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文章校正のコツ~精度を上げるために必要な6つのこと

文章校正のコツ

WEBサイト制作のなかで、重要なプロセスである文章校正。日々の作業でありながら、思わぬ場面でチェックミスが発生してしまいがっくりと肩を落とした経験がある方も多いはず。
今回は私たちが実践している、たった6つのコツをおさえるだけで、文章校正の精度を限りなく100%に近づけるポイントをご紹介しよう。

それでは、作業を進めるための準備(心構えに近い)に関するポイントからミスをなくす実践的な文章校正のコツをていねいに挙げていこう。

[準備段階のポイント]

1.モニターでなく、プリントアウトで必ずチェック。

文章校正の精度を上げるためには、これ外してはいけないほどの鉄則。モニターでの校正は、視認率が約25%下がるため、必ずプリントアウトしたものを用意すること。
同時に、モノクロでプリントアウトすることで、文字の色や背景色とのコントラストなどから視認性も確認することができる。モノクロで見てコントラストが低いと感じたら、視覚障害者や高齢者にとっては読みにくいデザインといえる。

2.チェックのベースとなる原稿を再確認。

当たり前のようで意外に多いミスが、照らし合わせる元原稿が最終原稿でないということ。制作段階で何度も文章チェックが入り、書き直される途中で、どの原稿を頼りにすればよいのかが分からなくなることがある。念には念を入れて、自分の手もとにある原稿が最終版であることを確認し、確信をもって作業に取りかかれる準備をしよう。

[文章校正6つのコツ]

1.チェック項目を切り分ける

プリントアウトでチェック

一回の文章校正だけですべてを完璧にしようとすると、どうしても注意散漫になってチェックもれが生じてしまう。校正のクオリティを上げるコツは、同じ要素だけを何回かに分けてチェックしていくことだ。
たとえば、最初は数字だけをチェックして、次はカタカナ言葉だけ見ていく、といった具合。
また、文章内容についての校正は別手順と考えること。文章を意味として捉えてしまうと、どうしても文字表記の校正はおろそかになる。内容チェックとは切り離して、文字を記号と捉えて校正するべきだ。

2.音読しながら校正する

脳というのは、同時に複数のことを行うと活性化されるらしい。文章校正の際にも「読む」という行為だけでなく、複数のチャンネルを駆使することで精度はさらに向上する。
「声に出して」読みながら「読む」。さらに注意が必要な箇所であれば、手で文字を「書く」マネをしながらチェックする。これであなたの文章校正クオリティは数段パワーアップする。

3.自分がミスしやすい傾向と対策を知る

過去に自分が見落とした部分を思い出してみよう。テストと同じように、誰にでも苦手な傾向があるものだ。自分がミスしやすいポイント、自分の文章ならキーボードの打ち間違い癖を書き出してみる。
そして、そのポイントに来たら入念にチェックすること。たとえば、「3」と「8」、「制作」と「製作」など。そういった傾向を書き出すことで、失敗しやすいポイントも見えてくるだろう。

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文章校正のコツ~精度を上げるために必要な6つのこと、後半は

「4.違う目、違うタイミングでダブルチェック」へ

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ネットショップ運営に必要な3つの視点

「もう今月は買うつもりなかったのに、思わず買っちゃった!」

ネットショップの運営で成功する!

そんな経験をしたネットショップには、見れば見るほど「売れるノウハウ」が詰まっていることが多い。星の数ほどある通販サイトのなかで確実に売れているショップには、それだけの工夫と努力が積み重ねられている。
筆者がハマってしまったオンラインショップも含めて、運営の参考となるいくつかのテクニックをご紹介しよう。

ショップ運営に必要な視点(1)

その商品を購入すると、どんなベネフィットがあるのか?

ネットショップで爆買い!

