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ロングテールSEOで、集客+CVRアップを図る5つの秘策

ロングテールSEOで、集客+CVRアップを図る5つの秘策

ロングテールSEOは、多くの費用をかけずに、安定したアクセスを着実に伸ばせる唯一の方法だ。ただし、安易にコンテンツをいくら増やしても、検索順位は上がらないので効果も出ない。

たとえば、安価にコンテンツ執筆を代行するサービスを見つけたので、ラクをしようと考えた。しかし、Googleを相手にラクラク効果を出せるなどということはあり得ない。
誰かが、これならいけると金儲けのネタとして考えたサービスを使ったところで、Googleが「この記事は専門性が高い」と高評価をつけるわけがないではないか。世界でも有数の頭脳の持ち主が集まった組織が作った検索アルゴリズムは、そんなにバカではない。

一方で、安易なサービスを使わず自分で真摯にコンテンツを更新しているWEBマスターなのに、思うような効果が出ずに挫折しかけている方がいるかもしれない。

この記事では、マジメに集客に取り組んでいるにもかかわらず理想的な効果を出せずにいるWEBマスターに、ロングテールSEOによる集客の実践的な方法をお伝えしたいと考えている。基本的な考え方とテクニックを汲み取っていただければ、自社に合った具体的な方法に落とし込むだけ。ただし、相応の地道な努力が必要になることだけはお伝えしておきたい。

ロングテールSEOとは

ロングテールSEOとは

まずはじめに、ロングテールSEOの概念について、ご紹介しておきたい。すでにご存知の方も、おさらいのつもりで斜め読みしてほしい。

2004年10月にアメリカ・WIRED誌のクリス・アンダーソン氏が「ネット販売では、80%の販売数の少ない商品の総額が、全体売り上げの80%を作り出す」と発表した理論だ。一般的にはパレートの法則(20%の商品や顧客が全体売り上げの80%を占める)が主流だが、アマゾンのようなネットショップでは在庫の量が限りなくゼロに近く、店頭展示もないので、販売量の少ない商品をそろえておくことができる。
しかも、世の中には販売量の少ない商品でも求めている人がいるので、このニーズまで拾うことができれば、大きな売り上げにつながるということなのだ。

この「反パレートの法則」ともいうべき理論をSEOに昇華させたものがロングテールSEOだ。

実際、WEBサイトに集客しているキーワードには、主要なものがいくつかある。しかし、アナリティクスやウェブマスターツールで確認すると、全体のアクセスに対する比率はさほど高くないことに気づかないだろうか。
たとえば、ある企業のアクセスを解析してみると、社名以外のキーワードでもっとも多いもので540件。これは検索エンジン経由全体の流入数7,569件に対する比率としては7%にしかすぎない。クリック数が2桁のものだけを集めても全体の34%にしかならない。残りの66%は、クリック数1桁のキーワードによって集まってきているのだ。

ロングテールSEOの概念

実店舗では、在庫や展示スペース、回転資金の制約から売れ筋の商品しか置けないが、全国規模の市場がターゲットになるインターネットでは、工夫次第でとても小さな需要に対応することができる。コンテンツでも同様で、検索ユーザーそれぞれの頭に浮かんだキーワードは千差万別で、とても集約することなどできない。ネットショップとインターネット検索では、この構造がきわめて近いのである。

だからロングテールSEOを実施する価値があるということになるのだ。

ロングテールSEOを実施するメリット

安定的なアクセスを確保できる

ロングテールSEOを実施するメリット

ロングテールSEOのメリットとしては、安定的なアクセスを確保できること、コンバージョン率が高いことが挙げられる。

安定的なアクセスを集められることは、集客が売上のカギとなるネットショップやネットサービス、引き合いを入手したいWEB担当者にとっては、大きなメリットだ。
もしあなたのWEBサイトが、それひとつで大きなアクセスを集められるビッグワードでの集客に頼っていると、Googleの検索アルゴリズムによる仕様変更や競合他社の台頭などで状況は一変する。市場の変化によって、アクセスが激減してしまう可能性があるのだ。

これに対して、ロングテールSEOが生きているWEBサイトは、ひとつひとつのキーワードに対するアクセスは少ないが、多くのキーワードで少しずつアクセスを集められるので、リスクが分散されていて、状況が変化したところでアクセスが激減する可能性はきわめて低い。

