要なのは、言いたいことをギュッと一つに凝縮することだ。

たとえば、スターバックスのコンセプトは「Third Place(家庭でもなく職場でもない第三の空間)」。スターバックスが売っているのは、コーヒーでも、新作のフラペチーノでもなく、あなたが寛げる第三の空間。しかも、ここには家庭や職場では味わえない、特別な雰囲気と特別な気分が得られる。だから、人が集まってくる。

とはいえ、スターバックスほどの強力でシンプルなメッセージをつくり出すことは簡単ではないだろう。しかし、自社の商品の良いところを並べるだけでは、なかなか伝わりにくいことは事実。商品スペックではなく、顧客にどのようなベネフィットを提供することができるかを考えてみることから初めてはいかがだろうか。

3.思いを伝えるために:裏方を見せる、生の声を聞かせる

裏方を見せる、生の声を聞かせる

人を感動させるためには「人の思い」が必要である。商品やサービスといった完成品ではなく、そこに至るストーリーがあってこそ、私たちは心動かされる。背景があってこそ商品スペックの価値が理解できる。

「そんな、わざわざ語るほどのことでは・・・」と日本人は謙遜することが多いが、自分たちの思いは言葉に表さなくては伝わらない。というよりも、言葉に出したとしてもそれが伝わるのは何十分の一くらいのものだ。それなら伝えない手はないだろう。あなたのメッセージに共感してくれる人はきっといる。

4.大切なことは何回も伝えよう

大切なことは何回も伝えよう

ファンは一日にしてならず。社内・社外にかかわらず、大切なことは毎日でも伝えなければ伝わらない。他人は、自分が思っているほど話を聞いていないものだ。だから、企業には行動指針やクレドといったものが存在する。社内であれば、社員の目に触れるところに共有したいメッセージを掲げよう。朝礼で何回でもそれについて、さまざまな方向から、さまざまなエピソードを交えて語ろう。

社外であれば、ロゴマーク、ブランドメッセージはもちろん、すべてのサービスにおいて顧客がメッセージを感じ取れるように工夫することだろう。

スターバックスでは、商品以外にも、照明の明るさやBGMの音量、椅子の座り心地、従業員の口調など、きっとすべてにおいて「第三の空間」に通じる取り組みがなされているはずだ。

5.惜しみないサービス精神を。ノウハウはどんどん提供する

ノウハウはどんどん提供する

いまコンテンツマーケティングという手法が注目されている。「当社の商品はこんなに素敵ですよ」と一方的に訴える、従来のプッシュ型の広告ではなく、まったく逆のユーザー視点に立って情報を提供し、そこから商品やブランドへの理解を促す方法だ。

具体的にいえば、ネットで何か調べ物をする人に対して「あなたが知りたいのはこれじゃないですか?」と専門的な情報提供を行うことで、信頼関係を少しずつ築いていく。

そこで、大切なことはユーザーに信頼される情報を提供できるかどうか、ということ。そのためには、出し惜しみをしてはいけない。

自社が築いてきたノウハウを紹介すると競合他社にも見られてしまうのでは?もしくは、情報を出し過ぎると逆に問い合わせしてもらえないのでは?そう思われる方が多いだろうが、特別な企業秘密以外はどんどん出すべきである。それによって得られるメリットの方が多いのだ。

コンテンツマーケティングの詳細「誰でもできる、集客コンテンツを作る7つの手順」

6.伝える相手を特定して、メッセージは具体的に

メッセージは具体的に

そこで気をつけたいのは、せっかくの専門知識を提供しても、相手に分かりにくいようでは意味がない。

専門的な内容になればなるほど、気をつけなくてはならない。スペシャリストのあなたにとっては当たり前のことでも、素人のユーザーには分からないことも多い。プロであればあるほど、ユーザーは何が分からないかを判断するのは難しくなっていく。

そんなときは、伝える相手を一人に限定してみる。しかもできるだけ具体的に。
たとえば、あなたが高齢者むけ携帯電話の開発者だとして、商品販促のために何か書いてくれと広報担当から頼まれた。何を誰に伝えるか?開発者から発信する専門情報はさまざまだろうが、先に相手が決まらないと書くべき内容は異なってくる。

