コラム(WEB制作のポイント)

WEB制作のポイント 2014年10月4日

WEBコンテンツ企画立案のヒント

企画立案で悩んだら

WEBコンテンツ企画で必要な構成要素、ユーザー利便を図るための構成要素を挙げています。自社の事業に直接関連がなくても、視点を変えることで活用できるコンテンツがきっとあります。そもそも、まったく新しい切り口の企画など出てくるものではありません。すでにあるものをアレンジし、WEBサイトのコンセプトや目的に合致させられることが、プランナーの力量なのです。

そのためには、まずリサーチ。すでにリリースされているコンテンツには、どういったものがあるのかを眺めるだけで、「おっ」という閃きが生まれることがあります。この記事では、WEBコンテンツ企画立案のヒントになるコンテンツをできる限り列挙しています。

一般企業が運営するコーポレートサイト

HOME:SEO効果の集約地としての位置づけを

WEBサイト全体で持っているコンテンツをまとめたページにするのが鉄則。コーポレートサイトなら「企業の顔」といった考え方もあるが、当社では異なる見方をしている。会社情報や製品関連など、下層の各セクションでコンテンツが積み上げているSEOの効果が集約されるページがHOMEであり、WEBサイト全体のSEO集約の場だということだ。

たとえば、当社でいえば訪問してもらいたいのはWEB制作会社を探しているクライアント候補。下層ページでWEB企画制作のノウハウや考え方を綴ったコンテンツを配し、それぞれのページやセクションで狙うSEOキーワードで上位表示を目指す。

下層ページで得られたSEOの効果(細かなSEOキーワードで上位表示を獲得)は上位ページへのリンクを経由し、最終的にHOMEへ流れるというものだ。HOMEにその効果が影響を及ぼす頃には、WEBサイト全体として集約されるので、より大きなSEOキーワードの効果となって現れることになる。

下層ページからのSEO効果を受け止める地盤とWEBサイト全体としての世界観を表現しておく使命を両立させることが大切なので、このバランスを上手くとることが肝要だ。

下層ページのSEO効果がHOMEに伝わるしくみ

会社情報:経営陣の言葉を重視すべき

WEBサイトが存在するかどうかも、取引を開始するかどうかの指標となっている。その条件として、データとしての会社情報の持つ役割は大きい。
意外と認識されていないのは、経営陣の発する言葉の重要性。営業スタッフが新規訪問した後、対応した担当者は会社情報をチェックする。取引をする価値のある会社であるかどうかを見極めるために会社概要はもちろん、かなりの確率でトップメッセージを確認する。

上場企業のトップが交代すると株価に影響する。誰が会社を指揮するかで、企業の業績は変わってしまうからだ。株主のなかには、「あの社長が好きだから応援する」と株式を長期保有する方さえいる。
世の中は社長を見れば会社を見抜く。言葉を読めば、どのような社風なのかの見当をつけていると考えた方がいい。総務部の社員が撮った写真ではなく、プロのカメラマンにポートレイトを撮ってもらい、より良い会社と感じさせる言葉にメッセージを差し替えるべきだ。

データ系 会社概要、事業概要、関連企業紹介、事業所案内、保有施設の紹介、など
人系 トップメッセージ、役員紹介、創業者について、など
理念系 経営理念、コーポレートスローガン、ビジョン、コーポレートガバナンス、など
広報系 社史(沿革)、ロゴマークについて、会社情報(冊子)、広報活動について、など

製品サービス情報:ユーザーの望みをかなえる

WEBサイトのなかで唯一の「プロフィットセンター」とも言えるセクションであるにもかかわらず、多くの企業で問題を抱えているのが製品サービスの紹介セクションだ。

指名買いでない限り、ブランド指定+製品の一般名称で検索されることがないことを担当者は理解していない。たとえTVCMを常に流している巨大企業であったとしても、だ。製品写真とスペックが並んでいるだけの、お粗末な紹介ページが多いことにユーザー候補は閉口している。
それなら、価格コムや楽天のレビューを読んだ方がよほど参考になるから、どんどん悪循環を生み、製品セクションが機能しない。

あなたのWEBサイトは、ユーザー候補の望んでいること、知りたいことを網羅しているだろうか。店頭で販売員にユーザー候補が質問していることを盛り込んでいるだろうか。紙のカタログは1社独占で情報を伝えるものであるから、自社の主張だけを刷り込んでもOKだ。しかしWEBサイトはすぐ隣にライバルが控えている。0.3秒後にはライバル会社の充実したコンテンツにユーザー候補は洗脳されていると考えるべきだ。

