コラム(WEB制作のポイント)
コピーライティング 2017年7月21日
オノマトペとは?文章がガラリと変わる、とっておきテク
オノマトペとは、「滝がごうごうと流れる」「雨がざあざあ降る」といった、状況をそのまま音で表現した「擬音語」と、「ギクリとする」「シーンとなる」など、ある状態をその音の持つイメージで表現した「擬態語」をひとまとめに指す言葉である。
オノマトペという言葉を聞いたことがない人も、「ぐんぐん」「ぴかぴか」「ふっくら」「きらり」など例を挙げられれば「ああ、あれのことか」とすぐ分かるだろう。それほどオノマトペは私たちの生活になじみ深く浸透しているのだ。
文章を書くときには知らず知らずのうちに使っていることが多いが、そのしくみと効果を知って使えば、より文章がイキイキとしたものになる。ぜひ意識的にオノマトペを使いこなしてみてほしい。
オノマトペの法則
一見無秩序に日本語の世界に散らばっているように思えるオノマトペだが、実はある法則をもとにして体系立ててとらえることができる。
例として、柔らかさや軽さを表現する「ふわ」についてとりあげてみよう。
「ふわ」に「り」をつけると「ふわり」、また「—」を付け加えて「ふわーり」とすると、目の前で物体が動いているような臨場感が出てくる。
「ふわ」を繰り返すと「ふわふわ」→柔らかさが連続して繰り返される感じ。
「っ」をつけて「ふわっ」→瞬間的な軽さを感じ、その印象を深く残す。
「濁点」をつけて「ぶわ」にすると、「ふわ」にあった軽さがなくなり、ごわついてふくらんでいる感じに。「きら」→「ぎら」や「とろ」→「どろ」でも分かるように、濁点がつくと、強さや重さ、悪いイメージ等に結びつくことが分かる。
さらに、ひらがなで書くかカタカナで書くかも、イメージを微妙に左右する。
このように、ひとつの「オノマトペのもと」から、いくつものバリエーションが生み出される。オノマトペを使うとき、「キラリ」がいいのか「キラッ」がいいのか、はたまた「ギラリ」が合うのか「ギラギラ」が合うのか・・・適当に書くのではなく、表現したい状況にピタリとハマるもの、より状況を印象深くする表現に、ぜひこだわって選んでみよう。
オノマトペのある文章、ない文章
オノマトペは状態を感覚的に表す言葉なので、これを使うことで「読む人の感覚に訴える文章」になる。正確性や客観性が求められるような論文やレポートには、あまり向かないと言えるだろう。
逆に、商品やサービスのセールスコピーには向いていると思われる。これを使ったらどんなメリットがあるかを消費者に感覚的に訴えることができれば、強力な武器になるからだ。
たとえば、クレームブリュレを紹介するこんな文章を例に、オノマトペの効果について検証してみよう。
A.オノマトペあり
とろりなめらかなカスタードクリームの上に、ザラメを散らしてこんがり焦がしたクレームブリュレ。表面をスプーンで叩くとコツコツといい音が。カラメルの層をパリリと割ると、ふわふわのクリームとザクザクのカラメルが舌の上でとろけます。
B.オノマトペなし
なめらかなカスタードクリームの上に、ザラメを散らしてきつね色に焦がしたクレームブリュレ。表面をスプーンで叩くと小気味よい硬音がします。カラメルの層にヒビを入れて割ると、軽い口溶けのクリームと硬い食感のカラメルが舌の上でとろけます。
Bでも間違いはないのだが、読みやすさといい、イメージのしやすさといい、食べたくなるのは圧倒的にAではないだろうか。