コンバージョン率の高さ

コンバージョン率の高さ

もうひとつの大きなメリットは、コンバージョン率の高さだ。
ビッグワードは、単語ひとつのことがほとんどで、それだけでは検索ユーザーがどういった意図で検索しているのか推測しづらい。たとえば、「税理士」はGoogleの月間検索ボリューム33,000件を超えるビッグワードだが、検索ユーザーが税理士に何を期待して検索しているのかまでキーワードから推測することができない。

上手い節税の仕方を教えてくれる税理士を探しているのか、安価な顧問料でサポートしてほしいのか、税理士試験にチャレンジしようとしている学生かもしれない。
それが「税理士 電話相談」なら、月間の検索ボリュームはわずか50件だが、上位に表示されれば、かなり成約率は高まりそうだ(※)。

しかも検索ボリュームの少ないロングテールキーワードに絞り込めば、競合が格段に少なくなり上位に表示されやすくなる。ロングテールSEOは、あなたが汗をかけばかくほど実りある結果を得やすい集客術なのだ。

※「税理士 電話相談」は、税理士協会などが行っている無料相談があることから、実際の仕事につながることは少ないかもしれない。読者においては、該当するキーワードで検索した結果を踏まえて、ロングテールSEOの対象とすべきかを判断してほしい。

ロングテールSEOを成功させる考え方

ロングテールSEOを成功させる考え方

ロングテールSEOを成功させるためもっとも大切なのは、キーワードの選択だ。
ロングテールだからといって、誰からも検索されないキーワードを設定したところで、水たまりで釣り糸を垂らしているのと同じ。釣果など期待はできない。

キーワードの設定には、Googleアドワーズの「キーワードプランナー」などを使い、月間の検索ボリュームを見極めてから計画をスタートしよう。ここで大切なのは、検索ボリュームが数千にもなるキーワードを設定するのではなく、数十でも競合の少ないキーワードを設定する方が得策だということだ。
対象とするキーワードの探し方は、筆者の記事「SEOコンテンツを最強にするテクニック、ベスト5」で詳しく紹介したので、参考にしてほしい。

SEOコンテンツを最強にするテクニック、ベスト5

ロングテールSEOを成功させるために大切なことがもうひとつある。思想的なことではあるが、上位表示をさせるためには重要なことだ。それは、記事を読む人にとって、良いコンテンツを提供するということ。

Googleは、自らはコンテンツを何も持っていない。持っているのは私たちだ。彼らは、コンテンツを持っている人と探している人の仲介をしているのであり、もし良いコンテンツが存在しなければ、Googleは探している人に何も差し出すものがないのだから、存在する価値さえなくなってしまう。さらに、探している人の役に立つコンテンツを教えられなければ、「ダメ検索エンジン」のレッテルを貼られてしまうのだ。

だからGoogleは、探している人にとって役に立つコンテンツを選ぶ手段(上位表示アルゴリズム)を常にアップデートしているのだ。

Googleの事情から見ても、探し物をしている人の心情から考えても、良いコンテンツ、役に立つコンテンツは大歓迎される。誰からも支持されるすばらしいコンテンツを作ることこそ、SEOの要諦なのだ。

Googleは、検索結果からユーザーが良質なサイトを見つけやすくすることに特に取り組んでいます。

Googleウェブマスター向け公式ブログ

ロングテールSEOを実施するためのHACK

HACK1:現在のコンテンツを改善する

現在のコンテンツを改善する

WEBサイトを運営するうえで、もっとも大切なことは細やかなメンテナンスだ。日々の業務に追われて少しの配慮ができなくなってしまうと、せっかくの宝の山を見過ごしてしまうかもしれない。

リリースしたことで満足してはいけない、ということだ。
つまり、コンテンツをリリースした後も、Google、訪問者からコンテンツに対する反応を改善に活用するということ。

ページタイトル、見出しの前方にキーワードを置けば、表示順位は改善される

狙ったキーワードで順位が思うように上がらなかったなら、コンテンツに含まれているキーワードの位置や見出しにキーワードが含まれているかをチェックする。とくにコンテンツのページタイトルや記事の見出しにキーワードを前方に置くだけで、かなりの改善ができる。もしこのポイントができていなければ、即改善を施そう。