相手は、携帯電話の販売会社スタッフ?それとも、実際のユーザーである高齢者?高齢者は年齢によってはネットは使わない人もいる。それなら、実際の決定権をもっている子ども世代?ターゲットを絞ることで、書く内容はもちろん、ストーリー構成、言葉使いが見えてくるはずだ。

売れるコピーの秘訣は「たった一人にむけて」書くだった

7.コスト効率を忘れることも必要だ

コスト効率を忘れることも必要

ファンづくりの取り組みは、ある意味、非常に非効率なものだと思う。パッションを何度も何度も語り、顧客が必要とする情報やサービスを何度でも提供し、それでも時にはまったく伝わらない場合だってある。

しかし、ファンを作るということは決して短期的な仕事ではない。メッセージは半永久的に発信していくべきものだし、それでこそ顧客の方も長期的につき合ってくれるだろう。

この非常に大切な仕事に対して、短期的にコスト意識や効率のことを問うのはやめよう。

8.ファンがファンを生む仕組みづくり。ソーシャルメディアなど

ファンがファンを生む仕組みづくり

やがて努力が報われファンが育ってくると、マジックが起こり始める。ファンが人を呼ぶのだ。分かりやすい例でいえば、FacebookやはてなBookmarkなどのSNS効果。誰かが「この記事おもしろい」とシェアしてくれると、そこを伝って何十人という人たちを呼んでくれる場合もある。

ファンというものはありがたい存在で、ファンが発したひと言は、企業側が伝える100の言葉よりも偉大な力をもっている。

そういった嬉しい効果を生み出すためには、ある程度の仕掛けも必要だ。ファン同士の情報共有がしやすいとか、「好き!」という気持ちを共有できる仕組みなど。オンラインショップでよく見かけるお客さまの声や人気ランキング、オフ会、ブログ記事のSNSボタン設置などなど。大掛かりでなくてよいので、ファンの気持ちを理解し、何かお膳立てしてあげる機会をつくることも必要だ。

サイト運営で迷ってはいけない、2つの大切なこと

サイト運営で迷ってはいけない、3つの大切なこと

この記事を読んでいるあなたは、きまじめな日本人だ。
きまじめな人ほど、しっかりプランニングしてから行動すべきと考える。少し前に読んだビジネス書にも、「プランニングはしっかりと行うべし」と書いてあった。

しかしサイト運営に関して言えば、そんなことをしていたら逆にリスクを背負うことになりかねない。ビジネスを失ってしまうかもしれない。

なぜならネットの常識は日々変化しているわけで、動かない期間があるがゆえに、その変化の兆しにさえ気付けなくなる可能性があるからだ。サイトを運営するうえで大切なポイントは、動き続け、修正し続けることなのだ。

サイト運営を慎重に進めるための社内調整も、問題あり

「もっとブランドを強化したい」

あるクライアントから相談を受けた。
そのブランドは市場からある程度認知されている。しかし競合が多い業界であり、ブランドを差別化するのは容易ではない。

高級時計

法規制のもと、品質に大きな差がある訳ではないため、業界ではブランディングを強化する、いわゆる「イメージ戦略」花盛りなのだ。
実際の当社クライアントの業界とは少し異なるのだが、たとえば「高級時計」の業界を思い浮かべて欲しい。オメガ、ブライトリング、ロレックス、IWC・・・・。華々しい存在感のブランドがひしめき合っているなか、百万円以上する商品を買ってもらうためには、顧客をイメージで魅了してしまう必要がある。

多くの競合企業が存在する業界であればあるほど、「動きながら考える」方法はビジネスにおいて重要な考え方であるはずなのに、クライアントは巨大企業の関連会社ということもあり、体質的に「じっくり考えてから行動する」タイプ。ブランディングを行うために、まずそのコンセプトワークを見直しつつ、方針を定める。そのための社内調整に相当な時間がかかってしまうことは明白だった。

