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お役立ち・知識 2017年8月11日

効率よく仕事したいなら、朝のテレビは控えなさい

効率よく仕事したいなら、朝のテレビは控えなさい

効率良く仕事するために大切なことは。
ルーティンのように、毎日続く残業。週末になるとベッドから立ち上がるのにちょっと気合いがいる・・・。疲れも抜けなくなるはずだ。いくら若くても、私たちは人間なのだから。

仕事をテキパキとこなし、サッと決めた時間に会社を出る。その日の疲れを次の日に持ち越さない。

理想的な毎日を過ごすために大切なことがある。脳が働きやすい環境をつくってやることだ。気合いだけではどうにもならない。体力にも限界がある。95%の人が知らない脳生理学に基づいた科学的な根拠を、まず知ること。脳が集中できるようになる環境を作るだけで、毎晩遅くまで仕事を「こなして」いるあなたの毎日は一変する。

とりあえず、朝のテレビを観ないことからはじめよう。

睡眠中、脳内の情報は整理整頓される

トップアスリートは、10時間~12時間の睡眠をとっているという。
スタンフォード大学の研究では、バスケットボール部の選手たちに10時間睡眠を奨励したところ、以前よりフリースローやスリーポイントシュートの成功率が11ポイント以上も向上したという結果が出ている。選手といえども、シュートを成功させるにはある程度の集中力が必要で、それが改善されているということは、積極的な睡眠が人間のパフォーマンスに与える影響は大きいといえるのだ。

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があるのはご存じだろう。このレム睡眠時に人間は、前日にあった記憶や感情を整理して、固定あるいは消去をしていると推測されている。しっかりした睡眠をとらないと記憶の効率が落ちるので、受験生に深い眠りをとるようにアドバイスする先生が多いのもうなずける。

朝のテレビは脳内をカオス状態に

朝のテレビは脳内をカオス状態に

私たちの脳は、日中とてつもなく多くの情報をインプットされ、その整理に追われている。このオーバーフロー状態になった情報は、睡眠中に脳内で整理される。この時間がないと記憶の定着もないのだ。それほど情報整理にあっては、睡眠が重要な役割を果たしている。

睡眠中に脳が情報を整理し、起床する頃に私たちの脳はいわば「まっさら」な状態にリセットされているのだが、起きがけにテレビのスイッチを入れてしまうと、夏目三久の爽やかな笑顔とともに多様なニュースが流れ込んでくる。すると、どんどん「まっさら」だった脳内は多種多様な情報でカオス状態に陥ってしまうのだ。

これは、夕方近くになるとPCの動きが鈍くなってくるのと同様、あなたの脳の処理能力を一気に落としてしまっているのだ。

せっかく処理能力が高くなっている脳の、大切な朝の時間。集中力が必要な重要な仕事に振り向けるために、できるだけ余計な情報はインプットしないようにしたい。

濃い一日を過ごすためのテクニック

睡眠

濃い一日を過ごすためのテクニック

日本人の睡眠時間と死亡の危険率を調べたところ、6.5~7.5時間の人がもっとも危険率が低く、4時間以下や9時間以上寝ている人の危険率は6.5~7.5時間睡眠をとっている人の1.3~1.6倍高くなっているとの報告が2004年になされている。

ただ、先日亡くなられた聖路加国際病院の日野原重明先生は5時間弱、ナポレオンは3時間と短時間睡眠。かのアインシュタインは10時間寝ないと調子が悪かったそうだから、一概にどちらが良いとは言えない。ただ言えることは、あなたに合った睡眠時間を確保し、翌日調子がいいと思える時間帯で眠ることが大切だということは間違いない。

昼寝

脳の効率を高めるために、いわゆる昼寝は最高の手段だ。
脳は、休息のあとにパフォーマンスが上がることが知られているし、ごく短時間の睡眠は疲れた脳を癒やして、リセットするのに役立つ。昼食のあとはどうしても睡魔が襲ってくる。午前中集中したことで、脳に多少の疲れも出ている。

