コラム(WEB制作のポイント)
SEO 2015年8月17日
SEOの基本:CTRを上げ、見込み客を10倍に増やすコツ
あなたは、上位表示された結果、Googleのリストに並ぶライバルサイトをおしのけて、あなたのWEBサイトが検索ユーザーにみごとクリックされることまで考慮してクリック率(CTR=click through rate)を上げることを考慮してMETA要素を仕込んでいるだろうか。
検索結果に表示されるリストにクリックする意欲がなくなることがある。検索順位1位、2位のタイトルやdescriptionに魅力を感じないのだ。おそらくこれらのWEBページは、検索ユーザーから胡散臭く感じられたり、信頼性に欠けるので極端にCTR(クリック率)は低いだろう。
SEOは、あくまで上位表示させることを意味するのだが、それではWEBサイトを運営する意味はない。SEOによって上位表示させ、クリック率(=CTR、クリックスルーレート:click through rate)を上げてこそビジネスの可能性は格段に上昇する。さらに、CVR(コンバージョンレート:conversion rate)まで上げられれば、あなたのビジネスは順風満帆だ。
この記事は、上位表示されたあなたの記事のCTR(クリック率)を現状の数倍上げることを目的としたものだ。しかしその一方、上位表示させることに苦心してきたあなたの固定観念を崩してしまうかもしれない。ただ、CTR(クリック率)を上げられるようになれば、あなたのビジネスが確実に加速し始めることも事実。
この記事では、コピーライティングを重視する当社ならではのメソッドを実例をまじえながら紹介していく。ぜひあなたも、クリック率を上げるコツを身に付けて、ビジネスをコントロールできるようになってほしい。
CTR(クリック率)とは
CTR(クリック率)は、リスティング広告や表示された検索結果がクリックされた回数を、リスティング広告や検索結果が表示された回数で割ったものだ。この値が高ければ、検索ユーザーはリスティング広告や検索結果に良く反応していることになる。
だから広告主はクリック率の高い広告を望み、WEBサイト運営者は検索結果ができるだけ多くクリックされることを期待するのだ。
リスティング広告ではない、通常のコンテンツの掲載順位とCTR(クリック率)の関係を標準値以上に改善しようというのが、この記事の主旨だ。そのためには、掲載順位による平均的なCTR(クリック率)を知っておかなければいけない。
現在、検索結果にはwikipediaや価格コム、Googleマップなどの常連も表示されてくるので、一概に標準的なCTR(クリック率)を提示するのは難しいが、とにかく、ごく一般的な検索結果(表示された結果がすべて、あなたと同様のコンテンツを扱うライバルサイトだった場合)における標準的なクリック率をまず認識しておこう。
自然検索の標準的なCTR(クリック率)
海外のマーケティング会社が発表する指標を参考に、自然検索の標準的なクリック率をチェックしておこう。
ただ、各社それぞれに独自の思想で効果測定しているために、順位によって大きく異なっており、あくまで参考値と考えていただきたい。
ここに、昨年公開された2社の指標を示しておいた。1位の数字が大きく異なっているが、筆者の感覚的には英・NetBooster社のデータの方が正しいのではないかと感じている。注目すべきは、3位までの結果をわずか10%前後の検索ユーザーしかクリックしないという事実だ。
順位 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 |
---|---|---|---|---|---|
31.24% | 14.04% | 9.85% | 6.97% | 5.50% | 19.35% | 15.09% | 11.45% | 8.68% | 7.21% |
※5位までの数値を加算すると60%前後になるが、そう考えてしまうと、データを読み間違える。あくまで5位までクリックする検索ユーザーは5~6%と読むべきだ。
たとえあなたのWEBページが5位前後にしか表示されなくても、たとえば1位のCTR(クリック率)を超えていれば、あなたの打った施策は成功しているということだ。逆に1位になっていても、5~6%しかCTR(クリック率)が取れていなければ、何らかの対策を施さねばならないということでもある。
WEBページのCTR(クリック率)を知り、対策を立てる
掲載順位による、おおよそのCTR(クリック率)が分かったところで、あなたのWEBページが標準値をクリアしているかを確認しておく必要がある。
あなたのWEBページのクリック率を知るためには、Search Console(旧・ウェブマスターツール)の「検索アナリティクス」を利用しよう。
Search Console(旧・ウェブマスターツール)にログインしたら、メニューの真ん中にある「検索アナリティクス」を選択する。デフォルトではWEBサイト全体のパフォーマンス(クリック数)が表示されているので、チェックボックスを「CTR(クリック率)」と「掲載順位」に付け替えよう。すると、表示内容が入れ替わり、当社サイト全体のCTR(クリック率)と掲載順位が表示された。
