作成者別アーカイブ: 平田 弘幸

質問のコツを習得し、良い協力会社を探す3つのテクニック

質問のコツ

初対面の相手に漠然とした質問を投げても、相手から学ぶべき答えは返ってこない。自分が引き出したい本質的な回答を得るためには、周到な準備とコツが必要だ。漫然と相手の話を聞くだけでは、これまで以上の結果を望めるはずはない。
この記事では、近い将来ガッツリと良好なパートナーシップを築ける協力会社を探すための3つのテクニックを伝授したい。

ビジネスはより複雑になり、高度なバリューチェーンの構築が長期的な事業存続のためのポイントにもなっている。
現在付き合っている業者に不満を持つ上司から、早急に新たなパートナーを探すよう命じられた。あなたは最良のパートナーシップを築ける協力会社を探そうと時間をかけているが、せっかく初回のミーティングにこぎつけるも、有力候補と考えていた会社の担当者から引き出せたのは、概要的な情報のみ。
あなたがどれだけ思い入れていても、上司からはダメ出しがあるのみだ。

打ち合わせの席に現れた相手がフランクな性格で話が盛り上がったとしても、振り返ってみると本当にこの会社と付き合って大丈夫かは何となく疑問のまま。結局のところ、知るべき本質的なポイントがうやむやのままだったでは、時間を無為に過ごしたことにしかならない。
この記事は「話を盛り上げ、本音を引き出すテクニック」ではなく、ロジカルに「自分が得たい回答を確実に相手から引き出すコツ」集であり、上司からのダメ出しから逃れるテクニック集だ。

(1)採否の基準を明確にし、初回打ち合わせ前に質問しておく
(2)質問への回答と、描いていた理想とのギャップを確認
(3)細かなズレを避けるための質問を繰り返す

相手が用意する回答の精度を見るコツ

気の合う相手を探すのも大切なことではあるが、それだけに偏っていては自社にとってよろしくない。採用の基準が曖昧で、人(あなた)に属しているからだ。これを避けるためには、採否の基準を明確にしておくこと。
まず、あたりまえのことではあるが、アポイントをとるときに前もって打ち合わせの主旨を伝えておきたい。また、必ず得ておきたい情報の内容を伝え、回答を打ち合わせ時に説明してもらうようにする。その精度や力の入れ方で相手の本気度を測ることもできるからだ。
その回答があなたの予想を超えたものであるうえに、背伸びをしなくても付き合っていけそうであれば採用の可能性も一気に高まる。打ち合わせ後に追加でされた提案は熱意が感じられるし、クライアントと「寄り添おう」という気持ちの表れでもあるので評価ポイントを高く考えるべきだ。

自社が必要とする理想型を描いておく

あなたの会社にも「最良のパートナーには、こうあって欲しい」という理想があるはずだ。
だから最初にあなたがすべきなのは、自社が付き合うに値する会社かどうかを見極めるための質問と、模範解答(理想型)を用意すること。

たとえば、リスク時にもしっかりサポートをしてくれるWEBサイトの管理会社を探しているとしよう。この要望を伝えるための質問は、

「営業日外に突発的な事故が当社にあった場合、それをサポートする体制はどのようなものですか?」

そして、あなたが思い描いたパートナーの理想型は次のようなものだ。

思い描いた理想のパートナーの働きの図

話を聞くために招いたパートナー候補が提示してくると思われる回答にもバリエーションを持たせておく。

(1)24時間体制でサポートセンターが稼働しているので、問題はない。
(2)年末年始以外は誰かが出勤しているので、問題はない。
(3)時と場合によるが、携帯に連絡をもらえれば必要なスタッフを招集する。
(4)営業日外は対応できないので、翌営業日での対応となる。
(5)その他、予想できなかったもの。

引き出せそうな回答を前もって考えておくことは、すでにお伝えした。では、なぜそれが必要なのだろうか。
それは、招いたパートナー候補のランク付けをするためと、理想に近い回答を提示した者が、表面的にではなく、ほんとうに自分たちの理想に近いかどうかを見極めるための次の質問を浴びせるためだ。

事前に提示した質問に対する回答は、優等生なものが多くなるはず。金太郎飴のように感じる似たような回答ばかりを引き出してしまい、最終的には鉛筆を転がして新たなパートナーを決めるといったことは避けなければいけない。そのためには、微妙な考え方のギャップも見逃してはならないのだ。

心地よい言葉の裏をチェックするコツ

質問のコツ

24時間体制やほとんどが営業日なので問題はないといった回答は理想に近く、安心できそうに感じてしまう。しかし、ほんとうにあなたが望んでいることを担ってくれる体制といえるのだろうか。出勤している「誰か」やサポートスタッフは緊急時の対応に長けているか、そうでなければ高度な対応ができるスタッフをどのような方法で招集するのか?

「もし、うちの工場から出火すれば、広報スタッフは緊急招集されます」

受け答えとして予想されるのは、
(1)「ははぁ、夜中でも?たいへんですね」
(2)「サポートセンターと私にもご連絡ください」
(3)「そのような場合も、とりあえずサポートセンターにご一報ください」
(1)は論外として、(2)は緊急時なのに、なぜ2件も連絡しなければいけないのか。サポートセンターから自動的に伝わるようになっていることがふつうだろう。

あなたはこう続ける。

「すぐに状況を把握して、早い段階でリリースを出すルールになっています」

(1)「レベルの高い緊急時なので、とにかく早い第一報が必要ですね。断片的な情報でもいただければ、当社でまとめてリリースを出すこともできます」
(2)「リリース原稿をいただければ、サポートスタッフが公開します」