データ系 機能紹介、特長、スペックシート、仕様比較、在庫情報、機能一覧、検索機能、他社製品との比較、など
サポート系 便利な使い方、上手な使い方、利用方法提案、用語集、FAQ、愛用者登録、故障かな?と思ったら、修理・メンテナンス、部品、消耗品、オプション、見積もり、リコール情報、CADデータ、設計支援、写真提供、製品安全データシート、ソフトウェア提供、デモ機貸し出し、取扱説明書、設置(工事)要領、使用方法説明動画、生産終了品リスト、レシピ集、着せ替えシミュレーション、カスタマイズシミュレーション、など
営業(代理店)支援系 提案資料集、販促ツール提供、代理店募集、販売店紹介、設置シミュレーション、など
信頼獲得系 お客様の声、事例集、開発者インタビュー、など
プロモーション系 電子カタログ、キャンペーン情報、クーポン、販促動画、広告ギャラリー、展示会情報、メールニュース、SNSアカウントへのリンク、ファン組織、関連製品へのリンク、新着情報、など

採用情報:キャリアパスの掲示がカギ

売り手市場に変化しつつある状況で、採用情報も問題の多いセクションだ。
製品情報と同様、大多数の求職者はリクナビ、毎ナビなどの採用情報ポータルで情報をチェックする。その後確認のために応募しようとする企業の採用情報をチェックしに来ている。その際に大切なのは、採用情報ポータルで提供したコンテンツと意味的に相違ない情報になっているかという点。

加えて、キャリアパスを掲示していない企業が多いことが気になるポイントだ。状況の変化や見直しが加わることで、キャリアパスで紹介されているような道筋が100%だとは言い難い。それでも彼らは、自分がどういう方法で職務経験ができるのか、出世できるのかに興味がある。

採用情報ポータルを使っているからという理由で、「募集要項」と「先輩の声」しかない採用情報は、求職者からの信頼を得られない。採用情報コンテンツも、求職者の声に耳を傾けるべきだ。

ニュース(トピックス):記事執筆の流儀を採り入れる

ニュースリリースを執筆する際に注意すべきポイントは、冗長な表現、事実はでない(将来の可能性)こと、文章の分類だ。
企業からのリリースが記事になる頃には、おおよそ文章量は半分程度に削られている。報道として伝えるためには、それほど無駄が多いということだ。

広報は、記者との関係が大きな部分を占めていたりする泥臭い世界ではあるが、いざ記者が記事を執筆しようとするときに、解読しなければならないようなリリースではせっかくの機会を逃してしまう可能性すらある。

広報担当者は、記者がリリースをもとに記事を書き進めていく「流儀」を学んでおくべきだ。

IR(財務)情報(上場企業の場合):情報の事前流出は防ぐ

WEBサイトから情報が事前流出するのを防がねばならない。CMSの普及で、決算短信など株価に影響する決算情報を公開予約することが多くなった。ここで注意しなければならないのは、公開予約したPDF資料などが公開領域にあり、しかも推測されやすいファイル名(tanshin-1401.pdfなど)になっていると、必ず事前流出する。

IR情報に限らず発表まで極秘の共同事業や新製品情報など、事前に公開してはならない情報はWEBサーバーの公開領域には置かないことだ。もし不安なら、WEB制作会社に確認することをおすすめする。

サイトとしての必須条件

ご利用にあたって、個人情報保護について、NotFoundページ(※)

権利関係について意識の低い中小企業で、理解されていないコンテンツの代表選手。タイトルにもあるように、とにかく「必須」だ。
とくに個人情報に関する規定(プライバシーポリシー)。2003年に施行された個人情報保護法で、5,000人以上の個人情報を保有する者は個人情報取扱者とみなされ、個人情報の取得にあたっての目的と利用方法を個人情報を提供しようとする本人に確認せよと命じている。
ということは、お問い合わせフォームを通じて個人情報を得る際には、必ず目的と利用方法を明示し、同意を得なければならないのである。

※存在しないURLにアクセスがあった際に表示するページのこと。URLが間違っていた場合や、ページがなくなった場合にNotFoundページを表示すれば、どこのWEBサイトであるか分かったり、リンクを伝ったり検索することでWEBサイトから離脱せず目的のページへ誘導できる可能性が高まる。

WEBコンテンツ企画について、もう少し詳しく
WEB制作実績

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平田 弘幸
株式会社フレイバーズ代表取締役。セールスライティング担当。好きな言葉は、「一生懸命が得意」

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執筆:平田 弘幸

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