ネットショップに商品とスペックを並べるだけで、物が売れると思っていないだろうか?顧客は、自分が抱える悩みや辛さが解消してくれるか、とても幸せな気分になれそうだと感じなければ、カートボタンなど押してくれないのだ。

たとえば、あなたがタオル専門オンラインショップの運営者だとしよう。
「オーガニックコットン100%、肌触りバツグンのバスタオル」。これでは単に商品のスペックを紹介しているに過ぎない。
それに比べて、

「オーガニックコットン100%のバスタオルだから、あなたの赤ちゃんがこのバスタオルにぷにゅぷにゅほっぺをくっつけたとたん、すっと表情が明るくなるのが分かるでしょう」

と紹介されていると、お母さんはその表情を見たいと思ってしまうだろう。
これが顧客にとってのベネフィット。

ポイントは、できるだけ具体的にターゲットを決めること。そうすれば、イメージがわきやすい。そして、人生がどれだけ素晴らしくなるかを鮮明に描いてもらえるコピーで商品を紹介しよう。

事例:その1 「ほぼ日ストア」

ネットショップ事例:ほぼ日

ご存知、糸井重里さんが運営している「ほぼ日ストア」のほぼ日手帳は、このネットショップの中で最もコンバージョンレイトが高い商品のはず。
筆者も2回ほど購入したが、上手く使いこなせずに挫折した組。それでも、ネットショップで見るたびに「やっぱり買おうかな」としつこく思ってしまうのはなぜなのだろうか?

たとえば、みんなの使い方コレクションでは、
「将来、成長した娘にプレゼントするための手帳」や「思わず読みふける映画手帳」といった、使い方アイデアが山盛りで紹介されている。1日1ページ分の手帳は、シンプルな余白に自由に書き込んだり貼り付けたりできる構成。1年分の思い出や、取り組みの成果を文庫本サイズに凝縮することで、使い終わった後にも、さらに価値が増幅するように感じられる演出が冴えわたっている。

事例:その2 ケーキハウス・ツマガリ

ネットショップ事例:ツマガリ

一般的に、ネットショップでの購入数を増やすにはページビュー数がKPI(Key Performance Indicator)と言われており、ショップ運営者はページビュー数を増やすことに日夜苦心している。しかしそうとばかりは言えない事例がこれだ。「お客さまの声」もかなり重要な数値なのではないだろうかと。

兵庫県西宮市にある洋菓子の名店、ケーキハウス・ツマガリのオンラインショップ。実は、ネットショップ運営のお手伝いをしているのは当社だが、ツマガリファンの情熱にはいつも驚かされるばかりなのだ。
商品紹介ページの下に設けられた「この商品を食べた感想をお書きください」というボックスに寄せられるご意見、ご要望の熱いこと。

「47年間生きてきて、一番おいしいクッキーでした」
「皆さんの感想が本当なのか購入したら、マロンパイのあまりの美味しさに感動しました!」

という声はまったく嘘偽りのないそのままのもの。

そして我々が気づいたのは、お客さまの声の数が購入率に関係しているということだ。ショップ運営者が語る商品紹介よりも、実際に購入したお客さまの声ほど説得力のあるコンテンツはないのである。

ショップ運営に必要な視点(2)

おもてなし精神を発揮する

リアルの店舗のように、お客さまのすぐそばにいるかのような接客がネットショップの大きな課題だ。サイトの運営者は訪問者の心の動きを予測し、必要とされる情報をタイムリーに提供することが成功の鍵となる。
ネットショップでは、さり気なく欲しい情報をお客さまに差し出す。逆に、差し迫って必要のない情報は、邪魔にならないように掲示する。実店舗に迫るおもてなし精神は、必ず訪問者に伝わるものだ。

事例:その3 ディノス・オンラインshop

ネットショップ事例:ディノス

たとえば、リンクボタンだけにフォーカスして、さまざまなネットショップを眺めるのもいいだろう。
使い勝手の悪いショップほど、リンクボタンやバナーが我先にと言わんばかりにガンガン主張しているものだ。
洋服や家具など幅広い商品を扱うネットショップ「ディノス」の商品詳細ページは、文字サイズや余白のバランスなど、細かな部分で使い勝手が考慮されている。
「カートに入れる」ボタンの次に目につくのは「お届け日/在庫確認」。リアルの家電量販店などで「今ご注文してもらったら、今日中に配達できますよ」と店員が背中を押すトークと同じようなものだ。
逆に、周辺情報である「お支払い方法」などは控えめ。目立たないけれど、すぐに見つかる位置に配置されている。