もちろん、クライアントの意向を無視することはできない。
しかし、本当にクライアントを想うのであれば、それよりも大切なのは競合他社の動向である。

可能なアクションからスタートし、より良いサイト運営に貢献

より良いサイト運営

「まずは競合ブランドを調べてみましょう」

私たちが考えていた結論は、競合他社に広げられた差を早く埋めること。ただ、競合サイトを調査していくうちに分かったのは、コンテンツの充実ぶりだ。
高い品質やデザイン性といった基本的な「強み」は言うまでもなく、安心安全、顧客視点、エコロジーなどなど・・・。当社クライアントのサイト運営では、追いつくのに相当なスピードで進めないとますます差は開いてしまいそうな勢いだった。

結果、競合サイトとコンテンツのマトリックスを作成し、歴然とした差をありのまま報告することで、サイト運営に対する危機感を共有することとなる。重苦しいミーティングの雰囲気を打ち破ったのは、やはり「とにかく動こう」という言葉だった。

大上段に振り構えた刀をそのまま鞘に収めることは難しいが、長期化が予想される社内調整を待たずに行動できる部分からコンテンツを追加更新していくことで了解を得、メンバーの意思統一を図ったのである。

サイト運営のキモは、スピードとPDCA

サイト運営のスピードを上げ、競合他社に追いつくために必要なポイントがある。

サイト運営のキモは、スピードとPDCA

質の高いコンテンツを多く追加する

修正することでさらに質を上げ、顧客の満足につなげる

競合他社に遅れをとっている企業は、とにかく必死で走らなければならない。しかし、ただやみくもに走ってもムダが多くなってしまう。これを避けるためには、オウンドメディアである自社サイトで質の高いコンテンツを増やし、ターゲット顧客に有益な情報を提供することだ。

Googleは、検索アルゴリズム「ハミングバード」の導入にあたり、こう宣言した。

検索者の高いニーズに応えられる質の高いコンテンツを持つサイトを優遇する

実はGoogleが生まれたときから、彼らが重視していたのは、コンテンツの質と量だ。2012年の「ハミングバード」導入時に改めてそのポリシーを世界に向けて宣言しただけなのだ。だから現在弱者であるサイトを運営する企業は、このことを肝に銘じながらコンテンツの質と更新スピードをアップさせる必要があるのだ。

修正することでさらに質を上げ、顧客の満足につなげる

質の高いコンテンツを多く追加する

サイトの運営で忘れてはいけないことは、修正し続けることだ。

きまじめな日本人は、初回のリリースに全精力を注ぎ込む。訪問者からの反応は気になるので、少しチェックはするが、その後は「作りっぱ」の状態に陥ってしまう。つまり、初回リリースで疲れ果ててしまうのだ。

これは、サイトを作ることが目的となってしまっていて、ビジネスを営むことの本質を忘れていることに他ならない。
サイトの運営は、ビジネスを営むことと似ている。ビジネスは、アイデアを形にしても、顧客のリクエストに応えながら形を変えなければ、生き残っていけない。

できる営業職のプレゼン資料やトークは、絶えず見直されている。
彼らは顧客の食いつきが良かったポイントを見逃さず、命綱のツールに修正を加えていて、だからこそ優秀な成績を上げられるのである。

サイトの運営においても、コンテンツを見直すためのポイントにあらかじめアタリを付けておき、PDCAサイクルを回すことを考えておくことだ。
直帰率、滞在時間、セッション数、検索キーワード・・・、アクセス解析ツールなどを駆使しながら修正すべきポイントを見つけ、改める。これを数回繰り返せば、おおよそあなたの狙った目標に到達してくるはずだ。

WEBサイトの運営で訪問者に分かりやすく全体設計を行うべしという課題がある。この課題について、解決方法を提示したコラムを執筆しているので、こちらも参考にしてほしい。

情報分類にはマジメに取り組むな、のココロ

サイトの運営においては、セオリー通りが正しいとは限らない

セオリー通りが正しいとは限らない

大上段に構えて「こうあらねばならぬ」と筋を通すことが、いつも正しいとは限らない。
誤解を招くことをおそれずに言おう。考える前に、とにかく走り出せと。

WEBサイトという「更新」が可能な、いや容易に行えるメディアを自社で運営している限り、あなた自身の「変容」が成功への近道なのだ。
サイト運営を、リリースしたら修正が簡単に効かない印刷物のように考えていては、いつまでも低空飛行を続けるしかない。