滞在時間が短ければ、内容を再検討

訪問者は、辛辣にあなたの執筆した記事に評価を下してくれる。
予想していたより短い時間しか滞在してくれていなかったり、SNSでシェアされることがほとんどないといった状況なら、コンテンツ自体の内容に問題がある。検索上位に表示されている他サイトのコンテンツと比べて劣っている点がないか、独自の視点でテーマを解説できているか確認してみよう。

Googleの検索アルゴリズムは、あなたが考えている以上に賢い。
キーワードが詰め込まれているだけでは、それなりの評価しかしてくれない。あなたの執筆した記事が、読者のためになるかどうか、オリジナリティがあるかを判断する能力を持っているのだ。

HACK2:キーワードから推測する記事のポイントをすり合わせる

キーワードから推測する記事のポイントをすり合わせる

ロングテールSEOで成功するためには、キーワードからイメージできる、読者がチェックしたくなるコンテンツの内容をリストアップしてみよう。
たとえばその内容を3つ思いついたら、内容に過不足がないかリサーチを行う。

該当キーワードで検索した結果、上位5件ほどの記事に目を通し、あなたが持っている内容があるならOK。ないなら、なお良い。もし不足しているなら、不足分を補えるようにコンテンツを組み立て直そう。

リサーチとはいえ、あなたが持っている知識と先人たちの知識をすり合わせることで、あなたが執筆しようとしているテーマをより深く知ることができる。あなたの勉強の時間でもあるのだ。

アウトプットするためには、その10倍のインプットが必要だと言われる。
検索上位の記事を5本ほど読めば、そのテーマに対するあなたの知識量を知ることにもなる。まだまだ知識量が足りないと感じたなら、真摯に学び直すことも大切なことだ。

HACK3:1つのキーワードを軸に、多面的に執筆する

1つのキーワードを軸に、多面的に執筆する

前述した「弁護士」単体で上位を狙うなら、「弁護士+○○○」をいくつか組み合わせて記事を重ねると、「弁護士」単体でもあなたのWEBサイトは徐々に強くなっていく。理由は2つある。

ひとつは、WEBサイト全体で「弁護士」というキーワードの占める割合が高くなり、Googleは「このWEBサイトは、弁護士についてのコンテンツが多くある」と認識をするから。当社のWEBサイトでいくら弁護士について完璧なSEOを施したコンテンツを1本リリースしても、検索上位にリストアップされることはない。「WEBサイト全体として」が大切なのだ。

ふたつめは、「弁護士+○○○」で上位にランクインできれば、その記事からもWEBサイト内の他のページにリンクが張られることになる。ある分野で強いコンテンツは他のページにも良い影響を及ぼすことになる。それがWEBサイトの上位階層ページへリンクを張る「パンくずナビゲーション」なら、上位階層にある「弁護士」というテーマを束ねるページが強くなっていくということになる。

HACK4:キーワードを言い換える

キーワードを言い換える

言い換えをするメリットは2つある。

ひとつめは、主要キーワードで専門性を高めるということ。
Googleは、コンテンツがどのようなキーワードで構成されているかをチェックしている。一般的に文章を綴るときには、ときどき言い換えを行う。さらに、過去に専門性が高いと判断した記事には、主要キーワードを言い換えたものが多い。だとすれば、Googleは専門性の高い記事でも、主要キーワードで言い換えされることがあるはずだとジャッジしているのだ。

事実、上位のランクインしている記事すべてが主要キーワードを統一して使用しているわけではない。専門家は知識に余裕があるので、相手に理解してもらうために言い換えをするものだ。

ふたつめは、従属的なキーワードで可能性を増やすということ。
「大切なこと」「ポイント」「コツ」はニュアンスは異なるがほとんど同じ意味であり、検索キーワードとしてどれも使われる可能性がある。あなたが「○○○ コツ」と最も大きな検索ボリュームを持つSEOキーワードを設定したとしても、「○○○ ポイント」と検索する人もいるのである。
これらの言い換え、同義語も想定しながら記事を執筆するとヒットする可能性が高まるということだ。

HACK5:CVRを上げるキーワードを探す

CVRを上げるキーワードを探す

CVRは、キーワードの選択で上げることができる。
ロングテールSEOの目的は、集客することはない。まだ見ぬ顧客と接触し、説得へとつなげ、問い合わせ、資料請求、メルマガ登録、販売といった何らかの成約を勝ち取ることだ。

だとすれば、ムダに多くの訪問者を集めなくても、成約率の高そうな訪問者から優先的に集めればいいということになる。
ここでおさえるべきは、やはりキーワードの選択となる。

