コラム(WEB制作のポイント)
WEB制作のポイント 2014年11月13日
インタビューのコツを、たった3分でつかむ方法
能面のような表情にさえ見える相手のバリアを解除して、腹の底に横たわっている本音を引き出せれば!と感じたことはないだろうか。この記事を偶然見つけたあなたは、非常にラッキーかもしれない。私たちが15年以上もWEB制作会社を運営するなかで培ったノウハウを公開しようというのだから。
具体的には、新たなコンテンツを立ち上げる際に、製品やサービスの開発担当者やトップマネジメントにインタビューを行う。彼らから根掘り葉掘り聞き出すコツとそれをまとめるための手法を紹介したものだ。
おそらくこの記事を斜め読みした3分後には、あなたのなかに「!」マークがポンと飛び出していることだろう。
インタビュー・取材を成功させるコツとは?
「取材相手によって、いい話が聞ける時と上手くいかないことがあった」
「話好きの相手のペースにハマってしまい、本当に聞きたいことを質問できずにインタビュー時間が過ぎてしまった」
そんな苦い経験がないだろうか?
さっそく、聞き手のペースで興味深い話を引き出し、限られたインタビューの時間を有効に使うためのコツをご紹介しよう。
コツその1 : 予めゴールを準備しておく
いいインタビュー記事に仕上げる最大のコツは、取材当日までにあらかじめ自分のなかでストーリーを用意しておくこと。取材しないと、どんな内容になるか分かるわけないじゃないか?と思われた方がいるかもしれない。しかしそれは大きな間違いだ。
まずプロは、インタビューの前にしっかりと情報を収集する。そして読者が興味深いと感じてくれるようなコンテンツの組み立てまでしてから取材に臨むことが多い。行き当たりばったりでインタビューを行っても、面白い話が聞けるかどうかなど2階から目薬を差すほど難しいことを知っているからだ。
あらかじめ用意するコンテンツは、大枠でよいので話の流れを決めておいたもの。もちろんコンテンツとなるインタビュー記事は、運営者の意図を反映したテーマにそった話の流れ、「理想」にしておく。そうなれば、このテーマで質問したい、具体的なエピソードや相手ならではの言葉を加えたい、というような質問の組み立ても用意できるようになる。
では、ライブ感が多少失われても、取材前にストーリーを組み立てておくメリットとはどういうものだろうか。
1-1. いちばん伝えたいメッセージを絞ることができる。
小説、新聞記事、ラブレター(もう死語かもしれない)・・・。形はさまざまでも、心に残る文章は伝えたいテーマが明確になっていて、メッセージは1つに絞られていることが多い。インタビュー記事でも同じように、もっとも伝えたいメッセージを中心に置いて、そこに枝葉の部分を肉付けしていく。メッセージがブレないようにするために、どんなストーリー構成にするかを大まかに決めておき、取材当日はその確認作業を行うつもりで臨む方がいい。
1-2. 質問がブレなくなる。
伝えたいメッセージが明確になっていると、インタビュー時に相手からどんなコメントを取りたいかが見えてくる。
よくある失敗パターンは途中で話がそれてしまい、メインテーマとは異なる話題で盛り上がってしまうこと。心地よく話してもらうために、取材相手を盛り上げることも大切なコツだが、大切なコメントを聞き出せないで時間終了となっては、本末転倒。その場でしか聞けない話はもちろん尊いものだが、一時的に脱線しても、聞きだすべき答えをしっかりもらっておくようにしよう。質問リストを作っておくのがおすすめだ。
1-3. 大切なコメントを引き出すためのヒントを用意できる。
理想型を描いていたとしても、取材相手はこちらの意図どおりにはなかなか答えてくれない。簡単には心を開いてくれなかったり、当時のことを忘れてしまっていたり、質問の意図を理解してくれないといった現実も待っている。
あなた: 「30回も失敗したのに、よくまだチャレンジしようと思われましたね?」
相手: 「そうなんだよね。今だったらもう諦めてるかもね(笑)」
あなた: 「何が背中を押してくれたんでしょう?」
相手: 「昔のことだからね、何だったっけ・・・」
あなた: 「・・・・@@;」
事前に下調べをしておけば、相手に意識させることなく、スムーズにエスコートすることもできる。
あなた: 「その頃にちょうど初めてのお子さんが産まれたとか」
取材相手:「あ、そうそう!子育てで疲れていた妻のひと言がいいヒントになった」
備えとコツがあれば憂いなし。インタビューの主導権を握るためには、事前準備が成功に導いてくれる。
「でも、実際に会ってみると、話がぜんぜん違っていたら・・・?」
まったく問題ない。たとえ計画どおりに進まなかったとしても、設計図があれば、何も準備しなかった場合よりずっと次の手が打ちやすくなるものだから。