アメリカの有名な、靴のネット通販会社「ザッポス」をご存じだろうか。
創業者のニック・スウィンマンがザッポスを始めたきっかけは、「ネットで靴が売れるかどうか確かめたかった」からだった。

靴販売に関して素人だった彼が行ったのは、
ネットショップを準備し、近くの靴屋で撮った写真を並べること。
売れたら大急ぎで店で商品を買いに走り、送るということを繰り返していた。

結果、ビジネスになりそうだと判断したので、ベンチャーキャピタルを営んでいた現CEOのトニー・シェイに相談を持ちかけたらしい。紆余曲折はあったものの、その後の彼らのビジネスの大成功は言うまでもない。

「走り出してから考える」は、ビジネスを成功に導くための近道なのだ。

文章校正のコツ~精度を上げるために必要な6つのこと

文章校正のコツ

WEBサイト制作のなかで、重要なプロセスである文章校正。日々の作業でありながら、思わぬ場面でチェックミスが発生してしまいがっくりと肩を落とした経験がある方も多いはず。
今回は私たちが実践している、たった6つのコツをおさえるだけで、文章校正の精度を限りなく100%に近づけるポイントをご紹介しよう。

それでは、作業を進めるための準備(心構えに近い)に関するポイントからミスをなくす実践的な文章校正のコツをていねいに挙げていこう。

[準備段階のポイント]

1.モニターでなく、プリントアウトで必ずチェック。

文章校正の精度を上げるためには、これ外してはいけないほどの鉄則。モニターでの校正は、視認率が約25%下がるため、必ずプリントアウトしたものを用意すること。
同時に、モノクロでプリントアウトすることで、文字の色や背景色とのコントラストなどから視認性も確認することができる。モノクロで見てコントラストが低いと感じたら、視覚障害者や高齢者にとっては読みにくいデザインといえる。

2.チェックのベースとなる原稿を再確認。

当たり前のようで意外に多いミスが、照らし合わせる元原稿が最終原稿でないということ。制作段階で何度も文章チェックが入り、書き直される途中で、どの原稿を頼りにすればよいのかが分からなくなることがある。念には念を入れて、自分の手もとにある原稿が最終版であることを確認し、確信をもって作業に取りかかれる準備をしよう。

[文章校正6つのコツ]

1.チェック項目を切り分ける

プリントアウトでチェック

一回の文章校正だけですべてを完璧にしようとすると、どうしても注意散漫になってチェックもれが生じてしまう。校正のクオリティを上げるコツは、同じ要素だけを何回かに分けてチェックしていくことだ。
たとえば、最初は数字だけをチェックして、次はカタカナ言葉だけ見ていく、といった具合。
また、文章内容についての校正は別手順と考えること。文章を意味として捉えてしまうと、どうしても文字表記の校正はおろそかになる。内容チェックとは切り離して、文字を記号と捉えて校正するべきだ。

2.音読しながら校正する

脳というのは、同時に複数のことを行うと活性化されるらしい。文章校正の際にも「読む」という行為だけでなく、複数のチャンネルを駆使することで精度はさらに向上する。
「声に出して」読みながら「読む」。さらに注意が必要な箇所であれば、手で文字を「書く」マネをしながらチェックする。これであなたの文章校正クオリティは数段パワーアップする。

3.自分がミスしやすい傾向と対策を知る

過去に自分が見落とした部分を思い出してみよう。テストと同じように、誰にでも苦手な傾向があるものだ。自分がミスしやすいポイント、自分の文章ならキーボードの打ち間違い癖を書き出してみる。
そして、そのポイントに来たら入念にチェックすること。たとえば、「3」と「8」、「制作」と「製作」など。そういった傾向を書き出すことで、失敗しやすいポイントも見えてくるだろう。

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文章校正のコツ~精度を上げるために必要な6つのこと、後半は