「緊急時なので、リリースの作成までサポートしていただきたいのですが」 と突っ込むと、(2)の回答はこうなるだろう。

(1)「リ、リリースの作成までは難しいかと」
(2)「専門のスタッフが到着してからではダメでしょうか」

「一刻を争う緊急時なので、外部のお力も借りるべきではないかと考えているんです」

(1)「社内で検討してから回答します」
(2)「専門スタッフの常駐が必要になると、平常時にも高いコストがかかります。レアケースのために高いコストを永続的に払うよりも、御社内から情報を更新できるようにCMSを導入するのはどうでしょう。断りを入れておけば、緊急時の第一報はあとで訂正も効くはずです」

多少の推測が入っているものの、(2)の回答はロジカルだし、新たな提案も入っている。次の質問を繰り出そう。

「リスクマネジメントに対する知見は、社内に蓄積されていますか?」

ここで即答できる会社は、ほぼ専門サービスと言っていい。一般的には、持ち帰って後日の回答となるだろう。

まとめ

今までみてきた質問のコツは、パターンを変えれば協力会社を探すためだけではなく、他の仕事にも応用できるはずだ。要するに、質問する前にあらかじめ自分のなかに理想型を描いておき、回答が理想型からどの程度の距離にあるかをチェックするのが一次チェック。理想型との距離が近くても、細かなところで考え方に相違があってはいけないので、用意しておいた「ツッコミ」質問をぶつけてみる。その回答次第で、さらに深い質問を続けていけば、不安は払拭され、新たな学びも得られる可能性もあるのだ。
これは、問いつめるための武器を持つということではない。対応する相手に公平に機会を与えるためであり、敬意を払うことにもなる。ぜひ何かの機会に、「質問のコツ」を実践してほしい。

WEBコンテンツ企画について、もう少し詳しく
WEB制作実績

この記事に関するご質問やお困りごとのご相談も何なりと。
平田 弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。セールスライティング担当。好きな言葉は、「一生懸命が得意」

じかに話すことで、Eメールより11%コミュニケーション力が上がる

コミュニケーション

相手の感情を読み取るのに、どのような伝え方が最適なのかを調べた心理学の実験がありました。結果は、現代のコミュニケーション方法を改めて考えるきっかけになるようなものです。

  • 音声だけで伝えた場合 74%の人が的確に読み取れた
  • 対面で話した場合 74%の人が的確に読み取れた
  • Eメールだけで伝えた場合 63%の人が的確に読み取れた

実験から分かることは、人は相手の感情を声の抑揚で感じ取るということです。もちろん、Eメールでも63%の人が読み取れているわけですから、まったくダメというわけではありません。しかし注目すべきは、昔からある電話や対面によるコミュニケーションは、Eメールのそれに明らかに勝るとうことです。

大切なポイントなのに、
「メールしておきました」
で済ませる人がいます。もっとも、それが大切なポイントなのかどうかを判断する力がより重要なことではあるのですが、そういう局面では少なくとも電話で伝える、ということが大切なのではないかと思います。

たとえその件に関して、先方がそれほど重要視していなかったため、徒労に終わったとしても「じかに話すことの意味」を大切にしていきたいと。

※当社がお客さまにお送りするご請求書に同封するお手紙の内容から(2014年11月)

WEBコンテンツ企画立案のヒント

企画立案で悩んだら

WEBコンテンツ企画で必要な構成要素、ユーザー利便を図るための構成要素を挙げています。自社の事業に直接関連がなくても、視点を変えることで活用できるコンテンツがきっとあります。そもそも、まったく新しい切り口の企画など出てくるものではありません。すでにあるものをアレンジし、WEBサイトのコンセプトや目的に合致させられることが、プランナーの力量なのです。

そのためには、まずリサーチ。すでにリリースされているコンテンツには、どういったものがあるのかを眺めるだけで、「おっ」という閃きが生まれることがあります。この記事では、WEBコンテンツ企画立案のヒントになるコンテンツをできる限り列挙しています。

一般企業が運営するコーポレートサイト

HOME:SEO効果の集約地としての位置づけを

WEBサイト全体で持っているコンテンツをまとめたページにするのが鉄則。コーポレートサイトなら「企業の顔」といった考え方もあるが、当社では異なる見方をしている。会社情報や製品関連など、下層の各セクションでコンテンツが積み上げているSEOの効果が集約されるページがHOMEであり、WEBサイト全体のSEO集約の場だということだ。

たとえば、当社でいえば訪問してもらいたいのはWEB制作会社を探しているクライアント候補。下層ページでWEB企画制作のノウハウや考え方を綴ったコンテンツを配し、それぞれのページやセクションで狙うSEOキーワードで上位表示を目指す。

下層ページで得られたSEOの効果(細かなSEOキーワードで上位表示を獲得)は上位ページへのリンクを経由し、最終的にHOMEへ流れるというものだ。HOMEにその効果が影響を及ぼす頃には、WEBサイト全体として集約されるので、より大きなSEOキーワードの効果となって現れることになる。

下層ページからのSEO効果を受け止める地盤とWEBサイト全体としての世界観を表現しておく使命を両立させることが大切なので、このバランスを上手くとることが肝要だ。

下層ページのSEO効果がHOMEに伝わるしくみ

会社情報:経営陣の言葉を重視すべき

WEBサイトが存在するかどうかも、取引を開始するかどうかの指標となっている。その条件として、データとしての会社情報の持つ役割は大きい。
意外と認識されていないのは、経営陣の発する言葉の重要性。営業スタッフが新規訪問した後、対応した担当者は会社情報をチェックする。取引をする価値のある会社であるかどうかを見極めるために会社概要はもちろん、かなりの確率でトップメッセージを確認する。

上場企業のトップが交代すると株価に影響する。誰が会社を指揮するかで、企業の業績は変わってしまうからだ。株主のなかには、「あの社長が好きだから応援する」と株式を長期保有する方さえいる。
世の中は社長を見れば会社を見抜く。言葉を読めば、どのような社風なのかの見当をつけていると考えた方がいい。総務部の社員が撮った写真ではなく、プロのカメラマンにポートレイトを撮ってもらい、より良い会社と感じさせる言葉にメッセージを差し替えるべきだ。