「弁護士」というキーワードだけでは、「弁護士になるための勉強法」を探しているのかもしれないし、TV番組「行列のできる法律相談所」に出演している弁護士のプロフィールを調べたいのかもしれない。
しかしあなたがコンタクトしてきてほしいのは、家族間で相続問題などが発生し、遺産相続を円満に解決したいと考えている依頼者、つまり、すぐ仕事に結びつきそうな訪問者だ。であれば、彼らが使う検索キーワードは「弁護士 遺産相続 円満解決 大阪」などといったものであるはず。当然、これらのキーワードで訪問したユーザーは、遺産相続についてどのように解決していくのか、経験は豊富なのか、費用はどのくらいかかるのかについて吟味する。

そういったプロセスを経た結果、問い合わせの電話が入ることになるからだ。

もっとも大切なのは、コンテンツへの反応を活用すること

もっとも大切なのは、コンテンツへの反応を活用すること

ロングテールSEOでもっとも大切なことは、リリースした記事に対する評価を真摯に受け止め、改善を施すことだ。

大きな変更は、リリースの日付を変更

一時期、満足できる反応が出たコンテンツも、時間が経つと反応は鈍くなってくることがある。
理由は、市場が変化し、あなたの記事に時流に合わない部分や競合ページに負けている部分が出てきて、他のコンテンツに競り負けている可能性があるということだ。
いつまでもその状態を放置してはいけない。できるだけ早く弱くなっていると思われる部分を見直し修正してアップデートする。
再リリースする際には、更新日付を新しくしておくことで修正されたコンテンツの内容がGoogleのデータベースでも修正され、再び輝きを取り戻すことになる。

気がついたのなら、小さなアップデートも怠らずに実行あるのみ

気がついたのなら、小さなアップデートも怠らずに実行あるのみ

自分が懸命に執筆した記事はかわいいものだ。さほど反応が得られていないものでも、それぞれに愛着を感じてしまう。
それだけに、時々読み返すと気になってくることも出てくるもので、改善点に気づいたなら、修正して再リリースしておこう。こういった地道なことの繰り返しが、必ず報われるのもコンテンツマーケティングの良い点だ。

あなたのWEBサイトの改善点を見つけ、トライすること~表示順位、SNSでのシェア数、訪問者の滞在時間、引き合いの件数など~競合のコンテンツを研究して新たな論点を加えたり、もっと分かりやすい表現方法に変えることだったりすることは、ロングテールSEOでシングルヒットを重ねるために非常に大きな力となる。

極端な話、シングルヒットでなくてもいい。フォアボールでも、デッドボールでもいいのだ。とにかく出塁を積み重ねることができれば、その試合には必ず勝てる。

ウェブマスターツール(Search Console)「検索アナリティクス」をフル活用し、ロングテールSEO攻略

ウェブマスターツール(Search Console)「検索アナリティクス(検索クエリ)」をフル活用し、SEO攻略

もうあなたは、「SEO対策してるのに、結果が伴わない」とため息をつかなくてもよくなる。今日から、競争の激しいキーワード、いわゆるビッグワードで勝負するのをやめるからだ。

考えて欲しい。
あなたは、SEOのハウツーを調べるとき、「SEO」と検索するだろうか。少なくとも、「SEO」に加えて何らかのキーワードを加えて調べるはずだ。

分析ツールを提供するグローバル企業、エクスペリアンによると、1語のみで検索する人は全体の23%に過ぎず、2~5語が57%、5語以上入力する人が19%もいる。

23%の人しか検索しないビッグワード単体のSEO効果ではなく、残りの73%の人が使うロングテールのキーワードを追った方が、多くを手にできるということだ。

イチローになろう

ビッグワードで検索上位を獲得するのをホームランに例えるなら、
プロ野球の本塁打王でも、1シーズンで打てるホームランは40本弱。

約8%ほどの確率だ。ヒットで良しとするなら、その5~6倍は打てるのだ。小さなヒットをコツコツと積み重ねていけば、確実に得点につながる。

イチローはホームランをほとんど打たないが、国民栄誉賞を2度も断るほどの大選手ではないか。

ロングテールのキーワードを調べるのに適したツールが、ウェブマスターツール(Search Console)にある「検索アナリティクス(検索クエリ)」。この記事では、「検索アナリティクス(検索クエリ)」を最大限活用してロングテールのキーワード攻略を行うハウツーをご紹介する。

