コラム(コーポレートサイト)
コーポレートサイト 2015年11月21日
スマホ対応は急務か?上場企業コーポレートサイトのスマホ対応率調査結果
コーポレートサイトをスマホ対応するべきか、否か?WEBサイト担当者の方々にとって、最もホッとな話題と言ってよいかもしれない。
当社のクライアントのなかでも、リニューアルするならついでに対応しておこう、という流れが多いようだが、実際にはどうなのか?調査第一弾として、日経平均225採用銘柄一覧より無作為に113社を抽出し、対応状況を調べてみた。
スマホ対応が47.8%、そのうちレスポンシブデザインは48%
調査を実施したのは、2015年10月30日。あいうえお順に並んでいる日経平均225社を一つ飛ばしで抽出し、コーポレートサイトのHOMEページを閲覧して確認した。
結果は以下の表のとおり(○が採用、×が不採用)。113社中、54社がスマホ対応していた。レスポンシブ対応はそのうち26社だった。
上記の全データをご提供しています。
ご希望の方は、お問い合わせフォームで「日経採用企業スマホ調査希望」とご入力のうえ、ご請求ください。
この結果をどう捉えるか。調査対象となった企業は、日本を代表する大手企業ばかり。業界を牽引する立場として公的な意味でも、実施に踏み切った企業も少なくないだろう。ただ、アクセスが少ない中小企業ならまだ必要ないかというと、そうとも言えない。要は、自社サイトの訪問者がどんな環境からアクセスしているか、アクセスしてほしいかで考慮するべきだろう。
ご参考までに、スマホ対応を検討するときに考慮すべき視点を、以下にご紹介する。
BtoCはほぼ必須。BtoBでも、コンテンツ別に使用環境を想定する
一般消費者がメインターゲットであるなら、スマホ対応に迷う必要はない。総務省の平成26年度版情報白書によると、スマートフォンの国内普及率は個人保有だけでも5割を超えている。実際にビジネスユーザーも加えるとかなりの数になるであろうし、その割合は今後も増えていくと想像できる。
また、BtoBをメインとするコーポレートサイトでも、採用情報に関しては圧倒的にスマホからの閲覧が多いはず。最近では、社内ミーティングの際にも、個々にスマホを覗きながらという光景もめずらしくない。コーポレートサイトであっても、どのコンテンツに重きをおくかによって、慎重に検討するべきだろう。
SEO対策から考えるとスマホ対応は○。ただし、メインターゲットも考慮すべき
一方、SEO対策として考えたときにどうなのか。Googleは、今年の4 月 21 日から「WEBサイトがモバイルフレンドリーかどうかをランキング要素として使用し始める」と発表した。その結果、PCでの検索順位に大きな変化は見られないが、スマホで検索した時には順位に差が出るようになってきたのだ。試しに、スマホで何かを検索すると、上位に表示されるWEBサイトはすべて「スマホ対応」と書かれている。メインターゲットがスマホで閲覧する確率が高いなら、迷っている場合ではない。
では、スマホ専用サイトか、レスポンシブWEBデザインか
スマホ対応するとして、スマホ専用のサイトを別に作るか、レスポンシブWEBデザイン(一つのファイルで管理し、閲覧環境によってデザインを変化させる)か。
それぞれにメリットデメリットはあるが、運営上のメリットを考えるとレスポンシブに軍配が上がる。逆に、スマホでの操作性を追求したいなら、スマホ専用サイトにするか、レスポンシブであってもスマホでの見え方を優先したデザイン(スマホファーストなデザイン)を採用するべきだろう。
WEB戦略の一つとして、スマホ対応は注視していくべき
すぐに導入するかどうかは別として、スマホ対応は間違いなく優先順位が高いといえる。WEB担当者としてやりたいことは数多くあるだろうが、限られた予算のなかで、今どこに力を注ぐべきかを検討するべきだ。そのためには、広報や人事、営業といった企業全体の動きのなかで、WEBサイトが果たすべき役割を3年先まで見越して計画を立て、その中で戦略的に選択していくことをお薦めする。
デザインが飽きてきたからWEBサイトをリニューアルするというのは、もう過去のこと。実益につながるメディアとして考え、その中でのスマホ戦略と捉えるべきだろう。