「4.違う目、違うタイミングでダブルチェック」へ

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WEBコンテンツ企画立案のヒント

企画立案で悩んだら

WEBコンテンツ企画で必要な構成要素、ユーザー利便を図るための構成要素を挙げています。自社の事業に直接関連がなくても、視点を変えることで活用できるコンテンツがきっとあります。そもそも、まったく新しい切り口の企画など出てくるものではありません。すでにあるものをアレンジし、WEBサイトのコンセプトや目的に合致させられることが、プランナーの力量なのです。

そのためには、まずリサーチ。すでにリリースされているコンテンツには、どういったものがあるのかを眺めるだけで、「おっ」という閃きが生まれることがあります。この記事では、WEBコンテンツ企画立案のヒントになるコンテンツをできる限り列挙しています。

一般企業が運営するコーポレートサイト

HOME:SEO効果の集約地としての位置づけを

WEBサイト全体で持っているコンテンツをまとめたページにするのが鉄則。コーポレートサイトなら「企業の顔」といった考え方もあるが、当社では異なる見方をしている。会社情報や製品関連など、下層の各セクションでコンテンツが積み上げているSEOの効果が集約されるページがHOMEであり、WEBサイト全体のSEO集約の場だということだ。

たとえば、当社でいえば訪問してもらいたいのはWEB制作会社を探しているクライアント候補。下層ページでWEB企画制作のノウハウや考え方を綴ったコンテンツを配し、それぞれのページやセクションで狙うSEOキーワードで上位表示を目指す。

下層ページで得られたSEOの効果(細かなSEOキーワードで上位表示を獲得)は上位ページへのリンクを経由し、最終的にHOMEへ流れるというものだ。HOMEにその効果が影響を及ぼす頃には、WEBサイト全体として集約されるので、より大きなSEOキーワードの効果となって現れることになる。

下層ページからのSEO効果を受け止める地盤とWEBサイト全体としての世界観を表現しておく使命を両立させることが大切なので、このバランスを上手くとることが肝要だ。

下層ページのSEO効果がHOMEに伝わるしくみ

会社情報:経営陣の言葉を重視すべき

WEBサイトが存在するかどうかも、取引を開始するかどうかの指標となっている。その条件として、データとしての会社情報の持つ役割は大きい。
意外と認識されていないのは、経営陣の発する言葉の重要性。営業スタッフが新規訪問した後、対応した担当者は会社情報をチェックする。取引をする価値のある会社であるかどうかを見極めるために会社概要はもちろん、かなりの確率でトップメッセージを確認する。

上場企業のトップが交代すると株価に影響する。誰が会社を指揮するかで、企業の業績は変わってしまうからだ。株主のなかには、「あの社長が好きだから応援する」と株式を長期保有する方さえいる。
世の中は社長を見れば会社を見抜く。言葉を読めば、どのような社風なのかの見当をつけていると考えた方がいい。総務部の社員が撮った写真ではなく、プロのカメラマンにポートレイトを撮ってもらい、より良い会社と感じさせる言葉にメッセージを差し替えるべきだ。

データ系 会社概要、事業概要、関連企業紹介、事業所案内、保有施設の紹介、など
人系 トップメッセージ、役員紹介、創業者について、など
理念系 経営理念、コーポレートスローガン、ビジョン、コーポレートガバナンス、など
広報系 社史(沿革)、ロゴマークについて、会社情報(冊子)、広報活動について、など

製品サービス情報:ユーザーの望みをかなえる

WEBサイトのなかで唯一の「プロフィットセンター」とも言えるセクションであるにもかかわらず、多くの企業で問題を抱えているのが製品サービスの紹介セクションだ。

指名買いでない限り、ブランド指定+製品の一般名称で検索されることがないことを担当者は理解していない。たとえTVCMを常に流している巨大企業であったとしても、だ。製品写真とスペックが並んでいるだけの、お粗末な紹介ページが多いことにユーザー候補は閉口している。
それなら、価格コムや楽天のレビューを読んだ方がよほど参考になるから、どんどん悪循環を生み、製品セクションが機能しない。