検索アナリティクス(検索クエリ)で、ロングテールのキーワードを見つける

ロングテールのキーワード

どんなキーワードで検索された場合に、自社サイトが表示されているのか、あなたはご存知だろうか。

すでに「WEBサイトを訪れた人」がどんなキーワードで検索したかは、Google アナリティクスである程度知ることができるが、「来なかった人」の検索キーワードを知ることはできない。

検索アナリティクス(検索クエリ)を活用する理由がこれだ。

誰かがあるキーワードで検索した際に、自社サイトが表示されても何らかの理由でクリックされていないことがほとんどなのだ。

理由は、検索順位が低かったり、検索者の意図とは異なるコンテンツだったから、ページタイトルに惹かれなかった、説明文がひどかった、などなど。決して、一義的ではない。

いずれにせよ、あなたのWEBサイトが世の中の「検索」に対するステータスが手に取るように分かるのがウェブマスターツール(Search Console)の「検索アナリティクス(検索クエリ)」なのだ。
なかでも、注目すべきはこの記事の主旨である、「ロングテール」として可能性のありそうなキーワードを見つけられることだ。

腹巻き

たとえば、あなたは腹巻き専門店のオンラインショップを運営しているとしよう。

安直に考えれば、あなたが狙いたいSEOキーワードは、「腹巻き」だろう。

当然ではあるが、「腹巻き」はGoogleだけで平均月間検索ボリューム 8,100回を誇るビッグワード(競争率の高いキーワード)。日本全体の平均月間検索ボリュームは、Yahoo!のボリュームも加えなければいけないから、倍以上になるかもしれない。

しかし、ビッグワード「腹巻き」は無理して狙うな、である。

ウェブマスターツール(Search Console)で検索アナリティクス(検索クエリ)をチェックすると、あなたのWEBサイトがこのようなキーワードで表示されていることが分かった。

「お腹 温め」「寝冷え 防止」。

検索ボリュームは少ないものの、競争が少ないだけに上位を狙いやすそうなキーワード。しかも、それらは腹巻き購入に至るための直接的なキーワードではないが、腹巻きを購入する顧客ニーズをダイレクトに表現するキーワードだ。

検索クエリを調べる
Google「ウェブマスターツール(Search Console)」

平均月間検索ボリュームを調べる
Google Adwords 「キーワードプランナー」

平均月間検索ボリューム
「お腹 温め」110回
「寝冷え 防止」140回

コンテンツマーケティングで見込み客を呼び込む

コンテンツマーケティング

検索アナリティクス(検索クエリ)を使って分かった、顧客ニーズを捉えたキーワードに対して、あなたがとるべきアクションはこうだ。

腹巻きで解決できる悩みを抱えてはいるものの、腹巻きの存在を思いつかなかったり、腹巻きで悩みを解決できるか確認するためのキーワードが「お腹 温め」「寝冷え 防止」なのだから、彼らに上手くアプローチすることで、最終的に腹巻きの購入を検討させるというプロモーションが、いま注目の「コンテンツマーケティング」だ。

コンテンツマーケティングとは、
検索者にとって有益なコンテンツを提供し、あなたと検索者の間に信頼関係を生み、その結果として商品購入やブランドのファン育成につなげるマーケティング手法。

顧客候補が知りたい情報を数多く公開し、関連するキーワードで検索結果の上位に位置することで多くのターゲットを呼び込む。

従来のプッシュ型のマーケティング手法に比べると、回りくどく感じるかもれないが、「買って、買って!」と商品名を連呼するうるさい広告に飽きているユーザーにやさしく近づくことができる。

ネット先進国のアメリカでは、すでにメジャーな理論なのだ。

たとえば、先ほどの「寝冷え 防止」。そのキーワードで検索した人は、何らかの解決策をさがしているはず。そんなターゲットに、届けたいコンテンツがこれだ。

「お腹を冷やさない鉄板ルールで、遅刻ゼロに」
「睡眠時の腹巻きだけで、健康になれた」

解決策をさがしているターゲットは、寝冷えを防ぐための記事をいくつか読むことで、「なるほど、ためになった」とあなたのサイトを評価してくれる。

その時点で検索ユーザーの頭には、「腹巻き」が浮かんでいるので、すぐに商品紹介につなげよう。

ロングテールのキーワードを増やすと、逆転できる

幅広い顧客候補を集める

このようにして、ロングテールのキーワードを探りながら記事を増やしていくと、検索クエリの数もどんどん増えていく。検索クエリが増えることによって生まれる効果は2つだ。

