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最強トラックボール、M570がすべてを解決してくれた

最強トラックボール、M570がすべてを解決してくれた

筆者がトラックボールを使い始めて12年。最初はWindowsマシンで走らせていただけだったが、最近はMacでデザイン系の仕事をする際にも使うようになった。クライアントに何かをハンズオンで教えたり、何らかのトラブルがあって他人のPCを使わざるを得ない状況になってしまい、ふつうのマウスを使ったりすると私のPC操作は極端にパフォーマンスが落ちてしまう。それほどトラックボールに依存しているのだ。

筆者がそれほどトラックボールにこだわるのは、PCにもれなく付いてくる「どうでもいいマウス」を速攻で捨て、個人的に追加のコストを払ってでも、余りある大きなメリット(肩がこらない、腕が疲れない、正確にポインティングでき、作業の効率が良くなるなど)があるからだ。

しかし、しかしだ。
よのなか、トラックボールに対する認識が低すぎる。
ものすごい時間をPCの前で過ごしている割には、操作機器に対するこだわりがないのだ。ほんの少しだけ、慣れるまでの時間を確保するだけで、すばらしい体験が待っているというのに、だ。

この記事では、それほどまでにトラックボールに依存してしまう理由をお伝えしながら、あなたにぴったりのトラックボールを探してみたいと考えている。

トラックボールとは何モノなのか

トラックボールとは何モノなのか

1952年にアメリカで軍事目的として開発されたトラックボール、マウスの構想が明らかにされたのがその10年後だから、トラックボールの方がポインティングデバイスとしての歴史ははるかに古い。

しかも、そもそも90年代のノートPC(Windows3.1~Windows95のころ)には、かなりの確率でトラックボールが搭載されていた。しかしタッチパッドの登場により、「標準搭載」の座を各社で譲り渡してしまい、トラックボールの存在を目にすることが少なくなってしまった。
トラックボールの使い勝手に慣れていたユーザーからは、「なぜそんなことを」と反対する向きも多かったが、時代の流れに負けてしまったのだ。

その原因は、トラックボールには機械的なしくみが必ず必要で、なおかつ場所をとるからだ。
まず、ある程度の大きさのボール、その転がり具合を検知するセンサー、クリックボタン数個。クリックボタンのスイッチ部分を含めて、機械的な薄さを追求できそうなタッチパッドとは、軽量化、最小化を進めていた当時のメーカーからすれば、トラックボールの使い勝手を捨てるしかなかったのだろう。

かくして、トラックボールはノートPCにおけるポインティングデバイスの地位をたちパッドに明け渡すことで、PC全般においてもそのステータスを危うくすることになってしまった。

トラックボールのメリット

詳しくは、すでに公開している筆者の記事「トラックボールの利点を見逃すな。愛用者が伝えたい7つのこと」を参照してほしい。

トラックボールの利点を見逃すな。愛用者が伝えたい7つのこと

ここでは、その要点をまとめて紹介しよう。

  • 右手を移動させることがないので、肩にかかる負担が少なく、疲れづらい。
  • 親指の筋トレになり、指相撲で敵がいなくなる。
  • ポインティングしやすいので、仕事が早くなる。
  • 誰でも気軽に使える。
  • ほぼ音がしないので静か。隣の同僚に迷惑をかけずに済む。
  • マウスパッドが不要になり、金持ちへの入り口に立てる。
  • メンテナンスも簡単、壊れないので非常にエコ。

ワイヤレスタイプの方が便利か

ワイヤレスタイプの方が便利か

トラックボールを移動させることはほとんどないので、デスクの上をコードが這っているのが嫌いな人はワイヤレス、気にしない人はワイヤードでいいと思う。
筆者が使っているロジクールのM570tは、UnifyingなのでUSBをひとつ占拠してしまう。Bluetoothのものがあればいいのだが、今のところ各社ともなぜかこのタイプは皆無だ。