あなたのWEBサイトは、ユーザー候補の望んでいること、知りたいことを網羅しているだろうか。店頭で販売員にユーザー候補が質問していることを盛り込んでいるだろうか。紙のカタログは1社独占で情報を伝えるものであるから、自社の主張だけを刷り込んでもOKだ。しかしWEBサイトはすぐ隣にライバルが控えている。0.3秒後にはライバル会社の充実したコンテンツにユーザー候補は洗脳されていると考えるべきだ。

データ系 機能紹介、特長、スペックシート、仕様比較、在庫情報、機能一覧、検索機能、他社製品との比較、など
サポート系 便利な使い方、上手な使い方、利用方法提案、用語集、FAQ、愛用者登録、故障かな?と思ったら、修理・メンテナンス、部品、消耗品、オプション、見積もり、リコール情報、CADデータ、設計支援、写真提供、製品安全データシート、ソフトウェア提供、デモ機貸し出し、取扱説明書、設置(工事)要領、使用方法説明動画、生産終了品リスト、レシピ集、着せ替えシミュレーション、カスタマイズシミュレーション、など
営業(代理店)支援系 提案資料集、販促ツール提供、代理店募集、販売店紹介、設置シミュレーション、など
信頼獲得系 お客様の声、事例集、開発者インタビュー、など
プロモーション系 電子カタログ、キャンペーン情報、クーポン、販促動画、広告ギャラリー、展示会情報、メールニュース、SNSアカウントへのリンク、ファン組織、関連製品へのリンク、新着情報、など

採用情報:キャリアパスの掲示がカギ

売り手市場に変化しつつある状況で、採用情報も問題の多いセクションだ。
製品情報と同様、大多数の求職者はリクナビ、毎ナビなどの採用情報ポータルで情報をチェックする。その後確認のために応募しようとする企業の採用情報をチェックしに来ている。その際に大切なのは、採用情報ポータルで提供したコンテンツと意味的に相違ない情報になっているかという点。

加えて、キャリアパスを掲示していない企業が多いことが気になるポイントだ。状況の変化や見直しが加わることで、キャリアパスで紹介されているような道筋が100%だとは言い難い。それでも彼らは、自分がどういう方法で職務経験ができるのか、出世できるのかに興味がある。

採用情報ポータルを使っているからという理由で、「募集要項」と「先輩の声」しかない採用情報は、求職者からの信頼を得られない。採用情報コンテンツも、求職者の声に耳を傾けるべきだ。

ニュース(トピックス):記事執筆の流儀を採り入れる

ニュースリリースを執筆する際に注意すべきポイントは、冗長な表現、事実はでない(将来の可能性)こと、文章の分類だ。
企業からのリリースが記事になる頃には、おおよそ文章量は半分程度に削られている。報道として伝えるためには、それほど無駄が多いということだ。

広報は、記者との関係が大きな部分を占めていたりする泥臭い世界ではあるが、いざ記者が記事を執筆しようとするときに、解読しなければならないようなリリースではせっかくの機会を逃してしまう可能性すらある。

広報担当者は、記者がリリースをもとに記事を書き進めていく「流儀」を学んでおくべきだ。

IR(財務)情報(上場企業の場合):情報の事前流出は防ぐ

WEBサイトから情報が事前流出するのを防がねばならない。CMSの普及で、決算短信など株価に影響する決算情報を公開予約することが多くなった。ここで注意しなければならないのは、公開予約したPDF資料などが公開領域にあり、しかも推測されやすいファイル名(tanshin-1401.pdfなど)になっていると、必ず事前流出する。

IR情報に限らず発表まで極秘の共同事業や新製品情報など、事前に公開してはならない情報はWEBサーバーの公開領域には置かないことだ。もし不安なら、WEB制作会社に確認することをおすすめする。

サイトとしての必須条件

ご利用にあたって、個人情報保護について、NotFoundページ(※)

権利関係について意識の低い中小企業で、理解されていないコンテンツの代表選手。タイトルにもあるように、とにかく「必須」だ。
とくに個人情報に関する規定(プライバシーポリシー)。2003年に施行された個人情報保護法で、5,000人以上の個人情報を保有する者は個人情報取扱者とみなされ、個人情報の取得にあたっての目的と利用方法を個人情報を提供しようとする本人に確認せよと命じている。
ということは、お問い合わせフォームを通じて個人情報を得る際には、必ず目的と利用方法を明示し、同意を得なければならないのである。