そういった細やかな配慮ができるかどうかは、ショップ運営の熱い思いはさておき、どこまで顧客目線に立てるか。そうすれば、情報の優先順位は自ずと見えてくるはずだ。

ショップ運営に必要な視点(3)

決して値段で勝負しない。

ここまでご紹介したとおり、結局のところ安いだけでは顧客は買ってくれない。あなたのネットショップにアクセスして、わざわざ送料を払ってまで注文しようと思わせるには「その店でわざわざ買う理由」が必要なのだ。

「私が知る限り、5本の指に入るほど美味しい」コーヒー豆。

このコーヒーショップの店長は、世界各地を旅しておいしいコーヒーを知り尽くしているという。その店長が、そこまで絶賛する豆をコーヒー好きのあなたはスルーできるだろうか?

「タイムマネージメントが上達する手帳」

世界一のコンサルティング会社が考案した、この手帳を時間管理に悩むあなたは、いくらでもいいから売ってくれと思わないだろうか?

ある分野を極めた専門家の言葉に、私たちは全幅の信頼を置く。さらにそこにストーリーが加わることで、値段や送料といった「ささいな」ハードルを難なくクリアさせてしまう「買う理由」が生まれるのだ。

事例:その4 土屋鞄製造所

ネットショップ事例:土屋鞄

興味をそそられるハウツーコンテンツは、幅広く訪問者を集める手段でもある。
上質なレザーアイテムを揃える土屋鞄製造所の「革のこと」は、革製品のケア方法を教えている。「雨の日対策」や「色移りのケア」など、カバンを買うつもりでなかった人も、ノウハウとともにネットショップの存在や商品を知ることになる。

また、職人魂が感じられるコンテンツ「工房よもやま」では、カバンの種類によってミシン針の太さが何種類も揃えられていることや、お役ご免になったランドセル持ち手の抜き型が食堂の扉に使われている話などが美しい写真と共に紹介されている。

革製品について専門性の高いネットショップ、情熱ある革職人がいる価値あるブランド。初めての訪問者にそんなイメージを印象づけられたら、顧客候補となり得るだろう。

事例:その5 ギフトショップCOCOMO

ネットショップ事例:COCOMO

商品紹介ページを読むだけで、センスのよい理知的な店員さんの顔が思い浮かぶネットショップが「ギフトショップCOCOMO」。
ギフト商品に的を絞ったECサイトだが、商品説明がとても丁寧に書かれており、「きっとここの店員さんは誠実なのだろう」と思わせる。

ちなみに、筆者が購入したのはウサギのスタイ(よだれ前かけ)。ベビー服に消費者が求めることは、安全性と大人が喜ぶ可愛らしさである。
デザイン性に加えて、オーガニックコットンに早くから取り組んでいた店の製品であること、紡績から縫製まですべてが日本製であること。お洗濯の注意点も細かく紹介されている。

特にギフトとして購入する場合は、贈った商品が本人の価値を上げてくれる品であることが重要だ。商品のクオリティが親切丁寧に書かれていることで、顧客は安心して購入することができるのだ。

ショップ運営に必要な視点

まとめ

こうやって、いくつかのネットショップを眺めて分かることは、どのショップも、徹底的にお客さま視点に立ち、お客さまの都合で物事を考えているということ。言葉にしてしまうと簡単に聞こえるが、それはなかなか簡単ではない。

では、いかにしてお客さま視点に立つことができるか。筆者がお薦めするのは、自分が積極的に顧客になってみること。自社商品はもちろん、気になるネットショップで実際に買い物をしてみる。話題のショップがあれば足を運んで、そのサービスを体感してみる。心地よいサービスや商品、逆に気に入らなかった店について分析しまくる。地道なしつこさが、あなたの消費者感覚を鋭くさせてくれるはずだ。

EC-CUBEで制作する、はじめてのネットショップ
サイト運用・管理サポート
WEB制作実績

この記事に関するご質問やお困りごとのご相談も何なりと。

植松 あおい

株式会社フレイバーズ専務取締役。セールスライティング担当。フラダンスに命かけてます。

 

