コラム(WEB制作のポイント)
WEB制作のポイント 2015年1月26日
ビデオ通話で出張費約30万円を削減し、顧客と密になる方法
ビデオ通話をイベントっぽく演出。しかも出張費削減
まだまだビジネスの現場で普及していないビデオ通話。SF映画では、いろいろなシーンで活躍しているというのに。
顧客とほんの少し目的を共有するだけで、出張費を削減し「三方良し」となるコミュニケーション方法がある。遠方でも十分に打ち合わせの目的を果たすことができ、思わぬメリットさえ生み出すスペシャルなメソッドを伝授しよう。
出張費削減を優先してしまったが
あるクライアントの東京支社でWEBサイトのリニューアル案件が持ち上がった。しかし潤沢な予算があるわけではなかったため、大事な局面で大阪から東京に出張してコミュニケーションを図るわけにもいかない。しかし多くの場合において、プロジェクトの正否を決めるのは密なコミュニケーションだったりする。この課題をどう解決するかが私たちに投げられた大きな問題だった。
最小限の打ち合わせに抑えたとしても、5回ほどの打ち合わせが必要だ。ということは、
削減できる出張費の内訳
- 往復旅費25,000円×5回=12.5万円
- 往復6時間×5回=30時間分の人件費
制作費とは別に、おおよそ30万円近いコストが発生してしまうことになる。ただし、何の工夫もしなければ、だ。
とにかく、ビデオ通話を試してみた
以前から、試してみたいと考えていた「ビデオ通話」。外部ブレインのデザイナーとの打ち合わせに使ったことはあったが、クライアントとは初めてだ。おそるおそる「どうでしょう?」と切り出すと、「いいですよ、やりましょう」。心配していた割には、拍子抜けのお返事。そうだ、彼らは東京~大阪の距離を以前から自社内のテレビ会議で乗り切っているのだ。
とは言うものの、彼らが使っているテレビ会議システムは、専用回線を使った高価なインフラ。ほぼ無料のビデオ通話とはレベルが違う。
とりあえず持てる知識を総動員し、Google先生に師事しながらベストな可能性を探ることに。当社で出した結論は、「SIMセットアップ済みタブレット」。これをフル活用することで「ビデオ通話」によるプロジェクト会議を実施、出張費を約30万円削減することに成功した。
ビデオ通話ミーティングで得られたメリット
ひざをつき合わせた会議で有益なのは、その場の空気感を共有できることだ。張りつめた緊張感をほぐすために、本題から少しそれたトピックに熱中したり、たとえ無言の時間ができてもそこに相手がいることで、それがどういう状況なのかを判断することができ、どちらかが何かを切り出すべきか否かも判断できる。
しかしビデオ通話で行う会議では、その空気感は伝わりづらい。それゆえビデオ通話会議では、それぞれが持ち寄ったアジェンダに集中して取り組むことができ、出張費の削減にとどまらず、会議時間も極めて短時間で終えることができるのだ。
ただ、それではクライアントに申し訳ないと感じてしまうのが、大阪人としてのプライドだ。
せっかく会った(ビデオ通話を通してでも)のに、大笑いのひとつ取れなくてどうするのか。これが初回の打ち合わせを終えた後の率直な印象だったが、これは私の杞憂だった。2回目以降のミーティングでは、習わし通りとりあえずのツカミから始まり、途中休憩代わりの息抜きアジェンダも盛りだくさん。きっと我がクライアントもビデオ通話会議を楽しんでもらえたはずだ。
結局のところ、今どきのプロジェクトでは、ビデオ通話による会議はアリである。あなたも思い切って出張費の大幅削減も得られるこの方法にトライしてみてはいかがだろうか。
ビデオ通話は、それ以外にも効果あり
ビデオ通話による会議は、前述したような時間の削減効果以外にも、大きなメリットがもたらされた。
ひとつに、密度の高い会議を行おうとするので、より早い段階で資料を準備し送付しておくことになったこと。しかも、指さしながら説明しなくても済むよう、分かりやすい資料作成に苦心するようになった。
ひざを付き合わせた会議とは異なり、ビデオ通話では相手の資料に指をあてて説明することは難しい。従って、見るだけで理解できる資料が必須なのだ。こういった資料が届くと説明してもらわなくてもある程度理解できるので、クライアントも積極的に事前に目を通してくれるようになる。これが短時間で会議が済むようになるポイントでもあるわけだ。
もうひとつ、「分かりやすさ」を極めるために、次のタスクの分担、期限を明確に設定するようになったこと。
プロジェクトを期限内に完遂させるには、このポイントは非常に重要だ。とくに受託側の我々が納期を守らないことはほぼないが、クライアント側にもその意識が芽生えるのは大きな意味がある。両者がお互いをリスペクトし合いながら、コストを削減することにおいても目標を持つということが、これだけのメリットを生んでいくのだ。
さらに、距離を越えクライアントとの距離が短くなる
ビデオ通話による会議は、いくつかのメリットをもたらしてくれた。ここで私たちが強調したいのは、「無料」だからなのか会議の回数が増えたことだ。近隣のクライアントとの会議でも、交通費、拘束時間など経費はかかる。しかしビデオ通話は、イニシャルコストさえ負担すれば、若干の通信費が発生するだけなのだ。
この「ほぼ無料」による心理的な経費削減効果は大きい。クライアント側も、わざわざ来てもらって・・・という気持ちもある。その心理的な障壁が取り除かれたことで、会議を終える頃には、「じゃぁ今度はいつにしましょう?」という流れになるのだ。
これによりクライアントとの接触回数は増え、コミュニケーションが密になることでプロジェクトはスムーズに動く。まさに顧客との距離が縮まるポイントになってくれている。
実践編は、別記事で
ビデオ通話による会議の準備についてもお伝えしようと考えたが、もたらされるメリットが出張費の削減にとどまらない。そのメリットがあまりにも多く、熱く語ってしまった。概論が長くなりすぎたので、ビデオ通話による会議を始めるための実践編は、別記事で紹介することにしよう。