「Unifying」

ロジクールが提唱する、独自の無線通信規格のこと。産業用(Industry)、科学用(Science)、医療用(Medical)に確保された周波数帯のうち、2.4GHz帯を使用している。

おすすめは、親指操作タイプ

トラックボールには大きく分類すると、筆者が愛用する親指操作タイプ、人差し指操作タイプ、手のひら操作タイプの3種類がある。これらのタイプの違いも、すでに前掲の記事で紹介しているので、ぜひ一読いただきたい。

トラックボールの利点を見逃すな。愛用者が伝えたい7つのこと

左利きの人にも朗報の新製品登場

左利きの人にも朗報の新製品登場

2015年10月に発売されたエレコムのM-XT4DRBK。GFHK方式のワイヤレスタイプで、机の上もすっきりだ。
何より、左利き用のトラックボールが発売されなかったのがトラックボールの普及に水を差しているのではないかと感じるほど、各社とも黙り状態だったことを考えると、画期的な第一歩だったかもしれない。
左利きでトラックボールを使ってみたかった人にも好評だが、右利きだからこそ左利き用トラックボールが必要なのだという強者もいる。ポインティング操作を左手で行い、右手はお菓子を食べたり、飲み物を飲んだりできるから、だそうだ・・・。

ともかく、トラックボールというニッチなカテゴリーに加えて、左利き用のさらに絞り込まれた市場に切り込もうと大英断を下されたエレコムに、最大の賛辞を贈りたい。

エレコム・左利き用トラックボールM-XT4DRBK

トラックボールは、世界を変える

トラックボールは、世界を変える

現状では、ほぼマニア用といった印象の強いトラックボール。しかし、これまで伝えてきたように、このポインティングデバイスは、全国区になる資質十分のツールだ。

筆者は12年もの間トラックボール一筋だったから、もちろん大きく肩入れしていることは認める。しかし、疲労軽減、体力増強、エコなどなど、トラックボールがマウスよりはるかに、世のためになると確信しているから、力強くすすめてしまうのだ。ぜひあなたも、このめくるめくトラックボールの世界へ飛び込んできてほしい。

筆者愛用トラックボール「ロジクール M570t」

トラックボールの利点を見逃すな。愛用者が伝えたい7つのこと

トラックボールの利点を見逃すな。

長時間PCの前で作業をしていると、体が硬くなり、肩がこってくる。モニターが大きいので、画面の端のファイルにポインタを合わせようとすると、何度もマウスパッドからマウスがはみ出してしまい、ガチャガチャと位置を変えるので隣の人に「うるさい!」と言われたことがある・・・。

あなたはポインティングデバイスの王者、トラックボールの存在を忘れてはいないだろうか。

トラックボールのどっしりとした存在感とともに、これから紹介する数々の利点をかみしめれば、あなたはきっとどこかのネットショップで思わず「ポチ」っとしてしまうかもしれない。

筆者はPC歴30年、トラックボール愛用歴10年のWEB制作会社の経営者。

1.トラックボールは、右肩の負担を緩和

PCは欠かすことのできない便利なツールだが、やはり長時間同じ姿勢で使用することによるデメリットは周知の通り。エコノミー症候群と同じく、同じ姿勢を長く維持していることによって体への負担は想像を絶するものがあるのだ。

1-1.猫背姿勢による、腰への負担

猫背姿勢による、腰への負担

PC操作の長時間化で指摘されているのは、猫背姿勢による背骨の曲がり。座高が高い、腹筋、背筋のバランスが悪く、どうしても楽な姿勢 - 気付くと猫背になってしまうという人が陥りやすい症状だ。

腰からくる病気は、数限りない。背骨をまっすぐにし続けるのが辛くなってきたら、いったん休憩を入れる、その場で背伸びをしてみるといったことだけでも、少し症状は緩和される。

