コーポレートサイトで必要な、ニュース(お知らせ、新着情報)などのリリース情報。
製造企業が新製品をリリースする際には、詳細内容に商品写真を多用したり、表組みを用いてスペックを掲示するなど、テキストのみに限らないケースが発生する。WordPressであればHTMLを記述できるので、対応は可能だ。
しかし、このような基本仕様では対応できない場合や、クライアント側のみで運用するなど、HTMLによる入力が困難な場合は、ニュースの掲載パターンをあらかじめ精査し、入力項目の追加とテーマファイルの改造で、柔軟に対応できる。
この記事では、ニュースにWordPressを活用する際に、おおよそコーポレートサイトで必要となる基本的な仕様と実現方法を紹介しよう。
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筆者おすすめ、とっつきやすい WordPress 参考書(2)
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筆者おすすめ、とっつきやすい WordPress 参考書(3)
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ニュースの基本構成と基本入力項目
当社がニュースにWordPressを組み入れる場合の、基本構成(基本仕様)を以下に示しておく。よほど特殊なケースを除いて、以下の基本仕様でほぼすべての案件のニュースを実現している。
基本仕様の表示項目を以下に示す。
項目 | 内容 |
---|---|
更新日(掲載日) |
ニュースのリリース日 WordPressの公開日時を利用 |
タイトル |
ニュース一覧やトピックス詳細のタイトル WordPressのタイトルを利用 |
本文 |
ニュース詳細の内容 WordPressの記事本文を利用 |
リンクURL | タイトルをクリックされた場合、ニュース一覧から詳細を表示することなく、入力されたURLの直接リンク先を表示 Advanced Custom Fieldsプラグインを利用 |
PDFファイル |
タイトルをクリックされた場合、PDFファイルへリンクする PDFファイルのアップロード機能を含む Advanced Custom Fieldsプラグインを利用 |
別ウィンドウ表示 |
上記URLもしくはPDFが入力されている場合、ブラウザの別ウィンドウ(タブ)で表示するかどうかの設定 Advanced Custom Fieldsプラグインを利用 |
※リンクURLが入力されている場合は、本文よりも優先する。
※PDFファイルが指定(アップロード)されている場合は、リンクURLよりも優先する。
ニュースの入力画面
ニュースの入力画面は以下の通り。
サイトTOPページへの新着を10件表示する方法
HOMEで最新のニュース数件を表示したり、常にサイドバーに表示したり、あるセクションのトップにそのカテゴリーに関連するものだけを抽出して表示したりすることがある。
この場合には、前記事「WordPressの記事を、一定期間で非公開にする方法」で紹介した独自ツールを制作し、SSIで静的HTMLに組み込む方法で対応している。
以下にソースの一例を挙げておく。
<?php require('./topics/wp-load.php'); require('./topics/wp-config.php'); ?> <?php $post_all = array( 'post_type' => 'post', 'numberposts' => 5, ); $get_posts = get_posts($post_all); ?> <?php if(!empty($get_posts)):?> <dl> <?php foreach($get_posts as $get_post):?> <?php $post_id = $get_post->ID; $get_post_time = get_the_time('n月j日',$post_id); $post_cat = get_the_category($post_id); $topics_url = get_field('topics_url',$post_id); $topics_window = get_field('topics_window',$post_id); $topics_pdf = get_field('topics_pdf',$post_id); ?> <dt><?php echo $get_post_time;?></dt> <?php if (!empty($topics_pdf)):?> <?php if($topics_window == "はい"):?> <dd><a href="<?php echo $topics_pdf;?>" class="arw-pdf" target="_blank"><?php echo $get_post->post_title;?></a></dd> <?php else:?> <dd><a href="<?php echo $topics_pdf;?>" class="arw-pdf" ><?php echo $get_post->post_title;?></a></dd> <?php endif;?> <?php elseif(!empty($topics_url)):?> <?php if($topics_window == "はい"):?> <dd><a href="<?php echo $topics_url;?>" target="_blank"><?php echo $get_post->post_title;?></a></dd> <?php else:?> <dd><a href="<?php echo $topics_url;?>"><?php echo $get_post->post_title;?></a></dd> <?php endif;?> <?php else:?> <dd><a href="/topics/?p=<?php echo $post_id;?>"><?php echo $get_post->post_title;?></a></dd> <?php endif;?> <?php endforeach;?> </dl> <?php endif;?>
カテゴライズとタブ化
製造企業の場合、広報系の情報(IRや人事異動など)と製造部門(開発部門)発信の新製品や仕様変更などに関する情報、サポート部門のリコール情報や製造中止に関する情報などが混在するため、ニュースのカテゴライズ(分類)が、追加要件としてよく発生する(タブなどで分類、内容を切り替えて表現するなど)。
その場合は、WordPress標準の「カテゴリー」を利用してニュースを分類、表示処理でカテゴリーを加味して処理する。
ニュースのカテゴリーとタブ化の例を以下に示す。
後付け可能なニュースのWordPress化
既存のWEBサイトが静的なHTMLで構成されていても、ニュースのみWordPressによるCMS化が可能だ。ただし、サーバー環境がWordPressの稼働条件を満たしている必要はある。
従って、次のサイトリニューアルを待たなくても、ニュースだけCMS化で一歩先を行くことができるのだ。
ニュースとWordPressの相性
そもそも、WordPressはブログのためのエンジンであり、日々更新される記事を時系列に蓄積し、表示することを目的としている。
WordPressとニュースの相性は非常に良い。
WordPressが標準で備えている「タイトル」「本文」「カテゴリー」「公開日」だけでも最低限のニュース機能を実現することは可能だが、やはりこの記事で紹介したように、各企業が培ってきた方法に則した情報の公開をサポートするべきだ。
より良いカスタマイズによって、運用を円滑にし、ムダを排除できるようになる。まず足下にある情報の発信方法、他社の方法を研究することで効果的な運用方法から検討を始めてはいかがだろうか。