オウンドメディアの手法のなかで、最も手軽に始められるコラム記事。自社が持つノウハウを幅広い読者に向けて発信するものだ。課題を持つ読者を感心させ、上手く納得させることができれば、あなたの会社の信頼性が増す。
他の記事も併せて読んでもらうことで「まかせてみようか」という可能性も一気に高まる。
しかし、日々顧客にノウハウを提供しながら密な関係を築いているにもかかわらず、いざコラム記事に落とし込もうとすると、上手く機能していないケースがよくある。
数時間かけて力を注いだコンテンツであればあるほど、集客でき、顧客候補を説得、納得してほしいと願うはず。この記事を読めば、あなたの努力は報われ、これまでにないほど引き合いを獲得できるようになるだろう。
コンテンツをつくるときにおさえるべき7つのポイント
あなたは暇をつぶすためにコンテンツをつくっているわけではない。世に伝えたいことをWEBサイトのコンテンツという形に変え、Googleに認めさせることで集客し、集まってくれた顧客候補を説得するためなのだ。
ここではこのストーリーを実現するための必勝パターンを7つおさえることで、あなたにもその力を得られるようにしたい。
1.結論から先に伝える
ネットで解決策を求めている人は、おおむね「せっかち」で、その記事が自分の課題を解決してくれそうかを数秒で判断してしまう。
せっかちな訪問者にあなたの書いたコンテンツで有意義な時間を過ごしてもらうためには、記事の前半で「ここにあなたの答えがありますよ」と結論をざっくり紹介しておくことが必要なのだ。
おおよその結論を冒頭でまとめておくということは、重要なキーワードが必ず含まれるようになるわけで、SEO的にも良い影響をもたらすことにもなる。
2.パラグラフの内容が把握できる見出しを付ける
これも読者の「せっかち」に起因するテクニックだ。
あなたが認識しておかねばならないのは、「ネットは調べ物をする道具であり、文学のように言葉を噛みしめながら精読するものではない」ということだ。
いわゆる斜め読みで見出しだけをチェックすれば、おおよその内容が把握できる。もし、自分の琴線に触れるものがあれば、そのパラグラフをチェックする。あなたもこういった読み方をしているはず。
今まで執筆してきたコンテンツに、このルールが適用されているかチェックしよう。この作業をていねいに行うだけで、訪問者の滞在時間はグッと伸びる。
3.自信たっぷり、言い切る
自分の課題を解決してくれそうだと読み進めた記事の最後が、「この方法で解決するかもしれない」と締められていたら、どう感じるだろうか。
ここまで「ふむふむ、なるほど」と相槌を打っていたにもかかわらず、だ。
すぐにでもサイトを離れ、確実に課題を解決してくれる方法を説いた記事を探し始めるに違いない。
オウンドメディアで成功しようと考えるなら、あなたが知っている知識、実践しているノウハウを自信を持って読者に伝えよう。読者が勇気を持って課題に立ち向かえるよう、背中を押してあげるのだ。
4.抽象的な言葉を使わない
あなたはテレビに出演して、いい加減なことを言うためにカメラの前で難しい顔をしている評論家ではない。評論家や政治家は、「この問題をどのように解決するか検討する」と、訳の分からない結論で発言を終わっても、役目は果たせる仕事だ。しかしあなたに課されているのは、きちんとしたロジックで具体的なハウツーを伝えることなのだ。
「どのように」や「いかにして」は魔法の逃げ言葉だ。
具体的な解決策を求めている人に対して、「どのように考えるかが問題なのだ」と訴えて共感してもらえるだろうか。明確な方法論こそ、読者に納得してもらえるものだ。
5.ていねいに、ていねいに
「これは、あたりまえのことだから」とは考えないこと。誰にでも「はじめの一歩」があるものだ。
どっぷりその業界に浸かった人にはあたりまえでも、他部門から異動してきた人にとっては初めての出来事だ。初心者にもやさしい記事は、重宝がられる。だから、「YAHOO!知恵袋」は人気なのだ。だから「今さら聞けない○○○」といった本がもてはやされるのだ。
前述したように、ネットは調べ物をするためのツールで、読者は斜め読みをするのだから、すでに知っていることは読み飛ばしてくれる。ある程度知識のある人を対象にするより、ビギナーをも考慮した記事を書く方が新規開拓につながるものだ。
細やかな配慮をするのは面倒なことかもしれないが、それをいとわない努力が成功につながる。
6.リスト化する
ハウツーは、リスト化すべきだ。なぜなら、読者は取り組むべき解決策をいくつも挙げられるあなたを、スペシャリストとして認めてくれる。
また、読者はすべての対策に取り組めるわけではない。時間や予算の問題だったり、すでに取り組んだ経験のある方法だったりするかもしれないので、これだけの解決策があるのですよとリスト化することは、読者の選択肢を増やすことになる。そのなかで、「なるほど。そこには気付かなかった」と思ってもらえる項目があれば、それが大きな感謝につながるのだ。
7.まとめる
コンテンツをまとめることは、あなたが書いたことを今いちど省みることにもなるし、読者はまとめのパラグラフだけを読むことで、おおよそのことを把握できることにもなる。Naverまとめやnanapiといったキュレーションサイトで、キュレーターが最後のパラグラフを「まとめ」としているのも、このためだ。
だから「まとめ」は、もっとも気合いを入れて執筆すべきものだ。
さらに上を目指すなら、見出しは「まとめ」ではなく、他のパラグラフと同じように、内容が分かるものにした方が読者からの引きは強くなる。
オウンドメディア成功のカギは、手間を惜しまないこと
これまで見てきたように、読者に共感してもらえる、感謝してもらえるコンテンツは、細やかな配慮に満ちたものだ。ホスピタリティに富んだ読み物ということもできる。ネット上で、コンテンツという売り物を通じて、サービスビジネスを行っていると言ってもいい。
筆者が執筆した記事に対し、はてなブックマークやTwitterでつぶやかれた「気づかなかった」「なるほど」といったコメントを目にするたび、誰にも気づかれないように小さくガッツポーズをしている。
多くの人にとって本当に良いコンテンツは、ネットメディアにも取り上げられ、「いいね!」を多く獲得し、シェアされ、つぶやかれ、多くのアクセスを稼ぐ。それがあなたのビジネスに何らかの変革をもたらす。
細やかな配慮とホスピタリティは、オウンドメディアの成功に欠かせない原動力だ。