このような状態になっているのなら、サッと昼寝をすることを強くおすすめする。
NASAの研究によると、26分の仮眠で仕事効率が34%上がり、注意力は54%もアップしたという。当社では昼寝自由。効率が悪くなってきたなと感じたら、いつでも昼寝をして良いルールになっている。そんなことをしたら、ずっと寝てる社員が出てくるでしょう?と思うのは、浅薄な経営者の証し。個人のパフォーマンスを上げ、早く良い仕事を行うためなのだときちんと説明すれば社員たちも納得し、ルールを守って運用するようになってくれる。

ただ、前述したように昼寝は「ごく短時間」に限る。30分以上寝てしまうと、脳は深い睡眠モードに入ってしまい、ベストな状態に戻るまでに時間がかかってしまうからだ。15分程度の昼寝であれば夜の就寝にも影響を与えないし、起床後のパフォーマンスはアップする。

もちろん、ものすごい集中力で終日仕事に打ち込めることが理想の姿だ。しかし毎日そんなことが続くわけがない。人間だもの。体調の良い日もあれば冴えないときもある。前日に子どもの調子が悪くなって、しっかり眠れないこともある。そんなときにも、できるだけ効率良く仕事ができる環境にあることが一番なのだ。

運動

運動

運動は、たとえば海馬(記憶や空間学習能力を担当)の神経を増やし、長期記憶能力を高めてくれる。そのほかにも学習機能が高まるなど、多くの研究によって運動がわたしたちの脳に与える効能は立証されている。

かの村上春樹も、毎日1時間のランニングを欠かしたことがないという。ランニングをしないと、執筆できないとまで。
それほど運動をすることは、脳にとって良いことであるのだ。

ただ、息が切れてしまうような重い運動をする必要はない。たとえば3階までエレベーターを使わないで、階段を駆け上がるだけでも脳のリフレッシュには効果はある。
少し息をつこうと思うなら、少し顔を上げて小さく「よし」とつぶやいてみよう。はじめは、オフィスを出て1つ下の階まででいい。階段を駆け下り、駆け上がってくると、すがすがしい気分になれてしまうから。
たったそれだけで、集中できる脳がスタンバイし、集中力が高まる。毎日の退社が30分早まる(かもしれない)。同僚の誰も知らない、あなただけの一石二鳥リフレッシュ法だ。

休憩中のスマホ禁止

休憩中のスマホ禁止

たとえば集中した作業で疲れた体を休めるための休憩時間。ホッとひといき入れるために、あなたがスマホでFacebookをチェックしているとしたら・・・。脳は休めているのだろうか。

気のおけない友だちの流した情報に目をやり、ふっと笑顔になれることもある。たしかに気分転換には良いかもしれない。しかしその間、脳はフィードに流れてきた多様な情報を取捨選択し、チェックすべきもの、そうでないものなどに振り分け、しかるべきものをインプットするなど、最高速度で情報を処理している。

休憩は、脳を休める時間だと考えるべきだ。リラックスするのは、体のためだけではない。脳を休めてあげることこそが大切なのだ。何より、勤務時間中はベストな状態で仕事を処理し、1分1秒でも早く机から離れられるように努力する。スマホをいじるのは、オフィスを出たあとでいい。脳をベストな状態で使い、早く仕事を終えられれば、何よりあなたのプライベートが充実することになるのだから。

効率良く仕事をすることだけが正しくはない

効率良く仕事をすることだけが正しくはない

ときには、回り道をすることも必要だ。うまくいかず、思い悩み、その結果「絶対的」ともいえる考え方が身につくこともあるし、効率を無視してこそ得られるビジネス機会もある。
筆者は、効率を重視すべきことと、そうでないことで緩急をつけることこそ、私たちに求められていることなのではないかと感じている。自分が置かれている状況や競合他社の動き、社内の力学などなど。都度、対応の方法を変えればいい。それができるのは、あなたしかいないのだ。

しかし毎日「急」は押し寄せてくる。

「石の上にも三年という。しかし、三年を一年で習得する努力を怠ってはならない」

松下幸之助さんの言葉だ。

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執筆:平田 弘幸

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