データ系 会社概要、事業概要、関連企業紹介、事業所案内、保有施設の紹介、など
人系 トップメッセージ、役員紹介、創業者について、など
理念系 経営理念、コーポレートスローガン、ビジョン、コーポレートガバナンス、など
広報系 社史(沿革)、ロゴマークについて、会社情報(冊子)、広報活動について、など

製品サービス情報:ユーザーの望みをかなえる

WEBサイトのなかで唯一の「プロフィットセンター」とも言えるセクションであるにもかかわらず、多くの企業で問題を抱えているのが製品サービスの紹介セクションだ。

指名買いでない限り、ブランド指定+製品の一般名称で検索されることがないことを担当者は理解していない。たとえTVCMを常に流している巨大企業であったとしても、だ。製品写真とスペックが並んでいるだけの、お粗末な紹介ページが多いことにユーザー候補は閉口している。
それなら、価格コムや楽天のレビューを読んだ方がよほど参考になるから、どんどん悪循環を生み、製品セクションが機能しない。

あなたのWEBサイトは、ユーザー候補の望んでいること、知りたいことを網羅しているだろうか。店頭で販売員にユーザー候補が質問していることを盛り込んでいるだろうか。紙のカタログは1社独占で情報を伝えるものであるから、自社の主張だけを刷り込んでもOKだ。しかしWEBサイトはすぐ隣にライバルが控えている。0.3秒後にはライバル会社の充実したコンテンツにユーザー候補は洗脳されていると考えるべきだ。

データ系 機能紹介、特長、スペックシート、仕様比較、在庫情報、機能一覧、検索機能、他社製品との比較、など
サポート系 便利な使い方、上手な使い方、利用方法提案、用語集、FAQ、愛用者登録、故障かな?と思ったら、修理・メンテナンス、部品、消耗品、オプション、見積もり、リコール情報、CADデータ、設計支援、写真提供、製品安全データシート、ソフトウェア提供、デモ機貸し出し、取扱説明書、設置(工事)要領、使用方法説明動画、生産終了品リスト、レシピ集、着せ替えシミュレーション、カスタマイズシミュレーション、など
営業(代理店)支援系 提案資料集、販促ツール提供、代理店募集、販売店紹介、設置シミュレーション、など
信頼獲得系 お客様の声、事例集、開発者インタビュー、など
プロモーション系 電子カタログ、キャンペーン情報、クーポン、販促動画、広告ギャラリー、展示会情報、メールニュース、SNSアカウントへのリンク、ファン組織、関連製品へのリンク、新着情報、など

採用情報:キャリアパスの掲示がカギ

売り手市場に変化しつつある状況で、採用情報も問題の多いセクションだ。
製品情報と同様、大多数の求職者はリクナビ、毎ナビなどの採用情報ポータルで情報をチェックする。その後確認のために応募しようとする企業の採用情報をチェックしに来ている。その際に大切なのは、採用情報ポータルで提供したコンテンツと意味的に相違ない情報になっているかという点。

加えて、キャリアパスを掲示していない企業が多いことが気になるポイントだ。状況の変化や見直しが加わることで、キャリアパスで紹介されているような道筋が100%だとは言い難い。それでも彼らは、自分がどういう方法で職務経験ができるのか、出世できるのかに興味がある。

採用情報ポータルを使っているからという理由で、「募集要項」と「先輩の声」しかない採用情報は、求職者からの信頼を得られない。採用情報コンテンツも、求職者の声に耳を傾けるべきだ。

ニュース(トピックス):記事執筆の流儀を採り入れる

ニュースリリースを執筆する際に注意すべきポイントは、冗長な表現、事実はでない(将来の可能性)こと、文章の分類だ。
企業からのリリースが記事になる頃には、おおよそ文章量は半分程度に削られている。報道として伝えるためには、それほど無駄が多いということだ。

広報は、記者との関係が大きな部分を占めていたりする泥臭い世界ではあるが、いざ記者が記事を執筆しようとするときに、解読しなければならないようなリリースではせっかくの機会を逃してしまう可能性すらある。

広報担当者は、記者がリリースをもとに記事を書き進めていく「流儀」を学んでおくべきだ。

IR(財務)情報(上場企業の場合):情報の事前流出は防ぐ

WEBサイトから情報が事前流出するのを防がねばならない。CMSの普及で、決算短信など株価に影響する決算情報を公開予約することが多くなった。ここで注意しなければならないのは、公開予約したPDF資料などが公開領域にあり、しかも推測されやすいファイル名(tanshin-1401.pdfなど)になっていると、必ず事前流出する。

IR情報に限らず発表まで極秘の共同事業や新製品情報など、事前に公開してはならない情報はWEBサーバーの公開領域には置かないことだ。もし不安なら、WEB制作会社に確認することをおすすめする。

サイトとしての必須条件

ご利用にあたって、個人情報保護について、NotFoundページ(※)

権利関係について意識の低い中小企業で、理解されていないコンテンツの代表選手。タイトルにもあるように、とにかく「必須」だ。
とくに個人情報に関する規定(プライバシーポリシー)。2003年に施行された個人情報保護法で、5,000人以上の個人情報を保有する者は個人情報取扱者とみなされ、個人情報の取得にあたっての目的と利用方法を個人情報を提供しようとする本人に確認せよと命じている。
ということは、お問い合わせフォームを通じて個人情報を得る際には、必ず目的と利用方法を明示し、同意を得なければならないのである。

※存在しないURLにアクセスがあった際に表示するページのこと。URLが間違っていた場合や、ページがなくなった場合にNotFoundページを表示すれば、どこのWEBサイトであるか分かったり、リンクを伝ったり検索することでWEBサイトから離脱せず目的のページへ誘導できる可能性が高まる。