この中から、注力しているSEOキーワードに絞って結果を分析しよう。
「クエリ」の項目にある「フィルタなし」をクリック。「クエリをフィルタ」を選択し、表示された入力ボックスに「質問」と入力して「フィルタ」をクリック。
すると、キーワード「質問」を含む検索クエリのCTR(クリック率)と掲載順位のグラフが表示された。
読者に注目してほしいのは、グラフの下部にある「クエリ」のリストだ。
現在は「表示回数」順にリストアップされている。クエリ「質問の仕方」なら510回、「質問 仕方」は107回となっており、掲載順位はそれぞれ「1.1位」「9.3位」で、CTR(クリック率)が30.2%、2.8%であることが分かる。
タイトル、descriptionで1位に勝るCTR(クリック率)を得られる
検索結果に表示されるのは、記事の「タイトル」とスニペットのみであり、META要素の「description」である場合がほとんどだ。つまり、掲載順位によるCTR(クリック率)が標準値を超えている記事は、検索ユーザーから見て、この2つの要素の引きが強いということだ。
Search Console(旧・ウェブマスターツール)の「検索アナリティクス」で、検索クエリを「トラックボール」でフィルタリングしてみる。
「トラックボール 肩こり」ではCTR(クリック率)50%、「トラックボール コツ」では50.85%。両方とも平均掲載順位が1.0位、1.5位なので、高いクリック率ではあるが、標準値よりはるかに高い数字をたたき出している。
さらに平均掲載順位の低いクエリをチェックしてみると、「マウス おすすめ トラックボール」は5.4位でありながら、CTR(クリック率)は42.86%。1位の標準値を大きく上回る数字だ。
この数字から何が読み取れるだろうか。
当社の記事のタイトル、スニペットは、こうだ。
「トラックボールの利点を見逃すな。愛用者が伝えたい7つのこと」
… イライラの素にもなったりする。一般的なマウスをトラックボールに替えるだけで、多くのメリットが得られるのだ。 … 軽くするのは難しいと思うのだ。また、マウスで腱鞘炎になる人がいるとも聞くので、こういった可能性がある方にもおすすめだ。
当社が狙ったキーワードは「トラックボール 利点」であったため、スニペットはGoogleがdescription、本文を混ぜて表示している。しかしタイトル部分は、トラックボールのメリットを探す検索ユーザーにとって魅力ある誘い文句になっている。
「トラックボール」「利点」のSEOキーワードをタイトルの前半に位置させ、続くくだりで「愛用者」が伝えたいと説く。検索ユーザーからすれば、他のどのようなタイトルよりも惹かれるし、記事がユーザー視点から何らかのポイントを教えてくれるのだろうと期待してしまう。
このほかにも、当社の記事で1位ではないのに、標準以上のCTR(クリック率)を記録し続けている、いくつかの記事をご紹介しておこう。
「WordPress 企業サイト」(平均掲載順位2.8位 CTR(クリック率)39%)
初心者が、WordPressで企業サイトを作る全手順
「EC-CUBE3 インストール」(平均掲載順位4.2位 CTR(クリック率)32%)
最新版「EC-CUBE3」のインストール手順とエラー回避
「校正 コツ」(平均掲載順位1.0位 CTR(クリック率)54%)
文章校正のコツ~精度を上げるために必要な6つのこと
別の記事で、具体的に勝てるdescriptionの書き方を紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてほしい。
CTR(クリック率)の向上は、検索ユーザーの気持ちをくみ取ってこそ
タイトル、descriptionの工夫で標準値以上のCTR(クリック率)を稼ぎ出せることは、間違いないことで、取り組んだだけ成果を上げられることは、筆者が保証してもいい。
特に重要なタイトルの付け方については、いくつかのテクニックがあり、「たった3つの法則」といったように、数字を盛り込むことや、SEOキーワードを前半に位置させれば、検索ユーザーの目に早く触れさせることにもなり、マウスポインタが近づきやすくなるといったものがある。
ただ、そういったテクニックを踏まえたうえで、筆者がもっとも大切だと確信するのは、
検索ユーザーの気持ちに寄り添うこと
だと感じている。この記事を執筆するにあたり、掲載順位がさほどでもないのにCTR(クリック率)が高い記事を改めてチェックしたが、どの記事も検索ユーザーが知りたがっていそうな文言がちりばめられていて、さもありなんと感じた。逆に、CTR(クリック率)が芳しくない記事は、それなりのものでしかなく、早急に改善が必要だとも感じてしまったほどだ。
あなたも、この記事を参考にタイトルやdescriptionを改善すれば、標準値以上のCTR(クリック率)を得られる。SEOの最後の仕上げとして少し工夫を加えることで、10倍のアクセスを稼ぐことも夢ではない。
検索ユーザーに感心してもらうために内容にこだわったコンテンツと同様、タイトルやdescriptionを見直せば、よりあなたの記事は多くの人に読んでもらえるようになるだろう。