質問のコツを習得し、良い協力会社を探す3つのテクニック

質問のコツ

初対面の相手に漠然とした質問を投げても、相手から学ぶべき答えは返ってこない。自分が引き出したい本質的な回答を得るためには、周到な準備とコツが必要だ。漫然と相手の話を聞くだけでは、これまで以上の結果を望めるはずはない。
この記事では、近い将来ガッツリと良好なパートナーシップを築ける協力会社を探すための3つのテクニックを伝授したい。

ビジネスはより複雑になり、高度なバリューチェーンの構築が長期的な事業存続のためのポイントにもなっている。
現在付き合っている業者に不満を持つ上司から、早急に新たなパートナーを探すよう命じられた。あなたは最良のパートナーシップを築ける協力会社を探そうと時間をかけているが、せっかく初回のミーティングにこぎつけるも、有力候補と考えていた会社の担当者から引き出せたのは、概要的な情報のみ。
あなたがどれだけ思い入れていても、上司からはダメ出しがあるのみだ。

打ち合わせの席に現れた相手がフランクな性格で話が盛り上がったとしても、振り返ってみると本当にこの会社と付き合って大丈夫かは何となく疑問のまま。結局のところ、知るべき本質的なポイントがうやむやのままだったでは、時間を無為に過ごしたことにしかならない。
この記事は「話を盛り上げ、本音を引き出すテクニック」ではなく、ロジカルに「自分が得たい回答を確実に相手から引き出すコツ」集であり、上司からのダメ出しから逃れるテクニック集だ。

(1)採否の基準を明確にし、初回打ち合わせ前に質問しておく
(2)質問への回答と、描いていた理想とのギャップを確認
(3)細かなズレを避けるための質問を繰り返す

相手が用意する回答の精度を見るコツ

気の合う相手を探すのも大切なことではあるが、それだけに偏っていては自社にとってよろしくない。採用の基準が曖昧で、人(あなた)に属しているからだ。これを避けるためには、採否の基準を明確にしておくこと。
まず、あたりまえのことではあるが、アポイントをとるときに前もって打ち合わせの主旨を伝えておきたい。また、必ず得ておきたい情報の内容を伝え、回答を打ち合わせ時に説明してもらうようにする。その精度や力の入れ方で相手の本気度を測ることもできるからだ。
その回答があなたの予想を超えたものであるうえに、背伸びをしなくても付き合っていけそうであれば採用の可能性も一気に高まる。打ち合わせ後に追加でされた提案は熱意が感じられるし、クライアントと「寄り添おう」という気持ちの表れでもあるので評価ポイントを高く考えるべきだ。

自社が必要とする理想型を描いておく

あなたの会社にも「最良のパートナーには、こうあって欲しい」という理想があるはずだ。
だから最初にあなたがすべきなのは、自社が付き合うに値する会社かどうかを見極めるための質問と、模範解答(理想型)を用意すること。

たとえば、リスク時にもしっかりサポートをしてくれるWEBサイトの管理会社を探しているとしよう。この要望を伝えるための質問は、

「営業日外に突発的な事故が当社にあった場合、それをサポートする体制はどのようなものですか?」

そして、あなたが思い描いたパートナーの理想型は次のようなものだ。

思い描いた理想のパートナーの働きの図

話を聞くために招いたパートナー候補が提示してくると思われる回答にもバリエーションを持たせておく。

(1)24時間体制でサポートセンターが稼働しているので、問題はない。
(2)年末年始以外は誰かが出勤しているので、問題はない。
(3)時と場合によるが、携帯に連絡をもらえれば必要なスタッフを招集する。
(4)営業日外は対応できないので、翌営業日での対応となる。
(5)その他、予想できなかったもの。

引き出せそうな回答を前もって考えておくことは、すでにお伝えした。では、なぜそれが必要なのだろうか。
それは、招いたパートナー候補のランク付けをするためと、理想に近い回答を提示した者が、表面的にではなく、ほんとうに自分たちの理想に近いかどうかを見極めるための次の質問を浴びせるためだ。

事前に提示した質問に対する回答は、優等生なものが多くなるはず。金太郎飴のように感じる似たような回答ばかりを引き出してしまい、最終的には鉛筆を転がして新たなパートナーを決めるといったことは避けなければいけない。そのためには、微妙な考え方のギャップも見逃してはならないのだ。

心地よい言葉の裏をチェックするコツ

質問のコツ

24時間体制やほとんどが営業日なので問題はないといった回答は理想に近く、安心できそうに感じてしまう。しかし、ほんとうにあなたが望んでいることを担ってくれる体制といえるのだろうか。出勤している「誰か」やサポートスタッフは緊急時の対応に長けているか、そうでなければ高度な対応ができるスタッフをどのような方法で招集するのか?