WEBコンテンツ企画について、もう少し詳しく
WEB制作実績

この記事に関するご質問やお困りごとのご相談も何なりと。
平田 弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。セールスライティング担当。好きな言葉は、「一生懸命が得意」

動画マーケティング成功事例 | イメージ改善で売上に貢献

ケーキハウス・ツマガリ「ラッピングギフトの現場」

動画:ツマガリTV「ラッピングギフトの現場」

動画マーケティングを成功させるために配慮すべきポイントを、当社のWEB制作実績を例に挙げてご紹介します。

売れる可能性を持った商品であるにもかかわらず、広い支持が得られていない。課題はシンプルで、WEBサイトでその良さを十分に伝えること。これを解決するための方法のひとつとして、動画コンテンツを検討します。

高速回線が普及し、動画をスマホで視聴することが多くなったこと※1、動画が商品購入に強く影響すること※2も分かってきており、動画マーケティングへの需要が高まってきています。この記事では、課題の背景から動画コンテンツ企画のポイント、既存のWEBサイトも含め効果を高める方法をお話しします。

※1:動画サイトでのスマホ率がPCに並んだ(2014年2月のニールセン調査)。
※2:オンラインショッピングサイトで動画コンテンツを視聴した訪問者の商品購入率は、視聴していない訪問者の2倍(米国の動画専門企業であるInvodo社実績)。

「おまけ」的な商品イメージを変えたい

動画:ツマガリ・ラッピングギフト

ケーキハウス・ツマガリのメイン商品は日本全国から支持され続けているお菓子であり、「ラッピングギフト」商品は、同梱されているクッキーを引き立たせるためのもの、といったイメージがありました。

クリスマス時期になると店頭に並ぶ、長靴に詰まったお菓子に代表されるように、一般的にお菓子に付いているプラスアルファ品は、「おまけ」程度にしか考えられていません。しかし実際のツマガリのギフト商品は、半年以上前から自社で企画し、製作も手がけるほど気合いの入ったもの。

パティシエたちがお菓子にかける情熱と変わらないほど真摯に向き合っているのです。「知る人ぞ知る」人気の存在であったにもかかわらず、WEBサイトでもお菓子の紹介ほど注力していなかったため、「ツマガリのギフト商品は良い」とまで認知はされていない状況でした。

この状況を変えるために、商品クオリティの高さを訴求するストーリーを持つ動画コンテンツにする必要がありました。

ツマガリはYouTubeに公式チャンネルを開設しており、動画によるマーケティング効果を理解されています。これまでにも津曲社長によるケーキの切り方コンテンツがYouTubeでフィーチャーされ、6万回を超える視聴回数を記録していたことも新規のコンテンツを制作するきっかけとなりました。

成功の法則:意外性をベースに据えると視聴時間は伸び、理解度は深まる

人は、それまで自分が持っていた感覚を覆されるような事実を目にすると、その事実に驚き、興味を持ち、確かめたくなります。このポイントを動画マーケティングでは外すことができません。

今回の動画コンテンツの意外性は、先ほどご紹介した「決しておまけではない商品レベルの高さ」です。オンラインショップのサポートを行っている当社のスタッフでさえ、この企画が持ち上がる前まではツマガリのオリジナル商品に対して、一般的な固定観念を持っているだけでした。動画マーケティングに取り組む前段階で商品ページの改善を行った際、商品に実際に触れたことでその意外性に気付いたほどでした。

この意外性(CONFLICT=自分のなかの既成概念を壊してしまうような葛藤を覚える感覚)を中心に据えるということで、動画マーケティングのコンセプトは固まったのです。

オリジナル性の高い商品、クラフト感を訴求

動画:ツマガリ「ラッピングギフト」

商品の特長を訴求するために、できるだけ多くの商品映像をクリップ。ケーキハウス・ツマガリのギフト商品は、担当部門のラッピングルームの女性スタッフたちが、「こんなアイテムがあったらいいな」を形にしたもの。また、長く使ってもらえるようにと使用する素材も「儲ける気がないのではないか?」と感じてしまうほどベストな選択をされています。このように商品力が強いので、できるだけ多くの商品、素材の映像をつなぎ合わせ、その優位性を紹介することにしました。

さらに、クロスステッチの刺繍やワッペンの切り抜きなどは自社で加工しています。こういったポイントも今回の動画マーケティングのコンセプトに合致したものであり、実際にスタッフが作業をしている手元の映像も盛り込み、「工房」といった雰囲気も演出しています。

ボケ感を大事にし、イメージ的な要素も盛り込む

雑貨アイテムの紹介には、心地よい雰囲気づくりが必須。書店に並ぶ雑貨アイテムの広告本も、浅いピントで背景を最大限にボカした雰囲気の写真が多く使われています。このような雰囲気が演出できれば、視聴者側でさらにイメージを膨らませてくれ、自分の暮らしのなかでの使用イメージまで広げてもらうことも期待でき、広告効果も限りなく高くなるのです。

これを実現するために採用したのは、独特のボケ感を醸し出すことのできる一眼レフでの撮影。被写界深度を浅くしボケ感を出すことで、心象風景的な映像を多くしました。

映像で雰囲気を伝え、音声でクオリティや思想を伝える

動画:ツマガリ「ラッピングギフト」

インタビューのパートは、アクセント的に最も大切なポイントだけを伝えます。

百戦錬磨の営業担当役員でも、やはりカメラの前では緊張するもの。俳優やアナウンサーのようによどみなく語るのはむずかしいものです。上手く語れるまで何回もテイクを繰り返し台詞は上手く言えたとしても、表情など映像の要素も絡むので、良い結果が得られるとは限りません。