※存在しないURLにアクセスがあった際に表示するページのこと。URLが間違っていた場合や、ページがなくなった場合にNotFoundページを表示すれば、どこのWEBサイトであるか分かったり、リンクを伝ったり検索することでWEBサイトから離脱せず目的のページへ誘導できる可能性が高まる。

WEBコンテンツ企画について、もう少し詳しく
WEB制作実績

この記事に関するご質問やお困りごとのご相談も何なりと。
平田 弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。セールスライティング担当。好きな言葉は、「一生懸命が得意」

動画マーケティング成功事例 | イメージ改善で売上に貢献

ケーキハウス・ツマガリ「ラッピングギフトの現場」

動画:ツマガリTV「ラッピングギフトの現場」

動画マーケティングを成功させるために配慮すべきポイントを、当社のWEB制作実績を例に挙げてご紹介します。

売れる可能性を持った商品であるにもかかわらず、広い支持が得られていない。課題はシンプルで、WEBサイトでその良さを十分に伝えること。これを解決するための方法のひとつとして、動画コンテンツを検討します。

高速回線が普及し、動画をスマホで視聴することが多くなったこと※1、動画が商品購入に強く影響すること※2も分かってきており、動画マーケティングへの需要が高まってきています。この記事では、課題の背景から動画コンテンツ企画のポイント、既存のWEBサイトも含め効果を高める方法をお話しします。

※1:動画サイトでのスマホ率がPCに並んだ(2014年2月のニールセン調査)。
※2:オンラインショッピングサイトで動画コンテンツを視聴した訪問者の商品購入率は、視聴していない訪問者の2倍(米国の動画専門企業であるInvodo社実績)。

「おまけ」的な商品イメージを変えたい

動画:ツマガリ・ラッピングギフト

ケーキハウス・ツマガリのメイン商品は日本全国から支持され続けているお菓子であり、「ラッピングギフト」商品は、同梱されているクッキーを引き立たせるためのもの、といったイメージがありました。

クリスマス時期になると店頭に並ぶ、長靴に詰まったお菓子に代表されるように、一般的にお菓子に付いているプラスアルファ品は、「おまけ」程度にしか考えられていません。しかし実際のツマガリのギフト商品は、半年以上前から自社で企画し、製作も手がけるほど気合いの入ったもの。

パティシエたちがお菓子にかける情熱と変わらないほど真摯に向き合っているのです。「知る人ぞ知る」人気の存在であったにもかかわらず、WEBサイトでもお菓子の紹介ほど注力していなかったため、「ツマガリのギフト商品は良い」とまで認知はされていない状況でした。

この状況を変えるために、商品クオリティの高さを訴求するストーリーを持つ動画コンテンツにする必要がありました。

ツマガリはYouTubeに公式チャンネルを開設しており、動画によるマーケティング効果を理解されています。これまでにも津曲社長によるケーキの切り方コンテンツがYouTubeでフィーチャーされ、6万回を超える視聴回数を記録していたことも新規のコンテンツを制作するきっかけとなりました。

成功の法則:意外性をベースに据えると視聴時間は伸び、理解度は深まる

人は、それまで自分が持っていた感覚を覆されるような事実を目にすると、その事実に驚き、興味を持ち、確かめたくなります。このポイントを動画マーケティングでは外すことができません。

今回の動画コンテンツの意外性は、先ほどご紹介した「決しておまけではない商品レベルの高さ」です。オンラインショップのサポートを行っている当社のスタッフでさえ、この企画が持ち上がる前まではツマガリのオリジナル商品に対して、一般的な固定観念を持っているだけでした。動画マーケティングに取り組む前段階で商品ページの改善を行った際、商品に実際に触れたことでその意外性に気付いたほどでした。

この意外性(CONFLICT=自分のなかの既成概念を壊してしまうような葛藤を覚える感覚)を中心に据えるということで、動画マーケティングのコンセプトは固まったのです。