1-2.にわとり型くび傾斜による、首への負担

にわとり型くび傾斜による、首への負担

意外と多いのがこのタイプだ。先ほどと同じく座高の高い人や近視の人に多い。背骨から伸びた頸骨(首の骨)がモニターをのぞき込むのに集中するあまり、極端に前傾斜になってしまい、にわとり独特の首の動きに似ていることから、こう呼ばれるようになった。

この症状の対処法は、胸を張ることだ。胸を張ると、自然に首はあるべき場所に落ち着くので、「にわとり」にはならない。

1-3.右腕だけを極端に使用することによる、アンバランス

いよいよトラックボールの利点を紹介するポイントがきた。

先の2点は、心構えや筋力強化で解決できる課題だが、マウスを長時間使用することによるアンバランスは、マウスを使っている限り避けようがない。しかしトラックボールを導入すれば、そのアンバランスは、かなり改善される。なぜなら、トラックボールを使えば、ほぼ親指のみでポインティングを行うので、右腕(右肩)の動きは必要最小限になるからだ。

マウスを操作するには、キーボードから右手を移動させマウスを持ち、そのままマウス自体を移動させることによってポインティングを行う。しかしトラックボールの場合はキーボードから離した右手をマウスと同様少し移動させるだけでいい。あとは静かに親指に意識を集中するだけで、思い通りにぴたっとポインティングしてくれるのだ。

人間の体は基本的に左右対称にできているのに、PCを操作するために右手だけを不必要に動かすのはおかしい。しかもPCの操作になれていなかったり、長時間操作を行うことで、右肩から下部の部位に良いわけがないではないか。

2.トラックボールがきつい肩こりを緩和

きつい肩こりを緩和

筆者はこの仕事を始めたころ、きつい肩こりに悩まされていた。それを解消できないかとGoogle先生に教えを乞い、トラックボールの存在を知り、利点の数々を検討した結果、購入に至った。正直なところ、それまで20年近くマウスに馴れてしまっていたので違和感があったが、操作に馴れてからは、肩こりがかなり緩和された(長時間PCに向かっていると、少し親指は疲れる)。

正直に言うと、解消ではなく緩和である。

あなたが考えている以上に筆者はまじめなので長時間PCの前にいるのだ。
その長時間使用がトラックボールの利点の限界を超えてしまっているので、解消ではなく緩和となってしまう理由なのだ。

それでも、使い始めた当初はWindowsだけでの使用だったが、おもにデザイン系の作業をするMacでもトラックボールを使い始めると、筆者のなかでその存在感というか利点が大きくなり、ますます手放せなくなってしまった。そして「親指党」でもつくろうかと感じるくらい、トラックボールの利点に魅了されているというわけだ。

3.トラックボールを使うメリット

トラックボールスイッチ

トラックボールはポインテイングデバイスとして、PC用のみならず、医療機器や船舶、各種の産業機器といった業界で利用されている。TVのリモコンやスマートフォン、ゲーム機のコントローラーにも組み込まれているので、あなたもPC用ではないものを見ているはずだ。

余談だが、こんなにデカいトラックボールもある。用途はお客さん次第らしい。
石川光学造形研究所

すでに1966年には何らかの目的でトラックボールが米空軍に納入されていたという記録が残っている(wikipediaによる)くらいだから、半世紀にもおよぶ歴史を持つデバイスなのだ。

3-1.親指を鍛えられる

親指を鍛えられる

10年ほどトラックボールを毎日数時間使っていると、親指がわずかに筋肉質になっている。この記事を書くにあたって両手を比べて、わずかだが変化している右手の親指を見て、ちょっと笑ってしまった。女性でも許せる範囲の、親指のかわいい「進化」だったからだ。

3-2.誰でも使える簡単さ

なぜこのように多くの業界で採用されてきたか。それは「子供でも使える簡単さ」ゆえだ。トラックボールはくるくると回転するボールを操作するだけで、ある地点を指し示すことができる。初めての人にも操作しやすいツールであるわけだ。

トラックボールの利点を見逃すな。愛用者が伝えたい7つのこと、後半は

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