インタビューパートは欠かせないポイントだけを採用するようにし、それ以外は、編集で音声をつなぎ合わせ、他の映像の背景で流すのが大切です。

冒頭にラッシュパートを作ることで、視聴時間を改善

TV広告でよく観る映画の予告編のようなラッシュ(いくつかの映像が細かく切り替わる)を冒頭に配置すると、動画全体を把握できる効果を生みます。一種の賭けでもあるのですが、ここで興味を持ってくれた視聴者は顧客になってもらえる可能性のある方であり、最後まで動画を見てくれます。ラッシュなしの映像と比較したテストの結果、最終的には全体の再生時間が23%も改善しました。

スチル写真との組み合わせで販売を伸長

最終的な目的は商品がより良く見え、数多くの販売ができること。今回の企画はラッピングギフト商品全般の紹介動画だったため、単体での商品紹介ページはありません。全体のキャンペーン企画ページが設定されており、動画コンテンツはその中に組み込まれています。

訪問者が動画を視聴した後にチェックする単品の商品紹介パートにいたると、それぞれがレベルの高い商品であることを証明するために用意された細部を拡大する写真が掲示されています。ここで改めて動画の内容を再確認した訪問者に購入を促していくのです。

まとめ

動画マーケティングツールとしての映像活用は、多くの可能性を秘めています。ほとんどの訪問者がWEBサイトのテキストを斜め読みするのであり(ヤコブ・ニールセン)、それに対応できるコピーライティングを行っていないと、訴求すべき内容がターゲットに伝わらないまま離脱されてしまうかもしれません。

それに対し、動画コンテンツではナレーションや音声、コピーを上手く盛り込み、最後まで見たくなる構成にすることで訴求したい情報を残らず理解してもらえる可能性があります。
さらに、今回ご紹介したようにWEBページとの連携を深めることで動画コンテンツは、マーケティング・ツールとしていっそう活用の幅が広がっていくのです。

取材・撮影について、もう少し詳しく
WEB制作実績
ケーキハウス・ツマガリ

この記事に関するご質問やお困りごとのご相談も何なりと。
平田 弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。セールスライティング担当。好きな言葉は、「一生懸命が得意」

キャッチコピーの作り方:ターゲットをとらえ、商品が売れる3つのポイント

たった1本のキャッチコピーが、高い広告効果を生む

キャッチコピーづくりの手順で悩んでいる様子

あなたのWEBサイトを初めて訪れたユーザーは、そのままとどまるかどうかを8秒以内に決めます。苦労して作り上げ、情報を盛り込んだあなたのWEBサイトはたった8秒で、読み手に見切られてしまうかもしれないのです。もしその原因が、ページ冒頭のキャッチコピーにあるとしたら?

WEBサイトの広告効果を高めるためには、キャッチコピーでどれだけ読み手の気持ちをつかむかにかかっているのです。この記事で紹介するポイントをおさえキャッチコピーを練り直す、手順を踏むだけで、ターゲットの滞在時間が長くなります。つまり、商品情報までじっくり読み進めてくれるようになり、驚くほど引き合いや注文を受けられるようになるでしょう。

※マイクロソフトが2011年に10,000以上のアクセスを記録した205,873サイトを調べた結果、訪問者はページにたどり着いて最初の8秒以内にページにそのままとどまるかどうかを決めるというレポートによる。

コピーライティングは、常にマーケティングの中心に

商品プロモーションは、すぐれたコピーライティングを中心に考えます。いくらテキストを読まなくなったとはいえ、アパレル商品などのイメージ戦略で推進できるものは除いて、写真集のようなカタログを作って商品が売れるでしょうか?WEBサイトに印象的な写真を掲示しておくだけで、新規の引き合いが取れるでしょうか?
やはりマーケティングの中心には、コピーライティングがあるのです。

広告効果を高め、売れる、引き合いをとれるWEBサイトにするには

商品を売るため、新規の引き合いを取ることを目的としたWEBサイトを運営されているなら、まず大切なポイントを2つ。

キャッチコピーづくりの原則 (1)抽象的な言葉は使わない。

キャッチコピーづくりの原則 (2)ターゲット視点で書くこと。

「世界が注目する画期的な新商品登場」的なキャッチコピー。
その商品を開発した、販売する人にとっては画期的なのかもしれませんが、ターゲットにはまったく響きません。なぜなら、彼らは何らかの課題を持ってWEBサイトをチェックしているのです。その商品を世界は注目するかもしれませんが、課題を解決してくれるかどうかを判断するには、あと10秒くらいかかりそうです。もうこの時点で時間切れです。

広告効果の高いキャッチコピーにするためには、ターゲットの何を解決する商品なのかを具体的に、明確に伝える方法をとることです。たとえば、

“3日後の彼氏との旅行に間に合う!即効ダイエット・プログラム”

 

たとえば広告のビジュアル「ダイエットで悩んでいる少女」

そんな上手い話があるわけないじゃない!、とツッコミを入れながらも、切羽詰った女性たちは次のリードコピーをついつい前のめりになって読んでしまうはずです。3日後に彼氏との旅行を控えた女性でなくても、ダイエットに興味のある方なら誰でも、です。

このキャッチコピーは読み手の感情に働きかけています。そう、大切なポイントその3、

キャッチコピーづくりの原則 (3)読み手の感情を刺激すること。

3つのPを解決する方法を差し出せば、読み手の信頼を得ることができる

人は、悩み(Pain)、問題(Problem)、苦境(Predicament)を解決できるものをつねに探しています。プライベートだけではありません。暗礁に乗り上げかかったプロジェクトを正常な状態に戻すため(苦境を乗り切るため)にプロジェクト管理ソフトを探したり、職場での人間関係を克服するための方法を探すためにアマゾンを訪問したり、対人関係改善セミナーに参加するのです。