1.今までより、幅広い顧客候補を集めることができる

寝冷え、冷え性、お手入れ方法、おしゃれ、着こなし・・・。腹巻きを必要とする人に関連するさまざまなキーワードで、あなたのショップが目に触れるようになるからだ。もちろん、記事の内容は的確な解決策を提供するが必須条件だ。

2.主要キーワードの順位を上げることにもつながる

検索クエリが増えることで、WEBサイトの主要なキーワード(このサイトなら腹巻き)の順位を上げることもできる。

それは、サイトのツリー構造のなかで、ロングテールのキーワード(=寝冷え、冷え性)が増えていくことで、一つひとつの記事の中に含まれる主要キーワード(=腹巻き)の重要度が認められるためだ。しかし、ここにいたるにはある程度の期間と記事の内容が必要だ。

検索クエリの増やし方

それでは、検索クエリの適切な増やし方についてご紹介しよう。

1.主要なキーワードを固める

最初に、あなたのWEBサイトで最も重要なキーワードは何かを明確にしよう。

これは、最終的な目標としてこの単語で自分のサイトを上位表示させたいキーワードのこと。オンラインショップであれば販売している商品カテゴリーになるだろうし、複数サービスを提供している企業ならそのなかで優先順位を決める。

ウェブマスターツール(Search Console)の検索アナリティクス(検索クエリ)

2.ロングテールとなるキーワードをさがす

検索クエリの中から可能性の高そうなキーワードや、その他に可能性がありそうなキーワードの組み合わせをさがす。

組み合わせ候補が決まったら、Google Adwords 「キーワードプランナー」で平均検索ボリュームを調べて、上位を狙えそうなキーワードをセレクトする。その場合、月間検索数があまり多すぎないことや、そのキーワードで表示される競合サイトの内容を見て対抗できそうかを考慮しよう。

3.記事を執筆する

決めたキーワードで記事を書くことで、検索クエリは増やすことができる。

しかし、ここで大切なのは、上位に表示されること。先ほど触れたように、競合サイトの内容、特に10位以内のサイトを入念にチェックし、それよりも内容の濃い記事を書けば上位をねらうことができる。

検索クエリを増やして、得られるメリット

コンテンツを増やすことで、検索クエリも増える。顧客候補が知りたいキーワードで自社サイトに誘導する。それが最もダイレクトなメリットだが、その他プラスになることは多くある。

1.自社サイトの見直しにつながる

自社サイトの見直し

検索クエリを見つける作業は、今までの「どうすれば売れるか」という売り手視点から、「顧客候補がどんな情報を望んでいるか」を考える顧客視点に変えるということ。

この頭を切り換える作業は、実は最も難しい。長くサイト運営に取り組んできた担当者ほど、思い切った発想の転換が必要だ。

しかし、顧客視点に立てるようになると、サイト全体の構造から、商品説明コピーの書き方まで、さまざまな点での課題点が見つかるはずだ。

2.自社商品やサービスについて記事を書くことで勉強にもなる

勉強になる

たとえば、冷え性についてユーザーのためになる情報を提供しようとするなら、冷え性について調べなければならない。

どんな原因が考えられるのか、身体に及ぼす影響は?その対策は?と調べていくうちに、あなたは腹巻きだけでなく、冷え性についても語れるようになる。それがリアルのセールスでも役立つことは言うまでもない。

3.顧客の新たなニーズを見つけることにもつながる

顧客のニーズを理解する

検索クエリを増やすプロセスで、今まで知らなかった顧客ニーズが見えてくる。記事を書くだけでなく、商品の売り方のヒントにもなる。

ビジネスのヒントは、すべて顧客ニーズの中にある。

ロングテールを増やして、コツコツとヒットを稼ぐ。その手法は、PDCAサイクルが非常に重要とされるWEBサイトには、とても合っているマーケティング手法だ。

イチローはご存知のとおり、万全な自己管理を行い、まめなストレッチで身体をほぐし、どんな球種がきても打て、ふだんは指名打者でも、いつでも守れる体制を整えている。流れの早いWEBプロモーションの世界でも、そんなふうに身軽に動けるようにしておきたいものだ。