オリジナル性の高い商品、クラフト感を訴求

動画:ツマガリ「ラッピングギフト」

商品の特長を訴求するために、できるだけ多くの商品映像をクリップ。ケーキハウス・ツマガリのギフト商品は、担当部門のラッピングルームの女性スタッフたちが、「こんなアイテムがあったらいいな」を形にしたもの。また、長く使ってもらえるようにと使用する素材も「儲ける気がないのではないか?」と感じてしまうほどベストな選択をされています。このように商品力が強いので、できるだけ多くの商品、素材の映像をつなぎ合わせ、その優位性を紹介することにしました。

さらに、クロスステッチの刺繍やワッペンの切り抜きなどは自社で加工しています。こういったポイントも今回の動画マーケティングのコンセプトに合致したものであり、実際にスタッフが作業をしている手元の映像も盛り込み、「工房」といった雰囲気も演出しています。

ボケ感を大事にし、イメージ的な要素も盛り込む

雑貨アイテムの紹介には、心地よい雰囲気づくりが必須。書店に並ぶ雑貨アイテムの広告本も、浅いピントで背景を最大限にボカした雰囲気の写真が多く使われています。このような雰囲気が演出できれば、視聴者側でさらにイメージを膨らませてくれ、自分の暮らしのなかでの使用イメージまで広げてもらうことも期待でき、広告効果も限りなく高くなるのです。

これを実現するために採用したのは、独特のボケ感を醸し出すことのできる一眼レフでの撮影。被写界深度を浅くしボケ感を出すことで、心象風景的な映像を多くしました。

映像で雰囲気を伝え、音声でクオリティや思想を伝える

動画:ツマガリ「ラッピングギフト」

インタビューのパートは、アクセント的に最も大切なポイントだけを伝えます。

百戦錬磨の営業担当役員でも、やはりカメラの前では緊張するもの。俳優やアナウンサーのようによどみなく語るのはむずかしいものです。上手く語れるまで何回もテイクを繰り返し台詞は上手く言えたとしても、表情など映像の要素も絡むので、良い結果が得られるとは限りません。

インタビューパートは欠かせないポイントだけを採用するようにし、それ以外は、編集で音声をつなぎ合わせ、他の映像の背景で流すのが大切です。

冒頭にラッシュパートを作ることで、視聴時間を改善

TV広告でよく観る映画の予告編のようなラッシュ(いくつかの映像が細かく切り替わる)を冒頭に配置すると、動画全体を把握できる効果を生みます。一種の賭けでもあるのですが、ここで興味を持ってくれた視聴者は顧客になってもらえる可能性のある方であり、最後まで動画を見てくれます。ラッシュなしの映像と比較したテストの結果、最終的には全体の再生時間が23%も改善しました。

スチル写真との組み合わせで販売を伸長

最終的な目的は商品がより良く見え、数多くの販売ができること。今回の企画はラッピングギフト商品全般の紹介動画だったため、単体での商品紹介ページはありません。全体のキャンペーン企画ページが設定されており、動画コンテンツはその中に組み込まれています。

訪問者が動画を視聴した後にチェックする単品の商品紹介パートにいたると、それぞれがレベルの高い商品であることを証明するために用意された細部を拡大する写真が掲示されています。ここで改めて動画の内容を再確認した訪問者に購入を促していくのです。

まとめ

動画マーケティングツールとしての映像活用は、多くの可能性を秘めています。ほとんどの訪問者がWEBサイトのテキストを斜め読みするのであり(ヤコブ・ニールセン)、それに対応できるコピーライティングを行っていないと、訴求すべき内容がターゲットに伝わらないまま離脱されてしまうかもしれません。

それに対し、動画コンテンツではナレーションや音声、コピーを上手く盛り込み、最後まで見たくなる構成にすることで訴求したい情報を残らず理解してもらえる可能性があります。
さらに、今回ご紹介したようにWEBページとの連携を深めることで動画コンテンツは、マーケティング・ツールとしていっそう活用の幅が広がっていくのです。

取材・撮影について、もう少し詳しく
WEB制作実績
ケーキハウス・ツマガリ

この記事に関するご質問やお困りごとのご相談も何なりと。
平田 弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。セールスライティング担当。好きな言葉は、「一生懸命が得意」