よくできたキャッチコピーは、その人が近い将来なれそうな自分をイメージさせます。ダイエットプログラムのキャッチコピーは、ストレートに言ってはいないものの、行間に「3日後、さっそうと彼氏のクルマに乗り込むスラッとした女性の姿」が目に浮かぶようです。キャッチコピーは、その商品を使うことによって変わることができた、自分の姿をイメージさせることが大切なのです。

感情的な満足感を得れば、スムーズに購入に結びつく

人は何かを買うとき感情で決め、理性でその確たる理由を後付けで探しはじめます。冒頭のキャッチコピーやリードコピーでターゲットの信頼を得ることができれば、あとはあなたの商品が買うに値するまっとうな理由を差し出してあげるだけ。キャッチコピーで商品の良さに惚れ込んだ彼らは、自分を納得させるために商品説明をしっかり読んでくれます。
しっかり説得され、満足して購入したユーザーは、その商品に対して満足感を維持し続ける傾向があります。もし万一、商品に多少の不具合があったとしても、寛容な態度さえ見せてくれるようにさえなるのです。

とっておきのテクニック:ターゲットが好きな言葉を使おう

好きな言葉を聞くと嬉しくなる

TVCMで、80年代に流行った曲が流れることがありますね。なんで今さら?と思うなかれ、これはこの曲が流行った頃をよく知っている人、その頃がキラキラしていた人たちをターゲットにしているからです。大好きな曲を耳にすると、気分が明るくなったり、前向きになれたりすることがあるでしょう?

つまり、
流行った(ターゲットが好きな)曲が流れる → 気分が良くなる → 流れているTV広告の好感度アップ → 宣伝している商品も好きになる

ここでお伝えしたかったのは、

あなたの商品のターゲットが好きな言葉を使って、キャッチコピーを作る

ということです。
たとえば、40歳後半から50歳代前半の方がターゲットなら、「きらめく」「豪華な」「超一流」「希少な」「ゴージャス」なんていう言葉に反応します。それはバブル時代を経験しているから。しかもその時代は彼らにはずっと心に残るキラキラした思い出になっていて、その言葉を聞いただけでその意味を自分の経験に照らし合わせ膨らませてもくれるのです。

思い出して欲しいのは、冒頭でご紹介した(2)ターゲット視点で取り組むこと、です。
ターゲットはどんなことに反応してくれるか、好感を持ってくれるか、何が問題だと感じているのか、どういう言葉だと受け入れやすいのか。(2)ターゲット視点を大切にしたキャッチコピーを書けば、あなたの商品やサービスは何倍もの確率でターゲットの目にとまり、受け入れられやすくなります。

いろいろなメーカー系のシンクタンクなどがレポートを発表していますので、年代ごとの特徴を知りたい方は、サクッと検索してみてください。レポート内に分からない部分があれば、中途半端に分かった気分にならないで、とことん調べましょう。そしてどうにかして、その年代の気分に浸りましょう。そうすれば、ターゲットに何が好まれるのかが分かるようになります。

商品を売るためのキャッチコピーを書くのに、文才や優れた感性など必要ありません。有名なコピーライターが書いていなくても、キャッチコピーで爆発的に売れる商品はいくらでもあります。大切なのは、その商品を思う熱い気持ちとこれまでご紹介したキャッチコピーの作り方のポイント。真摯に取り組めば、優れた商品であることをターゲットはきっと理解してくれます。

キャッチコピーの作り方、ポイントまとめ

キャッチコピーの作り方、まとめ

キャッチコピーをひねり出すのは、楽な作業ではありませんが、効果が出始めると楽しくなってきます。ターゲットの気持ちになりきり、彼らの悩みを解決したり、好きな感覚を表現する。よく使う言葉をはさみ込みながら。そのフレーズでターゲットが「よく分かってるなぁ」と感じられると、続くリードコピー、ボディコピーや図表などにも目を配ってくれるようになります。新聞や雑誌の広告、TV広告のいわゆるイメージ戦略の中心となるキャッチコピーを作るわけではありません。多くの人がハッ!としなくても、ターゲットさえ前のめりになってくれれば大成功なのです。

  1. 抽象的な言葉は使わない。
  2. ターゲット視点で取り組むこと。
  3. 読む人の感情を刺激すること。
  4. ターゲットの気持ちを理解しよう。

女性誌の秀逸キャッチコピーから盗む!クリックさせるテクニック
WEBライティングについて、もう少し詳しく
フレイバーズのWEB制作サービス

この記事に関するご質問やお困りごとのご相談も何なりと。
平田 弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。セールスライティング担当。好きな言葉は、「一生懸命が得意」

入力フォームの改善で、コンバージョンが上がる5つのポイント

入力フォームの改善

お問い合わせをはじめとする、入力フォームのコンバージョンを向上させる改善ポイントがいくつかあります。当社がコンサルティングを実施したなかから、最適化にもっとも効果のあった点(総合的には平均15.9ポイントの改善効果)をいくつかご紹介します。

改めてまとめてみると、すべて「ユーザー・ファーストの視点」を持てるかどうかであり、運営者側の論理を排除すれば、訪問者が離脱せず気持ちよくフォームへの入力を済ませてもらえるようになるのです。

この記事では、今日からでも実施できる改善ポイントを5つにまとめて紹介していきます。

1.「お問い合わせ内容」は、最初の項目に

入力フォームの改善:お問い合わせ内容は入力フォームの最初に配置する

スーパーで買い物かごの中身をただ精算して欲しいだけなのに、いきなり名前を尋ねられても戸惑ってしまいます。「あなたは誰?」と。

でも、同じような作りになっている入力フォームがたくさんあります。製品やサービスを購入しようか迷っているときに、疑問点を解決するために問い合わせフォームに飛んだとたん、「あなたは誰?」と。