「もし、うちの工場から出火すれば、広報スタッフは緊急招集されます」

受け答えとして予想されるのは、
(1)「ははぁ、夜中でも?たいへんですね」
(2)「サポートセンターと私にもご連絡ください」
(3)「そのような場合も、とりあえずサポートセンターにご一報ください」
(1)は論外として、(2)は緊急時なのに、なぜ2件も連絡しなければいけないのか。サポートセンターから自動的に伝わるようになっていることがふつうだろう。

あなたはこう続ける。

「すぐに状況を把握して、早い段階でリリースを出すルールになっています」

(1)「レベルの高い緊急時なので、とにかく早い第一報が必要ですね。断片的な情報でもいただければ、当社でまとめてリリースを出すこともできます」
(2)「リリース原稿をいただければ、サポートスタッフが公開します」

「緊急時なので、リリースの作成までサポートしていただきたいのですが」 と突っ込むと、(2)の回答はこうなるだろう。

(1)「リ、リリースの作成までは難しいかと」
(2)「専門のスタッフが到着してからではダメでしょうか」

「一刻を争う緊急時なので、外部のお力も借りるべきではないかと考えているんです」

(1)「社内で検討してから回答します」
(2)「専門スタッフの常駐が必要になると、平常時にも高いコストがかかります。レアケースのために高いコストを永続的に払うよりも、御社内から情報を更新できるようにCMSを導入するのはどうでしょう。断りを入れておけば、緊急時の第一報はあとで訂正も効くはずです」

多少の推測が入っているものの、(2)の回答はロジカルだし、新たな提案も入っている。次の質問を繰り出そう。

「リスクマネジメントに対する知見は、社内に蓄積されていますか?」

ここで即答できる会社は、ほぼ専門サービスと言っていい。一般的には、持ち帰って後日の回答となるだろう。

まとめ

今までみてきた質問のコツは、パターンを変えれば協力会社を探すためだけではなく、他の仕事にも応用できるはずだ。要するに、質問する前にあらかじめ自分のなかに理想型を描いておき、回答が理想型からどの程度の距離にあるかをチェックするのが一次チェック。理想型との距離が近くても、細かなところで考え方に相違があってはいけないので、用意しておいた「ツッコミ」質問をぶつけてみる。その回答次第で、さらに深い質問を続けていけば、不安は払拭され、新たな学びも得られる可能性もあるのだ。
これは、問いつめるための武器を持つということではない。対応する相手に公平に機会を与えるためであり、敬意を払うことにもなる。ぜひ何かの機会に、「質問のコツ」を実践してほしい。

WEBコンテンツ企画について、もう少し詳しく
WEB制作実績

この記事に関するご質問やお困りごとのご相談も何なりと。
平田 弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。セールスライティング担当。好きな言葉は、「一生懸命が得意」

インタビューのコツを、たった3分でつかむ方法

インタビュー時のマイク

能面のような表情にさえ見える相手のバリアを解除して、腹の底に横たわっている本音を引き出せれば!と感じたことはないだろうか。この記事を偶然見つけたあなたは、非常にラッキーかもしれない。私たちが15年以上もWEB制作会社を運営するなかで培ったノウハウを公開しようというのだから。

具体的には、新たなコンテンツを立ち上げる際に、製品やサービスの開発担当者やトップマネジメントにインタビューを行う。彼らから根掘り葉掘り聞き出すコツとそれをまとめるための手法を紹介したものだ。
おそらくこの記事を斜め読みした3分後には、あなたのなかに「!」マークがポンと飛び出していることだろう。

インタビュー・取材を成功させるコツとは?