入力フォームでは、まず訪問者の言いたいことをきちんと聞くことから始めましょう。

そうすれば、訪問者も冷静に要領よくポイントがまとまった質問にしてくれるはずです。これは、コンサルティングの現場で私たちが良く使う手法のひとつで、まずは先方の言いたいことを聞き出す、思い切り話していただく。そのあとで初めて、私たちの意見を伝えるというように。

自分が言いたいことを受け止めてくれたのだから、次は相手の言うことにもじっくり耳を傾けてくれる、個人情報も我慢して入力してくれる・・・、「返報性の原理」の変形版と言ってもいいかもしれません。最初にしっかり質問内容を書き込むと、それを無駄にしたくないという心理も働きますから、運営者側に必要な項目にもしっかり回答してくれるようになるのです。

2.訪問者のミスを非難せず、受け止める

入力確認をしたとたん「エラー!」「NG!」。商品にせっかく好意を持ち、問い合わせしたのにがっかりした経験はないでしょうか?
たしかに必須項目に入力がなかったり、メールアドレスの書式が間違っていたりする「エラー」ではあるのですが、これは運営者(システム担当者)側の論理であって、訪問者視点によるものではありません。

訪問者のなかにはPCが苦手な人もいるし、疲れていてミスることだってある、何より分かりづらい位置に「個人情報保護に関する同意」へのチェックボックスがあったりするのは、もう相手のミスとは言えないでしょう。避難されるべきは、むしろ運営者側と感じるべきです。

入力フォームの改善:未入力項目は、すぐに知らせてあげましょう

相手の失敗をあげつらうより、ミスを吸収してあげる方がいいに決まっています。たとえば、Googleはスペルミスをしたまま検索しても、

「もしかして : ○○○?」

って聞いてくれるでしょう?あれと同じです。未入力項目があれば、次の項目を入力する前にさりげなく教えてあげる、システムで処理できることはシステムで処理するなど、入力の間違いをなくし、楽にする最適化の方法はいくつもあります。

必須項目の入力がないまま次の入力項目にフォーカスが移ったら、必須項目への入力が抜けていることをすぐ伝える。

訪問者のPC側で動作するJavaScriptというプログラムを仕込めば、抜けがあった場合瞬時に注意喚起することができます。当社が制作した例では、真っ赤なポップアップウィンドウが表示され、「必須項目です」と入力を促しています。これだけで必須項目の抜けを改善することができ、大きな効果が上がります。

メールアドレスの書式に代表される全角半角文字は、プログラム側で変換。

HTMLの制御で、半角しか受け付けないものがありますが、これはやめておいた方が良いでしょう。PCにメールアドレスを辞書登録している(「めーる」「あどれす」などを変換)人にとっては、半角しか受け付けないフォームは迷惑以外の何ものでもないからです。

プログラムで制御できていないからなのでしょうか。顧客候補と唯一のコミュニケーションツールである入力フォームで、面倒さを感じさせてしまうのは、顧客視点に立っていないということができるでしょう。細かなポイントではありますが、こういったことの積み重ねが効果を上げていくのです。

個人情報取り扱いへの同意に対するチェックなどは、枠囲みするなどして強制的に注目させられるように。

入力を終えたあとで、確認ボタンを押したとたんにエラーになることが最も多いのが、この件です。これを回避する方法として、下記を実施してください。

  • 個人情報の掲示、同意チェックをフォームの最初に配置。
  • 他の項目とは異なる体裁で、目を引く工夫を。

3.SSL導入は、個人情報の取り扱いにシビアな訪問者にできるアピールポイント

入力フォームの改善:SSL利用をアピールしよう

個人情報の漏洩に関する事件は、ニュースが必ず大きく取り上げられます。ほぼすべてのフォームは、個人情報を入力してもらうためにあるのですから、このポイントに対する配慮は必要です。

一般には、SSLについて詳しく知っている人は少ないけれど、「何らかの作用があって、自分の個人情報を悪いヤツから守ってくれる」ことを知っている人は多くなってきました。ということは、「このフォームに入力されたお客様の個人情報は○○○社のSSLで暗号化されます」と掲示するだけで、安心感と信頼感は増すわけです。

訪問者の多くは、どこのセキュリティ会社が安心だなどという知識までは持ち合わせていません。どこのSSLサービス提供会社のものであってもいいのです。いまお使いのレンタルサーバーに共用SSLの機能があるのなら、それでも問題はありません。共用SSLだとURLが途中で変わってしまうので・・・と思われる方もおられるかもしれませんが、事前に「URLはこうなりますが、心配はありません」と伝えておけばいいだけの話。要は、入力フォームの作り方に気遣いがあるかないかの問題なのです。
年間数千円でその効果を買えるのなら、安いものだと思いませんか?

4.「修正する(リセット)」ボタンは設置しない

入力フォームの改善:リセットボタンは設置しない

入力フォームの初期画面にある「修正する(リセット)」ボタンを間違ってクリックしてしまうと、せっかく入力した内容がすべて消えてしまいます。
こういったケースを引き起こしやすいのは、「入力内容を確認する」ボタンが左側、「修正する(リセット)」ボタンが右側に配置する作り方をしている場合。WEBサイトでは「次に進む」方向は右側となっていることがほとんどなので、右側にあるボタン=次に進むための手段と捉えることが多いのです。

「やっちまった。もう一度入力し直すか」
と再度トライしてくれる訪問者もいる、などと思わないでください。

そもそも、その「修正する」ボタンは何のためにあるのでしょうか?どう考えても私には必要なものには見えません。不要なもの、ミスを起こすようなものは排除しておくのがコンバージョン率を上げるための鉄則です。

5.フリーのフォームは、使わないのがスマート

ネットにフリーで配布されていたり、レンタルサーバーの機能としてついているフォームは、PHPやCGIがカスタマイズできる人にとっては、費用がかからず最高に思えるかもしれませんが、あくまで「動く」ことだけが主眼になっているのであって、訪問者に対する「おもてなし」の配慮などありません。
ましてや、WEBサイトのフォーマットを組み込まないで稼働させてしまうと、入力フォームに飛んだとたんにダサダサのデザインになっていたりして、せっかくいくつものハードルを越えてたどり着いたリニューアルが台無しになってしまうのです。

入力フォームの改善について、安易に考えないでください。入力フォームは、顧客や顧客候補と接するための唯一の手段なのです。訪問者は、細かなところでこの企業が信用できるかどうかチェックしています。WEBサイトのもっとも大切なところで、手間やコストを惜しんではいけません。入力フォームは自前で作ろうなどと思わず、リニューアルを担当したWEB制作会社にカスタマイズを依頼し、きちんとした最適化をしてもらいましょう。

早く連絡をとりたい人に向けた、FAQへのリンクやショートカットを設ける

ユーザー・ファーストで入力フォームを改善しよう

入力フォームとは直接関係はありませんが、大切なことなのでもうひとつだけ。
WEBサイトの大きな目的のひとつは、顧客や顧客候補とコンタクトをとること。緊急を要する場合や何らかの理由で入力できない、したくないなどの理由があり、電話をはじめとするその他の手段で連絡を取りたい人もいる。こういったリクエストにも対応できるよう、入力フォームの上部に問い合わせ窓口や営業拠点の電話番号を掲示しておきましょう。

FAQ集へのリンクを設けることも検討しましょう。
FAQで課題が解決できれば運営者側の不要な手間を省けるという意味もありますが、顧客や顧客候補の課題を早く解決してあげるために、です。顧客候補リストが作りたいのだから、そんなことをしたら元も子もないじゃないかと言う人がいますが、そんな浅薄な考えで顧客候補リストは集まりません。

WEBサイトは、ユーザー・ファーストの思想で考えること。そうでなければ、そもそも訪問者は集まってきてくれませんから。

WEBサイトの改善について、もう少し詳しく

かわいい子には、旅をさせよ

つい先日、若者を業務関連のセミナーに参加させました。
我々の業界、同業者と接触する機会があまりなく、ふだんは狭い世界で生きています。今回のセミナーは、同業者が主催する実践セミナーでしたので、若人たちは大いに刺激されたようで、帰社後さっそく内容を熱く語ってくれました。

数ヵ月前から、当社では「明文化ミーティング」と題して、業務をマニュアル化する試みを始めました。業務の効率化を図るとともに、その質を均一化できるようにするためです。
セミナーに参加した彼らは、

「今日勉強したことは、まさに明文化しようとしていたことなんです」
「うちの業務に採り入れようと思います」

などと、前向きな発言が飛び出すほど。
同業者が何を考え、行動しているか垣間見ることができたこと、業務に役立つテクニックを吸収できたこと。いろんな意味で、かわいい子に旅をさせたのは成功だったなと思います。

何に対しても刺激にならなくなってくると、歳をとった証拠です。
私も、いつまでも「へぇ~!」「なるほど!」「すごい!」と言えるようにしようと誓ったのでした。

※当社がお客さまにお送りするご請求書に同封するお手紙の内容から(2014年4月)

仕事を超える仕事

先日、甲南大学のマネジメント創造学部に取材で伺った際、佐藤学部長と学舎の設計にあたった日本設計の小泉さんとの会話に印象的なことがありました。

設計にあたって、日本設計のチームは佐藤学部長のリクエストに応え続けるのはもちろん、期待以上のクリエイティブ、提案を行われたそうです。その当時を振り返り、学部長は

「彼らは、仕事を超えることをやろうとしていた」

と語っておられました。

それを聞いた瞬間、私は「やられた!」と感じました。

クライアントからの感謝の気持ちを伝える言葉で、これ以上のものはありません。
自分は、そのような仕事をクライアントに提供できているだろうか。すべての仕事に、それだけ注力し切れているのだろうかと。
同席していた当社の幹部も、同じことを考えていたそうです。
いつか、いつかこの最上級の褒め言葉をもらえるようになろう。彼女とそう話しながら帰路についたのでありました。

みなさま、もう少しお待ちください…。

※当社がお客さまにお送りするご請求書に同封するお手紙の内容から(2014年3月)

ファイル改ざんにご注意!

ファイル改ざん検知:F-PAT【ファイルパトロール】
自社開発した、WEB サーバーのファイル改ざんを監視するシステムを先月末にリリースしました。昨年、日本で1,000 件以上もファイル改ざん被害があり、ウィルスを埋め込まれる事件に発展しています。

悲しいかな、どんなにセキュリティレベルを上げたとしても、ハッカーからWEB サーバーを守ることはむずかしいというのが現状。そうなら、やられた時にできるだけ早く察知して、対策を急ぐようにしましょう、そのためにWEB サーバーでの異常をいち早くお知らせしますよ、というのが当社の新サービス、「F-PAT【ファイルパトロール】」の主旨です。

当社と同じような制作会社にも担いでもらおうと売り込みをかけているのですが、当社のスタッフが電話番号を調べようと、ある制作会社のサイトにアクセスすると、突然のアラート!

な、な、なんと、そのサイトに、ウィルスが埋め込まれていたのです。

スタッフのPC は事なきを得ましたが、どうしたものでしょう。お客さまのサイトを守るべき会社のサイトにウィルスとは。
前述したように、ほんとうに身近でファイル改ざんは起こっています。訪問者の方々にウィルスを感染させるなどという、不名誉な事態を避けるために、月1,000 円は安いと思います。

今月は、セールスに徹してしまいました。すみません。

WEB改ざん検知・F-PAT【ファイルパトロール】

※当社がお客さまにお送りするご請求書に同封するお手紙の内容から(2014年2月)

フレイバーズのWEB制作サービス