「取材相手によって、いい話が聞ける時と上手くいかないことがあった」
「話好きの相手のペースにハマってしまい、本当に聞きたいことを質問できずにインタビュー時間が過ぎてしまった」
そんな苦い経験がないだろうか?

さっそく、聞き手のペースで興味深い話を引き出し、限られたインタビューの時間を有効に使うためのコツをご紹介しよう。

コツその1 : 予めゴールを準備しておく

インタビュー時にはメモ!

いいインタビュー記事に仕上げる最大のコツは、取材当日までにあらかじめ自分のなかでストーリーを用意しておくこと。取材しないと、どんな内容になるか分かるわけないじゃないか?と思われた方がいるかもしれない。しかしそれは大きな間違いだ。
まずプロは、インタビューの前にしっかりと情報を収集する。そして読者が興味深いと感じてくれるようなコンテンツの組み立てまでしてから取材に臨むことが多い。行き当たりばったりでインタビューを行っても、面白い話が聞けるかどうかなど2階から目薬を差すほど難しいことを知っているからだ。

あらかじめ用意するコンテンツは、大枠でよいので話の流れを決めておいたもの。もちろんコンテンツとなるインタビュー記事は、運営者の意図を反映したテーマにそった話の流れ、「理想」にしておく。そうなれば、このテーマで質問したい、具体的なエピソードや相手ならではの言葉を加えたい、というような質問の組み立ても用意できるようになる。

では、ライブ感が多少失われても、取材前にストーリーを組み立てておくメリットとはどういうものだろうか。

1-1. いちばん伝えたいメッセージを絞ることができる。

小説、新聞記事、ラブレター(もう死語かもしれない)・・・。形はさまざまでも、心に残る文章は伝えたいテーマが明確になっていて、メッセージは1つに絞られていることが多い。インタビュー記事でも同じように、もっとも伝えたいメッセージを中心に置いて、そこに枝葉の部分を肉付けしていく。メッセージがブレないようにするために、どんなストーリー構成にするかを大まかに決めておき、取材当日はその確認作業を行うつもりで臨む方がいい。

1-2. 質問がブレなくなる。

インタビュー時の必需品、レコーダー

伝えたいメッセージが明確になっていると、インタビュー時に相手からどんなコメントを取りたいかが見えてくる。
よくある失敗パターンは途中で話がそれてしまい、メインテーマとは異なる話題で盛り上がってしまうこと。心地よく話してもらうために、取材相手を盛り上げることも大切なコツだが、大切なコメントを聞き出せないで時間終了となっては、本末転倒。その場でしか聞けない話はもちろん尊いものだが、一時的に脱線しても、聞きだすべき答えをしっかりもらっておくようにしよう。質問リストを作っておくのがおすすめだ。

 

1-3. 大切なコメントを引き出すためのヒントを用意できる。

理想型を描いていたとしても、取材相手はこちらの意図どおりにはなかなか答えてくれない。簡単には心を開いてくれなかったり、当時のことを忘れてしまっていたり、質問の意図を理解してくれないといった現実も待っている。

あなた: 「30回も失敗したのに、よくまだチャレンジしようと思われましたね?」
相手:  「そうなんだよね。今だったらもう諦めてるかもね(笑)」
あなた: 「何が背中を押してくれたんでしょう?」
相手:  「昔のことだからね、何だったっけ・・・」
あなた: 「・・・・@@;」

事前に下調べをしておけば、相手に意識させることなく、スムーズにエスコートすることもできる。

あなた:  「その頃にちょうど初めてのお子さんが産まれたとか」
取材相手:「あ、そうそう!子育てで疲れていた妻のひと言がいいヒントになった」

備えとコツがあれば憂いなし。インタビューの主導権を握るためには、事前準備が成功に導いてくれる。

「でも、実際に会ってみると、話がぜんぜん違っていたら・・・?」
まったく問題ない。たとえ計画どおりに進まなかったとしても、設計図があれば、何も準備しなかった場合よりずっと次の手が打ちやすくなるものだから。

インタビューのコツを、たった3分でつかむ方法、後半は

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